“関西発正統派ポップバンド”ドラマストアが、ミニアルバム『白紙台本』で新たなフェーズへ
ドラマストア | 2017.05.12
90年代J-POPのテイストを感じさせるメロディライン、ギターロック、バラード、エレクトロなどを自在に取り入れたバンドサウンド、そして、リスナーの日常に寄り添い、色彩豊かな感情を与えてくれる歌。“関西発正統派ポップバンド”を掲げるドラマストアの新作『白紙台本』は、このバンドの個性がさらに強く提示された作品となった。特にピアノを全面的にフィーチャーしたアッパーチューン「至上の空論」は、ドラマストアの新たなアンセムとして認知されることになるだろう。
5月から7月にかけて新作を引っ提げた全国ツアー「ドラマストア/白紙台本ツアー」もスタート。昨年12月にギタリストが脱退して3人編成となったドラマストアは、本作『白紙台本』と全国ツアーによって、次のフェーズへと突入することになりそうだ。
- EMTG:ミニアルバム『白紙台本』は、ドラマストアの音楽性がさらに広がった作品だと思います。ポップバンドの枠からは完全に出てますよね。
- 長谷川 海(V/G):以前からそうしたかったんですよね、じつは。アレンジに関してはドラムの松本和也が主導権を握ってるんですけど、彼の音楽的な引き出しがすごく増えているんですよ。あと、サポートでギターを弾いてくれている鳥山くん(ロジカルハイム)がすごくマルチな人で、レコーディングでもピアノを演奏してくれたり。最初は不安もあったんですけどね。音楽性が広がることによって、ファンの人たちが求めているサウンドと違ってしまったり、「そっちに行っちゃったか」って離れる人もいるんじゃないかなって。でも、リリースした後の反応がすごく良かったので、いまはホッとしています。
- EMTG:長谷川さん自身のルーツも、ロックバンドよりもJ-POPにあるとか。YUIさんが好きなんですよね?
- 長谷川:大好きですね! 中学生くらいのときは、女性アーティストの曲をよくカラオケで歌ってたんですよ。YUIさん、一青窈さん、絢香さんとか。あとは松任谷由実さん、椎名林檎さん、広瀬香美さんも。ピンクレディーもよく聴いてました。もともと母親が好きだったんですけど、自分も大好きになって「阿久悠さん、すごい!」って。
- EMTG:ピンクレディー、名曲が多いですからね。当時の歌謡曲は一流の作詞家、作曲家の方が作っていたので。
- 長谷川:そうですよね。今はアマチュアの方でも気軽に曲を発表できるようになっていますけど、僕はとにかくしっかりした曲を作っていきたくて。歌詞も自分の中だけで完結させるのではなくて、聴いた人に「あなたはどう感じましたか?」と問いかけたいんですよね。できるだけ身近に感じてもらって、「自分だったらどう思うかな」って想像してほしいなって。
- EMTG:それが“君を主人公にする音楽”というバンドのコンセプトにつながっているわけですね。
- 長谷川:はい。「俺についてこい!」というロックバンドもカッコいいと思いますけど、自分はそういうタイプではなくて。リスナーの人たちの感想を聞くのもすごく好きなんですよ。「俺はこういうつもりで書いたんだけど、どう思った?」って。その解釈が自分と違うのも面白いし、「もっと話を聞かせてよ」って思うので。
- EMTG:なるほど。リードトラックの「至上の空論」はドラマストアの新機軸と言うべきピアノロックチューン。この曲は小説『何者』(朝井リョウ)にインスパイアされて生まれた楽曲だとか。
- 長谷川:“頭の中にあるうちは、なんだって傑作だ”というセリフがすごく心に残ってるんです。頭の中にある限り、自分の考えは一番じゃないですか。他の人がやっていることを見て「自分ならこうする」と思うこともあるし、ときには見下してしまうこともあって。でも、自分のなかの完璧な考えを現実にできる人って、ホントに少ないと思うんですよ。人を批判するのは簡単だけど、それだけでは何も始まらないなって…。
- EMTG:耳が痛いというか、思わずドキッとする人も多そうですね。
- 長谷川:そうなってくれたら嬉しいですね。この曲のMVは“浮気”がテーマなんです。監督さんが「自分には浮気の歌に聴こえて」って提案してくれたんですけど、僕にはまったくなかったアイデアだったし、おもしろいと思ってGOサインを出させてもらって。そういうやり取りもすごく楽しいんですよね。まさに“白紙台本”というか、アウトラインだけ決めておいて、あとはそれぞれの人が好きなように解釈しながら作り上げるっていう。楽曲のアレンジもそうなんです。イントロが思い付かないときはメンバーに任せるし、構成もみんなで考えているので。
- EMTG:「紫陽花が咲く頃」は、アコースティックアルバム「Spin-off,Spin_out vol.1」の収録曲をバンドでリアレンジしたナンバー。懐かしい雰囲気のメロディが印象的でした。
- 長谷川:まさにJ-POPですよね。この曲にはいろいろな仕掛けがあるんです。シャッフル・ビートの軽快なサウンドなんですけど、楽しく手拍子しながら聴いているうちに哀愁を感じるというか。ただ楽しいだけの曲にはしたくなかったから、歌詞がちょっと暗めなんですよ。別れた恋人のことをずっと思い続けている男性が主人公なんですけど、曲中に“亡霊”という言葉が出てきて、「もしかして死んでる…?」みたいなところもあって。いろいろと汲み取ってもらえたら嬉しいですね。
- EMTG:そして「バースデー」は「燈」という楽曲のその後のストーリーを描いたバラード。
