熱い思いが詰まったHoney L Daysの応援歌三部作の最終章!シングル「がんばれ」で届けたいこと
Honey L Days | 2011.06.06
まさに今の日本を応援しているかのようなタイトルのシングル「がんばれ」を6月3日にリリースしたHoney L Days。実はかなり前に作られた曲だというが、彼らの曲は「まなざし」や「Believe」に代表されるように、嫌味無く聴き手の背中を押してくれる曲が多い。今、このタイミングでのリリースについて、そしてまた、カップリング曲の制作秘話など、彼らならではのエピソードを語ってもらった。
- EMTG:ニューシングルのタイトルが、ズバリ「がんばれ」なんですが、はからずも今の世相とマッチしている気がしますね。
- KYOHEI:シングル「まなざし」のリリース以降、“歌で勇気をもらった”とか“仕事をがんばれた”とか“部活で優勝できました”みたいな声がたくさん届いて。そんな中で、自分達としても応援歌を歌っていきたいっていう気持ちが出てきて、応援歌三部作を立ち上げたんです。「まなざし」「Believe」ときて、今回の「がんばれ」が、最終章になるんですよね。実は、曲を作ったのは今から1年近く前になるんです。
- EMTG:そうだったんだ。
- KYOHEI:「まなざし」と「Believe」はストレートに“がんばれ”っていう言葉は使わずに、辛い現実を乗り越えてようってメッセージを届けるスタンスだったんですね。やっぱり“がんばれ”っていう言葉自体、あまり好きじゃない人もいるし、それを歌にするのは、ひとつの挑戦でもあったんで。でも、仕上がってみると、「がんばれ」の中にある優しい気持ちみたいなものが、ちゃんと歌で表現できたかなって思います。
- MITSUAKI:会話の中での「がんばれ」って、受け取る側も言う側もすぐ口にするものじゃないですか。それだけに、ストレートなタイトルで僕らが応援歌として伝える最終章にはふさわしくなったなと。実際にこうしてメロディーに乗せてみたら、案外スッと“がんばれ”って言葉が耳に入ってきたんですよね。一方通行の楽曲じゃないってことは、僕自身も歌ってて感じました。だからこそ、聴いている皆さんの背中を自然に押せる歌になったんじゃないかと思います。
- EMTG:確かに“がんばれ”ってデリケートな言葉ですからね。しかも、「がんばれ」を作った時の気持ちと、ここ最近では、曲の受け止め方が違ったりしませんか?
- KYOHEI:そうですね。曲を作った当時、一番届いて欲しいなと思っていたのが、実は受験シーズンの中高生だったんですよ。もちろん、メッセージとしてそこに限定したわけじゃないんですが、実は“がんばれ”って、すごく優しい言葉だと思っていて。夜中、ひとりで勉強してる時って、応援してもらいたいじゃないですか(笑)。そういう部分をこの曲が担えたらいいなと思って作ったんです。
- EMTG:どんな状況においても「がんばれ」って言われるとはげみになりますけど、今はどうしても東日本大震災のことと重なってしまいますもんね。
- KYOHEI:その震災があって……。最近、ようやく自分達の力で街を持ち上げていかないといけないっていうムードになってきたと思うんです。そんな今だからこそ、みんながひとつの目標に向かっていける後押しができたらいいなって。
- MITSUAKI:もともと、人に勇気や元気を与えたいから活動してきた部分があったんです。それが、あの震災のあと、僕らだけじゃなく、いろんなアーティストの皆さんが「自分は何ができるんだろう」って考えましたよね。僕達もアーティストとして、歌を作りながらみんなに勇気を与えていく使命があるんだなって強く感じたし、長い時間をかけても、いろんな場所に届けないといけないと思いました。
- EMTG:あと、カップリングの「キセキ」も背中を押される1曲だと思ったんですよ。脇菜々香さん(96年生まれ。CUTE×BEAT少女歌劇団のメンバー)の歌う「ホントの自分」(DVD付きバージョンのカップリングに収録)のアンサーソングということですが、アンサーソングというよりも、この2曲は兄弟みたいな印象を受けましたが。
- KYOHEI:ああ、それはすごく嬉しい感想ですね。この「ホントの自分」って、一度自分の気持ちを中学2年生くらいに戻して――。
- EMTG:戻れたんですか?(笑)。
- KYOHEI:だいぶ時間はかかりましたけど(笑)。菜々香ちゃんのブログを見て参考にしたり。で、そこで思ったのは、今でも僕らが感じるような悩みとか将来についての不安を彼女の世代も感じてるんだなってことだったんです。アンサーソングっていうと、問いかけに対する答えみたいに思われがちですけど、これはそういうことじゃなくて。世代が違うんで、もののとらえ方は違っているけど、ずっと人は同じようなことで悩み続けるわけですよね。でも、同じように乗り越えていくんだっていうメッセージになってるんです。
- EMTG:一方で、CDのみのバージョンに収録されているカップリング「低温ロマンチスト」は、いわゆるリアルな男の情けなさが描かれてますね(笑)。大いに共感します(笑)。
- KYOHEI:どうしても恋愛ソングになると、情けなくなっちゃうんですよ(苦笑)。
- MITSUAKI:感情移入しますね、この曲は。歌詞は情けないけど、ダンスチューンに乗せるとテンションも上がるし(笑)。そんな情けなさは忘れて、次の恋愛に挑んでいこうぜ!って叫びながら歌いたいです(笑)。
- EMTG:そこはポジティブですね。
- MITSUAKI:結局はそこに持って行かないといけないと思います!(笑)。
- KYOHEI:僕、ここでも歌詞は普遍的なことを歌っているつもりなんですけどね(苦笑)。なんで毎回、繰り返しちゃうのかなって。恋愛で勘違いして、期待して裏切られたりとか――。何で繰り返してしまうのかっていう答えがききたくなる歌です(笑)。
- EMTG:一生のテーマじゃないですか?(笑)。応援歌だけでなく、こういう等身大の楽曲も入っているのはHoney L Daysらしいですね。
- MITSUAKI:マジメな一面だけじゃないよっていう(笑)。こういう部分もぜひ聴いて欲しいです。
【取材・文:海江敦士】