マジカルでドリーミーでスウィート! 新感覚のポップバンド・HAPPY登場!

HAPPY | 2014.07.31

 何の予備知識もなく、いきなりこの作品を聴けば、多くの人が、まずは彼らが若干20歳そこそこのメンバーから成り立っている事実に驚くことだろう。そして、どんな音楽的遍歴を辿れば、こんなユニークな音楽性に辿り着くのかも想像したくなるはず。
 京都の幼なじみ5人で結成された「HAPPY」は、かなり特徴的な音楽を放つグループだ。キラキラとしたポップ感やドリーミーさを擁したメロディ。アシッドな部分やサイケ感を醸し出すサウンド。3人のメンバーが歌えることによるハーモニーが生み出す甘美さは、深くかかった絶妙なリバーヴと共に、どこか聴く者のノスタルジックな部分をくすぐってくる。
 「SUMMER SONIC 2013」に出演以降、米国テキサス州での「SXSW14」を含むUSツアー、国内大型フェスへの出演などで注目を集める彼らが1stアルバム『HELLO』をリリースした。今作を一言で言い表すなら、まさに「カレイドスコープ・ポップス!!」。マジカルでドリーミーでポップで、ちょっと尖っている、そんな10曲入りだ。
 早速彼らをご紹介。まずは現在までの経緯を訊いてみた。

EMTG : どのような経緯を辿って、みなさん今のような音楽性に至ったんですか?
Alec(Gt&Vo) : 当初はもっとドープでサイケな音楽性でしたよ。いわゆる重くて暗い感じ(笑)。そこから聴く音楽が変わっていくにつれ、表現する音楽性も変わってきたかな。徐々に、いわゆるポップな方向に移っていったというか。
EMTG : その移行のキッカケは?
Alec : ビートルズを爆音で聴いてからですね。彼らのヤバさが分かってからかな。ポップやけど音がめっちゃクルというか。ポップやけど気持ちいいし。そのビートルズの、<一見凄くポップに聴こえるんやけど、実は音楽的に深かった>という発見は衝撃でしたね。
Chew : それを世界中の人が好きになったってところもまた凄い。
Ric(Syn&Vo) : それもあるけど、俺らのバンド名がHAPPYに変わったところも、明るくなった要因として大きいんちゃう?
Bob(Dr&Vo) : とは言え、それらもあくまでも自然な流れで。バンド名がHAPPYやから「HAPPYな音楽やろうぜ!!」ってことは話したことも無かったし。
Chew(Gt&Syn) : でも、ホント自然だったよな。気づいたらって感じ。
Alec : そうそう。自分たちで、「コレや!」って思った音楽を採り入れてきたら、自然とこうなっていたというか。
Syu(Ba) : けっこう何でも聴きますからね。ポップなのも、サイケなのも、チルウェーヴも聴くし、レゲエっぽいのも好きやし。それらを自分たち流に解釈して、ブレンドしたらこうなってました。
EMTG : シンセも4台あって。しかも、みなさん各楽器と併用してそれらを扱うところも面白い。
Alec : シンセは最初は全く無かったんです。というか、(前身となるバンドで)最初は3ピースのロックバンドやったもんな。で、ドアーズにハマって、その3ピースバンドにシンセオルガンでRicに弾いてもらったのがキッカケで。
Ric : そこから徐々にシンセっぽい音色も使い出して、それがドンドン増えたり、重なったりしていったんです。
EMTG : 重厚なハーモニーやコーラスが甘美さを醸し出しているところも非常に気になります。
Ric : その辺りは、いつもスタジオとかで偶然に生まれてくるんですよね。勝手に主メロを歌っているヤツのところでハモってみたりしているうちに出来るというか。
EMTG : 凄く構築されて、設計図通り作られている音楽性と思いきや、実は偶然性も多い?
Chew : 逆に偶然性の方が多いかも。
EMTG : ここからは1stアルバム『HELLO』の話しに移ります。
Alec : 基本楽しみながら作りましたよ。感覚で作ったところが多いかもしれない。手さぐりでちょうどいいところを見つけていった結果が今作。
Ric : 一つ一つの音のイメージは重要視しましたね。景色や光景をイメージしながら弾いたし。他のメンバーにイメージを伝える際も、楽譜やバシッとしたものじゃなく、あえて感覚的だったり抽象的に伝えて、その人の感受性や感性や捉え方に委ねたところもあったし。
Syu : 各人それぞれで思い浮かべるイメージも違ってきますからね。それを入れ込めたのがまた曲を面白くしたと思う。
EMTG : 10曲入りで32分と、コンパクト且つキッチリ伝えているところもイイですよね。いわゆる3分間ポップの定義を守っているというか。
Syu : 僕たちもそう厳密には考えてないですよ。感覚だし、”ちょうどいいな”と思う終わり方がたまたまその分数になっていたぐらいで。
Alec : ぶっちゃけ長い曲って飽きることが多いんですよ。あと曲の構成にしてもセオリー通りじゃない曲も幾つかあるし。そんな中でも、全体的に各楽曲なるべくシンプルにしたいという気持ちは常に持っていて。
Bob : 俺らあまりBメロないもんな。Aメロ?サビみたいな。
Alec : 色々と凝ったり細かいことをやっているんだけど、聴いた感じでは、それらを全く感じさせない、サラッと聴かせられるのが理想なんです。
EMTG : ちなみに今回の10曲は、自分たちの代表曲を詰め込んだって感じですか?
Ric : それもあるし、ライヴではあまりやってないけど、”この曲を入れた方がこのアルバムとして良いバランスになるな”というものを入れました。
Syu : まっ、大半は今まであった曲の寄せ集めです(笑)。
Chew : 2年ぐらい前から演ってる曲も含め、どの曲も必ずライヴではやってきた曲ばかりで。いわゆる今までの集大成。
Bob : あとは自分たちの一発目ということもあるんで、<出てきた感>や、<これがHAPPYだ!!>って楽曲を詰め込んでます。
Alec : 最初なんで、いわゆる初期衝動的な部分も欲しかったし。初めて聴く人にも、”おおっ、スゲエ!!”って思ってもらえて、そこからグイグイ自分たちの世界に惹き込む、そんな作品を目指しました。アルバムを録る予定もないのに、1年ぐらい前から、”アルバムを録るとしたらこんな曲順がいいな…”って考えてたし(笑)。その時から思っていたのが、全体的にカラフルで、1曲1曲が全然違う感じの曲が並んでるってヤツ。で、それが実現できたかなって。
Bob : 「どれもまとめて全部でHAPPYです」みたいな作品になったやんな。
Alec : 1曲1曲が全然違うから聴く人によって好みも別れるだろうし。その人が思うHAPPYが10種に渡って詰め込まれた感じ。
Bob : イメージとしてはM-1~5がアナログ盤のA面で、M-6~10までがB面みたいな。なので、(5曲目の)「Wake Up」はA面の最後って立ち位置で。それにしても、「Wake Up」を入れるポジションは迷いましたね。M-6~7で打ち込みや実験的なところでもあるので、”やっぱりここしかないだろう”って。
Syu : 僕的には1本の映画みたいになったかなって思います。オープニングがあって、エンディングがあって、エンドロールまでついているという。
EMTG : 実際のレコーディングはいかがでした?
Alec : 時間をかけて作らさせてもらいました。今回はあえてプロデューサーもつけず、自分たちとエンジニアさんとで作ったんです。その分、ミックスにも時間をかけたし。レコーディングはかなりこだわったんで、一つ一つの音の配置とか、混ざり方や奥行等も聴きどころです。
Chew : 各音の奥行きや立体感にはこだわりましたからね。なので、ヘッドフォンで聴くと、かなり面白いかも。色々なところに色々な音が敷き詰められてますからね。
EMTG : 『HELLO』は、やはり最初の挨拶的な意味合いも込めて、このタイトルに?
Chew : まさしく一発目の挨拶って作品ですからね。「これやろ!!」と。
Ric : 一発目でしかつけれんタイトルやし。
Chew : ディスクを開いた時に、円盤に『HELLO』って書いてあたら、みんなが、”おおっ!!”となるところとかも想像しながらつけました。
EMTG : 最後に今後のHAPPYが目指すところを教えて下さい。
Alec : 色々な国を飛び回って、世界中でライヴがしたいです。あと、更に知らない音楽も吸収して自分たちならではの音楽性として発信していけたらなと。今後とも是非聴いて下さい。

