“新世代スタンダードロック”を掲げるLenny code fictionの最初の集大成的作品に。

Lenny code fiction | 2018.11.13

 2016年のメジャーデビューから約2年。Lenny code fictionの1stフルアルバムがついに完成した。シングル「Key-bring it on, my destiny-」「Flower」「Coloros」「Make my story」(すべてアニメ作品のオープニングテーマ)、既にライブで披露されている「Enter the Void」「オーロラ」に加え、バラエティに富んだ新曲も収録された本作には、“新世代スタンダードロック”を掲げる4人のスタンス、価値観、そして、この先のビジョンが強く刻み込まれている。メンバーのプレイヤビリティがしっかり感じられるのも本作の魅力。ギミックや演出に頼らず、正統派のロックバンドのスタイルを貫く彼らの最初の集大成をたっぷり体感してほしい。

EMTG:メジャーデビューから約2年、満を持して1stフルアルバムが完成しました。シングル4曲、ライブの人気曲、新曲とボリュームのある作品になりましたね。
片桐 航(Vo&Gt):はい。すべてシングルカットできるイメージというか、とにかくいい曲だけを入れたかったんです。「全曲聴いてもらうためには、そのほうがいい」という単純な理由なんですけどね。
ソラ(Gt):いままで自分たちのなかに収まっていた“Lenny code fictionらしさ”をようやく提示できたなって。「こういう曲もあるんだ!?」ってビックリされるかもしれないけど、すべて自分たちが持っているものばかりなので。
kazu(Ba):シングルはすべてアニメのタイアップ曲なので、その作品のテイストを取り入れていて。アルバムの新曲にもいろんな要素があるし、全方向に対応できる1枚になったと思います。さわやかな曲もあれば、ロックバラードもあれば、ライブの定番になっている激しい曲もあるんですが、バラバラのように見えて、それが集まるといまのLenny code fictionになるっていう。
EMTG:それが『Montage』というタイトルにつながっているわけですね。
kazu:そうです(笑)。
KANDAI(Dr):アルバム全体を通して、ライブを意識しているところもあるんです。激しい曲から始まって、いろいろなテイストの曲があって、最後にじっくり聴かせる曲で締めるっていう。
EMTG:メンバーのプレイヤーとしての個性が感じられるのもこのアルバムの魅力だと思います。みなさんのなかで特に印象的だった曲は?
ソラ:僕は6曲目の「Vale tudo【MAKE MY DAY】」ですね。この曲はいままでの録り方と違っていて、メンバー4人だけで成立させることを意識していたんです。ちょっとオールドスクールっぽいやり方なんですが、ギターもそんなに重ねてなくて、基本的に左から航のギター、右から僕のギターが作りになっていて。そのぶん、それぞれのフレーズが聴き取りやすいと思うし、ぜひプレイヤーにコピーしてほしい……よね?
kazu:うん(笑)。
ソラ:僕らも好きなバンドをコピーするところから始まってますからね。先輩のバンドに憧れていたように、今度は自分たちが憧れられる存在にならないと。
kazu:僕は「Enter the Void」ですね。半年くらい前からライブでやってる曲で、今回、初めてレコーディングしたんです。ライブではフィーリングでやっている部分がありましたが、音源にするにあたって、もっと正確にフレーズを当てはめて。4つ打ちのビートに16分のフュージョンっぽいフレーズを組み合わせたりしてるんですよ。
KANDAI:「Snatch」は人生で初めて“これは叩けない”と感じたフレーズがあったんです。結局、サウンドプロデューサーのakkinさんに相談して叩き方を変えたんですけど、そのときにakkinさんからもらった「出来ないことがあって良かったね。これでまた成長できる」という言葉がすごく心に残ってますね。
EMTG:デビューからの2年間も、成長の日々だったのでは?
KANDAI:そうですね。当時のライブ映像を観ると「いまのほうがぜんぜんパワーがあるな」と思うので。
片桐:フレーズ力も比にならないですね。2年前は「そのフレーズが気に食わん」って、よくケンカしてたんですよ。
ソラ:してたね(笑)。
片桐:いまはそういうことが全然なくて。「いいフレーズだな」と思うことが多くなっていますね。
EMTG:アルバムの最後を飾る「Twice」もポイントになる楽曲ですよね。
