KEYTALK、夏に向けて新たな武器が完成!新作はファンキーなパーティーチューン

KEYTALK | 2016.05.11

 先月(4月)リリースされた7thシングル『HELLO WONDERLAND』に続き、8thシングル『MATSURI BAYASHI』も、メンバー各々が作詞作曲を手がけた4曲を収録。祭囃子のエッセンスを採り入れつつ、ファンキーなパーティーチューンに仕上げたタイトル曲はもちろん、他の3曲も個性豊かでキャッチー極まりない。昨年の10月28日に行われた初の日本武道館公演を経て、2016年も楽曲制作とライヴ活動を精力的に展開しているKEYTALKのフレッシュな息吹を感じる1枚となった。寺中友将(Vo/G)、小野武正(G/MC/Cho)、首藤義勝(Vo/B)、八木優樹(Dr/Cho)が、今作について語るインタビュー。時々、信じられないくらいに脱線しているが……各曲にこめた想いや制作の背景が、よく分かると思う。

EMTG:レコード会社のスタッフさんから「誰がどの曲を書いたか当ててください」と事前に言われたので、まずは資料を見ないで曲だけ聴いて予想してみました。
寺中・首藤・小野・八木:おおお~!
EMTG:やっぱり予想が難しいのが八木さんでしたね。1ヶ月前のシングルの時も難しかったですし。
八木:参考になるサンプルが少ないですからね。
EMTG:でも、「MATSURI BAYASHI」は、誰だかすぐに分かりました。巨匠!
寺中:はい(笑)。
EMTG:「赤いサイコロのMAYAKASHI」は、勢いよく突っ走りつつ想像力を掻き立てる言葉を連射するテイストだから武正さん。「boys & girls」の、この胸がキュンとする甘酸っぱさは義勝さん……というのが分かったので、消去法によって「wasted」は八木さんという結論に至ることはできました。
八木:消去法で選ばれるレギュラーみたい(笑)。
EMTG:(笑)八木さん、歌詞を書くのは前作の「Combat Song」が初でしたよね?
八木:そうでした。ヴォーカル2人は、こんな大変なことをずっとやってきたのかと思うと……尊敬の念を禁じ得ないです。
首藤:「禁じ得ない」ってなんだよ、その表現(笑)。
EMTG:巨匠と義勝さんに優しくしたくなりました?
八木:はい。基本的に2人とも背が低いので。
寺中・首藤:おいっ!
八木:話す時に目線を少し下げてあげることにしました。
寺中:違えよ! 靴のせいだよ。お前の履いている靴、何センチ盛ってんだよ!
首藤:八木によるリアルディス!
小野:ひでぇ(笑)。
八木:まあまあまあ~。
寺中:うざい(笑)。
EMTG:(笑)巨匠。作詞家としての八木さんは、いかがでしょう?
寺中:さっきも「禁じ得ない」とか言っていましたけど、普段から使う難しめの言葉が歌詞にも出ていて、「歌詞って、経験してきた人生が出るんだな」と改めて思いました。
八木:むりやり難しい言葉を使う人生を歩んできました(笑)。
EMTG:(笑)では、本題に入りましょう。今回のタイトル曲「MATSURI BAYASHI」は、ファンのみなさんも誰が作った曲かすぐに分かったでしょうね。今までも「祭りやろう」「祭りこぞう」「お祭りセンセーション」とかがありましたし、「祭り」といえば巨匠ですから。
寺中:曲名でバレますね(笑)。地元の商店街が夏になるとしょっちゅう祭りをやっていたんですよ。5月から9月半ばくらいまで、9がつく日は絶対に祭りをやっていました。
小野:そんなにやるの?
EMTG:ヤマザキのパン祭りより多いかも。
寺中:今考えると多かったですね。祭りがある日は爆竹が鳴るんですよ。「ああ、今日は9がつく日か」と。それで地元の中高生たちとかも集まって、商店街でワイワイするんです。そういう環境で育ったのは、祭りっぽい曲を作る要因の1つになっていると思います。
EMTG:祭囃子的な風味とファンキーなサウンドって合うんですね。この曲は、その点も新鮮でした。ベースのスラッピングがすごいじゃないですか。
首藤:巨匠が作ってきたデモの時点でスラッピングがすごく入っていたんです。これがそうなんですけど……。 (スマホを取り出し、「MATSURI BAYASHI」のデモを再生する)
EMTG:スラッピングの嵐ですね。
首藤:ベースがヤバいんですよ。人間の動きでは弾けないようなフレーズも入っていて。できる限り巨匠のイメージに近づけたいなと思って耳コピをして、無事、巨匠から合格点を貰えました。
寺中:俺、普段からめっちゃ厳しいみたいになっているけど(笑)。
首藤:合格点を貰えないと灰皿が飛んでくるんですよ。
寺中:嘘はやめろ!
首藤:恐怖を禁じ得ない(笑)。
小野:「禁じ得ない」って言いたいだけだろ(笑)。
EMTG:(笑)まあとにかく、巨匠の中で最初からスラッピングのイメージがあったわけですね。
寺中:はい。ベースは弦を弾く(はじく)プレイを聴くのが一番テンション上がりますから。テンションを上げたかったので、思いっきりスラッピングをしてもらいました。
EMTG:八木さんのハイハットの魔術師ぶりと、武正さんの華麗なプレイも満載ですし、テンションが上がる要素が盛りだくさんの曲だと思います。
小野:昔から「ずっと弾いてる」っていう感じが好きなんです。この曲でも終始弾いていますし、ギターソロも長めです。
八木:僕もずっと叩いている感じが好きです。間を作りたくないんですよ。そういうところ、武正と似ていると思います。僕らは12年間ずっと一緒にいますから。でも……お互いの間はなかなか縮まらないんですけど。
EMTG:えっ、どういう意味?
