カサリンチュ、コミック『宇宙兄弟』のテーマ・ソング含む2年半ぶりの新アルバム!

カサリンチュ | 2016.05.19

 鮮やかな幕開け、巧妙な伏線、涙のクライマックス、そして驚愕のどんでん返し。まるで短編小説のような曲が集まり、最後には映画を観たような感動を呼ぶのが、カサリンチュが約2年半ぶりに発表する『カサリズム3』だ。様々なコラボレーションや、アイデア満載の新曲から生まれた15個の“物語”。それは奄美大島出身のタツヒロとコウスケによるカサリンチュの“物語”でもあった。まずは原作者・小山宙哉のファンクラブ・イベント出演がきっかけで生まれた、コミック『宇宙兄弟』の第27巻のテーマ・ソング「あと一歩」から、『カサリズム3』の物語を始めよう。

EMTG:「あと一歩」を聴いた後、コミック『宇宙兄弟』の第27巻を読んだ後と同じような感動がありました。それ、狙ってました?
タツヒロ:そうですね(笑)。そう持っていけたらいいなとは思ってました。
コウスケ:めっちゃ狙ってました!(笑)
タツヒロ:ただ、あまりにも『宇宙兄弟』が好き過ぎて、主人公の六太がうどんを作るシーンを読んで、うどんの作り方を歌詞に入れそうになったり(一同笑い)。だから、その気持ちを必死に抑えて、その世界観だけに偏りすぎないようにはしました。そしてこの曲は、未来に向けた自分たちへのメッセージ・ソングでもあるんです。
EMTG:歌詞の符割りなど、リズムを意識してますね。
タツヒロ:跳ね感というか、カサリンチュのスタイルをしっかり出した感じです。僕が先にAメロとサビを作って、コウスケにBメロをはめてもらうというパターンもそう。
EMTG:だからコウスケさんの曲はBメロがいいんですね。鍛えられてるから。
コウスケ:めちゃめちゃ鍛えられてますよ(笑)。自分たちは聴いてる音楽が全く違うので、そこをどう楽しく合わせるか。それは得意になりました。
タツヒロ:まず声質が全然違う。考えてることも価値観も違う。そこを生かしつつ、いい形で1曲にする。それがカサリンチュの曲だと思います。
EMTG:そして「ナイスダンス」はもう…(笑)。
タツヒロ:極みですね、フザけた曲の(笑)。これは日常生活での人の動きや、物の動きがダンスみたいに見えるというところから膨らませた曲。
コウスケ:ライヴではお客さんに振り付けしたり、歌詞に合わせて“ハブ”っぽい小道具を振り回したりするから、すごく忙しい曲。なんせ2人でやってるもんで(笑)。
タツヒロ:正直スポーツです(笑)。
EMTG:レコーディングもムチャぶりの嵐だったでしょ?
コウスケ:ホント大変でしたよ! 扇風機の動きをヒューマン・ビートボックスで表現するなんてね、無理っすよ(笑)。これね、ライヴを観てくれたら正解がわかりますから。
タツヒロ:ライヴでは一番のダンサブル・ナンバーですね。今の時代、歌って踊れないとダメだということで(一同爆笑)。
EMTG:あはははは! タツヒロさんの毒が見えたのが「最近彼女が出来まして」。
タツヒロ:“愛とは何だ!”という大きなテーマを基にした曲です。はははは! “35歳でやっと出来た彼女がどんな人だったか?”という発想から膨らませていきました。
コウスケ:涙、出ました。切なすぎて。(奄美の)島んちゅが聴いたら“どうしたぁ!?”って心配するだろうねぇ~。
タツヒロ:あはははは! “あいつ、東京で何があったんだ!?”って(笑)。
EMTG:コウスケさんの曲「ハッピーエンド」もいい曲。Bメロで鍛えられてるから(笑)。
コウスケ:サビもね、Bメロっぽい感じで作ります。Aメロ、Bメロ行って、またAメロに戻る。そういう洋楽っぽい楽曲が大好きなんです。これはユナイテッド・シネマさんの夏のキャンペーン・ソングでもあるので、映画をイメージした歌詞にもなってますね。
EMTG:今回、ストーリー・テラーとしてのカサリンチュの魅力も前面に出ていますね。
タツヒロ:前から物語チックな曲はあったんですが、そういう世界をもっと作れたらいいなぁと。そこで今回は“物語”という大きなテーマを決めました。「最近彼女が~」も35歳のとある男性の物語だし、「ハッピーエンド」も映画を基に作った曲。
EMTG:その物語を聴くことで、自分の中の物語も見つけることができました。
タツヒロ:アルバムのいろいろな“物語”が、聴いてる人にも返ってくるといいなって。ご本人の物語として、最後に何かがフワッと浮かんでくれたら、それでもうこのアルバムは大正解なんです。
EMTG:本当にそうですね。その中で「故郷(ふるさと)」という曲が前半のハイライトに。
タツヒロ:「故郷(ふるさと)」はすごい初期に出来た曲。アルバムはA面B面みたいな作りをしていて、前半のエンディングでもある「故郷(ふるさと)」から「Interlude」を挟んで、後半には『ちちんぷいぷい』という番組で生まれた3曲が出来た順に並べてあります。3曲それぞれのやり取りの中にストーリーがあって、僕はその時間の流れを崩したくなかった。新たなスタートを切る『カサリズム3』で、そうやってカサリンチュの歴史も見せたかったんです。
コウスケ:自分たち、まだまだ行きたいステージがあるんで、そういう願いも込めて最後には「あと一歩」を。全国の人はもちろんですが、島の人がどうリアクションするかが、楽しみでもあり、不安でもあります。今までは“島感”を出してきたけど、今回はほとんどの曲を東京でレコーディングしました。関東での活動もすごく広がって、ここがいい意味での分かれ道でもある。1番大事な時期なんです。その時に出るアルバムをどう感じてもらえるかなって。自分たちとしてはすごい楽しみです。これからどうなるか。今まで出会った人たちの想いにどう返していけるか。すべては自分たち次第なのかなと。『カサリズム』『カサリズム2』とはまた違う、いろいろな気持ちが入った作品になりました。
EMTG:そしてツアーもありますね!
タツヒロ:はい。アルバムを引っ提げてのツアーもそれこそ2年半ぶり。待っていただいてる方、新しく来てくださる方と一緒に楽しめたらいいなと思ってます。
コウスケ:ビートボックスと歌、いろんなことを2人でやっていて、絶対に楽しませる自信があります。騙されたと思って、ぜひとも遊びに来てください!

