自身の新章を明示するHOME MADE 家族の新曲はミディアム・バラード

HOME MADE 家族 | 2012.01.30

2011年秋に発表した最新アルバム『AKATSUKI』に於いて、そのタイトル通り、自身の新しい夜明けを聴く者に明示した、HOME MADE 家族。そして、そのマジックアワーを経て、力強い旅立ち的新機軸を感じさせてくれるのが、今回のニューシングル「琥珀色に染まるこの街は」だ。
NAOTO(ORANGE RANGE,delofamilia)を共同プロデューサーに迎え制作されたタイトル曲は、これからの季節にぴったりの旅立ちや新しい出会いを、清濁合わせ持った思い出感と、未来への輝かしい希望を交え歌われたナンバー。
NAOTOとHOME MADE家族、この2者による異種交配が、これまでの彼らにはなかった、新しい側面を引き出している。そして、『AKATSUKI』という夜明けを経たが故の次へのステップを感じさせる1曲だ。M-2には、MICRO(MC)によるTHE BEATLES「Across the Universe」のカバーも収録。歌い上げ感たっぷりのダイナミズムを感じる1曲に仕上がっている。まさに彼らの新章を感じさせる作品である。

EMTG:今回のシングルは、まさに<HOME MADE 家族の新章開始!!>と掲げても過言じゃない1枚になりましたね。
MICRO:2曲共、今までやってきたタイプとは違いますからね。前作アルバムの『AKATSUKI』で自分たちの新しい夜明けを見せられたんで、新しいスタートを切るという意味でも、新しいこと、いつもとは違ったものを今回は提示したくて。それこそ、<夜明けを経た新しい旅立ち>を上手く表わしたかったんです。
EMTG:プレイボタンを押して、音と歌が飛び出してきた時点で驚きました(笑)。
MICRO:いきなり歌い上げてるし、ストリングスも飛び出しますからね(笑)。この「琥珀色に染まるこの街は」は、ORANGE RANGEのNAOTO君に共同プロデュースをしてもらったんです。
EMTG:その辺りも新機軸ですよね。
MICRO:そうなんです。今回は最初から、自分たち3人だけでなく、誰かのエッセンスも交えたものにしたくて。NAOTO君にそれをお願いしたことで、新しいエッセンスもふんだんに加えられたかなと。
EMTG:この2組のマッチングから想像していた音とは、また違った音楽性だったんで少々驚きました。
MICRO:意外だったでしょ(笑)? ちなみに、どのような音楽性を想像してました?
EMTG:もっとアッパーでノリの良い楽曲かなと。実際はミディアムでかなり歌い上げているナンバーになりましたね。
KURO:こんなにもデリケートな楽曲が上がってきたんで、僕らも意外でしたよ。人柄やキャラから、とてもああいったタイプの曲が出てくるとは思ってなかった (笑)。
MICRO:その辺りはこちらからのリクエストでもあって。「メロディがキチンと立っていて、ぐっとくるもの」を、と。
EMTG:実際に一緒に制作されていかがでした?
MICRO:器用な人だなって。彼なりにキチンと僕たちのことを消化した上で作ってくれたし。こういったタイプの曲は、僕たちからは決して生まれなかったでしょうからね。
U-ICHI:やっぱりトラックの構成や作り方がバンドマンらしいなって。作り方にしても、僕たちはリズムから作っていくことが多いんですが、彼は「ストリングスのメロディから作っていって、最後にドラムを入れた」と言ってたし。その辺りは僕の逆なんですよね。僕らに無い知識も色々と持ってたし。色々とうらやましいところの多い人でした (笑)。
KURO:中間の展開なんて、決してヒップホップ畑からでは浮かばない構成だし。おかげさまで、今までには無かったドラマティックさを表わすことが出来ました。
U-ICHI:シンプルながら軽快で、振り返りつつも、キチンと前を向いている感じが上手く出てる楽曲になりましたよね。
MICRO:まずNAOTO君の作ったベーシックなトラックに僕たちが声を乗せ、それをNAOTO君に返し、彼がそれを基にブラッシュアップしていく制作工程だったんですが、彼から戻ってきた楽曲を聴いて驚きましたね。”おおっ、こう来たか!?スゲエ!!”って。在った音が無くなってたり、無かった音が加えられていたりしてましたから。乗った僕たちのを聴いて、瞬時にその取捨選択が閃いたんでしょうね。
KURO:おかげさまで、新しいHOME MADE家族のスタイルが提示出来ました。今回はホント、歌とラップがメインで、その他は補佐的な役割で。それにより、更に言葉が伝わりやすくなってるし。ライヴでも既にやってるんですが、歌っててもかなり新鮮ですよ。
