Shout it Out 連載第5回ゲスト:BIGMAMA<前編>

Shout it Out | 2017.02.17

【連載内容】
Shout it OutのVo.&Gt.山内彰馬とDr.細川千弘が「今、本気で語り合いたい先輩バンド」をゲストに招き、 “音楽”についてじっくりと話をする対談企画。

第5回目のゲストは、BIGMAMAのVo.&Gt.金井政人さん!

山内彰馬が「ステージに立っているだけで存在感のある数少ないボーカリスト」と憧れ、細川千弘が目指す“理想のバンド像”でもあるBIGMAMA。

今回はそんなBIGMAMAから金井さんを迎え、「フロントマンとしての華、そのために自覚していることについて」「バンドメンバーの存在について」「作詞を手掛けるボーカリストとしてのインプット方法やタイミングについて」「大人としての色気の出し方について」という4つのテーマについてじっくりと語り合ってもらいました。

<前編>の今回は「フロントマンとしての華、そのために自覚していることについて」「バンドメンバーの存在について」の2テーマをお届けします。

また、Shout it OutとBIGMAMAの出会いについても素敵なお話を聞くことができたので、こちらもオープニングで特別にお楽しみください!

img


<オープニング>Shout it Out×BIGMAMAの出会い

千弘:最初にお会いしたのは約1年前ですよね。
彰馬:それこそ、僕らが去年11日連続でライブをした時のちょうど最終日、「Welcome to BIGMAMA University」というイベントで。
千弘:お客さんも10代で、ゲストバンドも10代というイベントがあったんですけど、そこに僕らも出させていただいて。東名阪であったんですけど、僕らはそれの東京編(2016年3月24日@新代田FEVER)に出させていただいたんです。
Shout
彰馬:「出演したい10代バンド、集まれ!」的な感じで募集をかけてはったので、11日連続ライブの最終日にボコボコにされるのも面白いんじゃないかなって思って自らエントリーしたら、出演させていただけることになりまして(笑) で、その当日までにすごい流れがあったんですよ!金井さんがブログに1バンドずつ紹介文みたいなのを書いてくださったんです!しかも、エントリー曲以外の曲も聞いてくれてたっていう内容で。もう死ぬほど応募が来るわけじゃないですか?その中で、10代のバンドに対してこんなに熱意を持ってくださったことがすごく嬉しかったですし、僕らの11日連続ライブの最後の日に選んでいただけたってことでさらに嬉しくなりました!
Shout
金井:でもね、半分は自分たちのためだったんですよ。バンドを長く続けてきて、始めたてのときの気持ちを思い出そうと思っても難しいし。あとは、僕らがバンドを始めたころの年齢の人たちにも自分たちの音楽を響かせたいっていう意味があって。で、たくさん応募をいただいて、その中でShout it Outの音源を聞いたときに、正直「こういうバンドを呼んでいいのかな?」って思いましたね。もっと10代らしい粗削りさを予想してたんですけど、もうバンドとして活動も音源もしっかりと成立していたから。それだけは唯一迷いましたね、僕もメンバーも。このまま自分たちがどうこうしなくてもShout it Outは走っていけるだろうし、形になると思ったから。でもそれよりかは、これをきっかけに確変してほしいっていう願いも込めて、結果的にやっぱり僕が「Shout it Outを呼ぼうよ」って印を付けたのを覚えていて。それで、本番前に自分なりの礼儀として、その日1日予備知識なしで来るお客さんがいたらもったいないなって思ったので、エントリー曲以外のいろんな曲を聞いたりして紹介をさせてもらって。でもやっぱりライブを経て確信しましたけどね、「戦える子たちだな」って。
BIGMAMA
彰馬・千弘:わぁ……ありがとうございます。
金井:俺が19、20歳くらいのときって、俺よりめちゃくちゃ上手い人も、めちゃくちゃ努力家も、めちゃくちゃセンスがある人もいたけど、今ミュージシャンの仕事してない人もいるし。だから甘っちょろいこととか簡単なことは言えないけど、そういうのも全部含めて「戦える人たちだな」って、ライブをし終わった後にすごく思ったんですよね。それが1年後にこうやって対談に呼んでもらえてる訳だから、わたくしのセンスは間違っていなかったなと(笑)
