Ivy to Fraudulent Game「メジャーというフィールドに立っても自分たちの芯は変わらない」と語る4人のリアルな言葉とは
Ivy to Fraudulent Game | 2017.12.06
静謐な緊張感と内に込めた熱が錯綜する曲とライブで注目されるIvy to Fraudulent Gameが、ついにメジャーデビュー作『回転する』をリリースする。7月のツアー・ファイナルで宣言した通り、これまで発表した曲からライブでお馴染みの曲や彼らにとって大切な曲を再レコーディングし、新曲とともにひとつの作品として完成させたものだ。メジャーという大きなフィールドに立っても自分たちの芯は変わらない、と胸を張る4人のリアルな言葉をお届けしよう。
- EMTG:いよいよメジャーデビューですね。新作『回転する』はコンセプトとなるものがありますか?
- 福島由也(Dr):メジャーデビュ-1枚目ということで、新曲もありますけど、以前に自主制作で出した曲の再録も入ってるじゃないですか。だからどうやってアルバムとして成立させようか悩みました。ライブで毎回やっている曲もあれば、今の自分たちの一番新しい曲も入っていますから。新曲は自分の土台の部分、音楽を始めた時の衝動みたいなものを軸に、そこから一歩進んだものにしたというか。全く違うベクトルですごい新しいことをやるよりも地続きになってるイメージですね。そういうものを持ちあわせた曲にしたいなって。
- EMTG:福島さんが音楽を始めた時の衝動というのは?
- 福島:自分が感動するものを作りたいなという気持ちで今もやってるんです。その当時からそれは変わらないですね。自分が出会って好きだなと思った音楽って、純粋に感動しているわけじゃないですか。その当時僕が聴いていた音楽って、ポスト・ロックというか、日本のバンドならtoeとかliteとか、洋楽はマイ・ブラッディ・ヴァレンタインとかシガー・ロスとかにその頃出会ってるんですけど、そういう自分の好きなバンドを聴いたときに受ける感覚を人に与えたい、そういう気持ちです。
- EMTG:アルバムの全体像を苦労したとおっしゃったけど、「最低」という自嘲的な内省感の強い曲で始まり、「革命」で未来を見据える、良い流れになってると思います。曲を作りながらそういう流れを考えて?
- 福島:そうですね、すごい意識していて、一番最初に3曲目の「何処か / somewhere」ができたんですけど、「青写真」「アイドル」は決まっていたので、アルバムとして成立しないなという感覚があって。そこからどうにかできないかなと考えて「最低」「革命」につながって。それにアルバム1枚が回転することによって成立するというコンセプトもあって、「最低」の出だしの一節が「革命」の最後の一節で、うまく昇華されるんですけど。
- EMTG:なるほど、最初と最後が繋がるんですね。
- 福島:はい。そういう流れとか、アルバム1枚で聴かせるというのは毎回意識するんです。1曲で、という時代に、どうアルバムで勝負するかを重要視してます。1枚で聴く意味というのは欲しいなと。僕個人としてはそうやって聴くから、そういう感動も知ってもらいたいなということですかね。1枚で聴く良さ。もちろん1曲1曲の内容も大切にしてるんですけど。
- EMTG:フィジカルなパッケージへのこだわりですか。
- 福島:今回もジャケットを含めてとてもこだわりました。
- EMTG:では今回再録音した曲は、どんな点で選ばれたんでしょう?
- 福島:「青写真」「アイドル」に関しては毎回ライブでやっている曲で、自分たちのライブのイメージというか、バンドのイメージを形成してきたような曲なので、これ入れなきゃなって。「dulcet」「+」はノブ(寺口 宣明 / Vo・Gt)が“どうかな”っていってくれたんです。
- EMTG:寺口さんはどういう点でこれらの曲を?
- 寺口宣明(Vo・Gt):上がってきた新曲と「青写真」「アイドル」という曲を入れるという方向性になった時に、他にうちの出してない色がある曲を入れた方がいいかなと。メジャーデビューでウチの音楽と初めて触れる人もいると思うので、ウチの武器である振り幅というのを見せたくて。それを思った時にその2曲かなと。
- EMTG:再録音する上でのポイントは?
- 寺口:より良いものにするというのはもちろんなんですけど、ライブで培ってきた「青写真」「アイドル」は、難しかったですね。ライブと違う環境とメンタルでやるから、ライブでのいい意味での雑味というか、理屈じゃない熱量みたいなものを、どう入れていくのかというのが難しかったです。俺、普段はレコーディングでギター弾かないんですね。歌だけなんですけど、この2曲に関しては、綺麗にまとまりすぎちゃってたので自分もギターで参加して、ライブと同じように演奏して。結果的に、いいものになりました。
- 大島知起(Gt):毎回、苦労はするんですけど。何回も録っていると客観的に見れなくなって、どれがいいのかわからなくなったり。
- カワイリョウタロウ(Ba):今回、前作『継ぐ』(2nd Mini Album)のエンジニアさんと同じ方なんですけど、前に比べて音もパッと決められて。苦戦はしましたけど、納得いく音とテイクが録れたし。この1枚に満足して出せたという感じですね。
- EMTG:福島さんから他の皆さんに具体的なサジェスチョンとともに曲を渡すんですか?
