HOME MADE家族のニューシングル「FREEDOM」は、これまでの彼らには見られなかった、ストイックで攻め攻めな面が徹頭徹尾前面に表れたナンバー。ディスト―ションの効いたギター音がガシガシなロックと、きらびやかなエレクトロとの融合が印象的なトラックの上、闘い続け、求め続けることの重要さを改めて気づかさせてくれる、今の時世だからこそ、多くの人の胸に響き、聴く者を鼓舞する楽曲だ。
　現在、テレビ東京系アニメ『NARUTO-ナルト- 疾風伝』の新エンディングテーマとしても既に流れており、評判も高い同曲を中心に、MCのMICROとKURO、DJのU-ICHIの3人に、熱く濃く語ってもらった。

EMTG : 今回の「FREEDOM」は、かなり攻め攻めなナンバーですね。

MICRO : この前のミニアルバム(『seven emotions』)からガラッと変わったでしょ(笑)?　元々は、その『seven emotions』に対して、『seven motions』というタイトルの、いわゆる動きのあるアッパーな曲ばかりを集めた作品を作ろうとしていたんです。結局、それは実現しなかったんですが、"アッパーで、これまでの自分たちになかった楽曲を作りたい"との想いは残っていて。そんな中作ってみたのがこの「FREEDOM」だったんです。

EMTG :ディスト―ションギターがガシガシな、ロックとエレクトロとの融合が印象的な楽曲で。

MICRO : まさにポイントはそこで。グループとしてもサウンドにしても、常に成長したい気持ちは持ち続けてますからね。その辺りは上手く出せたかな。

EMTG : 今回は、『NARUTO-ナルト- 疾風伝』のエンディングテーマということもあり、＜夢に向かって＞や＜今、掴んどかなくちゃ誰かの手に渡っちゃうぜ＞がテーマの根底にはありそうですが。

KURO :「FREEDOM」は文字通り、＜自由＞について歌ってます。だけど、ただ＜自由＞といってもテーマも大きく、かなり漠然としてるじゃないですか。そんな中、”自由を完全に勝ち取ることは無理かもしれないけど、闘い続けることで自由を感じる瞬間はあるだろうな”と。その闘い続けたり、求め続けること自体が大事なことだと思い、それを歌にしてみたんです。
それがリリックの中にある「Fight For Your FREEDOM」で。ただ単に＜頑張ろう＞的なメッセージだけではなく、それを通し、＜闘い続け、求め続けることの重要さ＞をメッセージとして投げつけてみたんです。

EMTG : かなりの直球を投げつけられましたよ(笑)。今の時代、「Fight」って＜頑張れ!!＞というイメージに捉えられがちですが、実際は、＜闘い!!＞という意味ですもんね。

KURO : そうなんです!! ＜闘い!!＞って言葉自体、今だと、どこか使っちゃいけない風潮があるじゃないですか。もちろん他人を傷つける闘いはダメですが、この歌の場合は、どちらかと言うと＜自身と闘え＞という意味ですからね。闘うことで生まれる、”生きている!!”って実感や解放感、喜びって絶対にあると思うし。面と向かったり、闘うことは全然悪いことじゃないと、あえて声を大にして歌いたかったんです。

EMTG : サウンドにしても、それに乗じて聴き手を煽り、後押ししていますね。

U-ICHI :この曲は＜僕らなりのロックの形＞を提示してみたんです。今までもロック的なギターがトラックに加わることもあったけど、今回はギターをメインにシンプルにしました。あと、今回はあえてクラブミュージックやダンスミュージックっぽくしたくないというのはあったかな。

EMTG : とは言え、サビの上昇感や解放感は、ダンサブルさを充分持っていて。全体的に実にみなさんらしい楽曲の印象を持ちました。

U-ICHI : 今思うと、全体的にちょっとこのBPMは速かったかなと(笑)。今までの自分たちの最速なんじゃないかな(笑)。が故のスピード感が出たところもあって。いわゆる疾走感や前のめり感が上手く出せて、リリックと非常に合っていると自分でも思います。

