04 Limited Sazabys、約2年ぶりとなる3rdフルアルバム『SOIL』インタビュー
04 Limited Sazabys | 2018.10.11
今年10周年を迎えた04 Limited Sazabysが前作アルバム『eureka』から2年ぶりとなるニューアルバムを完成させた。日本武道館ワンマンライブの成功、地元・名古屋の主催フェス「YON FES」を定例化、東名阪アリーナツアーなど、この2年で04 Limited Sazabysは大きな飛躍を遂げた。今作には、そんな4人が「いま自分たちが鳴らすべき音は何なのか?」という問いに、真剣に向き合い、導き出した答えが詰まっている。メロディックパンクという自身のルーツやライブハウスへの想いを大切にした、原点回帰とも言えるシンプルで潔い1枚。そこに応援してくれるファンが喜ぶ仕掛けもたくさん散りばめることで、過去もいまも全てを引き連れて、この場所から未来へ進むという04 Limited Sazabysの強い意思が表れている。
- EMTG:このタイミングで04 Limited Sazabysが作るアルバムとなると、もっとスケール感のある、「ザ・メジャーバンド」みたいなものに行きそうなのに、むしろ『SOIL』はシンプルですよね。あえて04 Limited Sazabysの核心を大事にした1枚だなと思いました。
- GEN(Vo/Ba):うん、そのとおりだと思います。今年はアリーナツアーをまわったり、『ミュージックステーション』とか『HEY!HEY!NEO!』に呼んでいただいたり、バンドの規模が大きくなった実感があったんです。フェスも全部メインステージになったりとか。そういうバンドの状況で、自分がお客さんの立場だったら、次のアルバムにはバラードとかが入っていそうな気がするんですよ。CMで使われそうな曲がいっぱい入っていそうとか(笑)。
- EMTG:ああ、わかります。
- GEN:そこを僕は決定的に裏切りたかった。だからメンバーと話したのが、小さくまとまらずに攻めたい。メロディックな作品にしたいっていう話をしましたね。
- KOUHEI(Dr):今回は全員そういう気持ちだったんです。いろいろな意味で自信がついてきたから、僕らがこのスタンスのまま進化していくことが伝われば、ついてきたいやつは全員ついてくるんじゃないかって思えるようになったんですよね。
- EMTG:RYU-TAくんとHIROKAZくんは、どうですか?
- RYU-TA(Gt):『SOIL』は、僕らが本当に作りたかった曲をやれたというか。
- GEN:『eureka』は、僕らが2000年代に受けたJ-POPとかJ-ROCKの影響を出せた気がするんです。でも『SOIL』に関しては、もっと若いころに食らった音楽とか、初期衝動に忠実になれたから。ルーツの時期が違うんですよね。
- HIROKAZ:だから今回、僕は肩の荷が下りて、良いギターを弾けたんですよ。
- GEN:やっぱり、いままでは「メジャーに行く」とか「武道館に立つ」とか、そのために自分が大きくならなきゃっていう感じがあったんですけど、いまはその感じがなくて。ありのままの自分たちで勝負できるようになったんだと思います。
- EMTG:バンドとして自信がついてきたなあ、と思えたのは、具体的にはどのタイミングだったと思いますか? 武道館、YON FES? それともアリーナツアーだったのか。
- GEN:武道館自体はそこまで……ただ立ったんだなっていう感じですね。それよりもHi-STANDARDが(ライブに)誘ってくれてることかもしれないです。僕らの音楽性とか人間性を認めてもらってる感じがするし、僕らの立ち位置が間違ってない気がするというか。いちばん好きで、憧れて、影響されてるバンドに認めてもらえたのは大きいと思います。
- KOUHEI:あとはフェスのメインステージに立てたことかな。
- GEN:それも違和感がなくなってきたというかね。前は「大抜擢」とか「遂に」っていう感じだったけど。良い意味で、当たり前にそこにいられるようになったから。でも、「わかってもらえるだろう」っていう自信が出てきたからこそ、今回のアルバムは、ちょっと難しい部分もあったんですよね。
- EMTG:ええ、「メジャーに行く」「武道館に向けて」っていう具体的な指針があるほうが、目指す場所はわかりやすいですよね。
- GEN:そう、だからアルバムは2~3月頃から作り始めてたんですけど、YON FES(4月)の前に一度リセットしたんです。そのあとにアリーナツアーも控えるなかで、「僕たちは今後こういうスタイルで活動をしていきたいのか?」「主戦場がどこになるのか?」っていうことが、わからなくなったんですよね。でも、アリーナツアーがすごく良かったんですよ。
- KOUHEI:アリーナが良かったから、難しく考えなくなったというか。
- EMTG:そこで今回のアルバムの答えが出たんですね。
- GEN:そうだと思いますね。
- EMTG:そこからの曲作りはスムーズでしたか? いままではGENくんがメロディを作るのに苦労したり、メンバー同士で言い合う場面もありましたけど。
- KOUHEI:そこはいままでと変わらなかったような気がしますけ。しいて言うなら、HIROKAZが前に出てきたんですよね。
- EMTG:「Brain sugar」とか「Password」とか?
