Shiggy Jr.の最新作は、どんなシチュエーションにもハマる!極上ポップスが完成。

Shiggy Jr. | 2017.11.21

 最新作『SHUFFLE!! E.P.』は、あらゆるサウンドを極上のポップスとして奏でることができるShiggy Jr.の魅力が、ストレートに伝わってくる1枚だ。初期から存在していて、現在の4人編成になる過程を見守ってきた曲とも言うべき「約束」が、新しいアレンジでレコーディングされているのも、ファンにとって見逃せないポイントではないだろうか。Shiggy Jr.は間もなく結成5周年を迎える。節目を経て、さらに進化しようとしている姿も窺われる今作について、メンバーたちに語ってもらった。

EMTG:どんな作品にしたいと思っていました?
原田茂幸(Gt・Vo):『SHUFFLE!! E.P.』というタイトルをつけたんですけど、シャッフル機能で聴いているかのように、いろんなジャンルの曲を入れたいなと思っていました。全体のバランスも考えつつ、やってみたら面白そうな曲とか、ライブのことを意識した曲も入れた作品ですね。
森夏彦(Ba):5曲それぞれが別々のジャンルのサウンドでありながら、Shiggy Jr.らしいものにもなっていると思います。
池田智子(Vo):レーベルを移籍してから第1弾のE.P.なので、“どんな人にも聴いて頂けて、どんな場所でもフィットするような曲を届けたい”という想いもこめています。
EMTG:Shiggy Jr.の曲は親しみやすいですから、みなさんの親御さんも口ずさんでいるんじゃないでしょうか?
諸石和馬(Dr):すごい好きですよ。僕の父はハードロックシンガーなんですけど、今回入っている「Juuuump!!」が大好きで、「ボーカルレスのトラックをくれ」って言われました。渡したら別の歌を入れて返してきたんですけど(笑)。ハードロック世代にも響くものがあるみたいです。
EMTG:往年のポップス、ロックの要素を取り入れて、自分たち流に表現することに長けているバンドですよね。例えば、今回の1曲目の「誘惑のパーティー」は、80’s的なサウンドですし。
原田:作り始めた最初の時点で既に80’sのディスコ的なものを狙っていたんですけど、まさに夜のディスコっぽい形になりました。そこにメンバーそれぞれの好きなものも入っていると思います。
諸石:僕はハードロックが大好きですしね。ラウド系のものも聴きますし、ブラックミュージックも好きですし。「これがルーツです」と1つに絞れない感じです。
森:僕もYouTubeとかでいろんな音楽を聴きますし、それに合わせてベースで弾いたりもするんです。今ってそういうことができる時代ですし、いろいろ吸収しない手はないですよね。
池田:こういうバンドなので、毎回、新鮮さを感じることができているんです。私も幅広いキャラクターを表現できたらいいなと思いながら歌っています。
EMTG:もし今後、ラウド系の曲が生まれたら、スクリームする池田さんを聴けるんですかね?
池田:基本的にこの声質なので、どうなるんですかね?(笑)。
原田:ラウドを歌ったら、すごそうだな(笑)。
諸石:さすがにスクリームはしないでしょ?
池田:迫力がないかも(笑)。でも、何でもやってみたいです。昔はこの声質がコンプレックスで、ロックを歌ってもイメージしていたようなものにならないのが悩みだったんですけど、今はこの声を活かして様々な曲を歌いたいと思うようになっています。
EMTG:「誘惑のパーティー」も、池田さんの歌声ならではですよ。ちょっと危険な女性像が浮かぶ歌詞ですけど、池田さんの歌によってキャッチーになっている面も大きいんじゃないでしょうか。
原田:たしかにそうですね。ドラマ(フジテレビCS ドラマ『過ちスクランブル』主題歌)のタイアップがあって、その内容をイメージして歌詞を書いたんですけど、Shiggy Jr.らしいものにすることができたと思っています。
EMTG:あらゆる世界を自分たちの色で染めることができるバンドということですね。2曲目の「僕は雨のなか」も、独自のカラーが発揮されていますし。キャッチーなメロディと、躍動感のあるバンドサウンドの融合の仕方が刺激的です。
森:ありがとうございます。この曲は、みんなの演奏で疾走感を出していったので、かなりロックなものになっています。
