The Winking Owlの最新ミニアルバム『Into Another World』完成
The Winking Owl | 2017.05.11
ルーマニアと日本のハーフであるボーカルのLuiza、アメリカでの音楽留学経験もある超絶ギタリストYoma、天才少年ドラマーとして名を馳せているKenTからなる、The Winking Owl(ザ ウィンキング オウル)。エモやポストハードコア、エレクトロニカを経たメタリックなサウンドと卓越したメロディセンス、Luizaの英語詞と日本語詞をブレンドさせた流麗で艶のある、ちょっとした神秘さも擁した歌声も魅力なロックバンドだ。
ここ近年、各所で頻繁に名前が挙がり出した彼らだが、昨夏のベーシスト脱退から約1年。新体制となって初めての作品『Into Another World』を発表した。
彼ららしさをフル装備しつつも、しっかりとJ-POPのフィールドにもグリップする魅力が満載の今作は、同グループをネクストレベルに引き上げるポテンシャルも充分。J-POPのフィールドでも真っ向勝負ができ、これまで以上に幅広い層を取り込み、聴き手をここではないどこかへと誘ってくれるターニングポイント的な作品だ。
- EMTG:前作のアルバムリリースや、その直後のベーシストの脱退から約1年が経つわけですが、新体制になったこの1年を振り返っていかがですか?
- Yoma:より大きなフェス等にも出させてもらい、色々な経験が出来た1年でしたね。それらの経験が楽曲や音楽性、その後のライヴにも影響や作用したところも多々あったなって。
- KenT:バンドとして、より“この3人でやって行こう!!”との団結力や底上げにはなった気がします。ライヴでもその辺りが如実に表れてき出しましたからね。いい意味で変わったし、良くなったと自負してます。
- Luiza:脱退したベーシストは永く一緒にやってきただけでなく、ある意味バンドのムードメーカーでもありましたから。ファニーなキャラクターだったけど(笑)、彼のおかげでバンドがまとまってたところもあったし…。
- EMTG:その辺りをもう少し詳しく。
- Luiza:この3人って思っていることをあまり表に出さないタイプなんです。それに対して前ベーシストは「あれがやりたい!」「これがしたい!」と、かなり自発的でしたから。アイデアも豊富だったし、何ごとも積極的に挑んでいくタイプだったんです。ある意味、彼に押されたり、引っ張られていたところもあったぐらい。だけど彼が辞めたことで、今度はそれを自分たちで考えたり発したりしなければならなくなったわけで。おかげさまで、“これからは自分たちが発しなければ前に進めないんだ!”等を気づかせてくれるキッカケにはなりました。
- EMTG:意外です。サウンドやライヴを観る限り、みなさん、“俺が!!”“俺が!!”ってタイプだと勝手に思ってました(笑)。
- Yoma:サウンドだと各人かなり自己主張が強いですからね(笑)。
- Luiza:実は基本3人とも口下手だという。
- KenT:そのぶん音楽で表現するスタンスですから、僕ら。
- Yoma:そうそう。口下手だから逆に音楽を演っているところはあるかも(笑)。
- EMTG:みなさん音楽や演奏ではとても饒舌ですもんね(笑)。で、ここからはニューアルバムの話に。作品全体的に、<色々な覚悟の詰まったアルバム>になった印象を持ちました。例えば、“このJ-POPのフィールドで勝負していくんだ!!”や、“日本語詞でガチで勝負してやる!!”あとは、“この残った3人で前ベーシストの分も頑張っていくゾ!!”等々…。
- Yoma:その辺りは確かにあります。メンバーが抜けてこの3人で作る最初の作品でもあったし、“この3人で新しい音楽をやっていこう!!”といった決意もありましたからね。あと、日本語詞が増えたのは自然の流れでもあって。僕ら元々洋楽に影響を受けたり、フェイバリットなアーティストも大半が洋楽なんですが、やはり日本で音楽をやるなら日本詞への移行は避けられないですからね。
- Luiza:特に今回は(今回収録楽曲の)デモをもらった段階で日本語が合いそうと直感した曲ばかりでしたから。あとは日本語で歌った方が想いや伝えたい気持ちが更に感情に乗っかっていくだろうというのもあったし。
- EMTG:いい意味でJ-POPのフィールドでも充分勝負できる作品に映ります。
- KenT:英語詞と日本語のバランスも凄くいいし。僕の中でも今作に挑むに際して、ある覚悟があって。
- EMTG:それは?
