でんぱ組.incを生み出した秋葉原のライブ＆バー「ディアステージ」。2013年3月に、初めてそのステージに立ったのが妄想キャリブレーションだ。
そんな彼女達が2016年1月1日にZepp Tokyoで開催されたワンマンライブにて発表をし、いよいよこの6月1日にSony Music Records所属後、第一弾シングル「ちちんぷいぷい♪」リリースする。
その「ちちんぷいぷい♪」は、なんとEDM。これまでの妄想キャリブレーションの楽曲から大きく変化した作品だ。
さっそく妄想キャリブレーションの胡桃沢まひる、桜野羽咲、双葉苗、星野にぁ、雨宮伊織、水城夢子に、Sony Music Recordsに所属する事を発表した後の変化、そして今後の野望を聞いた。

EMTG：自己紹介をお願いします！

胡桃沢：胡桃沢まひるです！　しっかりものです！　天使です！　趣味は、海外ドラマを見ることやシュミレーションゲームで遊ぶことです。

桜野：桜野羽咲です。アニメ、ゲーム、ニコニコ動画が好きです。最近困っていることは、日差しが強くなってきたことです……日差しが苦手でドラキュラみたいな感じです……十字架も苦手です。

双葉：双葉苗です。クマとフクロモモンガを飼っています。……嘘です！　クマはネイルに描いているだけです。

EMTG：なんでそんな嘘をつくんですか……？

双葉：簡潔に話そうとして、つい嘘をついちゃいました……。

星野：星野にぁです。アイドルが大好きです。

胡桃沢：にぁは、妄想キャリブレーションではツッコミ担当で、みんながボケすぎるので忙しいです。

雨宮：雨宮伊織です。料理と大食いとネットカフェ、あと人を撃つゲームが好きです。ネットカフェはすごく落ち着くし、食べ放題のアイスクリームもあるんです。

水城：水城夢子です。この中で唯一普通の女の子で、オタクじゃないです。みんなをお姉ちゃんみたいに慕っています。

EMTG：まもなく発売されるSony Music Records所属後、第一弾シングルをひかえて、今の気持ちはいかがですか？　特に結成以来のメンバーである胡桃沢まひるさん、何か焦りなどはなかったのでしょうか？

胡桃沢：私は大学との両立もあったので、焦りはなかったです。むしろ、新メンバーが入って（雨宮伊織と水城夢子は2014年10月18日加入）、この6人になってからの期間が濃くて、この6人なら何でもやれるという手応えを感じています。全国ツアーやリリースイベントでみんなとずっと一緒にいて、嫌な部分もいい部分も見て、馴れ合いではなく「仕事をするメンバー」として確立されたかな。ソニーさんというパートナーと組んで、今までよりも大きく広げていこうという感じです。

桜野：Zepp Tokyoまでは私たちでできたけど、挑戦しきれないところに手を取り合っていける方ができました。

双葉：1月1日に発表して、リリースするまで少し空いたので、メンバー内で不安もあったんですけど、曲が決まって不安もなくなりました。むしろ武器ができた気分です。

星野：こうして取材をするたびにお話しすることで、「ちちんぷいぷい♪」の意味を理解しています。ファンの人たちも、最初はEDMに戸惑ったと思うんですけど、好きになってくれて、盛りあがってくれて嬉しいです。これから新しい人にも一発でわかってほしいし、フェスでも妄キャリの良さを理解してほしいです。

雨宮：ライブをあまりしない時期があって、ファンの人たちも不安だったろうし、私たちも不安だったけど、これからは「ちちんぷいぷい♪」で新しい妄キャリを見せられると思うし、楽しみです。イベントでも新規の人が多いんです。

水城：EDMだけど、歌詞には女の子も共感できると思います。アイドルの枠を超えてフェスでやりたいですね。

EMTG：Sony Music Records所属後の第一弾シングルという事に関してファンの皆さんからの反応はいかがでしたか？

胡桃沢：1月1日に「ドワーッ！」って湧いてくれたんです。私たちがお辞儀をしていて、その間にサプライズで発表されたんですけど、泣いてくれた人もいて、みんな親や戦友のような感じでした。

星野：自分のことのように喜んでくれて、仲間意識がすごく強いんです。

桜野：めちゃくちゃ喜んでくれていて、所属先がソニーというのも喜んでくれています。

双葉：距離も遠くなるかもしれないし、不安もあると思うんですよ。でも、私たちのことを優先して考えてくれています。

水城：「寂しいな」と言われることはあるんですけど、今までのスタンスのまま、新しい武器でこれから成長できるのが楽しみです。

雨宮：Twitterには書かないけど、手紙で「寂しいな」と書いてくれた人もいるんです。そういう手紙でも全部、最後には「有名になってほしい、おめでとう」と書いてくれているのが嬉しかったです。