- HIROKAZ:そう、「Kitchen」もそうですね。HIROKAZはふだんあんまり発言はしないんですけど、ギターでこんな感じを出したいっていうのを出してくれて。
- GEN:基本みんなで(フレーズを)投げ合ったものに、僕がメロディをつけて、良くなりそうなやつを広げていくんですけど。「Brain sugar」に関しては、メロディ自体はピンときてなかったんですけど、HIROKAZがギターで良いフレーズを弾いてくれてたから、HIROKAZのためにも良くしなきゃ、みたいな気持ちがあったんですよ。
- KOUHEI:とにかくHIROKAZ寄りに進んでいったよね。
- EMTG:いままでのアルバム作りにはない進み方じゃないですか。
- HIROKAZ:それもアルバムの答えが見えてたから出しやすかったんです。「攻める」っていうのがあったから、「message」では自分の好きなメロコアに戻れたし。
- EMTG:まさに1曲目の「message」は直球のメロコアですよね。英語詞でアルバムが始まるのも驚きました。「あ、まだ04 Limited Sazabysに英語を歌う選択があったのか!」って。
- GEN:英語にしたのは意思表示なんですよね。いままでの自分たちを肯定しながら、先に進むっていうか。次のアルバムの1曲目を英語にするのは最初から決めてたんです。ここ数年、「もう英語をやらないんだろうな」っていう空気を作ったのもフリに近いんですよ。
- EMTG:めちゃくちゃ壮大なフリですね(笑)。
- GEN:だからこそ僕たちのファンからすると、「キターッ!」ってなると思う。このタイミングで「やっぱり04 Limited Sazabysに一生ついていきます」って思ってほしいんです。
- EMTG:RYU-TAくんも、今作では存在感を放ってますね。
- RYU-TA:バッキングギターとして自分の音を出せたのかなと思いますけど、声の部分もありますからね。歌ってるのは「Alien」とか「Galapagos」ですね。
- GEN:この2曲に関しては、RYU-TAが歌うつもりでメロディをつけました。やっぱり10周年っていうのを考えてたので、いままでの僕らの全部の要素を出したかったんです。そのためにはRYU-TAの歌が入ってないと、僕らの10年は語れないなと思ったので。
- EMTG:特に「Galapagos」は盛りだくさんの曲です。90年代のハードコアっぽい懐かしさもあるけど、ちゃんといまの04 Limited Sazabysの音になってる。
- KOUHEI:このへんのジャンルが好きだっていうのは、僕たちの対バンの相手を見ててもわかると思うんですよね。「みんなこういうの好きでしょ?」だからやるんじゃなくて、「俺らが好きだからやってます」感が、いちばん強く出た曲なんじゃないかな。
- EMTG:曲の始まりでメンバー同士がケンカしてるみたいな声が入ってますけど?
- GEN:いろいろな争いが醜いなと思ってるんですよね。争うことも大事だと思うんですけど、必要のないことで争いが起きてるような気がして。
- KOUHEI:最初はこのイントロの声はなかったんです。曲順を並べたときにハマりが良くなくて、ガヤと笛を入れたらいいんじゃないかって。フェスの楽屋で録りました(笑)。
- GEN:これはRYU-TAが俺に絡んできて、それに俺が怒るっていう。
- EMTG:なんて言ってるんですか?