- KenT:自分なりに新しい挑戦を幾つもしてみたんです。そのぶん次のフィールドに向かう際に必要な覚悟が芽生えた作品にもなりました。
- EMTG:確かに、もう少し演奏面が前に出てきそうですが、今回はあえて堪えるようにその辺りが抑えられ、完全に歌が中心の楽曲構成になってます。
- KenT:その辺りの駆け引きやバランスは凄く考えました。
- Yoma:今回は特にメロディがキャッチ―なものが多いので、その辺りやメロディや歌を上手く活かす演奏を心掛けました。歌メロをキチンと立たせつつ各楽器の主張するところは主張する、みたいな。
- EMTG:作品全体に話を戻すと、スケール観が格段に大きくなった作品印象を持ちました。
- Yoma:以前から「君たちは大きなステージが似合う」と言ってもらえてはいたんですが、実感が無かったんです。ただ、去年ぐらいからフェス等で大きなステージも経験させてもらうようになり、その辺りの影響やそういったステージが似合ったり映える曲の作り方の意識は芽生えてきたかもしれません。元々スケールの大きな曲を作りたかったし。
- EMTG:以前に比べ、かなり視界良好な作品です。
- Yoma:ストレートで伝わりやすい曲が増えましたからね。
- KenT:色々と削ぎ落としたところもあったし…。
- EMTG:しかも、どれもきちんと自分たちのこれまでの武器を使いつつ、それを分かりやすく伝えているところには感心させられました。The Winking Owlらしさを保ちつつネクストステージに向かっている作品だなって。
- Yoma:その感想はとても嬉しいです。まさに狙っていたところの一つは、その辺りだったりもしたので。あと今回はミニアルバムだったんで、より凝縮して表せましたからね。
- Luiza:他にも候補曲は沢山あったんですが、その中でも“この曲を入れたい!!”“この曲入れなくちゃイヤだ!!”そんな曲ばかりを入れましたから。
- EMTG:「Let Go」の斬新さもですが、「Precious Love」のハジけ具合にも驚きました。
- Yoma:歌詞も可愛いですからね、あの曲は。
- EMTG:これまでになかった少女マンガ的な世界というか(笑)。
- Luiza:(笑)。この曲は私がデモを聴いた際に浮かんだイメージそのままですね。ウキウキルンルンの絵が浮かんできて。“片想いをしている人の曲にしよう!!”と。歌い方も音色もキラキラしてるでしょ。
- EMTG:してます。あと「ベクトリズム」の歌詞。ここからも、“これからJ-POPのフィールドで勝負していく!!”そんな意気込みを感じました。
- Luiza:そう捉えられたんですね。残念ながら実は全然違っていて(笑)。この曲は、例えば彼氏とケンカするじゃないですか。で、パターン的に女の子が、「何で分かってくれないの!!」って一方的にガミガミ言っちゃうのに対して、男性側はそれを右から左に聞き流しちゃう。で、結局、その後も復習せず何度も同じ光景を繰り返す…。その場面を思い浮かべながら描きました。
- EMTG:私の解釈、全然違ってましたね(笑)。
- Luiza: (笑)。“ケンカしていた時って、たいがいこんな感じだったな…”と、元彼とのケンカを思い返しながら描いてたんです。
- EMTG:では実話?
- Luiza:そうです。私、その辺りは外国人の血が出てしまうようで、ついついストレートにガミガミ言っちゃうんですよね(笑)。
- EMTG:この曲も凄くキラキラしていますよね。と言うか、今作は全体的に非常にキラキラしています。
- Luiza:今回の曲はこれまでの作品以上にメロディと歌詞、それからサウンドが融合してますからね。よりメロディがキャッチ―で、サウンドや歌詞を伴う主張もしていたので、逆に歌は乗せるモチーフにそう迷うこともなくて。それこそパッと浮かんだものばかりでした。以前はあえて明るい曲にダークな世界観の歌を乗せていたこともあったんですが、今回はよりメロディと一体化して、パッと聴いて光景や景色、ストーリーが浮かんでくる楽曲が揃ったと思っています。
- Yoma:今回は仮歌の段階で付けてきた仮歌詞がそのまま採用されたり、残したりってパターンも多かったですからね。そういった意味ではお互いファーストインプレッションは合致していたんでしょう。より各楽曲の個性も際立って、どの曲もメロディのイメージに合った歌詞になってます。
- KenT:僕も今回はこれまで以上にメロディや歌に寄り沿ったドラムが叩けました。そういった意味では、メロディ、歌、サウンドの三位一体がよりきちんと成立したアルバムになったかなと。
- EMTG:9月からはツアー『Into Another World Tour 2017』も始まりますね。
- Yoma:夏に向けてフェスやライヴの予定もあり、そこを経てのツアーになるので、その頃には、この楽曲たちも更にパワーアップしていることでしょう。その辺りを余すところなく魅せたいですね。
- EMTG:最後に今後のThe Winking Owlについてを訊かせて下さい。
- Yoma:段々とですが、ようやくスケールの大きな曲も出来だしてきたので、早くそれに見合ったステージに立てるようになりたいですね。もっと大きな会場でもやりたいし、各楽曲を作品以上に更にスケール大きくライヴで表現していきたいんです。
【取材・文:池田スカオ和宏】
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リリース情報
Into Another World
2017年05月10日
ワーナーミュージック・ジャパン
2. Chain of Emotions
3. Precious Love
4. Eclipse
5. Let Go
6. ベクトリズム
7. Interlude~Applause~
8. Everyone Has A Story
お知らせ
■ライブ情報
「Into Another World」発売記念
“アコースティックライブ&握手・直筆サイン色紙お渡し会”
07/22(土) タワーレコード横浜ビブレ店 店内イベントスペース
07/29(土) タワーレコード梅田NU茶屋町店 店内イベントスペース
07/30(日) 名古屋パルコ西館1F 特設イベントスペース
Into Another World Tour 2017
09/08(金) 高崎 club FLEEZ
09/15(金) 京都 MUSE
09/18(月) 神戸 太陽と虎
09/20(水) 金沢vanvanV4
09/21(木) 仙台MACANA
09/23(土) 札幌 BESSIE HALL
10/01(日) 岡山IMAGE
10/03(火) 大阪 CLUB QUATTRO
10/04(水) 名古屋 CLUB QUATTRO
10/06(金) 福岡 LIVE HOUSE CB
10/07(土) 香川 DIME
10/19(木) 渋谷 CLUB QUATTRO
SpecialThanks「Anthem」release tour
05/26(金) 下北沢CLUB251
Gacharic Spin「な・な・なんと7日間!!!!!!!~名古屋編~」
05/31(水) 名古屋 ell.FITSALL
Sunrise In My Attache Case"The Wall Tour 2017"
06/06(火) 心斎橋 VARON
06/07(水) 名古屋 ell.FITS.ALL
06/23(金) TSUTAYA O-Crest
秀吉presents 『むだいの大音楽祭』
06/17(土) 高崎club FLEEZ
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。