【小野リサ連載コラム】第五回「音楽とポルトガル」

小野リサ | 2012.02.06

第五回「音楽とポルトガル」
皆さま、こんにちは。小野リサです。
昨年はアジアツアーを行ったので、中国各地に行きました。今年は、1月上旬から久しぶりにヨーロッパに出かけました。NHK BSプレミアム「旅のチカラ」の収録のために、初めてゆっくりとポルトガルを訪ねました。
民族音楽であるファドに夜遅くまで浸りました。ファドの先生、ファド酒場のお客さん、バスの中の陽気なおばさん、街角でお魚を焼くおじさん、出会う人がどの方も心が温かく、幸せな気持ちになりました。
ファドのことを聞くと、歌ってくれたり、自分の身の上を語ってくれたり、音楽と人生は強く結ばれていると改めて気付かせてくれました。
今まで、世界の様々な音楽に出会ってきましたが、世界中にいろいろな音楽があって、それぞれが素晴らしいと思います。これからも、素敵な出会いをしたいと思います。
NHK BSプレミアム「旅のチカラ」は、2月28日(火)夜8時の放送予定です。是非、ご覧ください。
第四回「音楽とアメリカ」
アメリカは、音楽でも自由の国。アメリカの音楽のに触れて、表現の豊かさを感じました。例えば、ジャズの中で使われる即興は、その曲の同じハーモニーの中で、自分の想いを自由に表現することのように。
私はニューヨークでボサノヴァを演奏したことがあります。その頃、ニューヨークの友人のミュージシャン連れられて、高校生同士が学校別にビッグバンドで即興する大会に行きました。
鼻歌のように、自然に湧き出る若い高校生の即興の数々に驚かされました。彼らのバックをプロのミュージシャンたちがサポートしているのですが、彼らの即興性をより一層、引き立てて、楽しませていたのがとても印象的でした。
そんなアメリカの懐の深さが、世界の全てのシーンで発揮されていると感じます。またいつか、アメリカでコンサートができたらいいなと思っています。
第三回「音楽とリオ」
皆さま、こんにちは。小野リサです。 私は、ブラジルのサンパウロとリオデジャネイロで暮らしました。リオは、世界で一番、音楽的に豊かなところだと思っています。リズムも、メロディーも、そしてハーモニーも。
ギターはもちろん、太鼓など様々な楽器があって、フライパンでも楽器になってしまいます。パンデーロやタンボリンなどの叩き方も、とってもユニークです。
街中では、生の音楽が流れている感じがします。日曜日になると、カーニバルの各チームの練習曲が聴こえてきたり、意識しなくても音楽が身近にあります。
リオのカーニバルの会場では、床が動くほどに迫力があります。300人の打楽器隊が目の前を通った時の感動を皆さまにも是非、体感していただきたいです。
ブラジル音楽は、ハッピーな感じから、サウダージまで、音楽の感情の幅が広いなと思います。これからもブラジル音楽の楽しさを日本の方々に伝えていきたいと思います。
第二回「音楽とアジア」
皆さま、こんにちは。小野リサです。 今、中国や台湾など、アジアの各地を訪ねる「2011アジア縦断ツアー」の真っ最中です。8月からスタートして、大晦日は、北京でカウントダウンを行います。素敵な風景や人々に出会えます。アジアはとても魅力的です。
アジアにおける音楽は、国によって様々です。 中国は経済成長を遂げて、様々な音楽を楽しむようになり、または疲れている時、音楽に癒しを求めたりしているように思います。だから、初めてボサノヴァに出会って、新鮮に感じられたのではないでしょうか?
私が昨年、リリースしたアルバム「アジア」に収録されていますが、マレーシアの「ラサ・サヤン」、タイの「サイチョン」、韓国の「アリラン」など、どれも素朴で、心にすっと入ってきます。私は好きです。
アジアの音楽を日本で聴く機会は、あまり多くはありませんが、近い国々ですし、是非、いろいろな曲を聴いてみて下さい。 きっと気に入った曲が見つかると思います。
第1回「ボサノヴァとは&音楽と日本」
皆さま、こんにちは。小野リサです。 ボサノヴァとは、リラックスする音楽です。 1950年代後半、リオデジャネイロに住む学生たち、アントニオ・カルロス・ジョビンやロベルト・メネスカル、カルロス・リラなどの若者たちによって作られました。
アメリカの音楽や映画、フランスのヌーベルバーグに憧れ、クラシック音楽にも影響を受けてできあがったものなのです。サンバを母体としながらも、新しくて都会的で洗練された音楽だから、世界中に広がっていったのだと思います。

私はブラジルで生まれましたが、10歳で日本に帰ってきてからも、ブラジルが懐かしくて、ボサノヴァを歌い始めました。ボサノヴァは自分にとても合っていて、気持ちを表現できる術でした。

ボサノヴァは、激しくないけれど、粋で前向き。ブラジルでは、「ボサノヴァ禅」という言葉があるほどです。
10年ほど前から続いた私の音楽の旅の最終地点として、日本をテーマにしたアルバム「Japao(ジャポン)」を今日、リリースしました。 じっくりと日本や日本語と向き合って、日本人の謙虚さや真面目さの素晴らしさをあらためて感じることができました。

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ビデオコメント

ポルトガルの風景写真です。

リリース情報

Japao

Japao

2011年10月26日

Dreamusic

1. 黄昏のビギン
2. オリビアを聴きながら
3. 翼の折れた天使
4. 今は、このまま
5. 切手のないおくりもの
6. 遠くへ行きたい
7. いっそセレナーデ
8. あの日にかえりたい
9. 異邦人
10. コーヒー・ルンバ
11. My Angel, My Love
12. 見上げてごらん夜の星を

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