【取材・文:柳村睦子】

tag一覧 男性ボーカル カサリンチュ

ビデオコメント

リリース情報

カサリズム3(初回生産限定盤)[CD+DVD]

カサリズム3(初回生産限定盤)[CD+DVD]

2016年05月18日

エピックレコードジャパン

[CD]
1. たいせつなひと
2.メリーゴーランド feat. NANAE & MAIKO(from 7!!)
3.最近彼女が出来まして 
4.ハッピーエンド
5.new energy
6.風
7.故郷(ふるさと)
8.Interlude
9.ナイスダンス 
10.アイラブユー
11.タイムカプセル
12.あなたの物語
13.さあいこう
14.やまおり たにおり
15.あと一歩

[DVD]
-Music Video-
1.ハッピーエンド 2.故郷(ふるさと) 3.風 4.たいせつなひと 5.-カサリズム3楽曲解説-

お知らせ

■ライブ情報

全国ライブツアー2016「カサリズム3」
2016/06/04(土) UMEDA CLUB QUATTRO
2016/06/05(日) 鹿児島CAPARVO HALL
2016/06/25(土) 岡山MO:GLA
2016/06/26(日) 福岡Gate’s7
2016/07/03(日) 名古屋SPADE BOX
2016/07/10(日) cube garden
2016/07/24(日) 仙台Hook
2016/08/11(木・祝) 富山県民小劇場オルビス
2016/08/13(土) TSUTAYA O-EAST

ゆるやかな風に乗って ※村山辰浩ソロ
2016/07/31(日) Last Waltz

15th Anniversary  情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA ’16
2016/07/30(土) 万博記念公園もみじ川芝生広場
2016/08/27(土) 夢の島公園陸上競技場

奄美音楽祭 2016
2016/08/20(土) かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る