EMTG:今後ライヴでも、後半に大合唱が起こりそうなナンバーですもんね。
MICRO:確かに。ラストに向け、グワーッと壮大になっていくし、みんなで大合唱出来る曲ですからね。
KURO:後半のみんなで歌える箇所も、NAOTO君のアイデアだったんです。「みんなで口ずさめる箇所をこの辺りに入れましょうよ」って。
MICRO:おかげさまで今回は、素材としてどう調理されるか?も体験出来ましたからね。
KURO:構成もヒップホップにはあまりない入り込んだ形だったんで、そこにどう起承転結を付けてラップを乗せるか?はかなり考えました。まずは状況描写をして、その後心情描写を織り交ぜる流れが浮かんできて。そこから膨らませ、肉づけしていったんです。
EMTG:歌内容は、これからの時期にぴったりの、振り返りつつも、キチンと前を向いている、旅立ちや上京ソングですね。
MICRO:今回はKURO発信だったんです。元々旅立ちの歌にしたいとは思っていたんですけど、単純に"さぁ、ここから行くゾ!!"的な内容ではなく、誰しもが日頃から感じる部分を更に盛り込めたらなと。そんな中、KUROから、「”いいことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもなかったよね”ってモチーフはどう?」との意見が出て。実際、良いことばかりじゃないし、ポジティブな歌を作ろうとすると、どうしてもその辺りを除外しがちですが、実はそういった部分が含まれている方がよりプラス面も輝くだろうし。確かに悪いこともあったけど、幾つかの良いことや嬉しいことが救いになり、それを心の支えに生きてきた、その辺りも表わしてみました。
KURO:僕の場合、正義と悪のいわゆるグレーゾーンもキチンと表わしたかったんですよね。実際、みんな些細な良かったことを糧や支えに生きているところもあるだろうし。良いも悪いも抱えて生きて行く、その辺りに正面から向き合いたかったんです。旅立ちのほろ苦さ。不安と希望を抱えながら生きて行く、その心情を最終的にはキチンと陽の方に着地させることを意識して描きました。
EMTG:タイトルや歌詞中に現れる「琥珀色」って表現も秀逸ですね。
MICRO:ありがとうございます。桜色やスミレ色等、ここに落ち着くまでに、色々な色の候補が出ましたよ(笑)。だけど、どれもしっくり来ず。もっと、聞いた時に、”おっ!?”と引っかかり、それを基に色々と深く考えてくれる色がいいなって。この琥珀色って、たぶん聴く人それぞれが違った色を思い浮かべてくれる言葉だと思うんです。なので、是非みなさんそれぞれの琥珀色を思い浮かべながら聴いて欲しいですね。
U-ICHI:まっ、「琥珀」って漢字は難しくてなかなか書けないでしょうが(笑)。
EMTG:M-2の「Across the Universe」(THE BEATLESのカバー)は、MICROさんのソロ作品なんですね。この曲もかなりの新境地感が満載で。
MICRO:ありがとうございます。こちらは昨年早々に、「CMで色々なアーティストがTHE BEATLESの曲を歌う企画があるんだけど、参加しないか?」という話があって。光栄な話だし、もう嬉しくて二つ返事でOKしました(笑)。かなり高いハードルだろうけど、一つのチャレンジかなと。あと、Arrested Developmentの(ラッパーの)SPEECHも、この曲をカバーしていて。それが凄く好きで。あのような、歌でなくノリで攻めるカバーもありだなと。で、そのレコーディングの直前に、あの東日本大震災があったんです。
EMTG:それによる影響等は?
MICRO:正直、かなりの悩みや葛藤はありました。”こんな時期に音楽なんて必要ないんじゃないか?””歌なんて歌ってる場合じゃないんじゃないか?”等。だけど、気持ちを切り替えて、なるべく節電に務めながらも、精一杯歌うことが何かに繋がるんじゃないかと。歌も「Across the Universe」で、この未曾有の大災害の中で全世界がこの日本を助けたいと真剣になっている最中(さなか)だったし。”やはり今、自分がこの歌を歌わなくちゃ!!”と思い直し、歌い通しました。
EMTG:後半に向けてかなりワイドに広がっていく曲ですが、MICROさんもかなり歌い上げてますね。
MICRO:実は震災前の打ち合わせでは、もっとナード気味(内省的な感じ)で、歌も演奏もあそこまでブワーッとは広がる予定じゃなかったんです。だけど、時世も時世だったんで、あえて熱い気持ちを込め、それこそ、やりきってしまおうと、思うがままに歌ってみたんです。
EMTG:その話を聞くと、曲のテーマとその当時の状況や情勢の合致が浮かびます。
MICRO:”やれ!!”との神の啓示だったんでしょうね(笑)。いやー、歌っていても非常に心が込もったなぁ。

