BiSは完全復活を遂げられるか?新アルバム『Re:STUPiD』全員インタビュー!

BiS | 2017.02.21

 昨年9月の新メンバーオーディションを経て復活した直後にお披露目ライブを行い、11月には1stアルバム『Brand-new Idol Society2』をリリース。12月には全国ツアー、今年の1月からは2回目の全国ツアーへ突入……というすさまじいペースで動き続けているBiS。このような勢いをさらに加速しそうな2ndアルバム『Re:STUPiD』が完成した。今作はすべてが新曲。メンバーたちが作詞を手がけた曲がたくさん収録されているのも、注目すべきポイントだ。この一枚に対する手ごたえや、BiSの現状に対する想いを、メンバーたちに語ってもらった。

EMTG:よく言われると思いますが、ものすごいスピードで動いていますね。昨年の9月の合宿オーディションから始まったわけですから。
プー・ルイ:はい。満身創痍です。
EMTG:100kmマラソンを走ったばかりですからね(この取材は、メンバー全員参加の100kmマラソンの数日後に行われた)。
プー・ルイ:前にも100km走ったことがあるんですけど、普通に身体がやばいです。年ですかね?(笑)。でも、BiSが帰ってきた感じはします。
EMTG:プー・ルイさんはメンバーたちに“昔のBiSをちゃんと知ってスピリットを継承してほしい”っていう主旨のことをずっとおっしゃっていますが、その点に関して最近はいかがですか?
プー・ルイ:今のところまったく過去のことを知ろうとしてくれないので、“知ることができないのならば放り込んでみよう”ってことで、今回のマラソンとかが決まったんですよね。優しくしてたら、こんなんなっちゃったんです。だから怖くしないといけないなと思ってます。
EMTG:そういう中で、今回のアルバムがリリースされるわけですが、元々はシングルを出す予定だったみたいですね。
プー・ルイ:そうなんです。“新BiSとして新しいものを見せたい”っていうのを渡辺さん(渡辺淳之介/BiSのプロデュサー)が思ったらしいです。
EMTG:メンバーの皆さんが作詞した新曲がたくさん生まれましたね。ゴ・ジーラさんの作詞は「twisted grunge」と「SAY YES」と「Never Starting Song」。大活躍じゃないですか。
ゴ・ジーラ:いつも練習が終わるのが24時くらいで、お家に帰るのが日付けを越えてるくらいの時間なんです。そこからガストにこもってずっと歌詞を書いてたので、「やったー!」って思いました。ガスト、朝5時までやってるので、「ありがとう、ガスト」と(笑)。
EMTG:(笑)作詞をするのは元々好きだったんですか?
ゴ・ジーラ:書いたことはなかったです。でも、いろんな言葉を書いてみたら、楽しかったんですよ。最近、“こういうことも歌詞にしたいなあ”とか思うようにもなりました。
プー・ルイ:ゴ・ジーラは、すごく作詞が上手です。独特な感じがあって、ゴ・ジーラっぽいんです。いいやつをメンバーにしたなって思います。そういえば、記憶が曖昧なんですけど、この前のマラソン中に渡辺さんが「歌詞はゴ・ジーラとペリに期待してる」って言ってた気がします。
ペリ・ウブ:やったー!
プー・ルイ:わかんない。曖昧な記憶なんだけど。
ゴ・ジーラ:本当だったらうれしいので、信じます。
ペリ・ウブ:うん(笑)。
EMTG:ペリ・ウブさんの作詞は、「ぎぶみあちょこれいと」ですね。これ、タイトルはかわいいけど、なかなか怖かったです。
ペリ・ウブ:やばいやつを書きたかったんですよ。
キカ・フロント・フロンタール:この歌詞、元々はもっとやばい感じだったらしいですけど(笑)。
ペリ・ウブ:柔らかい方向にして、ちょっとかわいらしい感じになりました。実際の私は、この歌詞とは違いますよ。曲の雰囲気が危険な感じだったので、こういう歌詞になりました。
EMTG:キカさんが作詞をした「明日が来るなら」は、今回のアルバムの中でいちばん女の子的な作風ですね。
キカ・フロント・フロンタール:元々は違うテーマで、もっと爽やかな感じで書いていたんですけど、「みんな、この曲は試しに恋愛のテーマでも歌詞を書いてみて」って渡辺さんが言ったんです。そういうのもあって、「明日が来るなら」は、女の子っぽくなってるんだと思います。
