かりゆし58、約3年ぶりのフルアルバム『変わり良し、代わりなし』で変化を恐れず踏み出した“新たな一歩”。
かりゆし58 | 2017.10.17
かりゆし58のニューアルバムのタイトルは『変わり良し、代わりなし』。人間、少しずつ変わっていくものだし、自分の代わりは誰にも務まらない。ならば、せめて自分ぐらいは自身を肯定してあげようという意味も込められている。
作風もタイトルに込めた想い同様、従来以上に自由で何でもあり。 “えっ?!”と驚かされる曲を擁しながらも根源・根底には、変わらず多くの人が身や心を寄せたくなる楽曲ばかりだ。今回も全力であなたの人生や生き方を受け止め、明日を謳歌し、光り輝くものにしてくれることだろう。
そんな、<従来とは多少違ったアプローチながら、伝えるべき本質は全く変わっていない>今作について、前川真悟(Vo・Ba)、新屋行裕(Gt)、宮平直樹(Gt)が語ってくれた。
- EMTG:いやー、今回の『変わり良し、代わりなし』は、これまで以上に自由な作風ですね。
- 前川:自分たちでも、<変わっていく自分を素直に肯定していきたい>という意識を持って制作したところはあります。だけど結果、自身の拭い切れない本質が表れたところが今作の面白いところで。
- EMTG: 当初から、その辺りを狙いに?
- 前川:いや、当初はライブに向けての作品として作り始めました。昨今の行裕(新屋)や直樹(宮平)が非常に楽しそうにライブをしているのを隣で見ていて、そのブースターになるような作品を作ろうって。
- EMTG:確かに曲のタイプは様々なれど、非常にライブに於けるステージや客席の絵が曲毎に浮かんできます。
- 新屋:今までで一番ライブが浮かびやすい作品かなって。ライブ映えしそうな曲も多いし。
- 宮平:中には、“これをライブでどう表現しよう?”って曲もあるけど(笑)、基本、パッと再現できる曲ばかりですからね。ギターの立ち位置もしっかりと浮かんでくる音作りや音像だし。
- EMTG:でも、それらが原点回帰ともまた違ったライブ感に響くのも興味深いです。
- 前川:これは洋貴(中村/Dr)が今、心身の療養中なのも大きくて。ここまで自分たちの為にとやってきたことが、結果、自分たちを蝕んでいたんじゃないかと。で、もう一度バンドのリスタートが必要だと感じ、過去を振り返り、気づいたものを形にしていったのが今回の各曲だったりするんです。
- EMTG:それは?
- 前川:「この曲よ、誰かに届け」とか「かりゆしを待っている誰かの為に」より、例えば、一緒に暮らしている誰かや身近な誰か等、比較的ミニマムな世界観とでも言うか…。それこそバンドも知らない、ライブハウスに来たことも無い方々でも親しみが持てて、身近に感じてもらえる、そんな実質の距離感とは違った、心で至近距離だと感じられるような作品を作りたくて。
- EMTG:その辺りの意識は今作を作っている最中に芽生えたんですか?
- 前川:ところがそうでもないんです。実は僕、この2年の間に色々な街へ行き、その土地土地で様々な方と一緒に音楽をやったり、呑んだり、喋ったりしてきたんです。そこで改めて、どこに行っても、人間差し向かったら変わらないことに気づいて。“根っ子はみんな一緒なんだ!!”とわかった瞬間、迷いも吹っ飛んだんです。自分が出来ることを、ただただ一生懸命やればいいんだ、と。そこからですね。<自分たちの枠やイメージから外れてもいいから、思ったことや好きなことをやってみよう>という考えに至ったのは。
- EMTG: 頭の3曲が新要素だったところも驚かされました。これって、「かりゆし、変わったよね」と揶揄される懸念もありますが、実行にはかなりの勇気を要したのでは?
- 前川:それ以上に、“新しい一歩を踏み出さなくちゃ!!”との想いの方が強かったですね。やらなければ、それが正解なのか不正解なのかさえ分からない。その一歩を踏み出さない理由が「怖いから」だったら、一生変われずに過去の自分に捉われていなくちゃならないわけで。であれば、勇気を持ってこの一歩を踏み出そうと。
- 宮平:無難にやった結果、変われないんじゃしょうがないんで、とりあえず変わっていくアクションは見せたかったんです。
- 前川:世の中、自分たちを知ってる人たちよりも、知らない人たちの方が圧倒的に多いじゃないですか。だけど、そんな僕たちのことを知らない人にも知ってもらいたいし、聴いてもらいたいですからね。
- EMTG: 作風の自由度から伺うに、今作はかなり楽しいレコーディングだったのでは?
