go!go!vanillasが音楽に触れた歴史を振り返る短期集中連載『go!go!music!!』。
毎回、テーマに沿って、メンバーが1人1曲ずつセレクト。
セレクト理由や、曲にまつわるエピソードを語りながら4人の音楽ルーツを紐解きます。時には、メンバーのリアル＆レアなネタも飛び出すかも？
それでは、短期集中連載ラストの第4回目、お楽しみください！

復活してほしいバンドと、その復活ライブ1曲目に演奏してほしい曲は？

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　牧達弥（Vo・G）：シュガー・ベイブ 「SHOW」
　宮川怜也（G）：Led Zeppelin 「Rock and Roll」
　長谷川プリティ敬祐（B）：Cymbals「怒れる小さな茶色い犬」
　ジェットセイヤ（Dr）：THE TIMERS「LONG TIME AGO」

牧達弥（Vo・G）：これは亡くなっている人もOK？

EMTG：OKです。

長谷川プリティ敬祐：（B）：マジで！？ワンダーランドもOKだと決められない！

牧：じゃ、俺から。まず俺が好きなバンドはThe Libertinesだからね、本当は書きたかったんだけど、あそこはもう動いてるから。

EMTG：昨年（2014年）にVirgin/EMI Recordsと新たに契約をして再始動が発表されました。

牧：それ楽しみなんですよ。次のアルバムはめっちゃアッパーらしくて乞うご期待って感じで……。なので、やめようと思ったけど、一応出すと「Boys in the Band」。

プリティ：前置きが長い（笑）。

牧：少年たちがバンドで面白いことをやろうぜって曲なので、これを歌ったら面白い（笑）。で、現実的なほうでいくと、シュガー・ベイブですね。生きてらっしゃるので。

ジェットセイヤ（Dr）：プレイ見たいわ。

牧：見たいでしょ？オリジナルアルバムも1枚しか出てないの（『SONGS』）。だから1曲目から全部アルバムの曲順でやる再現ライブとか見たいよね。「こぬか雨」とか音源になってない曲も聴きたいし。「ユーミン」とか。

プリティ：「ユーミン」ってあのユーミン？

牧：そう、あのユーミン（松任谷由実。当時は荒井由実）からとってるんだけど。シュガー・ベイブはユーミンの2ndアルバム『MISSLIM』のバックバンドとして参加してるから。そういう収録されてない曲もライブで聴きたいな。

プリティ：俺もワンダーランドありだと考えがまとまらなかったので、自分が好きなCymbalsっていう渋谷系のバンドにした。

セイヤ：いつのバンドなの？

プリティ：90年代のバンド。

EMTG：土岐麻子さん、沖井礼二さん、矢野博康さんの3人組で2003年に解散しました。

プリティ：それがめちゃめちゃかっこいいの。最後に出した4枚目のアルバム『Love You』に入ってる「怒れる小さな茶色い犬」っていう曲が、The Whoの「My Generation」のオマージュみたいなことをやってて。

牧：へー。

プリティ：曲はベーシストの沖井礼二さんが全部作ってるんだけど、ベースが軸に曲が動いてるから聴いててうらやましいっていうか。かっこいい。ベースとボーカリストとの絡みが最高だなって思う視点がふんだんに盛り込まれている。

EMTG：活動自体は6年間だったけど、いまメンバーはソロで活躍してますよね。

プリティ：沖井礼二さんはTWEEDEESっていう新しいバンドをはじめてるし。3人とも良い感じに活動をしてるから、復活をする必要もないのかな。

プリティ：怜也のはみんな想像してると思うんだけど…。

牧：これ絶対に当てられる。どうせOasisの「Don’t Look Back In Anger」でしょ？

セイヤ：どうせ（笑）。

宮川怜也（G）：「Don’t look~」じゃない。

牧：おー！？そこ外してくるんだ？

宮川：「Don’t look~」はノエル（・ギャラガー）しか歌ってないから。これは武道館で聴いたからいいやと思って。でも「Rock ’n’ Roll Star」は聴きたいかな。で、本命はLed Zeppelinの「Rock and Roll」。

全員：えー！？

EMTG：大きくLed Zeppelinを書いて、下に小さくOasisって書いてある（笑）。

プリティ：ふたつもずるいっ！

宮川：えへへ。「Rock and Roll」は1973年のMadison Square Gardenが映像化された「狂熱のライブ」の音源が好きなんだけど、その1曲目でやってた曲。やっぱりボンゾ（ドラマー。本名はジョン・ボーナム。1980年死去）が入ってるのが良くて。で、もうちょいボンゾを聴きたいから「Moby Dick」もいいな。10分ぐらいやってるんだけど。

プリティ：1曲目で聴く曲じゃないよね（笑）。

牧：まあ空気感は見てみたいけど。

プリティ：俺、セイヤの当ててみたい！

牧：俺はふたつに絞ってるけど。ゴニョゴニョ……（プリティに耳打ち）。

プリティ：俺は後者のほうかなと思ってたんだけど。ゴニョゴニョ……（牧に耳打ち）。

牧：言っていい？キャロルだと思う。

プリティ：俺ね、ブランキー……いや、違う。THE TIMERSだ。

宮川：俺はザ・ルースターズかなと思った。

セイヤ：正解は今言った中にありました！THE TIMERSの「LONG TIME AGO」。見たいなと思って。ありそうやけどね、まだ。ボーカルがゼリーさんなんでね、忌野清志郎にそっくりな。

プリティ：いやいや……。

セイヤ：広島の原爆のことを歌ってる、この曲がいちばん好きで。

プリティ：THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかBLANKEY JET CITYとかはなかった？

セイヤ：そこはあえてなかった。俺のなかではあそこで終わってるから。

EMTG：復活しないことにバンドの美学があったりしますよね。

セイヤ：そう、それが言いたかった。復活しない良さがある。

牧：カート・コバーン（Nirvanaのボーカル）とかもそこで死ぬことで、他の人たちが超えれなくなっちゃたからね。だけど、The Rolling Stonesとかは真逆をいくし。年をとっても同じ気持ちでい続けるっていう、その感覚も良かったりするよね。

EMTG：わかります。じゃあ、今回でこの短期集中連載「go!go!music」は終わりになるんですけども。全4回、みんなでルーツの話とかをしてみてどうでしたか？

牧：ふだんはあんまりないので良い機会でしたね。バンド自体で聴かれることはあるんですけど、個別ではあんまりないし。バンドの枠を外した状態で喋れた唯一の機会だったな。しかも、4人で会っても意外と音楽の話をしないんですよ。もっと現実的な曲づくりとか、自分たちの曲のことばっかり喋ってるし……。

プリティ：たしかに4人が集まって音楽の話っていったら、現行のバンドのプチ情報とかさ、来日するらしいよ、アルバム出るらしいよ、とかだよね。

セイヤ：「買った？貸して」とか。

牧：だからこういう飲み会をしたいですね。真ん中にCDコンポを置いて、昔の曲を聴いて、ああだこうだやったら楽しそう。

EMTG：それはぜひ実現したいですね。ありがとうございました！

【取材・文：秦理絵】