池田:サビに向かって上がっていくところとか、今までの曲にはなかった感じがあります。背中でバンドの熱を受けながら歌うので、ライブでも楽しいんですよ。
原田:フジテレビドラマ『ぼくは麻理のなか』の主題歌なんですけど、その世界観をイメージした結果、この曲も今までのShiggy Jr.にはなかったようなものになったと思っています。
EMTG:2曲目の「僕は雨のなか」と、3曲目の「二人のストーリー」って、繋がりがあるように感じたんですけど。
原田:よくわかりましたね(笑)。初めて言われました。
EMTG:どちらの歌詞にも《交差点》が出てきたり、「二人のストーリー」は雨上がりだったり、風景や空気感に共通したものがある印象がしたんです。
池田:そうなんですよ。もともと違う歌詞だったんですけど、今回のE.P.に入れる際に裏テーマとして「僕は雨のなか」の続編というか、“登場する同じ2人を描く”ということになったんです。
EMTG:「二人のストーリー」は、原田さんの歌とラップも聴きどころですが、この前のツアーでも歌いましたよね?
原田:はい。緊張しました。俺は突然歌いだしていいのだろうか? と(笑)。
EMTG:学生の頃は歌っていたんですよね?
原田:はい。歌うのは好きなんですけど、封印していたんです。
EMTG:自分の歌に点数をつけると?
原田:……30点くらいですかね。
諸石:随分と低いな(笑)。
池田:いつもデモを貰うと、しげくんの声で歌が入っているんですけど、「いい声だな」と思っていました。今までも部分部分でしげくんが歌ったりしていて、「しげくんの歌う曲はないんですか?」という声があったので、みなさんにも喜んで頂ける曲ができました。
諸石:めっちゃ速い矢みたいに突き抜ける声ですよ。しげの声は、今後も活かしていきたいなとメンバーとして思っています。
森:美声ですよ。デモでいつも甘い声を発揮していますからね。僕の好きな声です!
原田:やめろ、気持ち悪い!(笑)。
森:一緒にカラオケに行った時、マイケル・ジャクソンを歌ったよね?
原田:「Rock With You」を歌いました(笑)。
EMTG:いつか聴かせてください(笑)。そして、諸石さんのお父さまがお気に入りの「Juuuump!!」は、ライブ映えするタイプの曲ですね。「u」の数が4つである理由は?
池田:メンバーが4人だからです。
森:そうだったんだ? 知らなかった(笑)。
原田:ロックンロールの曲も、今回のE.P.の中で欲しくて作ったんですけど、最終的にハードロックみたいな要素も入ったものになりました。
諸石:僕のドラムもハードロックの要素をかなり入れています。
EMTG:ライブでこの曲を披露した時、池田さんもエレキギターを弾いていたのが印象的です。学生の頃は、結構弾いていたんですっけ?
池田:まったく弾いていなかったです。ギターボーカルに憧れていたんですけど、弾けな過ぎて、ずっと封印していました(笑)。ギターを持って歌うと、強くなった気持ちになれるというか、今まで知らなかった自分が出てくるのが楽しいです。
原田:ライブでギターが2本になると、サウンドに厚みが出るのがいいですね。
森:ライブの時、隣を見たら池田がギターを弾いているから、ちょっと笑っちゃう感じもありました。記憶にない姿が僕の隣にいたので。
池田:最初の頃は、ギターを持つだけで笑われていましたからね(笑)。
森:でも、練習する内に、どんどん馴染んでいましたよ。
EMTG:今後、バリバリに尖った形の強そうなギターを持ったら、さらに盛り上がるんじゃないですか?
諸石:変形ギターとか?
原田:そんな池田、いやだなあ(笑)。
EMTG:(笑)この曲、ホーンも気持ちいいです。
原田:ロックンロールのイメージなので、ホーンを入れたんです。もともとShiggy Jr.の曲は、ホーンが引っ張るタイプの曲が多いので、いつか生のホーンも入った形でライブをやれたらいいですね。
EMTG:池田さんがエレキギターだけじゃなくて、ホーンも吹くとかは?
池田:私、昔、トロンボーンをやっていたんですよ。
原田:歌いながら吹いてよ。
池田:それは無理(笑)。
EMTG:(笑)このように新しい形のShiggy Jr.が広がった今作に、「約束」が収録されているのも目を引きます。初期の曲ですよね?