桜野：「寂しいな」と人が言ってくれることがすごくないですか？　それでも私たちの夢を応援してくれているんです。

EMTG：6月1日発売の曲「ちちんぷいぷい♪」のEDMなサウンドを聴いたときの感想はいかがでしたか？

胡桃沢：最初は「なんだこの曲!?」って思ったんですが、でもすぐ体に入ってきて歌えて、自分たちと同じ匂いがします。

桜野：まだ歌詞がついてないときは、「めっちゃかっこいいけど踊れない！　もうダメ！」と思ったんです。でも、歌詞がついたらかわいい感じになって、女の子は共感できるし、男の子も「俺に歌ってるんじゃ？」って思えるし、歌詞で妄キャリになったなと思いました。

双葉：最初は「これはなんだ!?」と、私たちがやるのが想像つかなかったんです。でも、歌詞をいただいてレコーディングをして、自分たちに近づいた感じがして安心しました。「こいよ」と歌う部分が、「カモン」の意味ではなく「恋よ」になっていてかわいいです。

星野：「ちちんぷいぷい♪」も「夏祭り」もワードがキャッチーだし、わかりやすいメロディーで、すぐしみこんできました。妄キャリらしさがたっぷりあるし、ライブでやって完成したなと思います。これが「MOSO EDM」なんだなと。

雨宮：とにかくイントロやドロップ（楽曲の中で一番盛りあがる部分のこと）がかっこいいなと思いました。繰り返しが多くてシンプルで、新しい妄キャリを見せるいい機会だと思いました。

水城：歌詞がシンプルなワードだけど具体的で、夏祭りで片思いを始めるんです。かっこいい曲にかわいい歌詞をブッ込むアンバランスさが妄キャリっぽいと思いました。ダンスが凝っていて、ダンスの基礎からがんばって練習しました。だから、今までできなかった細かいニュアンスもあるので、それが新しい見所です。

EMTG：作編曲のDJ’TEKINA//SOMETHINGこと「ゆよゆっぺ」さんから、レコーディングのときにアドバイスはありましたか？

桜野：私はゆよゆっぺさんのファンで、大好きなゆよゆっぺさんの前で超緊張していたら、レコーディングブースの外でゆよゆっぺさんもメンバーもスタッフさんも踊っていたんです（笑）。

星野：とても愉快な方でした。自分の思うように歌ってくださいと言われて、読みくだいた通りに歌いました。

双葉：自分の好きなように、自分の思う通りにすんなり歌いました。

雨宮：楽しかったよね、「恋よ」と普通に言いながら（笑）。

水城：体を動かしながら（笑）。

胡桃沢：EDMの「ウェイ」なノリがわからなくて、渋谷にいるウェイな人になりきって、手を上げて歌いました。でも、ひとりずつ違うウェイなんです（笑）。

星野：誰ひとりサマになってない（笑）。

EMTG：MVでは、面白法人カヤックの天野清之さんが開発した「アームスカート」が使われていますが、あれは重くはないんですか……？

全員：重いです（笑）。

桜野：今回はファッションとテクノロジーという感じで、乙女の生活を守ってくれています。ストレスを感じやすい方なので、熱くなると休憩がありました。

雨宮：だから2、3回しか撮れないんです。

星野：緊張感がありました。

胡桃沢：失敗が許されないんです。手紙を渡すときは「こう動くんだ？」って面白かったです。

双葉：思ったよりもズッシリしていて、回転したりできるんですよ。未来が見えました。

水城：シュールで面白くて、そこが妄キャリっぽいなと思いましたね。大人の方が真剣にお世話していて、とても楽しくできました。（思い出し笑いか突然爆笑しはじめる）

EMTG：「ちちんぷいぷい♪」がどんな人に届けばいいと思いますか？

胡桃沢：アイドル好きの人には知ってもらっている自負があるので、おじいちゃんやおばあちゃん、子供、一般の人まで、ジャンルを超えて開拓していきたいです。

桜野：「アイドルだから」と斜に構えて見る人にも、「楽しかったら関係ないじゃん！」とパフォーマンスを見せたいです。アームスカートも初めて見てもらうきっかけになればいいし、いろんなことに挑戦したいです。

双葉：今まではアイドルが好きな人に向けて活動するのがメインだったけど、全然違うジャンルの人も受け入れてくれる曲だと思うので、開拓していきたいです。

星野：老若男女、特に私たちと近い世代に届けたいです。そういう人たちはSNSでも発信力が強いから。

雨宮：今回は曲も衣装もいい意味でアイドルっぽくなくて、アイドルに偏見がある人にもすすめやすいと思います。お客さんの友達にもすすめやすいと思います。

星野：自慢してほしいです！

桜野：友達に教えたくなるような女の子になりたいです！

水城：妄キャリって、「ちちんぷいぷい♪」に限らず、パフォーマンスも顔も一癖も二癖もあるので、一口目では「えっ!?」と思っても、二口目でハマっていくんです。それを一般の方にも体験してほいしです。ハマると抜け出せなくなるので！（また突然爆笑しはじめる）

【取材・文：宗像明将】