EMTG:そして、プー・ルイさんの作詞は「NOT the END」と「ロミオの心臓」ですね。「NOT the END」の♪僕は寄生虫♪というフレーズが、頭から離れないんですが。
プー・ルイ:書いたとき、頭がどうかしてたのかもしれないですね(笑)。この歌詞をメンバーから募集したのは最後の最後だったから、もう何を書いたらいいのかわからなくなってたんです。爽やかなメロディなので「卒業をテーマに」と言われて、書いてみたら「つまんねえ」って言われたんですよ。だから振り切って書いてみたのがこれです。
EMTG:アヤさんも、歌詞はいろいろ書いてみたんですか?
アヤ・エイトプリンス:みんなの半分くらいしか書いてなくて、採用もされなかったです。もっと言葉を勉強したいです……って外国人みたいですけど(笑)。小説とかを読んだり、日々、いろいろ考えたりすることが必要なのかもしれないですね。
EMTG:メンバーによる独自の切り口とか言語感覚を曲に反映するというのは、BiSにずっと引き継がれてきたものですよね。
プー・ルイ:はい。アイドルって基本的に作詞をしないことが多いですけど、BiSは作詞をしますから。
EMTG:今回、松隈ケンタさんと渡辺さん(J×S×K名義)が作詞をした「gives」、渡辺さんが作詞をした「NAKODUB」が、すごくグッときました。“渡辺さん、いい人だなあ”って思っちゃったんですけど。
プー・ルイ:気のせいです(笑)。
EMTG:(笑)「gives」は“ここからやってやる!”っていうのが伝わってきますし、「NAKODUB」は、日本武道館への想いを描いた曲として受け止めました。
プー・ルイ:「NAKODUB」は、後ろから読むと“ブドウカン”ですからね。渡辺さんはロマンチストなんです。会社から独立して、BiSHを始めたことは、渡辺さんのいろんな変化に繋がったみたいです。前のBiSの失敗じゃないですけど、“もっとここはこうできた”っていうのを活かしてるみたいですよ。
EMTG:前のBiSが武道館でライブをすることができなくて、解散公演が横浜アリーナだったというのは、現在の活動にすごく繋がっていることですよね?
プー・ルイ:はい。BiSは武道館へのハードルが上がってしまったんですよ。私たちは、すごく売れないと立てないんです。まずは横浜アリーナを埋められないと、武道館には立てないですね。
EMTG:ここから進んで行くためには、どういうことが必要だとイメージしています?
キカ・フロント・フロンタール:もっと全員が“BiS”になることだと思います。悔しいんですけど、まだBiSになりきれてないのを感じるんです。
ペリ・ウブ:気持ちが足りてないんです。でも、そこへの辿り着き方がまだわかってなくて。
ゴ・ジーラ:早くなんとかしなきゃいけないですね。やっぱり、皆さんが想像している以上の何かを伝えられるようにならなきゃいけないんだと思います。
アヤ・エイトプリンス:グッとくるものがないということをよく言われます。でも、どうしたらいいのか答えが見つからないんです。
EMTG:プー・ルイさんは、今のBiSについてどう感じています?
プー・ルイ:“やってやるぞ!”という気持ちがないです。「BiSになれてない」って言ってるわりに、それに対する焦りがなくて。ライブが終わったあととかに、“今日どう思ったか”っていう話をすることがあるんですけど、そこでもいろいろ感じます。結局、今のBiSはみんな同じ時期から始めたとはいっても、私は前のBiSから約7年間やっていて。そういう私が「こうなんじゃない?」って言うと、それが正解になっちゃうんですね。でも、それで良いとは思ってなくて。“正解”として同調してほしいんじゃなくて、“いや、私はもっとこうだよ”とかそういうことを求めてるのに、「はい!」しか言わない(笑)。
EMTG:いろんな組織で起こることですね。
プー・ルイ:それも問題だと思ったので、何も言わないでみたんですね。4人(キカ・フロント・フロンタール、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ)だったら何か起こるのかもしれないなと思って。それでも何も言い返さないっていう状況を見たときに、“こりゃ結構やばい”って思いましたね。“考えてないじゃん。わかんなくてもいいけど、考えることすらしてないんじゃないの?”っていうふうに映ってしまいました。私は今のBiSの状況は、立ち直るのに1~2年はかかるくらい落ちてしまってると思います。スタートダッシュが失敗。それが“これだけ言っても伝わらないのか?”って思ってます。暗い話になっちゃいましたけど。
