ハルカトミユキ、3rd EPリリース特集!【第一回】

ハルカトミユキ | 2014.05.26

 デビュー当初から、音楽シーンにおいて独特の存在感を放ってきたハルカトミユキ。タイトなサウンドと鮮やかなメロディー、そして人間の混濁を思わせる歌詞とのコントラストに、虜になる人も多い。インディーズ時代のEPに続き“短歌タイトルシリーズ”となった最新作「そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。」を元に、ハルカトミユキの深淵、そしてまだあまり知られていない愛すべきキャラクターに迫るスペシャル企画!
 3回に分けてお届けする、第一回目は、3rd EPの全体像についてのインタビューをお届けします。


【第一回】作品の全体像について

 昨年11月にメジャー移籍第1弾となる1stフルアルバム『シアノタイプ』をリリースした、ハルカトミユキ。前作から約半年ぶりとなる新作「そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。」は、インディーズ時代に発表した“短歌タイトル”シリーズの第3弾で5曲入りのEPとなっている。世間の流行を批判的な視点で見つめ、ヒリヒリした苛立ちを音楽にぶつけてきた彼女たちは、メジャーというフィールドに移ったことでなにを感じたのか? 1stにして代表作と称されたアルバムを世に放った後の心情から振り返ってもらった。