片桐:「Twice」は制作の時点から最後に入れようと思っていたんです。さっきKANDAIが言ってたように、アルバムとライブがリンクしているところがあって。ライブでも最後のほうに伝えたいことを伝えるスタイルなので、アルバムでもそうしたいなと。何て言うのかな……この2年間でいろいろなことを経験させてもらうなかで、「ひとつひとつ積み重ねながら、上に行きたい」という気持ちがさらに強くなったんですよね。これまでは過去の出来事だったり、そのなかで感じたことを曲にすることが多かったんですが、みんなで一緒に未来を見られるような曲を作りたいと。この先に向けた希望を、みんなにもわかるように表現した曲ですね、「Twice」は。
EMTG:なるほど。正統派のロックバンドとしての存在感を提示していることも、このアルバムの意義だと思います。カッコいいことを堂々とやっているというか…。
片桐:そうですね。音楽でふざけるのがいちばん嫌いなので。
ソラ・kazu・KANDAI:ハハハハハ!
片桐:音楽で笑いを取ったりするのが好きじゃないんですよね。芸術的なものに惹かれるし、自分たちも芸術のなかに留まっていたいなと。エンターテインメントの時代なのはわかっているし、そっちに振り切ってるバンドはいいなと思うんだけど、「芸人さんじゃないんだから」と感じることもあるので。
ソラ:カッコいいことに対して素直に「カッコいい」と言いづらい時代だと思うんですよ、いまは。ギターヒーローが不在なのも、そういう雰囲気が影響しているんじゃないかなと。それを取っ払いたいし、時代をもう1周させたいんですよね。
kazu:ずっとそういうスタンスでやっているし、自分たちにとっては自然なことなんですけどね。
KANDAI:うん。ふだんはくだらない話ばかりしてるけど、ライブになるとグッとスイッチが入る感じなんです。
kazu:航なんて、ライブのSEが始まっても他のバンドの人と普通に話をしてるんですよ(笑)。でも、ステージに上がるといきなりスイッチが入って。
片桐:(笑)緊張もまったくしないんですよ。
EMTG:10月から来年にかけて全国ツアーを開催。『Montage』がリリースされることで、ライブの幅も広がりそうですね。
片桐:セットリストを組むように作ったアルバムなので、これを聴いてもらえれば、ライブに直結してもらえるのかなと。リリース後のライブには、しっかり聴いてきたほしいですね。
ソラ:激しい曲は“聴く態勢”ではなくて、最初からガツンと盛り上がってほしいなと。もちろん自分たちの力が問われるところでもあるんですけどね、そこは。
kazu:曲を聴き込んでほしいというのもあるけど、ライブでは身を任せてほしいんですよね。ノリ方は、自分たちが率先して誘導するので。とにかく思い切り楽しんでほしいです。
KANDAI:もうツアーは始まってるんですが、何本かやってみて、「このライブを観れない人はかわいそう。絶対に来たほうがいい」って思ったんですよ。それくらい手応えがあるし、特にワンマンはすごいことになると思うので、ぜひ来てほしいです。

【取材・文:森朋之】

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リリース情報

Montage

Montage

2018年11月14日

Ki/oon Music

01.Montage(SE)
02.Snatch
03.Enter the Void
04.Key-bring it on, my Destiny-
05.欲を纏う
06.Vale tudo【MAKE MY DAY】
07.Make my story
08.Colors
09.Ruby’s day
10.Flower
11.オーロラ
12.Twice

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

TOUR 2018-2019 Montage
11/15(木)渋谷duo MUSIC EXCHANGE
11/25(日)石山U☆STONE
12/01(土)横浜BayJungle
12/02(日)千葉LOOK
12/08(土)宇都宮Hello Dolly
12/09(日)西川口HEARTS
12/14(金)神戸music zoo 太陽と虎
12/15(土)広島Cave-be
01/19(土)福岡DRUM SON
01/26(土)梅田Shangri-La
01/27(日)名古屋ell.FITS ALL

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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