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「LONGMANはじまるよっツアー」堂々開幕! 大団円の初ワンマン!

LONGMAN | 2021.01.19

 久々のライブツアーであり、バンドの合言葉をツアータイトルに冠した「LONGMANはじまるよっツアー」が開幕。このツアーはそもそも、2021年1月にLONGMANの故郷である愛媛を含めた四国4県で各日2公演の計8公演がスケジュールされていたが、それに先駆けて12月29日に東京での2公演が行われることになった。2020年の上半期には、メジャーデビューフルアルバム『Just A Boy』を携えたツアーの多くの公演が残念ながら中止(ファイナルの愛媛公演も)を余儀なくされたけれども、今回のツアーでは晴れて故郷への凱旋を果たしてくれることを願うばかりだ。それでは以下、東京・TSUTAYA O-Crestで行われた初ワンマン2公演のうち、2部(17時開演)の模様を振り返ってみたい。

 賑々しい登場SEが鳴り響く中、来場したオーディエンスたちには大きな発声の自粛が求められてはいるけれど、楽しげにハンドクラップを打ち鳴らしてLONGMANの3人を出迎える。さわ(Vo/Ba)、ひらい(Gt/Vo)、そしてほりほり(Dr/Cho)が位置につき、いきなり野太いバンドグルーヴのイントロを奏でて「LONGMAN!!」「はじまるよーっ!!」と恒例の挨拶を投げかける。さわとひらいのボーカルがユニゾンし、或いはスイッチングしながら、「Will」の前のめりな爆音を掻い潜って届けられるのだった。渾身のファストビートを打ち鳴らすほりほりも、熱いOIコールで追い込みをかける。

 『Just A Boy』から届けられた「Take Your Time」。記憶と感情の彩りにタッチするようなその曲調は、パンキッシュな響きの中でもすこぶるカラフルで鮮やかだ。豊かな歌心を追いかけるように、ひらいの雄弁なギターソロも繰り出された。ここであらためて挨拶し、オーディエンスを歓迎するひらいは、「みんなマスクしてるけど、たぶん朗らかやから、嬉しい」と告げる。一方のさわも、久々の有観客ライブに「えっとー……しあわせ」と照れ臭そうに言葉を漏らすのだが、次の瞬間には「行けますかーっ!? 踊れますかーっ!?」と威勢よく煽り立ててダンサブルな「Hole up」へと持ち込む。声でコール&レスポンスすることが出来ない代わりとばかりに、彼女が音頭を取って一斉に手を打ち鳴らすさまが楽しい。

 誰もが孤独じゃない、というメッセージを英語詞で投げかける「Mind Of Past」は、エモーショナルな曲調が燃え盛る、迫力のパフォーマンスになった。間髪入れずにクラップを巻き起こして飛び込む「I KNOW」のハーモニーといい、LONGMANのパフォーマンスは表現のスケール感をメキメキと向上させていることがわかる。たった3人で生み出すバンドサウンドであることに変わりはないのだが、ほりほりの描くビートにしても、ただ音の力強さや鋭さに訴えるばかりではない、豊かな情緒表現が込められているのである。

 東京での久々のライブ、しかもとっておきの初ワンマンについて語るひらいは、オーディエンスにワンマン公演と対バン、或いはその両方のどれが好きか、という質問を投げかけて挙手を募るなど、言葉を交わすことなく親密な対話の空間を作り上げてゆく。そして「Wish on」の切なくもダイナミックな響きは、音楽にこそ物を言わせて濃密なライブ体験をもたらそうとする、そんな3人の意気込みを窺わせていた。ひらいのソングライターとしての資質に、さわのじわりと胸に迫るリードボーカルが映える珠玉のナンバー「Replay」はどうだ。引き攣るような心模様を音像化するギターのエンディングに至るまで、どこを取っても素晴らしい名演であった。

 「Just A Boy」のハーモニーによる歌い出しを経て、ひらいは「絶望的な人にこそ、音楽やライブが必要だと思って、やっています」といった言葉を挟み込む。刻一刻と変化する状況を踏まえ、ライブの開催を決断することは、一体どれだけの勇気を必要とするだろう。このときのひらいの言葉には、LONGMANとして活動することの覚悟の大きさが宿されていたと思う。<HEY! HO!>という高らかなコーラスに導かれるように、フロアの宙空には無数の拳が突き上げられていた。そしてライブ本編を締め括るのは、チャーミングな歌メロで笑顔のハンドウェーブを巻き起こす「FEEL GOOD」である。

 手拍子のアンコールに応えて再登場すると、さわは自身のステージ衣装が、グッズで好評を博しているアクリルスタンドの彼女自身と同じであることを告げて喝采を誘う。さらに、LONGMANの公式Twitter上で連載中の漫画「紆余曲折!LONGMAN物語」において、さわの画力がメキメキと向上していることにひらいは賞賛を惜しまない。ここではなんと、カバーシリーズの動画も公開されていたNiziU「Make you happy」をライブ披露。パンキッシュなアレンジが見事に嵌って最高だ。さらにもう1曲でフロア一面を思い切りバウンスさせると、ひらいが笑顔で「最後の光景は忘れません! ありがとう!!」と告げて大団円。勢いと濃いエモーションが詰まった、堂々のワンマンであった。1月の四国各公演に参加予定の方は、ぜひ万難を排して臨み、今のLONGMANを楽しみ尽くして欲しい。

【取材・文:小池宏和】
【撮影:浜野カズシ】

tag一覧 LONGMAN J-POP ライブ

リリース情報

Just A Boy

Just A Boy

2020年02月05日

SMAR

01.Opening
02.Nothing On My Back
03.Mind Of Past
04.Memory
05.Replay
06.Take Your Time
07.Wish on
08.She Is Coming
09.No End
10.One Day
11.Just A Boy

お知らせ

■ライブ情報

LONGMANはじまるよっツアー
※終了した公演は割愛
01/24(日)愛媛 松山 WstudioRED
01/30(土)徳島 徳島 club GRINDHOUSE
01/31(日)高知 高知 X-pt.

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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