EMTG:新作のお話をお伺いする前に、1stアルバム『シアノタイプ』が実際にリリースされたあとの心境からお伺いしたいと思います。
ハルカ:書き下ろしの曲も多かったので、その場で出来る限りのことを詰め込んで出したっていう感じがありましたね。だから、「次どうしよう」って考えるよりは、1回、燃焼した感があって。その時点では、次はまだぜんぜん見えてなかったです。
ミユキ:『シアノタイプ』がインディーズ時代よりもすごくバラエティに富んだ作品になったと思ってて。そこから先、じゃあ、ハルカトミユキがどこを目指すのかっていうのはすごく考えてて、ハルカと同じようにすぐには見えなかったんですけど、2月にワンマンツアーをやったときに、これまでとは違った聞きやすい音楽を間に挟むことで、ちょっとお客さんが和んだりするなっていう実感があって。
ハルカ:そうだね。いままでは、どちらかというとどんどん突き放していくライブが多かったんですよ。でも、今回はお客さんを信頼して、お立ち台を作ったり、ミユキが踊るセクションもあったりして。初の試みだったんですけど、突き放すところもあれば、盛り上げるところもあるっていうライブは、あのツアーが初めてだったので、すごく収穫になったし、これからにつながるなって思って。だから、実際にお客さんと直接対峙して、分かったことが多かったですね。伝わってるなって感じた部分もあるし、なにを求められてるかも考えられた。そこでやっと、じゃあ、次はどうしようっていうのを考え始められたと思います。
EMTG:なにを求めてられてるなって感じました?
ハルカ:これまでのように突き放してもいいと思うし、ちょっと歩み寄って、盛り上げてあげてもいいと思うし。あそこまでやっても、ハルカトミユキのライブらしい熱量のあげ方ができた。結局は、私とミユキが、嘘じゃなくやってることだったら、それでいいんだなって思って。逆にお客さんに媚びたり、ほかのバンドがやってるからってやるっていう姿勢の方が、絶対に醒めると思ったんですよね。ライブをしながら、うちらが我が道をいってるのを喜んでくれてる感じがしましたね。
ミユキ:自分が楽しんでやってたり、自分が踊りたいから踊ってたり、手拍子したいから手拍子してたりとか……。自分がやりたいからやってると、お客さんもちゃんと応えてくれるなって思って。それが、もしも、無理矢理盛り上げようしたら、きっと、びっくりはするだろうけど、なにもコミュニケーションにはならないと思ったんですよね。ワンマンで時間が長いから、いろんな要素を見せられるっていうのも大きかったんですけど、いろんな発見があって、楽しかったです。
EMTG:ツアーのファイナルでは「一緒に未来を描いていこう」と語ってました。どんな未来が見えました?
ハルカ:その時点ではまだ、次になにを歌おうっていう具体的なことはぜんぜんイメージできなくて。ツアーが終わってからも、すぐに閃いたわけではなかったんですよ。ただ、お客さんを裏切りたくないって思った。いまの私たちを好きだと言ってくれてる人たちはたぶん、私たちの感覚にすごく近いと思ってて。私が、「これなんか違うな?」って思ったら、同じように「違うな?」って思うくらい、すごく近い感覚をもっているような気がしていて。だから、結局は、「自分を信じればいいんだな」っていうことだと思ったんですよね。次にどういう歌を唄ったら、お客さんはどう思うかな、とか。もちろん、考えはするんですけど、それより自分がなにを歌いたいかっていう軸だけは絶対にブレちゃいけないって思って。そういう考えのもと、やっと曲を作り始めたっていう流れですね。
EMTG:5曲入りのEPを作ろうって決めてた?
ハルカ:シングルでもアルバムでもないっていうことくらいは決めてましたね。いままでに2枚のEPを出してるんですけど、1枚で1つの物語という印象が強くて。だから、1曲ずつが集まってできたフルアルバムを出したあとに、また3つめの物語を出すのはいいなと思って。そこから、作り始めた感じですね。
EMTG:書き下ろしの新曲として収録されている最初の3曲は、すべて“歌うこと”について歌ってますね。それは、アルバムとツアーを経て、改めて自分が音楽をやる意味を見つめ直したからなのかなって思ったんですが。
ハルカ:そうですね。全ては1曲目の「その日がきたら」に凝縮されてて。最初に書いたときとは歌詞が結構、変わってるんですけど、この曲が完成したときに、破壊、再生、覚悟や決意っていうテーマが出てきて。例えば、ライブでミユキが踊ったり、お客さんを盛り上げたりすることも、いままでのままだったらできなかった。そこにも1回、壊してやってみようっていう覚悟もあるし、さっきも言ったように、嘘をつかずに歌っていく決意も込められてて。
EMTG:楽曲の細かい解説は後にするとして、今作は全体的に歌声と、歌の言葉が、前に出ている印象を受けました。
ハルカ:アレンジも何回も変わってますね。「その日がきたら」も、もっとぐしゃぐしゃだったんですよ。結構、カオスだったんですけど、やっぱり歌が強くないと意味がないし、そぎ落とした方がいいと思って。今回のEPに関して、もともとのテーマとして、『シアノタイプ』のときよりも、荒削りにはなるけど、ふたりの生々しさが出るようにしたいっていうのがあって。きれいに作り込むというよりは、削ぎ落としていきたいっていうのがあったので、歌を前面に出してる。それは、全曲に共通してるテーマだと思います。
ミユキ:結構、ギリギリまで、ぐしゃっとなったままで。でも、それだと、言葉がぜんぜん伝わってこなかったんですよね。「その日がきたら」でいうと、最初はエレキだったんですけど、結局、アコギを入れたりして。やっぱり、シンプルな方がより伝わると思ったんです。これは、これからの課題にもなってくるんですけど、ハルカの歌があって、自分の音があった上で、うしろにドラムやベースとかの素材があるっていうことをもっと明確に出せるようにしたいなってあって。そのまず第一歩として、こういう形になりましたね。
EMTG:タイトルも短歌にはなってるけど、シンプルで伝わりやすいフレーズですよね。
ミユキ:そうですね。いままではもっと頭のいい感じだったというか(笑)。心の中は熱いけど醒めてるというか、すかしてる感じがあって。でも、今回は本当に心の底から熱いし、表現も熱い。それは、この5曲に合ってるなって思いました。
ハルカ:そうだね。これは、ほんとにぱっと思い付いたんですね。「その日がきたら」の歌詞が完成したときに、ほんとに、ほんとにいろんなことがどうでもよくなって(笑)。とにかく、私はこの歌をはやく歌いたいって思ったんですよ。
EMTG:“いろんなこと”というのは?
ハルカ:歌詞の細かいことがどうだとか、アレンジがこうだとか……。制作に伴って起きる、いろんなことがもうどうでもよくなって。私はこの歌を早く唄いたいし、早く聴いて欲しいだけなんだって。私の本心が歌えればそれでいいのに、なんだよ! みたいなところもあって。<そんなことどうだっていい>っていうのは、ほんとに素直な気持ちですね。(笑)。
EMTG:そのあとに、<この歌を君が好きだと言ってくれたら。>と続きます。
ハルカ:私にとっていちばん大事なことは、この曲を好きな人が聴いて、どう思ってくれるか。この曲を聴いて、いいねって言って欲しいし、この曲が好きだって言ってくれたらそれでいい。それが、ひとりひとりのお客さんにも繋がっていくわけだから、そこだけなんだよ! っていうことを、タイトルで言いたかったんですね。
EMTG:3枚目のEPが完成して、ご自身たちではどんな感想を抱いてます?
ミユキ:今回はこういう形にしようっていう全体像を想像して作れなくて。でも、私たちがいま思ってることが、そのまま出てきてるわけだから、いろいろ悩んだり、苦しんだけど、ちゃんと形になって良かったと思いますね。
ハルカ:重いですよね(笑)。自分で聴いて、重いなって思ったんですけど、いい意味で、いまの私たちの念が入ってると思います。ミユキが言った通り、このタイトルの通りに、作って、こうなっちゃったものはなっちゃったものだから、それが素直に出た1枚になったんじゃないかなと思ってますね。