Shout&BIGMAMA
彰馬・千弘:ありがとうございます!(笑)
彰馬:そのイベントは、10代バンドの出演情報が解禁される前に、すでに全会場ソールドアウトしていたんですよ。なので、見に来た人はもうみんなBIGMAMAのお客さんっていう状況だったので、すごいアウェイだろうなと思ってたんです。それで僕、前日にInstagramに「アウェーだけど…」みたいなことを書いたんです。そしたら金井さんが「そんなことないよ」ってコメントをくださって。あれは嬉しかったです! 僕らその時まだ自分たちのワンマンライブとかもやったことがなかったんで、自分たちだけを見に来たお客さんだけでフロアを埋めるという経験をしたことが無かったんです。結果から言うと、皆さんすごく熱く盛り上がってくれて嬉しかったんですけど、僕らの普段のライブよりも盛り上がったっていうのが逆にすごく悔しくて。
千弘:そうなんですよ。それだけ音楽が大好きな方たちがお客さんとして集まっていたことで、改めてBIGMAMAの偉大さがよく分かりました。出た瞬間から、もうお客さんの熱気が半端なくて。それはもうめちゃくちゃ覚えてますね。
彰馬:それが本当に悔しかったからこそ、「誰の力を借りずとも、自分たちの力だけで作り出さなきゃいけない」っていう意識が初めてそのイベントで芽生えて。大きなきっかけになった1日でした。未だにその意識は持ち続けています。
Shout
金井:その持ち時間のライブは、本当に自分たちのお客さんの前でワンマンライブをしてるのと変わらないくらいに見えてたよ。しかも、自分たちが次に出て行くときにShout it Outを上回るようなステージをしなきゃいけないって思ったって意味では、10代にしてちゃんとプレッシャーをかけていただいたなって。でもそれって、実はステージに立つ前にある関係性の上で成り立っているところもあると思ってて。ワンマンライブって、そういう意味では自分にとっては“答え合わせ”みたいな感覚で…っていうと、BIGMAMAとBIGMAMAのライブに来てくれるオーディエンスの関係性としては、もう大分お互いのことがわかってきてるというか。僕らはロックバンドにしてはかなりいろんなものをお客さんに預けがちで、それこそ一緒に歌ってもらうことであったり一緒に楽しむことであったり、観客を観客扱いしないで楽器扱いしてるというか(笑)
彰馬・千弘:(笑)
金井:でも、それを受け入れてくれる寛容な子たちは、心打つ演奏を目の当たりにしたときに、良いと思ったらそれをちゃんと体で表現しようとしてくれる。そういうオーディエンスが集まってくれていることはひとえに僕らの財産だし、その財産はとても綺麗に光ってるんだなっていうのをライブを見てて思うというか。自分たちはちゃんと良いお客さんを呼べているなっていうことと、そこでいつもより良いライブができたって他のバンドに言ってもらえることは、改めて「BIGMAMAのお客さんって素敵なんだな」っていうのを教えてもらえるというか。だから、あのイベントはすごく自分たちにとっても発見が多くて、またいつかやりたいなって心から思えた日だったんだよね。ライブをたくさんやってるといろんな記憶がちょっとずつ薄まっちゃうかもしれないんだけど、でもあのイベントは鮮明に覚えていますね。
BIGMAMA
彰馬・千弘:はぁ………。
EMTG:感無量ですか?(笑)
彰馬・千弘:はい(笑)
EMTG:対バンの後も接点はあったんですか?
千弘:はい、BIGMAMAのツアーファイナル公演にご招待いただいて、ライブを見させていただきました。個人的にはフェスでも何度もBIGMAMAを見させていただいています!
彰馬:あとは、僕が音源ができたら金井さんに送って、褒めていただきました(笑)
金井:(笑) こうなってくると、勝手に愛着がわいてきているんだよね。応援したい気持ちがすごいあって。
Shout&BIGMAMA
彰馬:わー!!!
千弘:マジで嬉しいー!!
金井:でもホントに嬉しいですよね、自分たちの企画で出演してくれたバンドが活躍してるのは。何よりも自分の背中を蹴飛ばされているような、お尻を叩かれているような感覚になりますし。終始後ろが痛いんですけどね(笑) すごく感謝してます。

