コレサワ、独自の“カラー”と“これから”の決意が詰まった1stアルバム『コレカラー』で堂々のメジャーデビュー!
コレサワ | 2017.08.04
全ての女子を肯定する“コレサワ先生”こと、大阪出身のシンガーソングライター、コレサワが1stアルバム『コレカラー』でメジャーデビューする。メディアに顔出しをせず、「れ子ちゃん」と呼ばれるクマの着ぐるみを被って登場する彼女だが、実体験をベースにした楽曲の中では素顔を一切隠していない。コレサワ独自の“カラー”と“これから”の決意が詰まった本作を聴けば、彼女がどんな土地で生まれ育ち、どんな青春時代を過ごし、どんな恋を経験し、どんなシンガーソングライターになりたいかがすぐに分かる内容となっている。アルバムに収録された楽曲から引っ張り出したキーワードを基に、彼女のパーソナルな部分を紐解いていきたい。
- EMTG:アルバムの話をする前に、改めて、顔出しをしなくなった理由を聞いてもいいですか?
- コレサワ:路上ライブを1~2回やってやめたんですけど、写真を撮られて、ネットに載せられるのがすごく嫌で。なんでこんなブサイクなの載せるんやろう? って、すごい腹が立って。それやったら、写真を撮られないように顔を隠しちゃおうっていうのがあったし、自分の知らん人から、可愛いとかブスとか決められたくないし、ムカつくじゃないですか。それに、顔を出してたら、有名になった時に、どこに行っても気づかれちゃうじゃないですか。そうすると、普通の日常が送れなくなるのは嫌だなって。日常のことを歌ってるのに、男の子とデートができなくなるのも嫌だなと思って隠そうと思いましたね。あとは、見た目ではなく、ちゃんと音楽を見て欲しいなっていう気持ちもありましたね。
- EMTG:メジャーデビュー以降もそのスタイルは変わらずですか?
- コレサワ:今の所は外す予定はないですね。ジャケットやMVを観てくれた人が『あのクマ、可愛い』って言ってくれるのも嬉しいし、ライブでは普通に歌ってるので、素顔が見たいという方はライブに来てもらえたらと思ってます。
- EMTG:ありがとうございます。一方で、楽曲は素を全く隠してないですよね。アルバムを聴けば、コレサワさんがどんな女子かかがすぐに分かるし。
- コレサワ:それを感じ取ってもらえたら嬉しいですね。『コレカラー』には個性の“カラー”という意味もあって、私の個性が詰まったものなので、このアルバムを聴いてくれたら、私の大体の人となりがわかると思います。
- EMTG:その“人となり”がわかる部分を抽出していきたいなと思ってます。まず、1曲目「SSW」では<君に話してた夢がひとつ叶った>と歌ってますね。
- コレサワ:すごい幸せな時に、昔、嫌なことがあったことも、全部水に流せるくらいのテンションの日があって。そん時に、昔、辛い別れとかがあったはずなのに、今、ありがとうって言えるわって思えたんです。この曲を作った時は、まだメジャーデビューするって決まってなかったんですけど、私はずっと、メジャーにならないとやってることはフリーターと変わらないと思ってて(笑)。だから、絶対にメジャーに行きたいと思ってたし、それが叶った時に、この曲でデビューしたいなって密かに思ってました。
- EMTG:歌詞にある、涙を流した<あのときのステージ>とは?
- コレサワ:高校生の時、初めてのステージでも泣いたし、失恋した次の日にライブがあった時も、終わってから号泣しちゃったし、東京でも悔しくて泣いてたこともあって。でも、今はもう、いつも一緒にライブをやってくれるバンドメンバーがいるし、スタッフもみんなで<コレサワチーム>だって思えるようになったので、もう一人じゃないなって思えるようになって。そういう気持ちを書いてますね。
- EMTG:2曲目の「死ぬこと以外かすり傷」は青春時代ですよね。
- コレサワ:そうですね。これは高校の時に同じ軽音部でバンドを組んでた、仲良し8人組がいて。2つのバンドを私が掛け持ちしてたので、その掛け持ちバンドを1個のグループにしてよく遊んでたんですよ。そのメンバーは、今でも大阪に帰ったら集まるくらい仲良くて、唯一無二の友達なんです。そんな、青春を過ごしたメンバーのために唄った歌ですね。もう二人が結婚して、一人は子供も産んで。昔は、誰と結婚するんやろうなって言ってたのに、みんな、どんどん結婚して。それを素直に喜べるのが唯一そのメンバーだから、嬉しいんですけど、歳取ったなって、いつもみんなで話してます(笑)
- EMTG:(笑)「君のバンド」にはどんな思いが込められてますか?