八木:音の間を埋めたくなるのと、武正と僕の心の距離の「間」をかけたギャグなんですけど……伝わり辛かったようですね。
小野:分かりにくいよ(笑)。
八木:帰ります!
(ショックを受けた様子で、部屋から出て行くフリをする八木)
EMTG:曲の話に戻りましょう(笑)。
小野:脱線してすみません(笑)。
EMTG:ええと、なんだっけ? とにかく、テンションが上がる曲だということです。
寺中:これでお客さんのテンションが上がらなかったら……そこからしばらく混乱した状態が続くでしょうね(笑)。
首藤:その混乱、辛いなあ(笑)。
寺中:夏フェスを見据えて作ったところもあるので、また1つの武器になったらいいなと思っています。
EMTG:歌詞もいいですね。思春期の男の子の感じを上手く描いているなと。
寺中:ありがとうございます。中学生くらいの頃の9のつく日を思い出しつつ歌詞を書きました。なかなか好きな女の子を攻めることができない、守りに入ってしまう感じだった当時の自分にエールを……という感じです。そういう歌詞が、今、この曲を聴く人にリンクしたらいいなと思っています。
小野:この歌詞、青春パンクっぽさもあって良いですね。最近、こういう曲はあまりないので、懐かしい気持ちにもなりました。読みようによってはいろいろ解釈ができるでしょうし。
EMTG:《夜の帳の1人囃子》というフレーズが切なくていいですよ。ここはまさにいろんな解釈が膨らむ部分です。
寺中:いろいろ想像してもらえたら嬉しいです。
EMTG:そして、義勝さんが作った「boys & girls」は、フジテレビ系「めざましどようび」2016年テーマソングですね。
首藤:はい。こういうセンチメンタルな感じのメロディ、好きなんです。あと、サビの中にかけ声も入れてみたくて。聴いているとキュンとできて、ライヴでも楽しめる曲になってくれたらいいなと思っていました。
寺中:この曲のメロディは最高ですね。その人それぞれの中にある風景が浮かぶメロディだなと感じています。こんなメロディを書けるなんて素晴らしいですよ。
首藤:恐縮です。巨匠にそこまで褒められると何か悪いことが起こりそうで不安にもなりますが(笑)。
EMTG:(笑)歌詞に関しては、どのようなことを考えました?
首藤:「週末の朝」っていうテーマが決まっていたんですけど、そこに「男女の話」という要素も織り込んでドラマチックさを出しました。これ、野外で演奏したいということも思っています。夏の夕方のセンチメンタルタイムに演奏したいですね。いわゆる「たそがれちゃう」っていう感じと言いますか(笑)。僕、1人で温泉に行ったり、海を眺めたりしますから、そういう瞬間にマッチする曲は作ってみたくなります。
EMTG:では、3曲目の「wasted」のお話へ。ジャズとかフュージョンっぽいオシャレなテイストを感じました。
八木:ちょっと攻めている感じのファンクっぽいビートですけど、こういうのがすごい好きなので、ずっと練習していたんです。でも、なかなか使う機会がなくて。その披露の場所を作ったんでしょうね、僕は。
EMTG:こういう一面もあるんだなと思いました。
八木:KEYTALKっていうバンド名は、上原ひろみさんの曲名から来ていますからね。
首藤:KEYTALKがすごい初期にやっていたサウンドに近い感じもあって、ちょっと懐かしい気持ちにもなりました。
寺中:お酒の雰囲気が漂うところも八木ちゃんっぽいのかなと。毎日飲んでいますからね。曲からも酒の匂いがします。
八木:歌詞は男が酒で女の子が僕っていうイメージです。「僕が酒に振りまされる」っていうようなイメージの歌詞になっています。
EMTG:曲ってやっぱり、作った人が出ますね。4曲目の「赤いサイコロのMAYAKASHI」は先ほども申し上げた通り、すごく武正さんが浮かびましたから。
小野:この曲は、どんどん展開していくものになっています。僕は割と飽きっぽいところがあるので、いろいろ楽しみたいんですよ。
EMTG:プログレっぽさもあるアバンギャルドな展開を遂げると同時に、パンクとかエモとかに通じる熱量もある点に武正さんのカラーを感じます。
小野:熱量とかヴァイブスっていう部分だと、パンクが一番好きですからね。でも、ジャズも好きなので、コードはジャジーな要素を入れてみたり。だけどサウンドは歪んでいる……っていうギャップは常に探しています。
八木:この曲、ドラムを叩いていても楽しいですよ。12年間も一緒にいると楽しみが共有できて良いなと思います。
小野:来年は13年目?
八木:マジか!
小野:パーティーしようぜ。巨匠の家で。
八木:俺も今、同じこと思ったわ!
寺中:俺、関係ないから、その日はどこか他へ行く(笑)。
小野:ちゃんと義勝の家も行こうね?
八木:行こう行こう~。
首藤:俺、2人が来たら巨匠の家に行くから。
小野:なんか、入り組んだことになっているな(笑)。
EMTG:(笑)そろそろまとめに入りましょう。最後に巨匠、よろしくお願いします。
寺中:はい。今回、僕の地元の熊本が大変なことになりまして。いろいろ考えたんですが、被災していない僕らのあり余る力があってこそ、被災地のみなさんに元気をお届けできるのかなと。だから今後予定されているツアーで僕らのあり余る力を全国のみなさんにお届けして、それが回り回って熊本のみなさんの力になったらいいなと思っています。被災していない僕らが被災地のみなさんのことを考えて大人しくなるのではなくて、もっと元気になって、あり余っている力を熊本に届けられるのが一番良いのではないかと思っています。

