THE BEAT GARDEN至上最高に直球な、疾走感溢れる夏のラブソングが完成!
THE BEAT GARDEN | 2018.07.17
“君が好き”、歌の冒頭から衒いのない伸びやかな声に胸を射抜かれてしまう。7月18日にリリースの6thシングル「花火」は、切なくも甘酸っぱい衝動を聴き手の内にも掻き立てるTHE BEAT GARDEN至上最高に直球な、疾走感溢れる夏のラブソングだ。全編ほぼ弾き語りという画期的アプローチの「あのね」、彼らが標榜するEDR(エレクトリック・ダンス・ロック)のど真ん中をいく「Satisfaction」とカップリングも充実。前作「僕がいる未来」で等身大の自分たちに立ち返り、“歌”と“言葉”を大切に伝えていきたいと改めて想いを定めた彼らのリアルがここに詰め込まれている。
- EMTG:爽やかで瑞々しく、タイトルからしてもまさに夏にぴったりな1曲ですね。THE BEAT GARDENで季節を意識して作られた曲って、実は珍しくないですか。
- U:そうなんですよ、今までにないんじゃないかな。今回、夏のリリースが決まっていたので“夏にどんな曲を歌いたい?”って4人で話して。“清涼飲料水のCMで流れるような疾走感のある曲ってわくわくするよね”みたいなところから、REIがベースになるメロディを作ってくれて、それをもとに歌詞を乗せていきました。
- REI:でも、元のメロディからは結構大きく変わりましたけどね。今回、初めてコライト(共同作曲)というものをメンバー同士でやったんですよ。“夏”“疾走感”っていうワードをもとに僕が作ったデモをベースにしつつ、それぞれが思いついたメロディやフェイクを歌い合って“今のメロディ、いいね!”みたいな、言ってみればメロディのディスカッション・セッションというか。なので、みんなで作った感覚がすごくあるんです。それぞれが上げてくるメロディでその人のクセみたいなのがわかるのも面白くて。
- EMTG:やっぱりクセってあるんですか。
- REI:あります、あります。例えばUさんはアタマを意外と強いメロでいったかと思うと、ふと潜るところがあったりして抑揚が上手いな、とか。
- U:REIはね、繰り返す!(笑)。
- REI:そうそう(笑)、前回の「僕のいる未来」も繰り返しのメロディが多くて。今回は話し合いの中で、繰り返しの中にも隙間のあるメロディを入れたりフックになる歌詞を乗せたら、よりグッとくるものになるんじゃないかってアイデアも出てきて、いろいろ試行錯誤しながら毎日、和気藹々とやり取りしてましたね。
- DJ SATORU:一回、UさんとREIちゃんがコライトしてるところに僕も行ったことがあって。たまに“SATORU、なんかある?”とかムチャぶりされたりもしたんですけど(笑)、そこでひとつ一つの音をしっかり聴ける機会が持てたから、今まで以上に曲の世界が深く感じられる気がしてるんですよ。
- EMTG:夏の曲ではあるけれど単純に元気いっぱい!っていう感じではなくて、疾走感に溢れつつ、キュンとする切なさも滲んでますよね。歌詞がまた甘酸っぱい!
- U:この歌詞は僕の実体験でもあるんですけど、一方でファンのみんなへのラブソングだとも思って書いたんです。最近は特にどの曲を作っていてもそうなんですけど、すごくファンのみんなの顔が浮かぶんですよ。だから“焼きついて離れない”っていうフレーズは自分の中の思い出と、みんなの笑顔っていうふたつの意味で。
- EMTG:実体験もぜひ聞きたいです。
- U:最初に夏の恋の思い出ってなんだろう?って考えたんですけど、思い出自体がないのか、思い出せないのか、全然浮かんでこなくって。でも、その花火の日のことはよく覚えてるんですよ。かなり昔の話なんですけど……気になってた女の子と一緒に花火大会に行くことになって……その時点でかなりいい感じじゃないですか。でも電車に乗って会場に向かっている途中に雨が降ってきて、車内アナウンスで中止って流れてきて。で、僕はチキン野郎なので、待ち合わせしてた彼女に“帰ろうか”ってメールしちゃったんですよ。
- EMTG:ああ~~!