- コレサワ:これは、友達が「うちの好きなバンドは全然売れない」って言った時に、そのまま<あたしの好きなバンドはなぜかちっともちっとも売れない>ってメロディをつけた曲ですね。確かにうちも、インディーズのアンダーグラウンドなところでやっていたので、対バンする女の子で、めっちゃいい歌を歌う女の子もいるんですけど、全然売れないじゃないですか。そういう子たちがもっと売れたらいいなと思ってたし、自分ももっと売れたいなと思ってたし。でも、自分の音楽をいろんな人が聞いてくれたら、絶対に好きになってもらえるっていう根拠のない自信はあったから、自分の音楽ももっと聴いてほしいっていう思いもありますね。
- EMTG:メジャーデビューして、売れたらコレサワさんも変わりますかね。
- コレサワ:変わったとは言われたくないけど、変わってないねとも言われたくないですね。曲の勢いはブレずにやりたいですけど、大きいライブハウスで宙吊りになって歌いたいんです。飛びたいという夢はあって。それは売れなきゃできないので、売れたいなと思いますね。
- EMTG:(笑)「あたしを彼女にしたいなら」は某トリセツよりもリアルで正直な女の子の気持ちだと評判になりました。<好きなものが一緒よりは/嫌いなものが一緒のほうがいいな>というフレーズにコレサワさんの恋愛観もにじみ出てる気がします。
- コレサワ:嫌いなものって、ストレスじゃないですか。相手が好きなものに全然興味がなくても一緒には居られるけど、それがすごい嫌いなものだった時に、ストレスで絶対に一緒に居られないじゃないですか。例えば、嫌な人の愚痴を言った時に、「俺はその人、嫌じゃないよ」って言われた時の腹立ちは半端じゃないんですよね(笑)。ということは、嫌なものが一緒の方がうまくやっていけるよなと思って。好きなものが一緒がいいっていう人たちも、嫌いなものが似ているから一緒に居られるだけで、嫌いなものが違うとあとあとしんどいなって思いますね。
- EMTG:「君のバンド」も好きなバンドのタイプは違うけど手を繋いでますよね。
- コレサワ:うん、嫌いっていうのは一緒にはなれないけど、興味がないものは一緒にいれるかな。だって、すごい虫が好きな人とは住めないし。大きい蜘蛛とか、爬虫類とかを飼われたら嫌ですからね。
- EMTG:あと、最後の<いつか終わりがくることを心得て愛してね>というフレーズが独特だと思ったんですよね。永遠じゃなく、終わりを予感させるっていう。
- コレサワ:人は終わりがあると思わないと大事にしないじゃないですか、ずっとあると思うと、絶対になあなあになるから。もちろん、ほんとは終わりなんて来て欲しくないけど、終わりがあるっていうのをちゃんと理解して大事にしてねっていう意味ですね。
- EMTG:続く、「たばこ」はいろんなアーティストがカバーしたことでも有名になりました。
- コレサワ:みんなの夢を壊しちゃうかもしれないんですけど、専門学校の時に、先生から「コレサワは恋愛の曲がないね。作ってみなよ」って言われて作った曲だったんですよ。題材を何にしようと思った時に、最初に<昨日の夜から君がいなくなって>というところが出て来たから、そういえば元カレもタバコを吸ってたなって思い出して、こういう曲ができて。作ったのが18か19の時だったので、きっかけがそういう感じだったから、こんなに広がるとは思ってなくて。しかも、5年越しくらいにやっと音源として発売できるようになったので、本当にいい曲なんだろうなっていうのは、みんなが歌ってくれて気づいたっていうのがあります。
- EMTG:この曲は<あたし>じゃなく、<僕>視点で歌ってますよね。
- コレサワ:この時期はサンボマスターに憧れていたので、自分も“僕”って歌いたかったんですよ(笑)。このアルバムの中で一番古い曲なので、僕になっちゃってるだけですね。
- EMTG:あはははは。失恋バラードの後に、「失恋ソングを歌ったあとに」が続きます。
- コレサワ:ライブでずっと「たばこ」を歌ってなかった理由は、こんな不幸な歌を歌ってたら、自分も不幸になるんじゃないかなって思っていたからなんですよね。歌ってることって、大体本当になったりするじゃないですか。私は言霊も信じているので、本当になることが怖くて、歌いたくなかったし、幸せになった時に不幸になるのが嫌で、失恋ソングもあんまり作りたくなくて。じゃあ、そのマイナスをゼロに戻してくれる曲を作ればいいんやって思って、作ったのが、この6曲目です。これで、プラマイゼロになるっていう設定なので、カラオケでも「たばこ」を歌った後に、必ず「失恋ソングを歌ったあとに」を歌って欲しいなって思います。
- EMTG:「お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな」には弟とママが出て来ます。
- コレサワ:親父はどこ? って感じですけど。私が小4の時に離婚してて。これは、実家に帰った時に、弟に「今から俺の友達が来るから、お前は出てくんな」って言われて。え? お姉ちゃんおるって言ってないの? って聞いたら、「俺、一人っ子やし」って。それも、ちょっと笑いながら言ってくるから、可愛いいし、憎めないんですけどね。きっと、お姉ちゃんはフラフラしてるっていうイメージなんでしょうね。