【取材・文:永堀アツオ】





 ■3rd EPリリース特集【第二回】は
 「セルフライナーノーツ・前編」をお届けします。お楽しみに!


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ビデオコメント

リリース情報

そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。

そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。

2014年05月28日

Sony Music Associated Records

1. その日がきたら
2. 赤くぬれ
3. かたくてやわらかい
4. 385
5. 青い夜更け

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リリース情報

[DVD]SCHOOL OF LOCK! 音楽室 LIVE SESSION#1- ハルカトミユキ -

[DVD]SCHOOL OF LOCK! 音楽室 LIVE SESSION#1- ハルカトミユキ -

2014年05月28日

Sony Music Associated Records

1. マネキン
2. mosaic
3. シアノタイプ
4. ドライアイス
5. Vanilla
*全曲スタジオライブ映像

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●ハルカ(Vo&G)
Macが起動しないとき

最近Macが壊れて、Macが起動しないときに自分でできる5つの方法を検索。全部やってみたけど全部ダメだったので、お店に持って行きました。

●ミユキ(Key)
病院

今、実は熱があって、今から病院を検索しようかな(笑)。


■ライブ情報

ハルカトミユキ 秋の東名阪ワンマンツアー開催決定!
2014/11/02(日) 大阪 umeda AKASO
2014/11/03(月祝) 名古屋 CLUB QUATTRO
2014/11/15(土) 恵比寿LIQUIDROOM

ハルカトミユキ プレゼンツ『とびらはあいている』
2014/06/18(水)名古屋 ell.FITS ALL

空中ループ presents “LOOP ECHO FES’14″
2014/07/13(日)大阪・なんばユニバース

geek sleep sheep presents geeks vol.2
2014年7/19(土)恵比寿LIQUIDROOM

rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014 Supported by BOSE
2014/08/03(日)国営ひたち海浜公園

MEET THE WORLD BEAT 2014
2014/08/09(土)万博記念公園自然文化園「もみじ川芝生広場」

TREASURE05X ~the beginning of starlight~
2014/08/23(土)名古屋クラブクアトロ

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。



ハルカトミユキ公式モバイルサイト
「ハルミユtown」



ハルカトミユキ 秋の東名阪ワンマンツアー
チケット先行受付中 6/8(日)23:59まで

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