元BOøWYの高橋まこと率いるJET SET BOYSが、オリジナルアルバム『JET SET BOYS』をリリース!

JET SET BOYS | 2016.05.25

 突如、音楽シーンに降臨した4ピースバンド、JET SET BOYS。6月1日には1stアルバム『JET SET BOYS』でデビューを果たすわけだが、この作品、様々なサウンド・ソースをミックスさせた楽曲のパワーがタダモノではない。加えて、各メンバーがプレイで聴かせる高いスキルも圧巻。ちなみに、その正体だが、椎名慶治(Vo./ex:SURFACE)、友森昭一(G./ex:AUTO-MOD、REBECCA)、tatsu(B./LA-PPISCH)、そして高橋まこと(Dr./ex:BOøWY)という奇跡のメンツ。さっそく“なぜ集まったのか?”と“これから”について、結成の母体となった椎名慶治と高橋まことのふたりを直撃してみた。

EMTG:資料によりますと、まことさんは随分前から新たなバンド結成を計画していたようですね。
高橋:どうしても時間がかかっちゃったんだよね。バンドを組もうとしても、みんなそれぞれの活動をしているわけだからさ。十代の頃みたいに集まって“じゃあやろうぜ!”っていう感じにはならないよね(苦笑)。
EMTG:それが具体的になってきたのは、どういうキッカケだったんですか?
高橋:最初、まず椎名に声をかけて。“バンド作りたいんだけど、ボーカルやってくれない?”ってところから始まりましたね。
椎名:それが2年くらい前かな?
EMTG:まず椎名さんからだったんですか! 正直、椎名さんだけ、世代が少しズレているというか、ちょっと畑が違うというか……意外な接点です。
椎名:そうですよね(笑)。僕以外はみんなライブハウスでガンガンやってきて、僕だけちょっと小ぎれいなシーンで活動をしてきたというか(笑)。でもね、実は最後に入ったのはベースのtatsuさんなんですよ。僕とまことさんと友森さんの3人で“ベーシスト、誰にしようか”って話し合った上で決まったのがtatsuさんですから。
EMTG:そうでしたか。そもそも、まことさんが椎名さんに声をかけたいきさつは?
高橋:知り合ったのが3年くらい前かな? 世の中にはあまたのボーカリストがいるけど、俺が知っているボーカリストって、みんなバンドのメンバーなのよ。ソロで活動しているボーカリストは、あまり知らなかったんだよね。バンドのメンバーじゃ、“こいつ、いいボーカルだな”って思っても、簡単に引っ張るわけにはかないし(苦笑)。
椎名:で、僕がちょうどいいタイミングでひとりで活動してたわけです(笑)。そもそもは、復興支援のイベントがキッカケなんですよ。福島出身のまことさんが、福島を笑顔にしたいってことでイベントに誘われていて。でも、ドラムだけで行くわけにもいかないから、ボーカルを探していた時に、まことさんのマネージャーが僕のライブを見に来て。ある意味、オーディションですよね(笑)。
高橋:ギターの友森も前から知ってたんで、彼にも復興支援のCDでギターを弾いてもらったのね。その時、ちょうど椎名のライブのサポートが友森だったっていう縁もあって。
椎名:全部つながってたんです。それで、僕が復興支援の活動に参加することになって。しかも1回だけじゃなく、いろんな場所でライブもしたし、逆に僕のファンクラブのライブでまことさんにドラムを叩いてもらったりレコーディングに参加してもらったり。そんなことを経て、改めて連絡がきたんですよね。“バンド組みたいんだけど”って(笑)。
EMTG:ものすごく自然ですね(笑)。でも、どんなバンドをやろうかっていうコンセプトはあったんですか?
椎名:tastuさんが入る前、僕とまことさんと友森さんの3人で話したんです。このメンバーで出す音ってことになると、大前提としてロックだなと。でも、ロックだけでもなさそうで……友森さんが変態なんでね(笑)。だとすれば、どんなジャンルでもソツなく弾けるベーシストじゃないとダメだよねって話になって。そこで友森さんが“tastuくんとかいいかも”って言い始めたんです。あとで、まことさんに連絡してもらったら“いいですよ”って言ってくれたと(笑)。
EMTG:では、この4人がそろったのが……。
椎名:1年くらい前かな。そこでようやくどんな曲を作ろうかって話したんですけど、なかなか出てこない(苦笑)。とりあえず次回までの宿題にして、後日また集まったんだけど、やっぱり進まない。それで一番後輩の僕がイラッとしまして(苦笑)。“僕、作ってきていいですか?”って言ったんです。なぜ、もっと早く言わなかったのかと言うと、“お前は作るな”って言われてたんで。
EMTG:どうしてですか?
椎名:“椎名は、長いあいだSURFACEもソロもやってきたし、声にも歌詞にも曲にも特徴があるからサポートバンドみたいになっちゃうんじゃないか”って。それは確かにそうかもしれないと思って待っていたのに、曲が出てこない(笑)。だから、じゃあ書くよって(笑)。それに、一番後輩の僕が作れば、それが失敗作になっても“ダサい曲作ってんじゃねぇよ!”って言いやすいですからね。それ以降は友森昭一のタガがはずれました(笑)。クリアファイルに分厚く詰め込んだコード譜を持ってきて、それをもとにギターを弾いてもらった中からいい感じの曲をピックアップしていったんです。しかも、曲を選んだ段階で、友森さんがスタジオに入っていくわけですよ。しばらくすると“ギター入れたからメロディー作って”って(笑)。あとで聴いたらメロディーは作ってたらしいんですけど、最初に僕が作ったらどんなメロディーになるかと思って任せてくれたらしいんですよね。そうやって作ったのが、このアルバム『JET SET BOYS』の曲、全部です。