- 前川:それはあります。その時々の浮かんだアイデアをみんなで楽しんで入れ込んでいった感じで。
- 新屋:レコーディングもこれまでになくスムーズでしたよ。どの曲もそんなにテイクも重ねてないし。
- 前川:それこそ作り込みは緻密に、録りは大胆に、でした(笑)。
- 宮平:行裕とアレンジャーさんとで、録る前にある程度固めて挑んだところも大きかったですね。僕のギターにしても、行裕(のギター)がそっちに行くなら、俺はこっちに行く、みたいな感じでした。
- EMTG: ミックスにもかなり時間をかけたのでは?ヘッドフォンで聴くと色々な発見があって興味深いです。
- 前川:かなり久々に組んだエンジニアさんだったんですが、その彼に任せました。ここ数年、外から客観的に僕たちのことを観ていた彼ならではの解釈やミックス、エフェクト処理、遊び心やこだわりが散りばめられていて、逆に僕ら自身もかなり楽しめました。
- EMTG: 「流星タイムマシン」はフロントの2人でボーカルのリレーションをしているのが耳を惹きました。
- 前川:アルバムのリード曲なんですが、まさかサビでボーカルがセンターに居ないという(笑)。
- EMTG: この曲はダイナミズムと疾走感の両極が同居しているところも特徴的です。
- 宮平:この曲のテーマは七夕でした。七夕...夏...星空が浮かんできて。ちょうどこの曲を作っていた頃、実家に居たんです。で、昔読んでいた音楽雑誌や楽器やら懐かしいものが沢山あって。その時にタイトルがパッと浮かんだんです。それを真悟(前川)に伝え、みんなで形にしていきました。
- EMTG: 「髪を切る」では、久々に新屋さんのソロでの歌声も聴けました!!
- 新屋:作品だと、以前の「16号車」(2013年9月11日リリース 『8』収録)以来だからホント久々です。
- EMTG:今回も相変わらずポツンとした自分を見つめ直す歌の内容や歌唱ですね。
- 新屋:好きなんでしょうね、こういったタイプが。その時、心情的にうるさいのがイヤで、優しい雰囲気の歌を歌いたかったところもあったし。
- 前川:この曲も当初は僕が歌う予定でしたが行裕がそのまま歌った方が絶対に合うだろうと。結果、大正解でした。
- 新屋:自分なりの解釈で捉えて欲しい歌です。自問自答だったり、ラブソングだったり。孤独について歌われていると感じたならそれでも全然いいし。イメージやそこからの繋がりを限定させず、あえてフレキシブルに響くように作り、歌いました。
- EMTG:タイトルの『変わり良し、代わりなし』は、とても秀逸で作品全体ともマッチしています。
- 前川:自分に対するある種のおまじないでもあります。変わっていかなくてはやっていけないし、自分の代わりはいないのだから、自分ぐらいは自分を認めてあげようよ、との意味合いが込められてます。
- EMTG:今回の各曲は、みんなで一緒に体感するのももちろんですが、これまで以上に一人になった時に聴くのも合いそうですね。
- 前川:そこです!そこです!! 最近、(竹原)ピストルさんをよく聴いてるんですが、あの方はキチンといつも一人に向けて歌っているんですよね。常に一対一で伝えているというか。僕たちもいつの間にか、より広く、より遠くへ、よりダイナミックにと考えが移ってはきましたが、結局、歌を向けるべく人は一人ひとりなんですよね。そんな、より一対一で歌を伝えたい気持ちは、今、もの凄く強いんです。
- EMTG: そんな1対1で歌が伝えられるであろう全国ツアー『ハイサイロード 2017-18~変わり良し、代わりなし~』も間もなくですね。
- 前川:今作は、ここ2年ぐらいに於けるバンドやライブの楽しさから生まれた作品だったりもするので、それこそ、これまで以上に楽しみながら回れるツアーになると思います。そして、今回は作り込むところは作りこみ、遊んでいるところはかなり遊んだ作品なので、ライブでは、また違ったバンドならではの伝え方になるでしょう。
- 新屋:ツアーは各地色々な人と出会えたり、再会があったりしますからね。その歓びや幸せも感じながら回りたいです。
- 宮平:今回もアルバム曲用に機材を増強したんで、それをライブで試せるのが今から楽しみです。真悟の代わりに何曲かベースも弾くし、その為にベースアンプも買いましたから。
- 前川:この2年ほど1人で全国を回り、実はライブハウスってホール等に比べて普通の人にとっては来るのに勇気が要るところで、ハードルが高いものだと実感したんです。だからこそ、そこに来て下さる方の勇気や、自分たちに会いに来て下さる行為に今まで以上に敬意を持ってライブに挑みたいと思います。一人ずつに対して届けることと合わせて、これまでとは違ったライブになりそうなので今から期待していて下さい。
【取材・文:池田スカオ和宏】
リリース情報
変わり良し、代わりなし
2017年10月18日
LD&K
1.Say hi,say goodbye
2.アガリミナギル効果
3.ナナシの隣人
4.七夕から
5.銀幕の星
6.髪を切る
7.Welcome to summer
8.変貌願望
9.さらば太陽
10.流星タイムマシン
11.ユクイウタ
12.ホームゲーム
13.マンゴーウーマン ゴー!ゴー!ゴー!
