Hilcrhymeの10年を網羅した珠玉の3枚組ベスト盤『BEST 2006-2016』が到着。

Hilcrhyme | 2017.04.04

 今年結成10周年を迎えたHilcrhyme。彼らの10年間の足跡をまとめた3枚組ベストアルバム『BEST 2006-2016』がリリースされる。ファンの人気投票によって選ばれた44曲が、順位もそのまま収録されているという、まさに真のベストアルバムともいうべき作品だ。さらに幻のインディーズデビュー曲「もうバイバイ」もインディーズバージョンとしてボーナストラックに収録されており、ここにHilcrhymeの10年間がギュッと詰め込まれている。

EMTG:結成10周年記念ということで、3枚組のベストアルバムがリリースされます。
TOC:10周年というのがいちばんの理由で、2012年に出した最初のベスト盤『Best of Hilcrhyme ~GOLD~』と『Best of Hilcrhyme ~SILVER~』が、今回のベスト盤のリリースを機に廃盤になるので、これが世に出ているHilcrhymeの唯一のベストになります。そういう形を取れたので、今回のリリースに至りました。
EMTG:選曲は、すべてファン投票によるものなんですね。
TOC:去年“Hilcrhyme 10th Anniversary TOUR 2016 BEST10”という、ファン投票によって披露する曲を決めるというツアーをやったんですけど、そのツアーと10周年の集大成として、このベストアルバムが出来たんだよ、という物語にできました。このツアーのためにファン投票で選ばれた曲が、順位もそのまま入っているので、まさにファンの人たちが決めたベスト盤です。結果的にいろいろな要素がスッキリ収まった作品になったと思います。
DJ KATSU:いちばんきれいな形で、求められているものを提供できたんじゃないかと思います。最新アルバムも入れると100曲を超えていて、ファンの人といえども、それをコンプリートしている人って、あまりいないと思うんです。それを求めやすいパッケージで出すというのは、とてもいいことなんじゃないかなって思いますし、新しいファンの人にとっても、いいベスト盤だと思います。
TOC:マスタリングのときに、この曲順で聴いたんですけど、「想送歌」「友よ」「Lost love song」の並びとか、強烈でしたね。ベスト盤って、本当に良いんだなって感じましたし、Hilcrhymeのアルバムに最初に手を出すなら、これだなって思いました。
EMTG:ファン投票の順位で、意外だったものなどはありますか?
TOC:44曲までいけば、人気のある曲はたいてい入っているなと思うんですけど、トップ10の順位は結構意外でしたね。例えば「ルーズリーフ」が入っていなかったり、「春夏秋冬」ではなくて「大丈夫」が1位だったり。
DJ KATSU:「想送歌」ってスゲェ好きな曲なんですけど、セールス的にはあまり良くなくて、ライブでもそんなにやらなかったんですけど、4位に選ばれてて、あ、やっぱりみんなも好きなんだなって確認できたのは良かったですね。セールスと、ファンの人が求めてくれているものって、イコールじゃないんだなって。
TOC:この曲に関しては、完全に見方が変わりましたね。
EMTG:この曲順だと、時代がバラバラなので、それも面白く聴けますね。
DJ KATSU:2曲目の「春夏秋冬」が1枚目のアルバムで、3曲目の「パラレル・ワールド」は去年出したばかりの曲ですからね。ライブであまりやらない曲を久々に聴くと、あのときはこんな感じだったなぁとか、思い出しますね。
TOC:トップ10の中の、「想送歌」「Lost love song」「Your Smile」「エール」の4曲は、2014年にリリースされた5枚目のアルバム『FIVE ZERO ONE』に入っていて、これらは全部、前のベスト盤の後にリリースされた曲で、これが入っていることによって、前とは全然違った作品になっていると思います。
EMTG:ここ2~3年の楽曲も、結構多く選ばれていますよね。
TOC:ファン投票って、結構真っ当なんですね。僕にとってはかなり信頼度が高くて、5枚目のアルバムって、Hilcrhymeがいちばん売れていた時期ではないんですけど、でもこれだけ入っているというのは、すごくうれしかったです。
EMTG:この曲が選ばれたのは、かなり感慨深い、とか、そういった曲はありますか?
DJ KATSU:「HAKU-SAN」って、結構好きな曲なんですけど、あんまり陽の目を見ていない曲なんです(笑)。だからこういう形でまた聴いてもらえたり、これで知ってもらえる人がいるというのは、うれしいですね。
TOC:「押韻見聞録」は、ライブでよくやっているんですけど、その続編の「続・押韻見聞録-未踏-」のほうが人気が高いというのも、面白いですね(笑)。僕も好きな曲ですけど、ファンの人もこういうのが好きなんだなって。ツアーのテーマソングのようなつもりで書いたから、ファンの人も、書かれてる感が強いのかもしれませんね。
EMTG:「もうバイバイ」もインディーズバージョンの「もうバイバイ-Indies Version-」としてボーナストラックに収録されていますね。
DJ KATSU:リリースが2008年で、当時2000枚プレスして、1000枚売れて、メジャーの契約とともに廃盤にしたので、世の中に1000枚しか出回っていないんです。ここで陽の目を当ててあげたいな、という思いもあって。
EMTG:この曲のふたつのバージョンの聴き比べも面白いですね。
TOC:プリプロと本チャンみたいな感じですよね(笑)。インディーズバージョンは歌も自宅で録ったし。
EMTG:この45曲の中で、Hilcrhymeとして転機になったな、と感じる曲はありますか?
TOC:僕は「NEW DAY, NEW WORLD」ですね。メジャーデビューから4年経って、スタッフやマネージャーといった体制が一変して、初めて外部トラックメーカーを招いた作品でもあり、僕もこのとき髪をバッツンと切って、すごい転機だったと思います。
DJ KATSU:「NEW DAY, NEW WORLD」から、外部トラックメーカーを招くようになって、そういう人たちからも影響を受けましたね。1stアルバムの『リサイタル』の頃は、メジャーデビューの前に作っていた曲ばかりだから、それと聴き比べると、劇的な差はありますね。
EMTG:初回盤には、ライブのベストトラックをまとめたDVDが付いていますね。
TOC:これも年代によって結構違いがあるので、面白いと思いますよ。髪の毛とか、衣装とか。昔の髪型とか、本当に恥ずかしい(笑)。
EMTG:さらに4月8日からは映画「春夏秋冬物語」も公開されます。
TOC:「春夏秋冬」という曲は、やっぱりたくさんの人に届いたので、映画化してみるのはどうだろうというお話をいただきました。僕たちのライブの映像とドラマがリンクして進んでいくという、普通の映画化とはちょっと違っていて、新しいと思います。
DJ KATSU:映画「PARALLEL WORLD」の第2弾的なイメージもありますね。「PARALLEL WORLD」は完全なライブの映画だったけど、今回はそれにストーリーが加わっていくという。
TOC:「春夏秋冬」という曲に対して、実は結構ストレスだった時期もありました。“また、それ? 新しい曲も出しているから”って……。でも人々の心にこの曲が残っていて、それも自分たちが作ったものだから、否定することは絶対に良くないなって思って、じゃあ逆に肯定してみようって。だから映画化の話もすんなりと受け入れられたし、その続きを書いてみようと思って、「春夏秋冬」の7年後みたいなイメージで、主題歌の「アフターストーリー」を作ったんですけど、メチャクチャ良く出来て、やっぱりこの考えは良かったんだなって思いましたね。
EMTG:このベスト盤のあと、11年目以降のHilcrhymeの方向性は見えてきていますか?
TOC:1年目に気持ちを戻してやりたいです。この10年は、すごく葛藤、悩み、迷いがあって、衝突もありましたけど、そういうのも一通り終わって、純粋に自分たちの書きたい曲、やりたい曲を、作りたい曲を、改めてもう一度考えて、やってみようと思っています。その1発目が「アフターストーリー」だと思いますし、11年目からのHilcrhymeにもすごく期待していてほしいです。
DJ KATSU:去年の12月に出した『SIDE BY SIDE』というアルバムが、とてもいい出来だと思っているんですけど、まだアルバムツアーをやっていないので、11年目はまずこの『SIDE BY SIDE』の曲たちをちゃんとライブでやりたいし、その次のアルバムは、『SIDE BY SIDE』を超えるような作品にしたいというのが、当面の目標ですね。
EMTG:では最後に、リスナーの人たちにこのベスト盤を通じて伝えたいメッセージは?
TOC:これぞHilcrhymeという作品です。“ベスト”というのは名ばかりではなくて、僕たちのベストなんだなと思っています。マスタリングもし直して、なおさら入ってくると思うので、今まで聴いていた人たちにも、ぜひこの曲順で聴いてみてほしいです。
DJ KATSU:次にベスト盤を出そうかというタイミングのときには、ひょっとしたらCDというメディアがなくなっているかもしれなくて、これが最後のベストCDになるかもしれないんですね。そう考えると、3枚組で、投票してくれたものが操作なしに入っているし、ほとんどのアルバムを持っていますという人にも、別な作品として十分に価値があるものだと思いますので、ぜひこのパッケージで聴いてほしいです。