テーマ①「フロントマンとしての華、そのために自覚していることについて」

千弘:それこそ、俺らが「Welcome to BIGMAMA University」に出させていただいた後に、金井さんが出演バンドについてブログに書いていたんです。その中で、「ボーカリストとして魅力があると思う絶対条件の一つとして“色気”が大事」って書いてはって、彰馬にはそれがあったって書いていただいてたんですけど…ボーカリスト同士でそれぞれに自覚してることとかってあるんですか?
Shout
彰馬:僕は、歌っていない無音の状態でステージに立っているだけでカッコいいボーカリストが好きで。でも、そこに辿り着いているボーカリストってそんなにいない中で、金井さんは見事に達していて。
金井:いやいやいや…。でも、フロントマンって常に先頭にいる訳じゃないですか、それがワンマンであろうとイベントであろうとフェスであろうと。だからこそ、誰よりも後ろにあるものを背負おうとは思ってるかな。それはメンバーの人生だったり、自分自身の人生だったり、そこにいるすべての人の気持ちを背負おうという責任感や自覚はある。その時間にエネルギーを費やした全員の気持ちを想像して、それをすべて背負いたいなって。どういう気持ちでステージに立つかって、フロントマンによっていろんな方法論があると思うんです。その人なりに“スイッチ”を入れる瞬間があると思うんだけど、俺はあんまりうまくそのスイッチが入らなくて。ヒーロースイッチみたいなのが自分にはないんですよね。
千弘:そうなんですか?
金井:だから、そういう風になれないって気づいたときに、もう日常からなるべくそっちに寄せるしかないなって思って。いつどこで切り取られても恥ずかしくない人間にならないとなって。そしたらちょっとずつ言うこともやることも変わってきてるかもっていう自分の中での変化はあって。
自分たちのワンマンでもそうだし、最近ではイベントやフェスでトリを任せてもらった時により強く思い出すことができるんだけど、そのステージが作り上げられるまでにはそれぞれにきっといろんな過程があるんだよね。すごく無理して遠くから来ている人がいるかもしれないし、人に誘われてなんとなく来てる人もいるかもしれない。でもチケットを買うためにめちゃめちゃしんどいバイトをした人もいるかもしれない。そういうのを一番想像して、一番背負ってステージに立とうというのが、自分の中で歴戦のミュージシャンにも負けずステージに立てる理由というか、心構えかな。
BIGMAMA
彰馬:なるほど…。結構前の話なんですけど、僕もスイッチが入らないままライブが終わってしまうことがあったりしたんですよ。それが結構悩みだったんですけど、“日常からそっちに寄せる”っていう考えは今まで全くなかったので、すごい勉強になります。
金井:あとは、人様に不快感を与えない清潔さを…(笑)
彰馬・千弘:(爆笑)
Shout&BIGMAMA
千弘:今一緒に住んでるんですけど、彰馬なんか靴下とかその辺脱ぎっぱなしですからね!
金井:(笑) 僕も人に見られてないと頑張れない人種なんで、それはこの仕事に就いてありがたかったと思いますね。気を付けるようにはなりました。
彰馬:僕、人に見られててもズボラですもん(笑) だから、僕も日常からそっちに寄せていった方がいいタイプではあるのかも…。
金井:ライブで目の色がカッと変わる良い瞬間あるじゃん?それがプライベートでもずっとだったら、ちょっと疲れるかもね(笑)
彰馬:それは難しい線引きっすね…(笑) ちなみに、明確なヒーロースイッチが無い分、日常からヒーローというか、そっちに行くための意識はしている訳じゃないですか?その中でも、ステージに立つ上でのスイッチみたいなのってありますか?
Shout&BIGMAMA
金井:あー。でも俺それに気づいたのってラジオとかでファンの子に相談された時で。「今度試験なんですけど、緊張しない秘訣はありますか?」って聞かれたときに、「ずっと緊張してたら慣れるよ」って。
彰馬:はーっ!なるほど!!
Shout
金井:冷静に考えてみてほしいと。もしかしたら、試験会場行く前に立ち寄ったコンビニの人があなたを見てるかもしれないし、駅員さんもあなたの態度をチェックしてるかもしれない。入口の受付の人ももしかしたらあなたのことを判断してる人かもしれないよっていう。冗談だけど、そういう風に常に緊張していたら、最終的に面接に辿り着いた時に、緊張慣れというか、場慣れしてるんじゃないかなっていう風に想像して。で、人に言っておいて俺もそうだなって後で思って。自分たちのバンドを好いてほしくてその場に立つときに、その準備というか、自分は自分のことを“入口”として好いてもらうことに慣れたいというか。
彰馬・千弘:なるほど!
Shout

