自分がみんなにとっての『メトロノーム』のような存在に。MACO、待望の3rdフルアルバムをリリース。

MACO | 2017.11.16

 SNS世代の歌姫として10~20代の男女から高い支持を得ているシンガーソングライターのMACOが、前作『love letter』から約1年ぶりとなるメジャー通算3枚目のアルバムをリリースした。
 ACUVUE(R)のキャンペーンCMソング「恋するヒトミ」やJTBタイアップ曲「恋の道」など、全12曲を収録したアルバムに、彼女は『メトロノーム』というタイトルをつけた。1stアルバム『FIRST KISS』や2ndアルバム『love letter』を始め、恋にまつわる題名を付けてきた彼女にとって、“メトロノーム”は何を象徴し、どんな意味を込めたのか。タイトルの話を皮切りに、全12編のラブストーリーの全貌を聞いた。 

EMTG:アルバムのタイトルが意外で驚きました。
MACO:そう、カタカナ初めてなんですよ。最初は『metronome』にしてたんですけど、ぱっと見難しいなと。そこは直球でメトロノームにしました。
EMTG:恋もLOVEも入ってないじゃないですか。
MACO:今まで入れすぎましたね(笑)。でも、元々、最初から今回のアルバムは『メトロノーム』にしようと思っていて。アルバムが11月に出るよっていうスケジュールを聞いた時に、きっとメトロノームだろうなって降りてきてたんですね。
EMTG:どんな意味を込めてますか?
MACO:メトロノームって、一定のリズムを刻んでくれる機械ですけど、自分を正しくしてくれる存在もメトロノームみたいだなって思っていて。だから、コンセプトとしては、MACOがみんなにとってのメトロノームであればいいなっていう思いがあったんですね。自分の刻むリズムや歌の世界にみんなを巻き込んでいけたらなっていう思いを『メトロノーム』というアルバムに込めて、みんなの元に届けられたらと思って、このタイトルにしました。もう1つ、自分が生きていく上で、自分を自分でいさせてくれる存在もメトロノームみたいだなとも思ってて。
EMTG:自分の心が乱れてるときに整えてくれる存在っていうことですよね。
MACO:そうですね。例えば、ライブ前とか、私はすごく緊張しちゃったり、アワアワしたりするんですけど、そういう時に大切な人からの<大丈夫だよ>っていうメールを読むだけで、気持ちが落ち着いたりするんですね。周りからどんなに元気な言葉をかけられても、全然ダメな時でも、大切な人に言われると、その一瞬でポッて自分が切り替わるというか。いつもの自分に戻れる存在はメトロノームだと思うし、みんなにとってはMACOがメトロノームであればいいなと思ってます。
EMTG:アルバムはタイトル曲の「メトロノーム」で幕を開けます。
MACO:この1曲目が軸になって、ここからいろんなストーリーが広がっていくので、まず、最初に「メトロノーム」の意味をみんなに噛み締めてもらおうっていう感じですね。自分も相手も全てを悟ってるような曲というか、二人の空間にしか流れないリズムをこれからもずっと刻んでいきたいねっていう歌になってます。
EMTG:サビでは<遠い何十億年も前から繋がっていたんだね>と歌ってます。
MACO:みんなには「すごく大袈裟だな」って笑われたんですけど、知り合わずに終わっていたかもしれない人と出会って、同じ時間を過ごして、いろんなことが経験できるのって、本当に奇跡に近いなと思ってて。私は運命を確信してるんですよね。
EMTG:ミトコンドリアの頃から?
MACO:スタッフの人にも言われたんですよ。何十億年前って人間になってないでしょうって。でも、「きっと、みじんことかの時から繋がってたんだよ」って言って(笑)。皆さんともそうだと思うんですよ。水の中とか、森とかで会ってると思う(笑)。私も男だったかもしれないし、戦国時代には戦ってたかもしれないしっていうのはすごい思いますね。
EMTG:そして、2曲目の「NATURAL LOVE」で、<会った瞬間から不思議なくらい自然体な私でいられる>、まさにメトロノームのような人との出会いが描かれてます。
MACO:自分の良いところも悪いところも全部含めて、自然と見守ってくれる人の存在ですね。どんな人といる時でも自分は自分なんですけど。この人といると妹っぽいなとか、この子といる時は自分がお姉ちゃんみたいにいなきゃなとか、いろんな自分で生きてるなって思うんですけど、一番ナチュラルでいられる自分でいさせてくれる人は本当に大切だなって思うので、2曲目に選びました。
EMTG:恋愛に求めるものは自然体でいられること?
