中毒者続出中のNEO・ニューエキサイト・オンナバンド、CHAIのファーストアルバム『PINK』
CHAI | 2017.10.04
いやはや、たまげた。じつに個性的なグルーヴを放つバンドの登場だ。
何のグルーヴか? サウンドはもちろん、メンバー4人が一緒にいるだけで作り出すグルーヴもまた然り。4人組オンナバンド、CHAI。「4人ともポジティヴバカだから(笑)」と、ケラケラと笑う雰囲気=グルーヴが魅力。そのうねりは、彼女たちの楽曲にも直結している。ロック、ニューウェイヴ、ポストロック、エレクトロニカ、パワーポップ、エレクトロポップ、アヴァンギャルド……。まぁ、いろんなサウンドが楽しそうに入り乱れていること! 遂にフルアルバム『PINK』で彼女たちの全貌が世に放たれる!「NEOかわいい」を体現する4人(そのうち2人は双子のツインボーカル)揃って初登場!! 新時代をになう個性の秘密を探る。
- EMTG:それぞれ好きな音楽って?
- マナ(Vo・Key):いつもバラバラだよね? その時々ではまっているものがそれぞれ違う。
- EMTG:時代もジャンルも?
- ユウキ(Ba・Cho):時代もジャンルも気にしてない、だけど好きなものは好き。
- ユナ(Dr・Cho):シンプルにカッコいいから好き。YouTube見たりしてカッコいいなと思う音楽探したり。
- カナ(Gt・Vo):あとApple Musicとか。人にも聞いたりして、興味を持ったバンド名を調べて好きになるときもある。
- ユナ:Apple Musicで検索すると、関連とか出てくるよね。
- マナ:そうそう、それを順番に聴いていったりとか。
- EMTG:どういう音楽をカッコいいと思うのかな?
- カナ:好きになる音楽は全部リズムがいい。
- マナ:簡単に真似できない音も好き。そういうのに憧れる。だから好きっていうより、憧れの方が強いかも。
- EMTG:CHAIの音楽もなかなか真似できないと思います。
- マナ:嬉しい! そういう存在になりたい!
- ユウキ:誰かと一緒じゃない、無敵な感じを出したいと思ってる!
- EMTG:CHAIにとっての“いいリズム”って?
- カナ:面白さとか、気持ち良さが表現できてること。曲を作る時にも1番気にしてるかも。私たちがやってて、ミドルテンポが1番気持ちいいって思うから、そういう曲が多くなるけど、それでどうグルーヴを出していけるか。そこをすっごい気にして作ってる。
- ユウキ:まずこの4人が、リズムで気持ち良さを共有していくっていうね。
- ユナ:そう、リズムでどれだけまずはうねらせられるか、自分たちも含めて、どれだけお客さんが踊ってくれるか。踊れるグルーヴをいかに出せるかってとこには、CHAIはすごく重きを置いているし、そこは常に意識してるね。実際、そういう風に踊れる音楽が自分たちも好きだから。
- EMTG:なるほど。もう少し具体的に詳しく教えていただけますか?
- ユナ:音の抜き差しとかは、とても大事にしてると思う。音を詰め込み過ぎたくなくて。詰まり過ぎてキレイキレイに埋まっている曲だと、内から湧き出る踊りっていうより、全員が同じに動くだけ……ただ振付になっちゃうと思う。抜き差しの“抜き”の部分のグルーヴで身体が勝手に動く感じが好きだから、CHAIでもそれをやりたい!
- EMTG:あぁ、なるほど。“ため”のビートというかバックビートですね。考え方としては、ブラックミュージックのそれに近いかも。
- カナ:黒人さんの音楽はすごく好きで。独特のうねりがあるから。憧れるし。4人ともこう……本物のブラックミュージックをやっている人の血を吸っちゃいたいくらい好き(一同爆笑)。
- EMTG:曲はどうやって作ってるんですか?
- マナ:私がメロディーをつくる!
- カナ:私がコード楽器のアレンジを考える。
- ユウキ:歌詞はほとんどわたし!
- ユナ:リズムのアレンジをしてるよ。
- マナ:で、全体のアレンジはみんなでやっとる。みんなで集まって“こういうのがいいね”って言いながら作っていく。例えば、今、私はThe xxにはまっているから“The xxみたいな曲”とか。“Justiceみたいな曲作ろう”とか。“レッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)みたいな曲”とか。アーティスト写真だけみて、カッコいいねってイメージを全員で共有して、こういう曲!、みたいな。
- EMTG:え? どういうこと?
- マナ:レッチリの曲、あまり詳しく知らないの。けど、アーティスト写真のイメージだけで作る。
- EMTG:その時、レッチリのサウンドはあまり関係ないってこと?
- マナ:そうそう(笑)。
- EMTG:新しすぎる(笑)。それで曲が出来ちゃうもんなんですか?