- GEN:ま一本、ま一本。
- EMTG:「ま1本?」
- GEN:「もう1本、もう1本」っていう意味なんですけど。これって名古屋弁?
- KOUHEI:そうだね。
- GEN:そうなんだ。あれは僕らが昔好きだったソーセージのCMがあって……。
- KOUHEI:東海地区でしか流れてないやつね。
- GEN:子どもたちがおやつとしてソーセージをどんどん食べちゃう。それに、冷蔵庫の前に立ってるおばちゃんが、「大概にしないと、今晩の夕食がわや(ダメ)になってしまうわ!」って怒るCMのパロディなんですよ。
- HIROKAZ:へぇ、俺それ知らんわ。
- GEN:マジか!?
- EMTG::HIROKAZくんは石川県出身ですもんね。
- GEN:ずっとわかってないままやってたのか、お前は(笑)。
- EMTG:(笑)。まあ、真面目な意味で言えば、最近は社会全体として心が狭くなりがちな部分に対する怒りを表した曲だけれど……。
- GEN:それを正面からぶつけるんじゃなくて、こういうふうに表現するのが僕たちだと思うんですよね。これも『eureka』では出せなかったことだと思います。
- EMTG:8曲目の「Kitchen」みたいな、すごくポップな曲がリードになるのも、今作ならではかなと思いました。“にゃんゴロ”とか“パオ パオ”とか可愛いフレーズを歌ってて。
- GEN:これはポップすぎて狂気を感じますね(笑)。深夜のGENって感じです。眠さもあるし、でもこのまま眠って1日が終わるには物足りないような気がする。騒ぎたいような、駆け出したいような衝動があるけども、時間が過ぎていくみたいな歌です。昔、「nem...」っていう曲を書いたんですけど、その感じも入ってるし、代表曲の「fiction」を歌詞に入れてたり、《泳ぎたくなっちゃう》とか、《秘密基地》も出てくるので。
- EMTG:「swim」とか「My HERO」のフレーズですね。
- GEN:そう。ファン的に面白い要素を入れられたのかなっていうのはありましたね。
- KOUHEI:GENが、こういうふうに「ファンを喜ばせたい」って思いながら、うまく言葉を紡いでいく感じは、「どういう頭の構造をしてるのかな?」と思いますよ(笑)。
- GEN:その流れで言うと、「Milestone」の歌い出しは《いつか》なんですね。これはメロディが思いついたときから、歌詞がついてたんですけど、同じように《いつか》から始まる「monolith」っていう曲があって。最初は「被ったな」と思ったんですけど、あえて「monolith」の続きを書いたんです。「monolith」で歌ってた、《醒めない夢を静かに観たい》っていうのが、4年経ったいまも続いてる。「Milestone」で、《見えたのは叶えられないイメージ》って歌ってるのは、「monolith」の《メモに残された 掴めそうで掴めない有言実行》と一緒なんですよ。だから「まだ進むしかない」っていう気持ちを歌いたかったんです。
- EMTG:話を聞いてると、今回のアルバムを作るにあたっては、これまでの自分たちであったり、10周年ということを意識した部分も多そうですね。
- GEN:多少振り返った感じはしますね。失ったものもあるし、「さよなら」しなきゃいけないこともあったので。その痛みも思い出しつつ、前を見てるアルバムになったと思います。
- EMTG:最後にSOIL=「土壌」という意味のタイトルにしたのは?
