結成10周年を迎えたHilcrhymeの最高傑作が完成。7作目のオリジナルアルバム『SIDE BY SIDE』

Hilcrhyme | 2016.12.07

 今年結成10周年を迎えたHilcrhymeの、1年9ヶ月ぶりとなる7作目のオリジナルアルバム『SIDE BY SIDE』が完成した。このアルバムでは、美しいメロディ、聴く人の共感を呼ぶ歌詞、エモーショナルなラップなど、これまでのHilcrhymeらしさは継続しつつも、DJ KATSUがロサンゼルスに赴いて、現地のアーティストとトラック制作をするなど、Hilcrhymeとしての新たなるチャレンジも試みており、まさに彼らの進化、成長も盛り込まれた作品になっている。Hilcrhymeのこれまでの10年間と、11年目の新たなる章のスタートが表現されている、渾身の意欲作だ。

EMTG:結成10周年記念アルバムである『SIDE BY SIDE』の、テーマやコンセプトを教えてください。
TOC:リスナーの人生に並んで歩いていく、という意味合いで、このタイトルにしました。Hilcrhymeの曲を聴いてくれている人や、ライブに足を運んでくれている人というのは、同じ感性や考えや痛みなど、何かしらを共有している人だと思うので、そういう人の人生に寄り添うような作品をこれからも創っていきたい。結成10年という節目に改めてそう思いました。
DJ KATSU:“万人に共感を得る”という、Hilcrhymeの根本的なコンセプトに則って制作して、タイトル曲の「Side By Side」が完成した時に、TOCのアイディアで、このアルバムタイトルとコンセプトに決まりました。
EMTG:“人生に寄り添う”というのは、どういうイメージなのでしょうか?
TOC:僕は自分の音楽を、人の人生に関わるものとして作っていると思っています。音源を聴いてくれた人、ライブを見に来てくれた人たちは、僕たちと何かしらの感性を共有していると思うので、その人たちの人生のどこか、ふとした瞬間でもいいからそこにHilcrhymeがいるなら嬉しい。寄り添うというより、寄り添わせて欲しいと思っています。
EMTG:「Side By Side」は、まさにそういう思いで作られた楽曲なのですね。
TOC:“ガラスの中で震えて立ち竦んでいる 君がいる。僕がいる。手を伸ばし触れてあげたいけど鏡の前で日々と立ち向かっている 君がいる。僕がいる。背を向けて歩いてく”という歌詞が、リスナーとアーティストの、僕にとって正しい距離感。普段の人生で関わる事はないけど、いつも居る。その距離を表すのに"ガラス"がいちばん近いと思いました。ガラスは透けて相手が見える、そして反射で自分も映る、まるで重ね合わさっているかのように見える。だけど決して触れない。この表現が今作の作詞でいちばん上手く出来たアートだと思っています。
DJ KATSU:トラックとしては優しさと切なさが混在するような広いテーマが作れるような構成で作りました。最初はピアノとエレピがメインのトラックでしたが、歌詞が乗ってから、壮大な感じにしてほしいとTOCから要望があって、ストリングスを追加しました。ポイントはボーカルシンセです。
EMTG:他には、新たなるチャレンジなどはあったのでしょうか?
TOC:KATSUが今年の1月にLAのソングライトキャンプに参加してきたんですが、それによってアルバムで良い効果が出ていて、トラックが過去作とはだいぶ違うと思います。でもHilcrhymeらしさはちゃんと残している。トラックにラップを乗せるというやり方は変わってないけど、スタジオセッションで出来上がったオケというのは、Hilcrhymeとして新機軸だと思います。
DJ KATSU:これがHilcrhymeとしては初の海外制作になりました。10日程滞在して、ほぼ毎日スタジオに入って、7つ作ったトラックの中から4つを使用しています。LA制作で関わったアーティストたちは、ガンズ・アンド・ローゼズ、ジャスティン・ビーバー、エミネムなど、超ビッグネームと共演や制作をしている世界でもトップクラスのアーティストなので、一緒に制作してるだけで大きなパワーを貰った気分でした。彼らに共通して言えるのは、とにかく楽しんでるという事。楽曲制作は、時に行き詰まったり、マンネリ化したり、うまく行かない事もありますけど、LAから帰ってきてから今まで以上に楽曲制作が楽しくなりました。
EMTG:リリック面で、テーマのようなものはありましたか?
TOC:やっぱりトラックを聴いてテーマを考えるので、トラック毎に違いますね。ただ心情的な変化はここ数年で結構あったので、それは表われているかもしれないです。割とストレートに表現したつもりです。
EMTG:ジャズの名曲「In The Mood」をリメイクした「WARAE ~In The Mood~」は、すごくユニークなアプローチですね。