テーマ②「バンドメンバーの存在について」

金井:で、さっきの話の続きになるんだけど、自分がなるべくそういう人間でありたいなと思う中で、ステージに立つ前のスイッチってあと何かな?って思ったら、メンバーに「よろしく」って言うことだなって。自分の能力を最大限活かしてくれるのは残りのメンバーだと思うので。
千弘:なるほどなるほど…。
金井:よく俺、バンドを人間に例えてて、俺はあくまで首から上に過ぎないと。まぁ、自分で「顔だ」っていうのもちょっとどうかと思うけど…(笑) でも、自分にバンドの“脳ミソ”があると思ってて。ギターのかっきー(柿沼広也)は“心臓”の人。彼が動かないとなかなか5人が原動しないから。で、ドラムのリアド(リアド偉武)は“体幹・ボディー”の人で、一番バンドの姿勢を正す人。ヴァイオリンの真緒ちゃん(東出真緒)はキャッチ―な“両腕”の人で、ベースの英人(安井英人)は“両足”の人。この5人で初めて巨大ロボに変身じゃないけど、自分以上の何かになってステージに立てる感覚があって。だから、ステージの前に立ったら、もうそこから先は個人戦じゃなくて急に団体戦になるというか。スイッチを入れるとしたら、そこの関係性のスイッチかな?
BIGMAMA
彰馬・千弘:なるほど!
千弘:今の話を聞いて、僕もバンドのメンバーとして1つの大きなテーマを言ってもらった気がしました。メンバーが1人でも欠けたらやっていけない訳じゃないですか?すごくメンバーのことを思ってらっしゃるというか、「この5人じゃなきゃBIGMAMAじゃない!」っていうのが伝わりました。
金井:そう思うかもしれないけど、俺がなぜShout it Outにシンパシーを感じているかというと、デビューしてすぐにメンバーが抜けるっていうのを、俺らも実は経験してて。1stミニアルバム(『short films』/2006年5月13日発売)を出した後に2人抜けてんのね。で、今のメンバーが2人入ってたりとかするのも、「そういうことって…あるよ!」っていうね(笑)
千弘:心強いっすね!(笑)
金井:別に俺の首がすり替えられても、残りの4人は立派なミュージシャンなのでどうとでもなると思うし。ただ、今はこの5人で柔軟性を持っていいフォームで走ったり投げたりいろんなことができるようになったので、それはすごく楽しいし、とても充実してるかな。まぁ、いつどこで誰に何があるかなんてわからないし、それを嘆いててもしょうがないしね。だから、Shout it Outのニュースが出たときに、「あれ?これどっかで聞いたことある話だな…」って思ったら、「あ、ウチだ!」って(笑)
彰馬・千弘:(笑)
金井:「これ、知ってるやつや!」って(笑) でも結局、やれる人はやれるし、やれない人はやれないと思うし、諦めなかったから自分も今なんとかなってるし。だから、そこはそんなに気負いすぎてないかもしれない。メンバーの人生を勝手に背負いたいなーって思ってた時期もあったけど、今ではみんなアーティストとして独り立ちしてるなって思うし。俺はこういう例え話をしてるけど、それぞれちゃんと脳があって、それぞれ1人のアーティストだから。元はそれぞれに人格があって、ステージに立つ瞬間にバンドの中の“役割”というか、“存在の仕方”を考えてその場で一緒に戦ってくれるような感じかな。運命共同体ですよね、メンバーは。嫌いな人とだったら10年も続かないからね(笑)
BIGMAMA
千弘:そうですね。俺と彰馬もずーっと一緒にこの家で生活してるんですけど、性格がめちゃめちゃ真逆なので、今こうやって一緒にやれてるっていうのもあって。BIGMAMAは結成10年ですけど、これまでメンバー間でなんかあったりしませんでしたか?
金井:俺以外のメンバーが基本的にめちゃめちゃ真面目で、かつ謙虚な人たちなので、俺がどれだけ気に障る申し訳ないことをして我慢させてたかなーくらいで。でも、俺も俺でそんなに無茶な人間ではないので。とは言え、お互いを否定することになってしまう瞬間はありますよね。例えば、曲作りとかはもうセンスの問題だから、「そのアレンジは違う」「それはダサい」とか、相手のセンスを否定しなければいけない瞬間は未だに緊張しますね。でもそれは絶対に必要なことだし、それを後腐れなくできるようにはなったかな。
Shout&BIGMAMA
彰馬・千弘:あーなるほどなるほど。
金井:でも、“バランス”は取っちゃダメだなと思っていて。バンドをやってく上で、どうでもいいこととかは多数決していいと思うけど、そうじゃないものは一番強い意思がある人に付いていくべきだっていうのは、なんとなくルールがあるかもしれない。5人いると、じゃあ3人いるからこっちだよねってなりがちなんだけど、たった1人が「俺は絶対こうだと思うんだよね」って言った時に、そっちの方が残り4人が乗っかる可能性が高い。相手をリスペクトしてるからこそ、ちゃんと自分も話を聞いて考えなきゃなっていう関係性は、正直しんどいし辛いけど、でも絶対に必要だなって。そうじゃないとこのメンバーで一緒にモノを作っている意味が薄れてきてしまうから。関係性と言われると、良いことだけじゃなくて辛いこととか難しいこととかもあるけど、それ以上に有り余って補うほど魅力的な人たちなので、まだまだ刺激し合って、成長し合っていきたいなって思うし、自分が率先してそうしていかなきゃなって思いますね。
