謎の仮面バンドXmas Eileen、メジャー第1弾リリース後の彼らを直撃!
Xmas Eileen | 2016.09.13
白い仮面、黒のトレンチコートに身を包んだ謎の6人組、Xmas Eileen。彼らがメジャー1stアルバム『ONLY THE BEGINNING』を完成させた。自ら主催する人気イベント「暁ロックフェス」を含め、ライヴ・パフォーマンスにおいては多くの観客が大声で歌い上げる熱い磁場を作り上げている。その事実が物語るように、今作も聴き手と真正面から向き合ったヘヴィかつハートフルな楽曲を取り揃えている。ラウド、EDM、ヒップホップ、レゲエなど引き出しの多さを見せつける一方、ストレートな歌ものでもじっくり聴かせる手腕は素晴らしい。Vocal R/No name(以下Vo右)、Guitar/ No name (以下G)のメンバー2人にバラエティに富んだ今作の魅力について話を聞いた。
- EMTG:今作発売後の取材タイミングになるので、まずは周囲の反応から聞かせてもらえますか?
- Vo右:オリコンデイリー10位ということで、周りの友達も喜んでくれてますね。作品に関しては、狙い通りに感じてもらえているかなと。老若男女、家族連れからライヴに来るキッズまで、いろんな人に届いてほしいという気持ちがあったから。
- G:レコード屋さんも手作りのポップで宣伝してくれたり、単純にそれが嬉しくて。今回はすごくいいアルバムができたと思うから、自分でも珍しくよく聴いてます。オリコン10位は嬉しかったけど、もっと上を目指してますからね。とはいえ、昨夜メンバーとホテルのベッドでバンザイ!ってやりました。
- Vo右:ははははは。
- EMTG:そんなカワイイ側面も(笑)。
- G:まあ、近くにいる両親や友達が喜んでくれるのが一番嬉しいですね。
- EMTG:リスナーはもちろんだと思いますが、自分たちの身近な人にも伝えたい?
- Vo右:それはありますね。見た目はこんなんですけど、親から何やってるかわかんない、みたいに思われたくないし。僕の親父は「Future Song」を車の中でもずっと聴いてますからね。両親からすると、今が人生の中で一番マジメに見えるみたいで。音楽をやってくれて、本当に助かった!って(笑)。
- EMTG:家族や身近な人たちを意識することで、音楽への向き合い方も変わりました?
- G:結局、誰でも聴けないとダメだなと。10代から親世代まで聴けることが、自分たちは一番いいことだと思ってるんで。
- Vo右:へんなところでツッパらなくなりました。で、違うところでツッパろうと。すごくポップな曲もあるんで、コアな音楽をやってる人からすると、売れ線狙いやがってと言われるだろうけど。いやいや、人間的にはおまえらよりポップやじゃないから!って。
- EMTG:ははははは。
- Vo右:だから、そんな意見は気にならない。Jポップバンドだと言われたら、全然それでいい。
- EMTG:Xmas Eileenなりのツッパり方と言うと?
- Vo右:僕らみたいなテイストの音楽で、一般大衆に届けるのは、なかなかハードルが高いと思うんですよ。いままで5人相手にケンカしていたのが、100人相手にケンカするようなものですから。わかりやすく言えばですけどね(笑)。すごく大きな意味での闘いというか、それをしたいなと。それはこの6人だから、できることですね。
- EMTG:というのは?
- Vo右:僕も含めてみんなバカなんで、全員が同じ方向を向けているのかなと。
- G:このアルバムでいい意味で肩の力が抜けたというか。虚勢も張らないし、歌詞でも自分たちの弱さも余裕たっぷりに曝け出せているので、いい風に変わってきてるなと。
- EMTG:なるほど。そういう意味ではメジャー1発目というタイミングですけど、バンド的には今、最高に音楽を楽しめていると?
- Vo右:ああ、ほんとそうですね。初めてそう思えてるかもしれない。
- EMTG:話は横道に逸れますが、実際のライヴではシンガロング、コール&レスポンスできるパートが本当に多いですよね?
- Vo右:世の中にこういうことを言いたいんだぜ、というものがないから。それこそ聴いてる人のBGMになってくれたらいい。ランニングしてるとき、恋人にフラれて落ち込んでいるときに聴いてくれたらいいから。人に向けて音楽をやってるんで、その気持ちがライヴにも出てるのかもしれない。
- G:ライヴの絵をみんなでイメージして曲を作りますからね。フレーズ的にかっこ良くても、棒立ちでも楽しんでもらえる曲に変えよう、みたいこともありますから。
- EMTG:今作はライヴ感というか、バンド感がグッと前に出てきた印象があるんですよ。制作時の最初のアルバム像は?
- Vo右:ないっすねえ。自由気ままに作った曲の集合体みたいな。
- G:決めちゃうと、僕らは良くないんでしょうね。アルバム名はVo右さんが最初に決めてたんで。
- Vo右:メジャー第1弾なのにアルバム名が"序の口(『ONLY THE BEGINNING』)"って、かっこいいなと。でも作ってる最中は精一杯でした。
- G:本当は"ピーク"でしたね。
- EMTG:ははは。ギターさんはツイッターでも遊園地みたいな作品と書いてましたよね?
- G:周りはミクスチャー、ラウドロックとか書いてくれるけど、何も考えてなくて。この曲は激しく、この曲はレゲエ調とか、小学生の会話みたいなノリですからね。
- Vo右:ぶっちゃけて言うと、全部適当です!