- U:でも家に帰ってから“あ、(あの子のことが)好きなんだな”ってすごく思ったんですよね。僕って、すごく楽しいデートをしたあとも、上手くいかなかったときも、ひとりになったときに“好き”って認識するんです。結果、その子とは現実に付き合うことはなかったから、なおさら覚えてて。
- EMTG:じゃあ《「また今度行こうね」ってくれた君に 「そうだね またね」としか送れない》の一節はリアルなUさんの後悔が綴られているわけですか。
- U:もう後悔しかないです(笑)。だって花火が上がらなくたって、他にも方法はあるじゃないですか。ぶっちゃけ“君”と一緒にいたいだけなんだから、帰らずに会いに行って“好き”って伝えたらよかったんじゃないかな。だから、この曲の主人公には最後に会いに行ってもらうんですけど。いやホント、こういうときは行ったほうがいい!(一同爆笑)
- EMTG:MASATOさんだったらどうします?
- MASATO:僕だったら帰らないですね。付き合ってないふたりが花火大会に行くって、すでにちょっと好きってことを雰囲気で伝えてるわけで。だから花火が上がらないなら違う何かで“好き”を伝えられるように埋め合わせします。
- U:帰らないよな~、MASATOは(笑)。
- REI:僕も帰らないですよ(←真顔)。
- U:そっか、基本帰らないんだ、みんな。でもSATORUはそもそも花火に行けるかどうかでしょ?(笑)
- SATORU:デートに誘う段階からってこと? ……まあ、そうかな(一同爆笑)。でも誘えたら、中止になっても帰らない。たぶん飯ぐらいは食って帰るんじゃないかな。
- U:僕は今でも帰っちゃうかもしれない。なんか怖いんですよ。臨機応変とかできないんですよね。
- EMTG:そういうUさんだからこそロマンチックな歌詞がいっぱい書けるのではないでしょうか。
- U:だったら嬉しいです!(笑)
- EMTG:レコーディングで何か気をつけていたことは?
- MASATO:僕はこの制作のタイミングが舞台期間中だったので、歌い込みがあんまりできないままレコーディング当日を迎えたんです。でもメロディとトラックと歌詞がすごくマッチングしていて、「花火」の世界観がイメージしやすかったんですね。で、今回ひとつ試せたなって思うことがあって……これまでは曲の世界観に自分を寄せてた気がするんですよ。でも自分が音楽を聴くときって意外と自分のシチュエーションに曲の世界観を照らし合わせてたりするじゃないですか。だったら“自分の「花火」”として歌ったほうがリスナーの人にとってもリアルなんじゃないかなって。サビは3人のユニゾンで歌うので、そこは合わせるんですけど、ヴァースは自分の世界観の中で歌ったので、すごくスムーズに歌えたんです。もちろんテイクはそれなりに録りましたけど(笑)。
- EMTG:そこはTHE BEAT GARDENらしいところですよね(笑)。
- MASATO:めっちゃ真面目なんで。“もうちょっと行きます!”ってしつこいくらいにやりました(笑)。
- U:表題曲でここまでストレートに“好き”って歌ってるラブソングっていうのも実は僕らの曲にはないんですよ。でも、きっとストレートに歌ったほうが気持ちも入るし、どんどん高まる想いも自然に出せると思ったので、語弊があるかもしれないけど、僕はこの曲に関してはあんまり上手く歌うことは考えなかったです。テイクもむしろ自分がより気持ちを込めて歌えたものを選んだくらいで。
- EMTG:のっけから“君が好き”って、字面だけでもパワーがありますけど、ここをどう伝えるかでまったく印象が変わると思うんですよ。聴く人に告白してるようなものじゃないですか。
- U:そうなんですよ。ライブでもこのアタマのサビは大事にしていて。レコーディングのときは当時の気持ちを思い出しながら、本気で“君が好き”と思って歌ったし、ライブのときは目の前にいるファンの人たちのことを本当にそう思ってるということが力まず自然に出せてると思ってます。
- EMTG:MVがまた素敵ですよね。めちゃくちゃ青春してるし、みんなでやってるジェンガとか本気で楽しそう。
- MASATO:童心に戻りましたね、あれは。ガチ勝負ですよ(笑)。カメラにどう映ってるかとか、まったく気にしてない(笑)。
- U:パーツを取るとき、手が震えてたもんね(笑)。
- REI:そういうところでも等身大の自分たちを表現できてるかなって思います。MVしかり、ジャケット写真にしてもアーティスト写真にしても。