DJ KATSU:あるタイアップの企画がきっかけで「In The Mood」のカバーをやる事になりました。オリジナル曲が、老若男女に知れ渡っている親しみのある曲なので、軽快なホーンサウンドの良さをそのまま活かして、踊れるビートを合わせました。でも元がジャズなので、普通の8ビートでは噛み合わないので、この形が出来るまでかなり試行錯誤しました。ポイントは主張し過ぎない程良いデジタルサウンドです。
TOC:タイアップ候補として作ったんですけど、そのタイアップの内容が全体的に重いテーマだったので、とにかく明るい曲にしなきゃと思って、笑う事の大切さをテーマに、爆笑、冷笑、嘲笑、作り笑い、愛想笑いなどいろんなタイプの笑いを書きました。2バース目の諺と数字で掛けていくラインは、ちょっとだけ気に入ってます。
EMTG:「ソノママ」は、これまでになかったスタイルの、とてもスケールの大きな楽曲だと思います。
TOC:過去に「我ガママ」という曲があるんですけど、それのオブラートに包んだ版みたいな感じです。あと、お世話になった方へも感謝の歌でもあります。これからも自分らしく生きていこうと。
EMTG:「Dandrobium」「LUCIFER」というインストゥルメンタル曲は、どういうイメージで制作されたのですか?
DJ KATSU:「Dendrobium」はLAに行ってハマったトロピカルハウスをテーマに作りました。もし花が歌い出したら、というSFチックなイメージです。インタールードは、1曲目の「VESPER」に宵の明星という意味がある事から、明けの明星を指す「LUCIFER」と名付けました。実はアルバムにインタールードを入れたのは初めてで、4月にディファ有明で行われたライブのオープニングで使った音源をアレンジしてます。
EMTG:「鼓動」と「Little Samba ~情熱の金曜日~」のリミックスバージョンが収録されているのには、どういう意味合いがあるのでしょうか?
DJ KATSU:前作『REVIVAL』に収録した「トラヴェルマシン」のリミックスの評判が良くて、ライブでも盛り上がる曲になったので、今回のアルバムにもリミックスを入れようという事になりました。「Litte Samba ~情熱の金曜日~」を選んだのは、トロピカルな雰囲気で、今の気分にピッタリだったからです。さらに、リミックスはダンスナンバーだけじゃないという事も表現したかったので、M8の「ドレス」が出来た時に、「鼓動」だ! ってなりました。
EMTG:来年3月には、新潟で10周年特別ライブが予定されていますね。
TOC:地元新潟で開催という事で、街全体を巻き込んだ祭りのような1日にできたらいいなと思っています。とにかく楽しんでいただきたいです。10年の集大成を見せたいし、これからのHilcrhymeもしっかり見せたいです。
DJ KATSU:朱鷺メッセは2回目ですが、アリーナでのワンマンライブは特別なので、かなり気合入ってます。持ってる力をすべて出し切るようなライブにするので、是非遊びに来て下さい!
EMTG:では最後に、このアルバムについて、ファンの方へのメッセージをお願いします。
TOC:10年目の最高傑作です。まずは聴いてください。そして寄り添えますように。
DJ KATSU:このアルバムは、結成してから10年やってきたHilcrhymeの最高傑作です。多くの方の心に届くことを願ってます。

【取材・文:熊谷 美広】

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リリース情報

SIDE BY SIDE

SIDE BY SIDE

2016年12月07日

ユニバ―サル ミュージック

1.VESPER
2.パラレル・ワールド
3.HINOTORI
4.言えない 言えない
5.クサイセリフ
6.WARAE ~In The Mood~
7.DENDROBIUM -Instrumental-
8.ドレス
9.鼓動 -Magnificent Remix-
10.ソノママ
11.Little Samba ~情熱のRemix~
12.LUCIFER -Interlude-
13.Side By Side

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

Hilcrhyme 10th Anniversary TOUR 2016 BEST10
2016/12/11(日) 東京・TOKYO DOME CITY HALL
2016/12/25(日) 京都・KBSホール

Hilcrhyme 10周年記念特別公演 「朱ノ鷺二〇一七」
2017/03/25(土) 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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