【取材・文:池田スカオ和宏】

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ビデオコメント

リリース情報

HELLO

HELLO

2014年08月06日

HAPPY RECORDS

1. Magic
2. Run Run Run
3. Time Will Go On
4. Lucy
5. Wake Up
6. Pity Xmas
7. Lift This Weight
8. Cycle of Life
9. Color
10. Win Key Gun

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お知らせ

■マイ検索ワード

●Alec
バンド ロゴ

夏フェス用にHAPPYのタオルを作っているのですが、どんなロゴがいいかなと 思って調べました。お楽しみにしててください。

●Ric
昔の映像 速い

PVを撮ったのですが、モノクロの昔の映像っぽいものにしたいなと思っていて。 いろいろ見ていたら昔の映像って動きが速いな、と思って、気になって調べました。昔は1秒16コマのフィルムを使っていたのが、今は1秒24コマのフィルムになっているので、その機械で再生すると速くなるようです。勉強になりました。

●Bob
サマー・オブ・ラブ

HAPPYの今年の夏のコンセプトです!

●Syu
ハーフ 女性タレント

ワールドカップの決勝を観にドイツ文化センターに行ったんですけど、そこで見たことのある女の人を見かけて、“絶対芸能人だ”と思って検索しました。

●Chew
ノア

最近「ノアの方舟」という映画をメンバーで観に行ったのですが、どんな映画なのかな、と思って調べました。


■ライブ情報

HAPPY 1st Album『HELLO』リリース記念フリーライブ「Free HAPPY “HELLO”」
2014/08/06(水)ラフォーレミュージアム原宿

「onion night!Weekly Jack!2014×梅田シャングリラ9周年祭」onion night!lv.47
2014/08/07(木)大阪・梅田Shangri-La

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014
2014/08/10(日)茨城・国営ひたち海浜公園

SUMMER SONIC 2014【東京】
2014/08/16(土)千葉・QVCマリンフィールド&幕張メッセ

15th Anniversary MONSTER baSH 2014
2014/08/23(土)香川・国営讃岐まんのう公園

Re:mix 2014
2014/08/24(日)名古屋・DIAMOND HALL&APOLLO BASE

HELLO HAPPY Tour 2014
2014/09/19(金)愛知・名古屋CLUB ROCK’N’ ROLL
2014/09/21(日)大阪・南堀江knave
2014/09/23(火・祝)香川・高松MONSTER
2014/09/24(水)福岡・Queblick
2014/09/25(木)広島・4.14
2014/10/01(水)新潟・CLUB RIVERST
2014/10/04(土)東京・渋谷TOWER RECORDS SHIBUYA B1F CUTUP STUDIO

HELLO HAPPY Tour 2014~TOWER RECORDS SAPPORO PIVOT presents NOrth MUSIC, NOrth LIFE. Vol.5~
2014/09/28(日)札幌・BESSIE HALL

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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