- 長谷川:「燈」を書いた時期はすごくしんどくて、バンドをやめようかなと思ったこともあったんです。でも、いろいろな人の助けを借りて、何とか音楽を続けることができて。「ひとりじゃないから進んでいける」と実感できたし、「大きい力を持ってなくてもいい。懐中電灯で目の前を照らしながら歩いていこう」という気持ちを歌ったのが「燈」だったんですよね。その後もいろんなことがあって、去年の12月にギターが脱退したんですけど、バンドのメンバーとは今がいちばん良い関係なんですよ。肩の力を抜いて、何でも言い合えるようになってるし――褒め合ったり、ケンカしたり――このメンバーは何があっても自分についてきてくれるだろうなと思えるようになって。「この人たちがいたら、懐中電灯を消しても進んでいける」という確信もあるし、そのことを踏まえて「自分の意志で明かりを消して、生まれ変わった気持ちで進んでいきたい」ということを歌っているのが「バースデー」なんです。
- EMTG:5月から7月にかけて全国ツアー「ドラマストア/白紙台本ツアー」を開催。音楽性の広がり、メンバーとの信頼感を含めて、これまで以上に良いテンションで臨めそうですね。
- 長谷川:そうですね。新体制になってからしばらく経って、息が合ってきた部分、まだ合ってないところもわかってきて。ツアーのなかで改善しながら進んでいけたらいいなと思っています。初めて行く場所で、いろんな人と話ができるのも楽しみですね。楽器を持っていないときに出会う人との会話もすごく大事だと思うので。バンドとしては「武道館に行きたい」という目標があるんですけど、個人的にやりたいことはいっぱいあるんですよ。こういうインタビューの場で話ができるのもそうだし、物書きにも興味があるし、アイドルに楽曲を提供してみたいという気持ちもあるし。
- EMTG:いい意味でバンドという枠に捉われていない、と。
- 長谷川:はい。『しゃべくり007』とかクイズ番組にも出てみたいし、『名探偵コナン』が大好きだから、いつかゲスト声優として出演したいという夢もあって。もちろんバンドがいちばん大事ですけど、いろんなところに出て行きたいのですよね。
【取材・文:森 朋之】
リリース情報
白紙台本
2017年04月19日
インペリアルレコード
1. 至上の空論
2. スイミー
3. シャッター
4. 紫陽花が咲く頃
5. Extra.
6. バースデー
2. スイミー
3. シャッター
4. 紫陽花が咲く頃
5. Extra.
6. バースデー
お知らせ
■コメント動画
■ライブ情報
ドラマストア×BOYS END SWING GIRL合同インストアライブツアー
05/13(土) タワーレコード津田沼店
ドラマストア 3rd Mini Album『白紙台本』レコ発イベント「DRAMA FESTA 2017 in TOKYO」~新宿 ZircoTokyo 1st Anniversary!~
05/14(日) 新宿Zirco Tokyo
ドラマストア presents ドラマストア 3rd mini album 「白紙台本」リリースツアー
05/26(金) 広島BACK BEAT
05/28(日) 米子AZTiC laughs
05/29(月) 小倉FUSE
05/30(火) 福岡Queblick
06/03(土) 郡山PEAK ACTION
06/10(土) 前橋DYVER
06/16(金) 京都MUSE
06/23(金) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
06/24(土) 高松DIME
06/27(火) 札幌CrazyMonky
06/28(水) 札幌CrazyMonky
07/07(金) 名古屋APOLLO BASE
07/21(金) 静岡UMBER
07/23(日) 千葉LOOK
07/24(月) 水戸LIGHT HOUSE
07/28(金) 大阪MUSE [DRAMA FESTA 2017 in OSAKA]
ZIP-FM / SAKAE SP-RING事務局 presents SAKAE SP-RING
06/04(日) 名古屋スクールオブミュージック&ダンス
ミミノコロック実行委員会 presents ミミノコロック
06/11(日) 吉祥寺エリア
見放題実行委員会 presents 見放題2017
07/01(土) 大阪ミナミ
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
■ライブ情報
ドラマストア×BOYS END SWING GIRL合同インストアライブツアー
05/13(土) タワーレコード津田沼店
ドラマストア 3rd Mini Album『白紙台本』レコ発イベント「DRAMA FESTA 2017 in TOKYO」~新宿 ZircoTokyo 1st Anniversary!~
05/14(日) 新宿Zirco Tokyo
ドラマストア presents ドラマストア 3rd mini album 「白紙台本」リリースツアー
05/26(金) 広島BACK BEAT
05/28(日) 米子AZTiC laughs
05/29(月) 小倉FUSE
05/30(火) 福岡Queblick
06/03(土) 郡山PEAK ACTION
06/10(土) 前橋DYVER
06/16(金) 京都MUSE
06/23(金) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
06/24(土) 高松DIME
06/27(火) 札幌CrazyMonky
06/28(水) 札幌CrazyMonky
07/07(金) 名古屋APOLLO BASE
07/21(金) 静岡UMBER
07/23(日) 千葉LOOK
07/24(月) 水戸LIGHT HOUSE
07/28(金) 大阪MUSE [DRAMA FESTA 2017 in OSAKA]
ZIP-FM / SAKAE SP-RING事務局 presents SAKAE SP-RING
06/04(日) 名古屋スクールオブミュージック&ダンス
ミミノコロック実行委員会 presents ミミノコロック
06/11(日) 吉祥寺エリア
見放題実行委員会 presents 見放題2017
07/01(土) 大阪ミナミ
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。