- EMTG:そんなことはないと思いますが(笑)。「Still a Liar」は展開の凝った曲調で、各メンバーの顔が見える人間臭い演奏も聴き応えがあります。
- Vo右:それは結成当時からあった曲なんですよ。で、ちゃんと完成したから、今回入れようと。
- G:「December Butterfly」も一番最初に作った曲で、イントロがかっこ良かったから、今回のタイミングで入れようと。
- EMTG:作品、ライヴを積み重ねて、曲を形にできるスキルが身に付いてきたんですかね?
- Vo右:おそらく、そういうことなんでしょうね。ポップになりすぎても楽器陣は面白くないだろうし、ゴリゴリに寄ってもヴォーカル陣はラップグループをやってたんで、全員がギャーギャー叫んだら持ち味は消えるから。メンバーみんなが自由に遊べて、みんなが活きることを考えたら、こういう形になりました。
- EMTG:「Zombie」は今作の中でももっともゴリゴリの曲調ですね。
- Vo右:ははは。なぜ「Zombie」なのかと聞かれるんですけど、ヴォーカル左さんが「Zombie」ではなく、「プ●シ●」に聴こえると。じゃあ、それで行こうとなったけど、やっぱりマズいということで歌も歌詞も全部ボツになって。でもメロディはできてるから、「プ●シ●」に変わる言葉・・・「Zombie」でいいんじゃないの?って。
- EMTG:はははは、そうでしたか。
- G:僕は絶対無理だと思ってましたけどね。
- EMTG:ですよね(笑)。
- Vo右:でも「Zombie」と付けたら、面白い歌詞もできたし。センターのパフォーマーがライヴ用の振り付けを考えてくれましたからね。結果、この曲名で良かったなと。
- EMTG:SLAYER風のリフも曲調に合ってますよ!
- G:いや、レコーディングは「プ●シ●」という曲名で録音してますから。
- EMTG:そうでしたか(笑)。あと、意外だったのは「Wonderful Life」で、肩の力が抜けたポップな楽曲ですね。
- Vo右:ルーツレゲエっぽい曲ですよね。サビの歌詞やメロディを活かすために、周りの演奏はどうしようかなと考えましたね。
- EMTG:いい曲ですよね。
- Vo右:フロント3人がこのバンドをやる前にやっていたラップグループ時代の未発表曲なんですよ。3人は一緒にいることも多いんで、「あの時に作ったVo右の歌詞とメロディ良かったのになあ」という話になって、復活させようかって。
- EMTG:それでほかの曲とは雰囲気が違うんですね。
- Vo右:ああ、そうですね。このアルバムの中では1、2位を争うくらいこの曲の歌詞が好きで。「あの未来にタイムマシーンがあるとしても ボクは乗らない方を選ぶよ 過去(そこ)にキミはいないから」の歌詞が特に好きで。
- EMTG:どの辺が気に入っているんですか?
- Vo右:単純に言葉の並びですね。「ボクは乗らない方を選ぶよ」の後に、「キミはいないから」とその理由を書いてますからね。好きです好きですという歌詞は苦手で、後でちゃんと意味がわかるものが好きなので。
- EMTG:さきほども話に出た「Future Song」はちょっと切ない曲調ですね。ただし、歌詞は孤独を力に変えよう、というポジティヴな内容で締め括ってます。
- Vo右:人はひとりじゃないという歌詞がありますけど・・・ずっと疑問があって。いや、人はひとりだしって。女性がよく、わたしの気持ちわかってるの!っ言うけど、お前の気持ちわかるわけないでしょって。人なんて、どこまで行っても一人きりだから。それをこんな仮面被って、トレンチコート着た訳わかんないバンドが歌ってる(笑)。それをみんなが面白がってくれてるから。1人だからこそ・・・周りの人を大事にしたり、ちゃんと考えていくべきだなと。
【取材・文:荒金良介】
リリース情報
ONLY THE BEGINNING(初回限定盤)
2016年08月31日
ビクターエンタテインメント
01. Jingle Bells
02. Fly High
03. Still a Liar
04. Before the Skyfall
05. Zombie
06. Wonderful Life
07. December Butterfly
08. NANANA
09. Number Nine
10. Good‐bye Summer Day
11. No Fade Out
12. Future Song
[BONUS TRACK]
Keep on A・B・C・ing ‐Zardonic Remix‐
[初回限定盤DVD]
「Keep on A・B・C・ing」
「Fly High」
「暁ロックフェス2016」ドキュメント
02. Fly High
03. Still a Liar
04. Before the Skyfall
05. Zombie
06. Wonderful Life
07. December Butterfly
08. NANANA
09. Number Nine
10. Good‐bye Summer Day
11. No Fade Out
12. Future Song
[BONUS TRACK]
Keep on A・B・C・ing ‐Zardonic Remix‐
[初回限定盤DVD]
「Keep on A・B・C・ing」
「Fly High」
「暁ロックフェス2016」ドキュメント
お知らせ
■コメント動画
■ライブ情報
TOKYO CALLING 2016
2016/09/19(月) 渋谷duo music exchange
『King Chimera』〜2016.MIXTURE IS BACK〜
2016/09/21(水) 渋谷asia
locofrank PRESENTS 『FOUR SEASONS 2016』-773Four RECORDS 10th YEAR ANNIVERSARY-
2016/09/24(土) なんばHatch
ビクターロック祭り×MBS音祭〜2016大阪・秋の陣〜supported by uP!!!
2016/10/09(日) 大阪城ホール
「ONLY THE BEGINNING」 TOUR 2016
2016/10/9(日) 千葉LOOK
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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TOKYO CALLING 2016
2016/09/19(月) 渋谷duo music exchange
『King Chimera』〜2016.MIXTURE IS BACK〜
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「ONLY THE BEGINNING」 TOUR 2016
2016/10/9(日) 千葉LOOK
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