【取材・文 池田スカオ和宏】

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ビデオコメント

リリース情報

琥珀色に染まるこの街は(初回生産限定盤)

琥珀色に染まるこの街は(初回生産限定盤)

2012年01月25日

KRE

ディスク:1
1. 琥珀色に染まるこの街は
2. Across The Universe
ディスク:2
1. 家族 Fes.2011 ダイジェスト&はじめての台湾

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■マイ検索ワード

●MICRO
武道館

実は、昨日の1/11って、僕たちが3年前に武道館でライヴを演った日だったんです。なので、その時のことを思い出しながら、改めて武道館について調べました。「360度みんなで回りながらライヴを演ったのはHOME MADE 家族が唯一だ」と記載されていたのを見つけたのは、嬉しかったですね。あの時は正直、ファンのみんなに連れて行ってもらった感があったんで、次の武道館では逆に、新しく家族になった人たちも含め、自分たちがみなさんを連れて行きたいなと。”またみんなと一緒にあの地に立ちたい!!”、そんな思いを改めて強くしました。
●KURO
HOME MADE 家族

今、自分たちのヒストリー本を書いていることもあって、自身らの歴史の資料として、過去のブログやディスコグラフィー、出来事や事件を毎日コツコツ掘り起こして記録していってます。自分で自分たちのことを振り返ることも、これまであまりなかったんで、色々と改めての発見もありましたね。”変わってねぇな…”って部分や、”成長したな…”って面、”そういえば今、こういったことってしてねぇな…”等々、新たな自己発見も含め、振り返ってみても、”俺たち良い活動してきたな…”って改めて思いました(笑)。
●U-ICHI
クレジットカード

カードによって、年会費や特典やポイント等が千差万別じゃないですか。それらの比較をかなりしましたね。色々と調べていると、”ああ、今まで自分って、こういったことを知らなかったり、面倒くさがっていただけで、実践したらこんなにも得していたのか!?”と、かなり驚愕しました。まっ、こういったことは、調べるよりもSEAMOさんに聞いた方が早かったかもれませんけど (笑)。あの人は詳しいですよ、こういったことは(笑)。

■ライブ情報

HOME MADE 家族 AKATSUKI TOUR 2011-12 ~まだまだ家族の夜明けぜよ~
2012/02/18(土)京都 KYOTO MUSE
2012/02/19(日)福井 響のホール
2012/02/23(木)長崎 DRUM Be-7
2012/02/25(土)熊本 DRUM Be-9 V1
2012/02/26(日)鹿児島 CAPARVO HALL
2012/03/03(土)新潟 LOTS
2012/03/04(日)富山 club MAIRO
2012/03/10(土)高知 X-pt.
2012/03/11(日)高松 DIME
2012/03/16(金)青森 Quarter
2012/03/17(土)秋田 Club SWINDLE
2012/03/19(月)水戸 mito LIGHT HOUSE
2012/03/20(火)郡山 HIPSHOT JAPAN
2012/03/24(土)千葉 LOOK
2012/03/25(日)HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
2012/03/30(金)桜坂セントラル
2012/03/31(土)桜坂セントラル

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