EMTG : まさにこの「FREEDOM」は、＜自由のために闘え＞＜自分を縛りつけている見えない鎖を立ち切れ＞、そして、＜夢に向かえ!＞と、大きく分けて3つの要素から成り立っているのがポイントかなと。

MICRO : いやー、理解してもらえて嬉しいですね。偏っていたくないけど、かといって広すぎても伝わらない。なので、凄く大事にして、伝えたかったのは、まさにそこで。この曲は、さっきKUROが言っていたFREEDOM的な要素もそうですが、フックの部分で歌っている「Reach Out For Liberty」。いわゆる＜掴もうとする行為や気持ちの大切さ＞を歌いたかったんです。
今の子供たちって、こんなご時世もあって、安定を求めがちじゃないですか。本当はきっと、もっと冒険心もあるしやってみたいこともあるけど、こういった時代、それらは抑えなくちゃいけないと思っちゃってる。もちろん現実を見ることは大事なんですが、やはり夢を見て、その夢を現実に変えようとする力や想い、バイタリティやモチベーションは大切だろうし。出来れば、この曲を聴いて、もう一度その辺りを呼び起こして欲しいんです。

EMTG : では、いわゆるMOTIONもだけど、MOVEへの啓蒙もこの曲には含まれていると。

KURO : ですね。「＜やろう!＞と思っているのと、＜やる!＞の間には大きな河が流れている」って言葉があるけど、あと1cmで夢を掴めるかもしれないのに、そのワンモーションを諦めちゃうこともあるじゃないですか。それはもったいないし、安定しているところにいるよりも、ちょっと危ういところにいた方が、逆にエネルギーが湧いてくる場合もありますからね。
＜自由＞って、平和で優しい中にあると思われがちだけど、実はいばらの中にあって、その中の解放感が自由や夢だったりするのかもしれない。＜自由＞や＜夢＞は、やはり努力で掴み取るものだと思うし。それを踏まえて、このリリックを書いたんです。

EMTG : トラックにしても、その＜自由を得た＞という雰囲気を、解放感や上昇感として、サビの部分で上手く表わせてますね。

U-ICHI :その辺りは自分でも上手くいったなと。ライブでもかなり盛り上がりそうなので、今からプレイが楽しみです。

EMTG : カップリングの「NO RAIN NO RAINBOW」のリミックスは、オリジナルに新たなる＜最新のHOME MADE家族感＞が注入された印象を持ちました。

U-ICHI :”オリジナルより面白いじゃん!!”と思ってもらえたり、クラブとかでDJとしてかけやすく、盛り上がりやすいように意識はしたかな。オリジナルはストリングスも入っていて、A~B~サビって構成で、それぞれのリズムパターンも変えていたんですが、今回は4つ打ちであえてまとめてみました。あと、オリジナルは雨っぽいイメージがあったので、今回は虹っぽいアプローチにしてみたし。

MICRO : 元のドラマティックな曲から、今回はカッコ良く、且つ凄いところにいったなと。上手く前作のイメージを壊しつつ、今の時代性も取り込めてるし。期せず今の時期だからこそ、より響く歌になりましたね。あの頃から、「いつか雨はあがるし、虹は現れるから元気を出して頑張ろうぜ!」「きっと今、自分たちは試されているんだ!」と歌われていた箇所も、今だとまた違った意味や、復興へのバイタリティとして響きますからね。

KURO :この歌を信じて、復興に向けて、一丸となって進んできたいなと。そう考えると、今回の2曲はそれぞれ前に進むための大事なメッセージを有している共通項はあるかな。

MICRO : ホント、それぞれ今の時代だからこそ、響いたり、感じてくれる曲が揃ったなと思います。

【取材・文　池田スカオ和宏】