EMTG:では、このアルバム・タイトルと同名のバンド名はどうやって決めたんですか?
椎名:この4人の中からは、生まれてなくて(苦笑)。
EMTG:え……?
椎名:まことさんのマネージャーさんから提案されたんです。
高橋:もうバンド名を考える時間がなかったんだよね(笑)。
EMTG:申し訳ないんですが、マネージャーさんにうかがってもよろしいでしょうか?(苦笑)。
椎名:僕も聞きたい(笑)。
石川マネージャー:“バンド名を早く決めてください”ってプッシュしたのに、全然出てこないんです(苦笑)。基本的にはベテランの4人が集まってるけど、“少年=BOYS”っていうキーワードを入れて、JET SETっていうのは、何となく勢いがある文字と合わせてJET SET BOYSはどうかなと。
椎名:人任せ(苦笑)。ただ、この4人では絶対に決められなかったですね(苦笑)。
EMTG:その割には、アルバム最後に「THE THEME OF JET SET BOYS」という曲が入っていたりしますが(笑)。
椎名:一番最初に作った曲です。
高橋:最初からコーラスに“JET SET BOYS”って入ってたよね。
椎名:もともと僕が書く歌詞って意味がありすぎるから、意味がない歌詞を書かなきゃと思ったんで、デモで“JET SET BOYS”を連呼したんですよ。そうしたら、それがそのまま本番になりました。
EMTG:意味がないと言えば、「PASTA」なんて、パスタの種類を連呼するという意味のなさですし(笑)。
椎名:友森さんもこの曲が気に入っていたみたいで、当初、誰もアルバムに入れるとか言ってないのに、勝手にレコーディング始めちゃったんですよ!メロディーもないのに(笑)。だから僕、ずっと仮歌詞を書いてました。で、僕が“パスタが食いたいってぐらい意味のない歌詞でいいですか?”って言ったら、“そっちの方が面白いね”って(笑)。完成形も仮歌詞のままなんですけど、そしたらまぁ、名曲で(笑)。
高橋:俺は「PROMENADE」みたいな曲は、あまりやったことなかったね。でも、面白かったな。すごく新鮮だった。
椎名:まことさんにお願いする場合、どうしても8ビートで叩いて欲しいっていうオーダーが多いですからね。
高橋:そうそう、バンドだったら、いろんなパターンが叩けるからいいんだよ。
EMTG:でも、聴いていくと、やっぱりまことさんらしいドラムだし、ちょいちょい“椎名”らしさも出てますね。4曲目の「ROOM 504」みたいな曲も、ブルージーでソウルフルで椎名色が強いですね。
高橋:こういう曲も、これまで叩いたことなかったなぁ。
椎名:それが、カッコいいんですよ、このドラムが! 僕、大好きな曲です。
EMTG:さて、6月4日から新宿LOFTを皮切りにアルバムを掲げたツアーがスタートしますね。初ツアーになりますが、どんなお気持ちですか?
高橋:メチャメチャ楽しみです。
椎名:僕はワクワクよりプレッシャーの方が勝っちゃいますね。もちろん、ワクワクしてるけど、どうやって空気を作っていこうかっていうのが重圧です(苦笑)。
EMTG:お客さんの反応もわからないですもんね。
高橋:でも、お客さんも“こいつら、一体何をやるんだろう”って思ってるんじゃない?
EMTG:初日が新宿LOFTっていうのもいいですねぇ。
椎名:実は僕、LOFTにはそんなに思い入れがないんですよね。でも、まことさんにとっては大事なんですよね。聖地というか。
高橋:BOøWY時代からやってきたんでね。 
椎名:まことさんが“ここでやりたい?”って言ったの?
高橋:(マネージャーに)“LOFTでいいよね?”って言われて(笑)。でも、JET SET BOYSの歴史をLOFTから作るっていう感じで、いいんじゃないの?
椎名:おお~! ステキじゃないですか!
EMTG:高まりますね! 楽しみです!

【取材・文:海江敦士】

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ビデオコメント

リリース情報

JET SET BOYS

JET SET BOYS

2016年06月01日

HIGH&HIGH

1. HI!VOIR
2. ZIPPER DOWN-album mix-
3. LEVIATHAN
4. ROOM 504
5. STRAYED
6. PASTA
7. HI!CENTER-interlude-
8. PROMENADE
9. BAD COMPANY
10. GET SET
11. STANDING THERE
12. SAYONARA
13. THE THEME OF JETSETBOYS

お知らせ

■ライブ情報

JET SET BOYS LIVE TOUR 2016
「JET SET BOYS」

2016/06/04(土) 新宿LOFT
2016/06/11(土) 福島Iwaki PIT
2016/06/17(金) 梅田CLUB QUATTRO
2016/06/18(土) 名古屋アポロベース
2016/07/03(日) 東京EX THEATER ROPPONGI

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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