MACO:どうなんでしょうね(笑)。自然体でいられることと、プラス、自分がずっと綺麗でいなきゃとか思わせてくれる人がいいかな。すっぴんもいいと思うんですけど、努力は惜しまずに、常に綺麗でいさせてくれる人の方がいいかなって思います。
EMTG:歌声もナチュラルですよね。
MACO:すごく気持ちよく歌えました。サビは全部ファルセットなんですけど、それも久しぶりのことで。「恋するヒトミ」とか、最近の曲は、地声で張り上げて歌うことが多かったので、この曲は本当に自然体だし、『22』や『23』の頃のMACOの良さが存分に出たR&Bになったなって思います。
EMTG:そして、3曲目の「Sweet Memory」がリード曲になってます。 
MACO:表題は絶対に極上に切ない曲にしようって言ってて。最近は幸せな曲や応援歌を歌ったりもしてたんですけど、『FIRST KISS』のときの表題曲「Kiss」は、ハッピーな恋愛の曲みたいなタイトルだけど、聴いてみたら、二度と交わせないキスだったっていう裏切りがあったんですね。この曲もタイトルは「甘い思い出」だけど、歌詞は全然スイートじゃなくて。みんなの期待を裏切りたかったし、「MACOちゃんの曲を聴いて恋したくなった!」ではなく、失恋を疑似体験してほしいなって思って。
EMTG:どんな失恋をしたと言えばいいですか?
MACO:友達に恋をしちゃった感じですね。始まりも終わりもない、絶対に成就しない恋。恋の音は聞こえたけど、友達のままで、夢の中でずっと願ってるような曲ですね。だから、最後の最後までせつないというか。
EMTG:友達から恋に発展する可能性は全くない?
MACO:相手は全然恋愛対象として見てないから、言ったら壊れちゃう関係ですね。踏み入っちゃいけないところに踏み入ってるのはわかってるんだけど、恋は理性が効かなくなるから。そういう危ないラインに入ってる歌なのかなって思います。もしも、自分の気持ちを伝えたら、「何言ってるの?」って言われちゃうような間柄だから、自分の中だけで完結してる曲ですね。そのあとの「カタオモイ」もせつな続きなんですけど、片思いをしてる時は猫かぶってるっていう曲だと思ってて(笑)
EMTG:女子は猫かぶってる?
MACO:そう思います。冒頭では<初めて恋をした時みたいな気持ちにさせてくれてありがとう>って言ってるけど(笑)、Bメロでは、悩むのも泣くのもさよならも全部やだって言ってて。だから、本当はありがとうなんて思ってないんですよ。でも、片思いの時はそこまで言える間柄じゃないから、サビでこんな風に自分の気持ちばかりぶつけてるんだろうなって思う。今、恋をしてない人は、『うわ、この曲、せつな』って、心が震えるような曲になったらいいなと思いますね。
EMTG:「僕だけのBaby」はタイトルにある通り、“僕”視点になってます。
MACO:僕だけのBabyは曲をいただいた時に、これはMACOじゃなくて男の子目線で歌う曲になると直感で思って。私は彼に言われた言葉や嬉しかった言葉はすぐメモするので、そのメモたちからもイメージをもらいました。彼女への想いとか、最後サビの部分では歳をとっても..と未来も2人で見据えてるというか。ライブでもみんなでシンガロングしやすい曲かなとも思うので、大好きな一曲です。
EMTG:シングルを挟み、「PEEKABOO」もライブで盛り上がる曲になってます。
MACO:こういう曲調は初めてなんですけど、ライブでも一体感が生まれる曲になってて。歌詞の内容も面白い感じで、好きな男の子をいないいないバーであやすっていうか(笑)。ちょっとからかってる瞬間の曲ですね。ちょっとあしらってる感じかな。
EMTG:(笑)「秋空」は一転して、穏やかなムードに。
MACO:夏を終えて秋になって思ったのは、やっぱ自分は夏がすごく嫌いなんだなってことなんですね。フェスとかでみんなで汗をかくのはいいんですけど、お休みの日は極力外に出たくない(笑)。夏の終わりの風が吹いてきて、秋の空になってきたのが目に見えてわかって。秋になると空を見上げる回数が増えたなって自分で思っていて。空を見るとなんか泣きたくなる気持ちっていうか、切なくないのに切なくなったりするのが恋と一緒だなと思って。好きな人が隣にいるだけで泣けてくるっていう体験を何度もしたことがあって。吉田美和さんが、なんで愛してるって言いたいのに泣けてくるんだろうって言ってるじゃないですか。それと同じ気持ちですね。秋の空と好きな人の横顔が重なって、この曲ができました。
EMTG:なんで泣けてくるんですか?
MACO:なんでなんでしょうね(笑)。夏の空を見ても思わないんですよ。乾いた風が吹いてきて、夕方の空を見てたら、涙が出てきて。なんだろう。多幸感だと思いますね。2番では、何度も初恋をしてるっていう。時間を重ねていく中で当たり前になっていくこともあると思うんですけど、絶対に変わらないところもあって。それが涙なのかな。悲しくもないのに泣けてくるっていう。それを秋空にかけました。
