3年ぶり、夏のキマグレン!ビーチを愛する男たちが贈る『LOVE&BEACH』!
キマグレン | 2014.08.11
- EMTG:今回3年ぶりのニューアルバムとなりますが、それは3年かけて作ったのか? 3年かかっちゃったのか? どちらだったんでしょう。
- KUREI:「3年かかっちゃった」というのが正直なところですね。
- ISEKI:かかっちゃいました(笑)。
- EMTG:デビューから毎年コンスタントにアルバムを出されていたんで、この間はちょっと寂しかったです。
- KURE:僕らもデビューしてから、ずっと〆切に追われてましたから(笑)。夏前にアルバムを出して、それを引っさげたライヴをやって…。それが、ある種のルーティーンになっているところもあったんです。そんな中、そのルーティーンを守るためにアルバムを作るのではなく、今回は、いわゆるアルバムを作るためのアルバム作りに持っていけて。で、それをやっているうちに、気づいたら3年経っちゃってたと。
- EMTG:では、かなり以前から、次のアルバムは「出来た!」っていうタイミングがくるまで、アルバム出さないと決めていたと。
- KUREI:ですね。
- ISEKI:自分たちが本当に「これだ!」「これで勝負するんだ」っていう楽曲が揃うまで、リリースするのをヤメようって話をしたんです。とは言うものの、この3年のうち、最初の1年は実際に曲ができなくて(苦笑)。「自分たちが納得のいくものを…」なんて言う前に、そもそも楽曲自体が全然出てこなかったんです。それから、少しずつ作って、でも納得がいかない、なんてことを繰り返しやってました。
- EMTG:その納得がいかないというのは?
- ISEKI:どんどん曲が難しくなってっちゃったんですよね、曲の作り方も含めて。でも2年目に、他のアーティストの方々に楽曲を提供するチャンスがけっこうあったんです。それが楽曲を作るきっかけにもなりましたね。それでまた曲作りの感覚がそれぞれに芽生えたというか。そこからですね。アルバムの曲たちができ始めたのは。
- EMTG:その提供曲作りが、逆にリラックスして曲を作るという方法論や楽しさに再び出会わせてくれたんでしょうか?
- ISEKI:うん、それがすごく大きかったですね。他の方に楽曲提供したことによって、改めて自分が見えるようになったり、分かったりするようになったというか。「シンプルに聴こえるように」っていうオーダーがくることが、メロディや歌詞に関しては多かったので、そこは自分たちにも戻したいなとは思ってました。
- EMTG:確かに、今作は分かりやすさや伝わりやすさが全面に出てるし、言い換えると1周まわってキマグレンらしさに戻ったように感じますね。
- KUREI:ありがとうございます。この3年間思っていたのは、「もっと映像が浮かぶような歌詞が描けたらいいな…」っていうところなんです。譜割りのことも今まで以上に気を使いながら、どうやったら映像が浮かびやすくなるかを追求してみました。特に「命のライセンス」は、ストーリーが分かるような、それでいて情景を伝わるように意識したり。「RUN ~君のもとへ~」は、逆に言うと自然にできた感じで、今までどおり書いた感じだったし。
- EMTG:それもISEKIさんのメロディが情景を呼ぶものだったから?
- KUREI:もちろんISEKIのメロディから浮かんでくる情景や物語もありましたけど、逆に詞先(しせん=歌詞が先にできて、そこにメロディを乗せる作り方)に、ISEKIがメロディを乗せて、情景に色をつけていく作業もしましたし。両方でしたね。
- ISEKI:今回のアルバムがこれまでと違うのは、2枚~4枚目まではわりと詞先の曲が多かったんですよね。できるだけ歌詞の世界観を伝えたくて。比較的、KUREI発信のものが多かったんですけど、今回はメロ先(めろせん=メロディが先にあって、そこに歌詞を乗せていく方法論)で作ったものも多いんです。どちらかというとリフレインや聴きやすい作風を目指したので。「きっと」なんて、まさにそうですね。
- EMTG:メロディのキャッチーさが、これまで以上に今作には表れてますもんね。
- ISEKI:まさにそこです。すごくこだわったところですね。それが今作をバラエティに富んだものにしたと思うし。僕たちがラッキーだったのは、2人とも、そのどちらでもできたってところだったんです。中には、「自分は詞先じゃないとできない」「メロ先じゃないとでない」って人もいるのかもしれないけど、僕らは違った。それは僕らの武器だなと思ったし、今回はそれを全面に出したいなと思っていたんです。それは歌い分けにしてもそうだったし。今作は僕とKUREIの歌い分けも同じぐらい入ってますから。
- EMTG:確かにISEKIさんの歌のパートの割合が、今まで以上に増えています。