- U:カッコつけたり演じたりっていうより、そのままの自分たちで臨めたのがよかったよね。楽しかった。
- EMTG:素を出せるくらいに強くなったってことでしょうね。デビュー2周年を迎えるこのタイミングでそれができたというのは、きっと2年間の活動で自信がついたからでしょうし、ここまで見せても大丈夫だと思えるようになったからだろうなって。
- U:本当に今、等身大の自分たちでいられているんですよ。デビューして2年の間にいろんなことがあって、ようやく自分たちが歌うべきこと、歌いたいことがはっきりしてきたんですけど、それってやっぱりありのままの自分じゃないと伝わらない。そういう想いから生まれたのが今回の3曲だし、ライブにしても今は“カッコよかった”よりも“ホント楽しかったね”って言ってもらえるようなものをやりたくて。どこにいても素のままのTHE BEAT GARDENでいたいんですよね。
- EMTG:カップリングの「あのね」なんて究極の素じゃないですか。まさかTHE BEAT GARDENでほぼ弾き語りのような楽曲をやるとは思わなかったです。しかも素晴らしくいい曲。
- REI:もともと自分の中のテーマとして“キャンプファイヤー”があって。みんなで火を囲んで歌うって、僕らがライブでお客さんと一緒に温かい一体感を作りたいっていうところにも通じる気がするし、それを表現できたら面白いんじゃないかなって。このタイミングで「あのね」みたいな曲を出せるってかなりのキーになると思うんですよね。ライブでもまたひとつ新しい空間が生まれたらいいなっていう気持ちで作ったんです。
- EMTG:歌詞も温かいですよね。存在をまるごと受け止めて肯定してくれるような包容力に満ちていて。《したいことがないなら ベッドから起きないで寝てても それでいいと思う》って言ってもらえるってこんなに救われるんだなって思いましたから。
- U:僕がそうなんですよ、“それでいいじゃん!”って寝てるタイプなので(笑)。みなさんはもっとずっと大変だし、朝もちゃんと起きて仕事や学校に行かれていると思うんですけど、本当につらいときは無理しなくていいよって、せめてそれくらいは言ってあげたいというか……ツイッターとかで“今日は会社でイヤなことがあったけど、THE BEAT GARDENの曲に救われました”とか書いてくれてるのを見ると、いやいや、それはこっちの台詞だよなって思うんですよ。みんなが毎日のように僕らの存在意義を与えてくれてるわけで、だからこそ僕らもみんなに何かひとつでも渡せたらって思うし。
- EMTG:もうひとつのカップリング「Satisfaction」はエレクトリック・ダンス・ロックど真ん中と言いますか、これぞTHE BEAT GARDENという1曲で。
- U:ライブの1曲目を張れる曲がずっとほしかったんですよ。例えば「Sky Drive」をいつものラストの曲で歌ってるんですけど、あの曲は僕らを初めて観てくれる人でも一緒に楽しめる曲だと思ってて。あそこまで一体感を作れる曲ってなかなかないんですけど、それが1曲目からできたら、もっとみんなと仲良くなれるだろうな、と。そう思って作ったのが「Satisfaction」で、実際、この間のリリイベで披露したら、すごく盛り上がってくれて。自分たちが求めていた1曲目の役割を果たしてくれる曲になりましたね。
- EMTG:そういう意味でもすごくバランスのいいシングルですね。3曲それぞれに頂点を極めてた、大きくて綺麗な正三角形になってる気がします。ちなみにこの夏、花火には行きますか。
- U:MVのときに一回、みんなでやれたので、わりと満たされてはいるんですけどね、花火欲は。でも花火大会とかで「花火」を歌えたら最高だよね。
- MASATO:それ、いいなぁ!
- U:お待ちしてます、ぜひとも!
【取材・文:本間夕子】
リリース情報
花火
2018年07月18日
ユニバーサルシグマ
1.花火
2.あのね
3.Satisfaction
4.花火(instrumental)
5.あのね(instrumental)
6.Satisfaction(instrumental)
2.あのね
3.Satisfaction
4.花火(instrumental)
5.あのね(instrumental)
6.Satisfaction(instrumental)
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