Shout&BIGMAMA
千弘:僕たちも今は僕と彰馬しかいないですけど、いつかは4人っていうバンドの形になっていくんだろうと漠然ながら思っていて。その時に金井さんたちみたいな関係性を築きたいなと思いました。あと、彰馬って結構自由奔放で、ボーカリストらしいっちゃらしいんですけど、それを正しい方向に導くのが絶対に正しい訳ではないし、そういうのをちゃんとわかってあげるのもメンバーの仕事だなって思って今はやってますね。
Shout
金井:なんかね、年齢を重ねるにつれて、良い意味でお互いがお互いのプロデューサーになれてる気がしてて。
彰馬:はーーっ!!なるほど!!
千弘:素敵やな!
金井:「もっとこうした方がカッコいいなー」っていうことの繰り返しが多分ずっと起きていて、お互いにそれをもっと伸ばそうみたいなのをどんどん積み重ねてきて、今により自信が持ててるところはあるかな。
千弘:それ、めちゃめちゃ勉強になります。
彰馬:なるほど。それはすごく良い関係というか、良い考え方ですよね。なんか、目標ができた気がしました。あと、1つ相談みたいになってしまうんですけど、すでに完成された“バンドメンバー”という特殊な関係性の中に新しい人たちが入ってくる時って、新しく入ってきた人たちに郷に従ってもらう姿勢で来てもらうべきなのか、完成している側が意識的に新しい要素を取り入れようとすべきなのかっていうのを…。
Shout&BIGMAMA
金井:「自分の中で一緒に音楽を作って、一緒に曲を作っていて飽きない」、それがすごく自分の中で重要だった気がする。自分は物事に対してちょっと飽きっぽいところがあるんだけど、その中でも唯一飽きずに今も音楽をやれてるのって、多分曲を作るのが楽しかったからで。ライブをするよりも何よりも、自分の作った曲がいいなと思う瞬間の喜びを感じることが一番で。だから、そんな自分にとって曲を作るときに飽きさせないでいてくれることは、メンバーである上で一番尊敬できるところかな。曲作りって、さっきも言ったけどたまにセンスの否定し合いになっちゃうから、どうしても嫌な瞬間はあるんだけど、でもそれ以上にメンバーと曲を作って仕上がった瞬間に一番喜びを感じるから。だから自分が2人の立場だったら、そこを大事にするかも。「この人と一緒にいると、どんどん曲を作りたくなってくる」とか、「もっといろんな曲が書けるかもしれない」とか。それはもしかしたら歌詞かもしれないしね。「この人と話してたらどんどん歌詞が書けるかも」とか。
Shout&BIGMAMA
千弘:(彰馬君に向かって)今は作ってて飽きないかい?
彰馬:それは…そうですね(笑) 人と話してると自分になかった新しい考えを取り入れることができるので、歌詞に対する刺激というか創作欲を掻き立てられることがあるんですけど、メンバーっていうと、“僕が作った歌詞を一緒に完成まで持っていくための存在”と思っていたので、そこから新しい視点というか刺激を貰うという考えはなかったです。それはすごく新しいですね。 
金井:それはきっとそれぞれに形があって、俺は先に曲が仕上がって、歌詞は家で書いてくるわーって感じなのね。
彰馬・千弘:あー!
金井:最初は無声映画で、声がないものに「どんなセリフを付けようかな?」とか、「どんな吹き出しを入れようかな?」とか、そういう感覚でモノを作ってるから、よりそういうことを思うのかもしれない。
彰馬:なるほどー!僕は脚本があって、そこに映像を付けるみたいな感じなので、真逆ですよね。
金井:でも、そうするときもあったよ。作り方もいろんな方法論があった方がくたびれないというか、自分の中で飽きないっていうこともあったのかもしれない。
彰馬:僕にはその柔軟さが無くて…。「はい歌詞ができました、じゃあここに曲を付けましょう」って感じで。その柔軟さをどうやったら手に入れられるのかなって。
Shout
金井:でも、真似はしなくていいと思う。それは俺にはできないことだから。自分にできないことをやってる方がすごいと思うよ。
彰馬:ホントですか?ありがとうございます。でも、曲作るペースがめっちゃ遅いんすよ。
金井:たくさん作る人がいいとも限らないけど、「こういう曲作ろうよ」とか、「こういう曲ない?」とかメンバーやスタッフに言われたときに、何もアイデアを出せないのが俺は一番カッコ悪いと思ってるから、そこに対する意地やプライドはあるかも。だから、自分のペースを上げようとする原動力はそこかも。例えば、「ドラムのフレーズなんかない?」って聞いたときに、すぐ出てこなくてもいいんだけど、自分が思ってもいなかった提案やそれ以上の提案がいくつか返ってきたときにすごいなと思うし、多分メンバー同士、お互いそれに賭けてるところもあって。
BIGMAMA
千弘:確かにそう言われたら、僕もリンクする部分はありますね。
金井:ギターのかっきーだったら、聞いた瞬間に120点の答えを出してくることもすごくあるし、一回持ち帰るわって時もあるし。それでもちゃんと自分の期待以上のもので応えてくれてるから、そこにすごくセンスを感じるし。お互いそのやりとりのし合いで、常にその時に備えて準備をしておこうっていう感じになってるから、休みだったとしても「なんか曲のアイデアないかな?」って考えなきゃいけない生活っていうのは割としんどいよね。しんどいけど、今はそれが本望だと思ってますね。