諸石:はい。レーベルを移籍して、心機一転のタイミングなので、この曲を入れることになったんです。Shiggy Jr.がまだインディーズで、僕と森が加入する前に、SoundCloudにこの曲が上がっていたんです。僕はこの曲を聴いてShiggy Jr.が好きになって、その後に誘われて加入することになったんですよね。
森:僕もこの曲をSoundCloudで聴いていました。今回、こういうタイミングで音源化できて嬉しいです。
原田:もともとはもうちょっと若い感じのアレンジだったんですけど、僕らも大人になってきたので、年相応のアレンジに変えました。
EMTG:アットホームな雰囲気のアコースティックアレンジが気持ちいいです。バート・バカラック調の要素を加えていたり、遊び心も感じるサウンドです。
原田:はい。そんなところも楽しんで頂けると嬉しいです。
池田:これはボーカル以外は、一発録りなんです。みんなで「せーの!」で録った空気感が出ていると思います。まだバンドになる前に、しげくんと何曲かデモを録っていた頃からあったのが「約束」なんです。私にとっても始まりの曲ですね。
原田:メジャーデビューとか、そんなことすら考えていなかった頃に作った曲ですから、こうしてリリースできるのは、感慨深いものがあります。バンドをすることすら考えていなかった時期ですから。
EMTG:収録されている全曲について語って頂きましたが、まさに『SHUFFLE!! E.P.』っていうタイトルがふさわしい1枚ですね。
原田:はい。やっぱり池田が歌うとShiggy Jr.になりますし、楽器を弾いている我々は何をやっても大丈夫なんです。
池田:毎回、こうしていろんな曲を歌わせてもらえるのが楽しいです。新しい自分に出会うことができています。Shiggy Jr.は、「いろんなことに挑戦して、それをポップスとして出していく」っていうのが真ん中にあるので、そういうことを積み重ねていけば、もっと幅広いみなさんに伝わるものになっていくんじゃないかなと思っています。老若男女に聴いて頂ける国民的バンドになりたいです。
EMTG:そういう目標を持って活動してきたShiggy Jr.は、いよいよ結成5周年?
池田:はい。12月5日に恵比寿LIQUIDROOMでやる結成5周年のワンマンライブを成功させて、その先もワクワクして頂ける活動をしたいです。
森:地道にいい曲を作って、いいライブを続けていきたいですね。
諸石:さらに日本各地をライブで回りたいですし、たくさんの人たちにShiggy Jr.の音楽を広めていく活動をしたいです。
原田:今までは「J-POP」というものを作ろうと思ってやってきたところがあるんですけど、今後はさらに広げて昔の洋楽の要素を取り入れたりとかもしていきたいです。今回のE.P.は、そういうこともやれたので、1つの転機にもなったと思っています。

【取材・文:田中 大】
【ヘアメイク:木内真奈美】/コメント動画
【スタイリスト:ERICA MIMURA】/コメント動画

tag一覧 アルバム 女性ボーカル Shiggy Jr. 男性ボーカル

リリース情報

SHUFFLE!! E.P.

SHUFFLE!! E.P.

2017年11月22日

ビクターエンタテインメント

1.誘惑のパーティー
2.僕は雨のなか
3.二人のストーリー
4.Juuuump!!
5.約束

お知らせ

■コメント動画



■ライブ情報

Shiggy Jr. presents「High 5 Anniversary」
12/05(火) 恵比寿LIQUIDROOM

毎日がクリスマス 10TH ANNIVERSARY!
12/17(日) 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール

rockin’on presents「COUNTDOWN JAPAN 17/18」
12/29(金) 幕張メッセ国際展示場1〜11ホール、イベントホール

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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