EMTG:今回のアルバムがまさにそうですけど、どんどん良い曲が生まれているという音楽面は、BiSが手にしている希望のひとつじゃないでしょうか?
プー・ルイ:はい。それは間違いないと思います。このアルバムは新しいBiSが始まる合図のようなものになってるので、ぜひ、たくさん聴いて、ライブに遊びに来てほしいです。
EMTG:ライブはホームグランドであるという意識は、やはりありますよね?
プー・ルイ:まだ“ホームグラウンド”とまでは言えないです。でも、そう言えるようになっていきたいですね。
EMTG:キカさん、ペリ・ウブさん、アヤさん、ゴ・ジーラさんは、ここからどう戦っていこうと思っていますか?
キカ・フロント・フロンタール:やはり、いいライブをしたいです。
ゴ・ジーラ:疲労骨折するくらいの勢いで頑張りたいです。
アヤ・エイトプリンス:私自身に関しては100kmマラソンで、少しだけ自信がついたんです。走ってるときは“死んでもいいからゴールする”って思ってましたから、それと同じ気持ちでBiSをやりたいです。
キカ・フロント・フロンタール:100kmマラソンは“誰かリタイアするかも”っていうのが、実は頭の片隅にはあったんです。だから、5人全員がゴールできたっていうのは良かったと思います。
ペリ・ウブ:私も歩いたりはしたんですけど100km完走できましたから、今は“なんでもやってやるぞ”という感じです。
EMTG:ゴールでもらったネギの感触は、忘れられないですか?
ペリ・ウブ:はい(笑)。美味しかったです。すき焼きにして食べました。
EMTG:プー・ルイさんは大根をもらったんでしたっけ?
プー・ルイ:大根2本とネギ1本です。食べてないです。寄付しました(笑)。
EMTG:(笑)個人的なことですけど、アルバムの新曲披露に関しては、「ミステリアスホール」を楽しみにしています。ものすごいシャウトが轟きそうだなと。
キカ・フロント・フロンタール:「ミステリアスホール」は、曲調が激しいですからね。
ペリ・ウブ:私、叫ぶの好きです。叫んだあとにすべてが頭の中からなくなる瞬間が気持ちいいんですよ。
ゴ・ジーラ:“フッ”って何かがなくなる瞬間があるよね?
ペリ・ウブ:うん。そのあとが大変なんですけど。
EMTG:完全燃焼できるライブから、BiSの逆襲は始まるんじゃないでしょうか?
ペリ・ウブ:はい。早く巻き返したいです。頑張るしかないです。

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

Re:STUPiD

Re:STUPiD

2017年02月22日

SPACE SHOWER MUSIC

01. gives
02. twisted grunge
03. ミステリアスホール
04. SAY YES
05. Never Starting Song
06. NOT the END
07. ぎぶみあちょこれいと
08. ロミオの心臓
09. 明日が来るなら
10. NAKODUB

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■ライブ情報

Re:STUPiD TOUR
2017/02/26(日) 渋谷WWW X

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2017/03/19(日) シーパルピア女川

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2017/03/25(土) 東高円寺U.F.O.CLUB

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2017/04/08(土) SUN HALL

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2017/04/23(日) 新宿9会場

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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