- GEN:10年っていうのを考えたときに、最初は「Harvest」にしようとしたんですよ。リリース時期も考えて「収穫」かな、とか。でも、今回のアルバムが収穫とか芳醇な感じになると、俺たちが10年をふんぞり返ってるような感じがする。そういう「オラッ!」っていう感じよりは、何もない感じにしたかった。ここから芽が出たり、ここに来るまでに何度も踏まれたり、乾いたり、濡れたりっていうのを表現したかったんですよね。もちろんいまも小さい芽とか木は生えてるんですけど、たくさん実ってここまで来ましたっていうよりは、ここからどうなるんだろう?っ て思える作品にしたかったんです。
- EMTG:わかりました。タイトルを含め、『SOIL』は自分たちの現状を理解したうえで、ロックバンドとして、かっこいい答えを導き出した作品になったと思います。
- GEN:この選択はマジでかっこいいですよね。
- EMTG:アリーナを控えていたころは、「これから主戦場はどこになるんだろう?」って迷ってたって言ってましたけど、その答えもいまは出てますよね?
- GEN:やっぱりライブハウスを盛り上げたいですよね。そこを盛り上げないと、自分たちを育ててくれた人を置き去りにする感じがするから。ただ、大きい会場でライブをすることも、僕らの入り口になると思うんですよ。たとえば中学生の女の子が、僕らのことを好きになっても、200人のハコには怖くて行けない。でも大きな会場だったら来れるとか。そういう機会を奪ってしまわないように、たまにデカいところでもやる。でも、ずっと小さいライブハウスをまわってる04 Limited Sazabysがかっこいいんじゃないかなと思いますね。
【取材・文:秦理絵】
リリース情報
SOIL
2018年10月10日
Columbia
01.message
02.My HERO
03.Brain sugar
04.Utopia
05.Milestone
06.Password
07.Alien
08.Kitchen
09.Galapagos
10.memory lane
11.Shine
12.Squall
02.My HERO
03.Brain sugar
04.Utopia
05.Milestone
06.Password
07.Alien
08.Kitchen
09.Galapagos
10.memory lane
11.Shine
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美味しいラーメン屋さんは東池袋に多いなと思っていて。このあいだ教えてもらった、えるびすっていうのがあるんですけど、そこは濃厚魚介しょうゆ味で美味しいみたいです。
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モンスターハンター:ワールド
最近、無料配信されたイベントがあって、激強のモンスターが出たので、それの攻略法を調べました。あとはパワプロもよく調べてます。
■ライブ情報
[2018]
裏 10th Anniversary Live
09/30(日)[愛知]栄R.A.D
10/02(火)[東京]下北沢SHELTER
10/04(木)[大阪]心斎橋Pangea
SOIL tour 2018
10/24(水)[千葉]千葉LOOK
10/26(金)[群馬]高崎 club FLEEZ
10/27(土) [埼玉]HEAVEN’S ROCK Kumagaya
10/29(月)[茨城]水戸LIGHT HOUSE
10/30(火)[栃木]HEAVEN’S ROCK Utsunomiya
11/07(水)[長野]長野JUNKBOX
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11/17(土) [北海道]旭川CASINO DRIVE
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11/23(金)[高知]高知CARAVANSARAY
11/28(水)[石川]金沢Eight Hall
11/29(木)[京都]京都MUSE
12/01(土) [和歌山]和歌山SHELTER
12/02(日)[兵庫]神戸太陽と虎
12/05(水)[秋田]秋田club SWINDLE
12/06(木)[岩手]盛岡club change WAVE
12/10(月)[岡山]岡山CRAZYMAMA KINGDOM
12/11(火)[山口]周南RISING HALL
12/13(木)[鹿児島]鹿児島CAPARVO HALL
12/15(土) [宮崎]宮崎WEATHER KING
12/16(日)[熊本]熊本B.9 V1
[2019]
SOIL tour 2019
~one man series~
01/06(日)[北海道]Zepp Sapporo
01/11(金)[新潟]新潟LOTS
01/12(土)[新潟]新潟LOTS
01/15(火)[東京]Zepp Tokyo
01/16(水)[東京]Zepp Tokyo
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02/03(日)[広島]BLUE LIVE HIROSHIMA
02/08(金)[宮城]仙台PIT
02/11(月)[愛媛]松山市総合コミュニティーセンター
02/13(水)[大阪]Zepp Osaka Bayside
02/14(木)[大阪]Zepp Osaka Bayside
02/20(水)[愛知]Zepp Nagoya
02/21(木)[愛知]Zepp Nagoya
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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