ニューシングル「Comic Sonic」についてthe pillowsのVo&G、山中さわおに直撃!
the pillows | 2011.06.09
最新アルバムを引っさげたツアー“HORN AGAIN TOUR”が、振替公演を残しひとまず終了したばかりのthe pillowsが、早くもニューシングル「Comic Sonic」をリリースする。自分らしさに敏感にこだわるティーンエイジャーの気持ちを、3分ちょいですっきり歌い切る潔いポップチューンだ。ただし、ポップな中にもくっきり刻まれた“the pillows”印が聴きモノ。それはイントロの、ゆらゆら揺れる不思議なギター・リフだ。ティーンのもやもやする心を象徴するように、微妙な音程をたどるリフは、独特の美意識を持つこのバンドならではのもの。最近のJ-ROCKは妙に形の整ったものが多いが、リスナーの耳に引っかかるギター・リフにこそロックの命が宿るのだ。それを知り抜いたthe pillowsが付けた印を、ロック初心者の君に楽しんでほしいと思う。
一方、カップリングの「Good Bye Present」は、素直に泣けるメロディに乗せて、これまたティーンの切ない気持ちを描いたラブソングだ。
このフレッシュな新作について、ギター&ボーカルの山中さわおにきいてみた。
- EMTG:「Comic Sonic」は、ヘンなギター・リフから始まるね(笑)。
- 山中:ヘンでしょ(笑)。取材を受けていて、みんな、「ポップだ、ポップだ」って言うんだけど、自分としてはちョット変わってると思うんだけど。
- EMTG:でも、すごくthe pillowsらしい。高校生が主人公のアニメ『SKET DANCE』のエンディング・テーマになってる。
- 山中:『SKET DANCE』との出会いは、2年前。マンガの中でthe pillowsの「Funny Bunny」っていう曲の歌詞が出てるって聞いて、すぐ少年ジャンプをコンビニで買ってきて読んだんですよ。主人公のバンドが学園祭でthe pillowsのカバーをやる。そのときは僕ら、ツアー中だったんで、思わずライブで朗読しちゃいましたもん(笑)。で、今回、こういう話になって。
- EMTG:どういう曲を作ろうと思ったんですか?
- 山中:まず歌詞は、原作のマンガのディテールをそのまま使うのは僕らしくないと思ったんで、17才の頃の自分を真剣に思い出して書きました。それと音は、たぶんこのアニメを見るのは中高生だから、もしかしたら彼らはまだロックを好きになっていないかもしれない。そういう人たちが、まだ耳にしていない音を鳴らしてあげたいと思ったんです。
- EMTG:それでああいうイントロのリフが出てきたんだ。
- 山中:そうですね。かっこいいのか、かっこ悪いのかわからないような(笑)。で、サビはキャッチーで派手にしようと。それが『SKET DANCE』に合ってるかなと思って。だからPVもギター持ったまま、プールに飛び込んで(笑)。それこそ、平山さんに初めて会った頃の僕、みたいな。確か高2のときでしたもんね。
- EMTG:そうだね、札幌市民会館だった(笑)。で、「Comic Sonic」はその年齢の人たちにピッタリの曲になった。
- 山中:でも、曲を頼まれたとき、ディレクターが「主題歌です」っていうから、オープニングだと思ってイントロを派手なドラムから始めたんですけど、「えっ?! エンディングなんですか?」って(笑)。
- EMTG:あはは、想定が違った(笑)。
- 山中:サウンドは今。歌の主人公は今の僕じゃなくて、当時の僕になり切って書きました。
- EMTG:その頃の自分って、思い出せる?
- 山中:メンバーに聴かせようと思って、「Comic Sonic」のデモを作ってるとき、自分でも驚くほど熱い気持ちになったんですよ。それって、この前もライブのMCで話したんですけど、まだ北海道の銭函(ぜにばこ)っていう小さな町にいて、THE BLUE HEARTSのインディのアナログ盤で「人にやさしく」を聴いて、いても立ってもいられなかった気分を思い出す感じなんですよ。しかも、ヒロトさんはパンクなのに坊主って、どういうこと?っていう(笑)
- EMTG:あはははは。一方で、カップリングの「Good Bye Present」は、切ないラブソングだね。
- 山中:「Comic Sonic」に合わせて作りました。最初、カップリングに長ったらしい曲を用意してたんですけど、どうも自分らしくない。で、明日までに書いてくるからっていって、一晩で書いたのがよかったのかもしれない。ライブで初めて聴いても、一回で分かるように作詞した別れの曲なんで、タイトルをどうしようかって考えて、“餞別”っていう言葉を翻訳サイトで検索したら“Good Bye Present”って出てきたから、それにしました。
- EMTG:そうなんだ。シンプルでいいねえ(笑)。
- 山中:ここ2年くらいラジオでレギュラー番組をやってるんですけど、よく中高生から手紙やメールをもらう。その中には恋愛のことも書いてあって、読んでみると、すごくピュアな部分があったかと思うと、意外に大人な部分があったりする。そんなことをキッカケにして、思い出したことをこの歌詞にしてます。
- EMTG:2曲とも、面白い作り方だったんだね。
- 山中:たぶん、これから僕は歌詞の部分で難しい時期に入っていくと思うんです。確かに40才になって、その自覚もあるんだけど、正直、40才の生々しい生活感を歌うのは好きじゃない。実際の年齢と、歌の世界観の矛盾をどう解消するかを考えていかないと。だからこのタイミングで「Comic Sonic」と「Good Bye Present」がやれて、よかったなと思います。
- EMTG:ありがとうございました。
【取材・文 平山雄一】
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the pillowsが25周年を記念したツアーを名古屋よりスタートさせた。第2期の楽曲を中心にしたセットリストで20年前のホールコンサートの雰囲気に。
ビデオコメント
INFORMATION
SAWAO VS. YOUNGSTER
(山中さわおソロツアー)
◆2011年6月16日(木)
【大阪】CLUB QUATTRO
With:カミナリグモ/LOVE LOVE LOVE/シュリスペイロフ
[問]夢番地 大阪
06-6341-3525
◆2011年6月18日(土)
【福岡】DRUM SON
With:カミナリグモ/LOVE LOVE LOVE
[問]キョードー西日本
092-714-0159
◆2011年6月19日(日)
【広島】NAMIKI JUNCTION
With:カミナリグモ/LOVE LOVE LOVE
[問]夢番地 広島
082-249-3571
◆2011年6月21日(火)
【名古屋】CLUB QUATTRO
With:カミナリグモ/シュリスペイロフ
[問]ジェイルハウス
052-936-6041
◆2011年6月24日(金)
【札幌】cube garden
With:カミナリグモ/シュリスペイロフ
[問]ウエス
011-614-9999
◆2011年6月30日(木)
【渋谷】CLUB QUATTRO
With:カミナリグモ/LOVE LOVE LOVE/シュリスペイロフ
[問]ディスクガレージ
03-5436-9600
※詳しくはホームページをご覧ください。