- 福島:デモの段階で基本的には完成系というか。だから、これを聞いてください、そこからは自分の解釈でって。歌に関しては毎回感動させられる。それは毎回楽しみでもありますね。
- EMTG:福島さんの曲ってバリエーションがあるから、寺口さんは歌い方を工夫されてるみたいですね。
- 寺口:曲を作ってない分、曲に対する声でのアプローチの仕方というのは、人一倍考えないといけないなって。「革命」は今までと違う。自分の中には持っていたけど、バンドの中では消化しづらい歌唱ができたかな。いい意味で力が抜けてるというか。シビアな曲の方が得意なんですけど暗い曲とか。でもこういうのも初挑戦で面白かったですね。
- EMTG:「最低」みたいな方が得意?
- 寺口:そうですね。入って行きやすい。いろいろ考えたんですけど、割と早く固まった。これはこういう感じで歌おうって、そこからどう深くするか。
- EMTG:寺口さんも、デモへの答えが勝負になりますね
- 寺口:そうですね。福島の仮歌は、感情入れないでガイドっぽく歌ってるので、いい意味で自分の色を入れやすい。他の楽器も人が違うと性格とか出ると思うし。それがプラスになる時もあればハマりが悪い時もあるし。それでも正解を導き出していくのがミュージシャンだと思う。当たり前にいいものにしないといけない。
- EMTG:今回はメジャー初の作品という意気込みはありましたか?
- 寺口:どうなのかね。そこに関して、俺はあまり力入ってない。それより全国流通の『行間にて』(1st Mini Album)の方が力入った気がする。
- カワイ:今回はメジャーとかじゃなくて単純に1枚の作品として、いいものを仕上げたいという気持ちでレコーディングに臨みましたね。
- EMTG:メジャーという形で活動することに関しては、どうでしょう。できることもやることも増えていくと思いますけど。
- 寺口:それはめちゃめちゃ肌で感じてますね。自分たちの美学と、やらなきゃいけないことのバランスを、絶対見失わないようにと僕は感じてます。
- 福島:僕はバンドを始めようと思った時から変わってない。僕が感動したように感動してもらいたい。単純に音楽が好きだからやってる。メジャーだから何ということじゃなくて、単純にチャンスとしか思ってなくて。だからスタイルが変わるとかはないですね。メジャーだからこういうアプローチしたら面白いのかとか、そういう発想はありますけど。芯の部分は僕はずっと変わってないです。僕はずっとそうなので。芯が動いたらやめる時だと思う。
【取材・文:今井智子】
リリース情報
回転する
2017年12月06日
Getting Better
01. Contrast with your beauty.
02. 最低
03. 何処か / somewhere ※読み/どこか
04. 青写真
05. dulcet
06. + ※読み/プラス
07. アイドル
08. 何時か / sometime ※読み/いつか
09. 革命
02. 最低
03. 何処か / somewhere ※読み/どこか
04. 青写真
05. dulcet
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07. アイドル
08. 何時か / sometime ※読み/いつか
09. 革命
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寺口宣明(Vo・Gt)
ウサイン・ボルト 身長
動画かなんかであの人の走るところを見てて、ひとりだけ人間じゃないみたいな感じがして、調べてみようと思って。身長195cmなんですね。
福島由也(Dr)
豊洲ぐるり公園、トイレ
そこで、「何処か」のMV撮影をしたんですよ。トイレが全然見つからなくて。でも結果的にノブが教えてくれました。
大島知起(Gt)
怨み屋本舗 漫画
面白いよって言われて検索して、無料のサンプルだけ読んだんですけど。時間ができたら読もうかなと思ってます。
カワイリョウタロウ(Ba)
ジムダンロップ
楽器メーカーメーカーです。インスタグラムでジムダンロップの写真があがってたんですけど、エフェクターボードの中にバナナが入っていて、どんなメーカーなんだ?と思って。
■ライブ情報
<全国ワンマンツアー>
2017/12/09(土) 札幌COLONY
2017/12/16(土) 仙台MACANA
2017/12/17(日) 新潟CLUB RIVERST
2018/01/13(土) 福岡Queblick
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<スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2018>
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at 渋谷CLUB QUATTRO
2017/12/07(木) 渋谷CLUB QUATTRO
rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 17/18
2017/12/29(金) 幕張メッセ国際展示場1~11イベントホール
Livemasters Inc. Countdown GT2018
2017/12/31(日) Zepp DiverCity
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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