- 4人:出来ちゃう!(一同大爆笑)
- マナ:4人の中に、レッチリに対しての共通のイメージがあるから出来ちゃうんだと思う。声にしなくてもニュアンスでもう伝わる。
- カナ:レッチリを完璧にコピーしたことないから、それで出来ちゃうんだよね。
- マナ:そう。したことないっていうより、おんなじには出来ない(一同爆笑)。
- ユウキ:全部ニュアンスでやっちゃうからね。(アルバム収録曲の)「ボーイズ・セコ・メン」のラップみたいなところは、レッチリのイメージなんだよね。
- ユナ:超漠然としたレッチリ(笑)。
- EMTG:アルバム『PINK』収録曲の中で、他の曲はどんなイメージで?
- ユウキ:アルバムの「ウォーキング・スター」って曲は、アフリカ!
- マナ:だーれもアフリカ行ったこと無いんだけど。
- ユウキ:でも、アフリカの広大な景色の中に、動物がいっぱいいて、広い空間が想像できる曲がいいねって、作っていった。
- マナ:アバウトな雰囲気だけで話してるよね。いつもそうやって作る。
- EMTG:すごいね。衝撃的。アバウトな雰囲気からでも楽曲に発展させられるなんて。
- 4人:はははははははは(一同大爆笑)。
- マナ:それが私たちにとっては普通なの。
- EMTG:本当に自由ですね、音楽に対して。
- マナ:そう、ほんっとに自由!
- EMTG:音楽をかなり楽しんでる。
- 4人:毎日、すっごく楽しい!
- カナ:本能のままに聴けて、自由に楽しめるのが音楽。その本能を自由に表現できるのも音楽だし。
- マナ:音楽で人の心は動くんだよ。私も何回も動かされたし。音楽によって感情が変わるし、1番感情を変えてくれるのが音楽だと思う。移動中の車内で、CHAI全員で感動しちゃって泣いてるときもあるくらい!(笑)
- ユウキ:しかも音楽ってすごく刺激で。新しい音楽が出るたびに、その刺激が更新される感じ。だからいつでも自分の刺激の最先端が音楽なの。
- ユナ:音楽っていろんなことを伝えられるよね。いろんな情景に合わせていろんな音楽があって、音楽だからこそいろんなことが表現できるし。CHAIだからこそリズムに乗せて伝えられるメッセージもあると思うし。
- ユウキ:このバンドで“コンプレックスってアートだよ”ってメッセージを伝えたい。でもこのテーマって結構普通に伝えると重いメッセージだと思っていて。誰しも必ずコンプレックスってあるし、悪く言ったらわざわざ掘り起こしておせっかいみたいな部分も強いけど、それが音楽だから楽しく伝えられるし、音楽を通じて広げていけるから、みんなに気づいてもらえるんだとも思ってる。コンプレックス=自分に足りないところが、実は1番光るところなんだよって。そうメッセージにして言えるのは、音楽があるから。ちょっとへヴィなメッセージでも、重々しく説教みたいにならない。いい音楽にのればのるほど、伝わると思ってて。そこを信じているから、4人で音楽やっているの!
- EMTG:最後に。アルバムタイトル『PINK』の意味は?
- マナ:そのままでいいよっていうか。ピンクって女の欲望の気がする。欲が全部出たら、ピンクになる気がして。だもんで1番オンナらしい色だと思う。
- EMTG:つまり、欲望にネガティヴなイメージが無いってこと?
- マナ:まったく無い。むしろ美しいものだと思う。ピンクってガーリーで可愛らしくてふわふわでってイメージが一般的にあると思うんだけど、実際はそれだけじゃないと思うから。ピンクにもいろいろなトーンがあるけど、すごく強くてカッコいい部分もある。
- ユウキ:ピンクを着てカッコいい演奏をしたい。そうしたら、ピンクが憧れのイメージになると思う。
- マナ:私たち、ピンク似合わないんだけど(笑)。でも、その似合わないくらいがカワイイし、カッコいいなって思ってるの。
- EMTG:そうか。シャープではっきりしたものが好きなのかもしれないですね。リズムもそう、楽曲のアレンジもそう、ピンクに対するイメージも。ふわっふわしてないもんね、まったく(笑)。
- 4人:ないない、本当にない!
- EMTG:曖昧さもまったくない。
- 4人:そうなの!
- マナ:ふわふわと思われてるピンク、それからカワイイの価値観を変えたいと思ってて、今CHAIは自分のやりたい方向、なりたい自分になってきていると思うから、これからもっともっといい音楽を作っていけるんじゃないかなと思ってる。それくらいの勢いでこれからも自由に楽しんでいきたい!
【取材・文:伊藤亜希】
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リリース情報
PINK
2017年10月25日
OTEMOYAN record
2.N.E.O
3.ボーイズ・セコ・メン
4.ほれちゃった
5.あのコはキティ
6.ぎゃらんぶー
7.フライド
8.かわいいひと
9.ウォーキング・スター
10.sayonara complex
11.フラットガール
お知らせ
CHAI 1st Album「PINK」発売記念『やっぱり育ちたいトゥアー』
11/18(土) 名古屋CLUB ROCK’N’ROLL ※ワンマン
11/19(日) 心斎橋LIVE HOUSE Pangea ※ワンマン
11/23(木祝) 渋谷WWW ※ワンマン
11/30(木) 札幌COLONY
12/03(日) 仙台enn2nd
12/08(金) 香川高松DIME
12/10(日) 福岡DRUM SON
12/11(月) 広島Cave-Be
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。