14.FFF
ーおまけー
Happy birthday song
2.アガリミナギル効果
3.ナナシの隣人
4.七夕から
5.銀幕の星
6.髪を切る
7.Welcome to summer
8.変貌願望
9.さらば太陽
10.流星タイムマシン
11.ユクイウタ
12.ホームゲーム
13.マンゴーウーマン ゴー!ゴー!ゴー!
14.FFF
ーおまけー
Happy birthday song
お知らせ
■マイ検索ワード
宮平 直樹(Gt)
安室奈美恵 引退
世界の、アジアの星。で、その星の出どころは俺たちと同じ島。
沖縄で音楽をやってる俺ら世代の人は、みんな絶対に影響を受けてるんですよ。
でも、俺たちは"NEVER END"だけどね(笑)
■ライブ情報
ハイサイロード 2017-18~変わり良し、代わりなし~
=2017年=
11/17(金) 赤坂BLITZ
11/22(水) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
11/23(木祝) 長野CLUB JUNK BOX
11/25(土) 甲府KAZOO HALL
11/30(木) Live House 浜松 窓枠
12/02(土) 松阪M’AXA
12/03(日) 岐阜 CLUB ROOTS
12/09(土) 金沢EIGHT HALL
12/10(日) 富山SOUL POWER
12/15(金) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
12/17(日) 秋田CLUB SWINDLE
12/18(月) 仙台MACANA
12/21(木) 札幌PENNY LANE 24
=2018年=
01/08(月祝) 名古屋ダイアモンドホール
01/11(木) 神戸チキンジョージ
01/12(金) KYOTO MUSE
01/14(日) 奈良NEVERLAND
01/16(火) 大阪BIGCAT
01/21(日) 鹿児島CAPARVO HALL
01/23(火) 宮崎SR BOX
01/25(木) 大分DRUM Be-0
01/27(土) 福岡DRUM LOGOS
01/28(日) 長崎DRUM Be-7
02/01(木) 岡山CRAZY MAMA KINGDOM
02/03(土) 周南RISING HALL
02/04(日) 松江canova
02/07(水) 広島クラブクアトロ
02/09(金) 松山サロンキティ
02/11(日) 高知キャラバンサライ
02/12(月祝) 徳島club GRINDHOUSE
02/14(水) 高松DIME
03/10(土) 桜坂セントラル
03/11(日) 桜坂セントラル
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
宮平 直樹(Gt)
安室奈美恵 引退
世界の、アジアの星。で、その星の出どころは俺たちと同じ島。
沖縄で音楽をやってる俺ら世代の人は、みんな絶対に影響を受けてるんですよ。
でも、俺たちは"NEVER END"だけどね(笑)
■ライブ情報
ハイサイロード 2017-18~変わり良し、代わりなし~
=2017年=
11/17(金) 赤坂BLITZ
11/22(水) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
11/23(木祝) 長野CLUB JUNK BOX
11/25(土) 甲府KAZOO HALL
11/30(木) Live House 浜松 窓枠
12/02(土) 松阪M’AXA
12/03(日) 岐阜 CLUB ROOTS
12/09(土) 金沢EIGHT HALL
12/10(日) 富山SOUL POWER
12/15(金) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
12/17(日) 秋田CLUB SWINDLE
12/18(月) 仙台MACANA
12/21(木) 札幌PENNY LANE 24
=2018年=
01/08(月祝) 名古屋ダイアモンドホール
01/11(木) 神戸チキンジョージ
01/12(金) KYOTO MUSE
01/14(日) 奈良NEVERLAND
01/16(火) 大阪BIGCAT
01/21(日) 鹿児島CAPARVO HALL
01/23(火) 宮崎SR BOX
01/25(木) 大分DRUM Be-0
01/27(土) 福岡DRUM LOGOS
01/28(日) 長崎DRUM Be-7
02/01(木) 岡山CRAZY MAMA KINGDOM
02/03(土) 周南RISING HALL
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02/09(金) 松山サロンキティ
02/11(日) 高知キャラバンサライ
02/12(月祝) 徳島club GRINDHOUSE
02/14(水) 高松DIME
03/10(土) 桜坂セントラル
03/11(日) 桜坂セントラル
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