EMTG:「朝もお昼も夢の中も」はチャーミングな曲ですが、これは片思いですか?
MACO:じれったさを感じる曲かな。まだ成就してないけど、成就が見えて、それを楽しんでる感じ。大好きだからっていうのはちゃんと言えてるので、すごく可愛らしい曲を作れたなって思ってます。
EMTG:そして、友達をテーマにした夏ソングがあり、最後にドラマチックなバラード「恋の道」と「愛してる」が収録されてます。この曲順を迷ったと聞いたんですが。
MACO:最初は「恋の道」が最後だったんですけど、「愛してる」と「メトロノーム」は繋がってるなと思って、12曲目に「愛してる」を持ってきました。「恋の道」は、人生を旅に例えて、あんまり多くは望まず、側にいられる時間、ありがとうっていうことを伝えたくて書きましたね。大切な人が側にいることが当たり前になって、すごく小さいことで喧嘩しちゃったりするかもだけど、この曲を歌うたびに、「大切なことって、出会えたことに感謝だよな」と思って。綺麗事かもしれないけど、側に居られるだけで、本当に嬉しいよっていう歌です。
EMTG:「愛してる」と「メトロノーム」の関係は?
MACO:作ってる時は全然繋げている感覚はなかったんですけど、「愛してる」は自分のなかで、どうして生きてるのか? っていうレベルから書けて。人の生死をすごく考えた年でもあったからこそ書けた曲なのかなって思いました。生まれた日も知らなかった人の誕生日を祝ったり、一緒にいたりっていう奇跡を自分の中で噛み締めてる時にかけた曲で、言いたいことが「メトロノーム」と繋がってるなっていう意味も込めて12曲目に持ってきました。
EMTG:君がいるだけで生きてけるってこと?
MACO:そうですね。本当に、それだけで頑張れるっていう。思い出すだけで頑張れたりするっていうのは、『love letter』から繋がってて、変わってないなって感じましたね。
EMTG:逆に前作と違いを感じた部分はありますか?
MACO:サウンドは全く違うかなと思いますね。『22』から『love letter』までを改めて振り返ってみて、22~23歳頃のMACOの良さを踏まえつつ、新しい形で出せたらいいなと思っていて。前作はバンド色が強かったけど、今回は大好きなR&Bが面になってるので、あの時のMACOが帰ってきたって感じつつも、新しいMACOが見れる、深みのある作品になったなって思います。みなさんの手元に届いたらその人のものだから、いろんな聞き方をして欲しいですけど、曲順にもこだわったので、できれば、この順番で聞いて欲しい。切ない曲も多いですけど、聴き終わった後は、心が温まったり、癒されたなって感じてもらえると嬉しいですね。

【取材・文:永堀 アツオ】

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リリース情報

メトロノーム

メトロノーム

2017年11月15日

ユニバーサル ミュージック

1. メトロノーム
2. NATURAL LOVE
3. Sweet Memory
4. カタオモイ
5. 僕だけのBaby
6. 恋するヒトミ
7. PEEKABOO
8. 秋空
9. 朝もお昼も夢の中も
10. 二人は夢みるマーメイド
11. 恋の道
12. 愛してる

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

MACOニューアルバム「メトロノーム」発売記念 リリースイベント
11/11(土) モラージュ佐賀 南館1F 特設ステージ(佐賀)
11/12(日) イオンモールかほく 1Fグリーンコート(石川)
11/18(土) ニッケパークタウン 1Fセンタープラザ(兵庫)
11/19(日) イオンレイクタウン mori 1F木の広場(埼玉)
11/23(木) イオンモール高知 専門店街1階 南コート(高知)
11/25(土) イオンモール木曽川1階ノースコート(愛知)

あつぎミュージックフェスティバル2017
11/26(日) 厚木市文化会館大ホール(神奈川)

Istyle presents TGC HIROSHIMA 2017 by TOKYO GIRLS COLLECTION
12/09(土) 広島グリーンアリーナ(広島)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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