【取材・文:熊谷美広】

tag一覧 アルバム 男性ボーカル

リリース情報

BEST 2006-2016

BEST 2006-2016

2017年04月05日

ユニバーサル ミュージック

CD収録内容
■Disc[1]
1. 大丈夫
2. 春夏秋冬
3. パラレル・ワールド
4. 想送歌
5. 友よ
6. Lost love song
7. Your Smile
8. New Era
9. エール
10. トラヴェルマシン
11. 光
12. 言えない 言えない
13. 鼓動
14. no one
Bonus Track
15. もうバイバイ-Indies Version-

■Disc[2]
1. 続・押韻見聞録-未踏-
2. ジグゾーパズル
3. ルーズリーフ
4. Summer Up
5. パーソナルCOLOR
6. リサイタル ~ヒルクライム交響楽団 作品第1番変ヒ短調~
7. もうバイバイ
8. Changes
9. 純也と真菜実
10. 内容の無い手紙
11. NEW DAY, NEW WORLD
12. 我ガママ
13. MESSAGE BOX
14. RIDERS HIGH
15. FLOWER BLOOM

■Disc[3]
1. 蛍
2. YUKIDOKE
3. Little Samba〜情熱の金曜日〜
4. My Place
5. NOISE
6. Please Cry
7. Kaleidoscope
8. No.109
9. LIFE IS GOOD
10. HAKU-SAN
11. LOOP
12. 押韻見聞録
13. 射程圏内 feat.SUNSQRIT
14.BAR COUNTER
15.The Woman In The Elevator

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

Hilcrhyme TOUR 2017 “SIDE BY SIDE”
2017/5/05(金) 名古屋・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
お問い合わせ先:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

2017/5/20(土) 大阪・Zepp Osaka Bayside
お問い合わせ先:キョードーインフォメーション 0570-200-888

2017/6/10(土) 東京・豊洲PIT
お問い合わせ先:ディスクガレージ 050-5533-0888

<チケット一般発売:2017年4月23日(日)>

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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