    【次回予告】対談<後編>は2月27日(月)更新予定!お楽しみに!!

tag一覧 Shout it Out BIGMAMA 対談

ビデオコメント

リリース情報

Shout it Out「青年の主張」

Shout it Out「青年の主張」

2017年03月08日

ポニーキャニオン

01. 大人になれない
02. 17歳
03. 雨哀
04. 道を行け
05. DAYS
06. 夜間飛行
07. トワイライト
08. 青春のすべて
09. 影と光
10. 青年の主張
11. エンドロール
12. 灯火

リリース情報

BIGMAMA「Fabula Fibula」

BIGMAMA「Fabula Fibula」

2017年03月22日

RX-RECORDS/UK.PROJECT

01.ファビュラ・フィビュラ
02.MUTOPIA
03.ヒーローインタビュー
04.Make Up Your Mind
05.BLINKSTONEの真実を
06.Merry-Go-Round
07.Weekend Magic
08.Heartbreak Holiday
09.737 3rd Ave, RT 10017
10.レインコートになれたなら
11.ALL RIGHT
12.SPOON DIVING
13.SPECIALS(FFver)
14.愛はハリネズミのように

お知らせ

■ライブ情報

Shout it Out
1stフルアルバム『青年の主張』リリースツアー
2017/02/25(土) 大阪・OSAKA MUSE
2017/03/05(日) 名古屋・APOLLO BASE
2017/03/21(火) 松山・松山Double-u Studio
2017/03/25(土) 仙台・spaceZero
2017/03/26(日) 札幌・SOUND CRUE
2017/03/31(金) 金沢・LIVE HOUSE vanvanV4
2017/04/02(日) 新潟・GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2017/04/08(土) 福岡・DRUM SON
2017/04/09(日) 広島・広島BACK BEAT
2017/04/14(金) 神戸・MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2017/04/16(日) 高松・高松DIME
2017/04/22(土) 松本・松本ALECX
2017/05/07(日) 東京・TSUTAYA O-WEST


BIGMAMA
ファビュラ旅行記 2017
2017/05/14(日) ZeppTokyo(母の日)
2017/05/27(土) 福岡DRUM Be-1
2017/06/11(日) 仙台Rensa
2017/06/17(土) 高松MONSTER
2017/06/18(日) 広島CLUB QUATTRO
2017/06/24(土) 大阪なんばHatch
2017/06/25(日) 名古屋Zepp Nagoya
2017/07/01(日) 札幌PENNY LANE24
2017/07/08(土) 金沢EIGHT HALL
2017/07/09(日) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE

「BIGMAMA in BUDOKAN」
2017/10/15(日) 日本武道館

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る