- EMTG:「君とインドカレー」を聞くと、辛いのがダメなのがわかります。
- コレサワ:私、辛いのがほんまにダメで。お子様カレーがちょうどいいくらいなんですけど、インドカレーのバターチキンにはまっちゃって。家の近所にすごい美味しいインドカレー屋さんがあって、そこに週2くらいで行ってるんですけど、自転車に乗ってる時でも、インドカレーが食べたいって思う時があって。<君とインドカレー?♪>って口ずさみながら、自転車を漕いでて、そのまま曲にした感じですね。女の子が好きな男の子とデートして、何としてでも印象に残したいって頑張るっていう歌になってます。
- EMTG:「阪急電車と2DK」には、タイトルの阪急電車はもちろん、探偵手帳や太陽の塔が出て来ます。
- コレサワ:阪急電車は私のことを運んでくれた電車なので、東京の電車とは比べ物にならないくらい落ち着きますし、一番好きなんですよね。生活の一部だったので、阪急電車が入った歌を作りたいなと思って。ずっと好きやった「探偵ナイトスクープ」のことも入れました。彼氏を自分の地元に連れて行って、阪急電車や太陽の塔を見せたいっていう女の子の気持ちを歌っているので、大阪に住んでる人には、ウンウンって頷きながら聴いて欲しいですね。
- EMTG:「女子諸君」は<勝負下着がヨレヨレになった>という衝撃的なフレーズから始まります。
- コレサワ:勝負下着って、勝負の日に着るから、ほんまやったら、あんまりヨレヨレにならない予定なんですけど、それがヨレヨレになっていたっていうことは、知らず知らずに、日々頑張って、戦ってたんだなって気づくっていう歌ですね。女の子たちに<たまには贅沢しろよ>っていう言葉が届いて欲しいなと思います。
- EMTG:ここでは<男よりも夢をなくす方が怖いし>と歌ってますね。
- コレサワ:男っていっぱいいるけど、やりたいことって、男の数より少ないなと思って。男って35億いるけど(笑)、夢は35億もないと思う。そう考えたら、夢を叶える方が難しいし、男なんかいっぱいいるぞって思ったんです。私は基本的にポジティブというか、開き直りソングが多いですね(笑)。
- EMTG:(笑)24歳は母に捧げる歌ですよね。
- コレサワ:お母さんが私を産んだのが24歳だったんです。私は今、まだ好きなことやりたいって思っちゃうから、若い時に私を産んだお母さんはすごいなって思って書いた曲ですね。<家族旅行の記憶がないけど別に気にしません>っていうのはちょっと嫌味が入ってます(笑)。家族旅行をする家庭としない家庭があると思うんですけど、うちはしない家庭だったんですよ。というか、家族旅行というものがあることも知らなかった。友達が増えていく中で、みんなの家は、家族旅行をするんやってことを知って。うちはなかったけど、もう大人だから、自分でどこにでもいけるよっていう気持ちですね。
- EMTG:そして最後に「これから」が収録されています。
- コレサワ:デビューするっていうことは、今、出ているメジャーアーティストと戦っていくっていうことじゃないですか。歌詞よりも音楽を重視してやってる人もいるし、ダンスをやってる人もいる。盛りがる曲とか、面白い曲をやってる人もいる。自分は何で勝負しようと思った時に、言葉をちゃんと大事にするアーティストになりたいなって思ったんですよね。メジャーにいく決意表明みたいな曲なので、アルバムの中で一番大事だし、絶対に聞いて欲しい曲でもありますし。これからも騒がしくみんなの隣で歌いたいなっていう決意の曲です!
- EMTG:12曲揃って、完成してどんなことを感じました?
- コレサワ:入れすぎじゃね? って話になったんですよ。1曲くらい取っておこうかって。でも、ここで、出し惜しみすることなく、あるだけ出そうと思って。デビューアルバムやから、どこに行っても、自信を持って「これ、めっちゃいいんで、聴いてください」って言えるくらいのものじゃないと負けると思って。だから、本当に自分が好きなミュージシャンにアレンジをお願いしたし、どれもリード曲にできるくらいのやつを惜しみなく放り込んだので、自信満々に、「これが一番いいCDですよ」ってはっきり言える、どこに行っても恥ずかしくない、大好きなアルバムになりましたね。
【取材・文:永堀アツオ】
リリース情報
コレカラー
2017年08月09日
日本クラウン
1.SSW
2.死ぬこと以外かすり傷
3.君のバンド
4.あたしを彼女にしたいなら
5.たばこ
6.失恋ソングを歌ったあとに
7.お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな
8.君とインドカレー
9.阪急電車と2DK
10.女子諸君
11.24歳
12.これから
2.死ぬこと以外かすり傷
3.君のバンド
4.あたしを彼女にしたいなら
5.たばこ
6.失恋ソングを歌ったあとに
7.お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな
8.君とインドカレー
9.阪急電車と2DK
10.女子諸君
11.24歳
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