【取材・文:田中 大】

tag一覧 男性ボーカル バンド KEYTALK

ビデオコメント

リリース情報

MATSURI BAYASHI

MATSURI BAYASHI

2016年05月18日

ビクターエンタテインメント

1. MATSURI BAYASHI
2. boys & girls
3. wasted
4. 赤いサイコロのMAYAKASHI

お知らせ

■ライブ情報

★巨匠弾き語り出演決定★”100%KUMAMOTO” ~熊本地震復興支援ライヴ~
2016/05/11(水) 下北沢CLUB251

METROCK2016 OSAKA
2016/05/14~2016/05/15(土・日) 大阪特設会場(大阪府堺市・海とのふれあい広場)

METROCK2016 TOKYO
2016/05/21~2016/05/22(土・日) 新木場・若洲公園

KEYTALK 2016年全国ワンマンツアー 3年K組お祭り先生~「先生!義勝君の給食費がありません!」
2016/05/24(火) 川崎CLUB CITTA’
2016/05/28(土) 新潟LOTS
2016/05/29(日) 金沢エイトホール
2016/06/03(金) 大阪 なんばHatch
2016/06/05(日) 熊本 B.9 V1
2016/06/11(土) 福岡 DRUM LOGOS
2016/06/12(日) 福岡 DRUM LOGOS
2016/06/18(土) 高松オリーブホール
2016/06/19(日) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2016/06/24(金) 愛知 ZEPP NAGOYA
2016/06/25(土) 広島 BLUE LIVE
2016/07/02(土) 仙台PIT
2016/07/09(土) 札幌サッポロファクトリーホール
2016/07/13(水) 新木場STUDIO COAST
2016/07/14(木) 新木場STUDIO COAST

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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