- ISEKI:今までだったら、大サビで僕がバーンっていうことが多かったんですけど、今回はKUREIがサビを歌ったり、ラップで押し切ったりといった部分も増えてますからね。そうすることで、アルバムを通して2人の声質も楽しめるんじゃないかな、とか。これまでやってこなかったことや、これまでやろうと思っていたけど、できなかったことがいろいろと挑戦できたと振り返って思います。
- EMTG:今回はISEKIさんの歌がとても表情豊かな印象もありました。
- ISEKI:けっこう好き勝手にやらせてもらいましたからね。特にアルバム曲に関しては、プロデューサーからも、「もう任せるわ」って感じで。その分、楽しみながら作ったり、歌ったりできました。そういった意味では、やりたかったことがすごくやれた作品かなと。
- KUREI:とは言え、いい意味で安定した、みんなが聴いて「わっ!? キマグレン変わったな…」ってことではなく、「ああ、いろいろなことをやりながらも、やっぱりキマグレンらしいよね」ってアルバムになったんじゃないかな。そういった意味では、僕らにできることがちゃんとできたアルバムになってます。
- EMTG:既にライヴでもこのアルバムからの曲を何曲かやられてますが、どれも反応が良さそうでした。
- KUREI:今回は歌える部分も沢山あるので、浸透してきたら、更にライヴが楽しみですね。
- ISEKI:特に今回のアルバムはライヴを意識して作った楽曲も多いですから。ある意味、ライヴ映えする曲もけっこう揃ったかなと。「きっと」も「ファイト!」も、「最後の夏」も、その類だし。この夏のフェスやイベント、それから秋のツアーも楽しみにしています。
- KUREI:もちろんライヴもですけど、あとは今回のアルバムに関してはBGMやドライヴミュージックという枠を超えて、映画を観たり、小説を読んだりしているような感覚も味わってもらえると嬉しいです。ただ単に流れるものだけじゃなく、その奥のメッセージや絵だったりを感じてもらえたらなと。
- ISEKI:あと、メロディを作っている僕としては、響きや、聴いていて気持ちいいなと思えるところをできるだけ追求したんで、その辺りも、「なんかここって一緒に歌いたくなるよね」とか「口ずさみたくなるよね」と思ってもらえると嬉しいですね。
- EMTG:タイトルも『LOVE & BEACH』で、かなり作風を言い得ていますね。
- KUREI:僕らも去年1年、いろいろありまして。逗子での音霊も終わりましたし。そんな中、それでもまだビーチにいたいとか、ビーチに対しての愛が強くあったりとか。そういうことも、このアルバムを通して描けたんじゃないかと思っていて。それで、「LOVE & PEACE」ならぬ『LOVE & BEACH』というタイトルにしたんです。
夏と言えばキマグレン。2008年のデビュー以来、毎夏コンスタントにアルバムをリリースしてきた彼らから、ニューアルバム『LOVE & BEACH』が届いた。
今作は間にベスト盤を出し、約3年のインターバルを挟んだリリース。とは言え、待たせたぶん内容は更に充実&多彩になった。その間、彼らが多くの人に出会った経験から得たこと、自身を省みて思ったことを通じて、新しい側面も感じさせる今作は、それでいて、「うん、やっぱりこれがキマグレン!」という、リスナーの期待を裏切らない、彼らの真骨頂となる1枚となっている。
【取材・文:池田スカオ宏和】
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ビデオコメント
リリース情報
お知らせ
●ISEKI
ALL YOU NEED IS KILL
KUREIに面白いと聞いたのでレイトショーで見てきました。マンガと内容も全然違うんですけど、面白かったです!
●KUREI
高校野球 注目
今年、注目されてる選手は誰か?というのを調べました。去年は松井裕樹選手、一昨年は大谷選手がいましたから。今年は、松本裕樹選手です。もし彼がプロ野球に進むと決まれば、きっとドラフトでも上位に入ってくると思います。
■ライブ情報
音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2014 Final 2days キマグレン ワンマンLIVE
2014/08/30(土)音霊 OTODAMA SEA STUDIO
2014/08/31(日)音霊 OTODAMA SEA STUDIO
キマグレンの秋祭り~2014 つくば~
2014/09/15(月・祝)つくばノバホール 大ホール
キマグレン TOUR 2014 ~LOVE & BEACH~
2014/11/03(月・祝)宮崎WEATHER KING
2014/11/09(日)品川ステラボール
2014/11/15(土)梅田クラブクアトロ
2014/11/22(土)Electric Lady Land
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。