THE BAWDIES 日本武道館公演記念シングル『HAPPY RAYS』リリース

THE BAWDIES | 2018.12.10

 4月22日に始まった<47都道府県ツアー「Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019」>のファイナルとして、2019年1月17日、3度目の日本武道館公演を行うTHE BAWDIES。その武道館に向けて12月12日に、12thシングル『HAPPY RAYS』をリリースする。華やかなストリングスとともに聴かせるメロウなリード曲「HAPPY RAYS」は、今までにないTHE BAWDIESを感じさせる名曲だ。カップリングには、得意のR&Rで踊らせる「SHE CAN ROCK」、今年8月に亡くなったソウル・クイーン、アレサ・フランクリンの代表曲「THINK」をカヴァーした。シングルのリリースは実に約2年ぶり、新曲も『THIS IS THE BEST』収録の「FEELIN’ FREE」以来。ひときわ力の入った「日本武道館公演記念パッケージ」も作られたシングルについて、ROYとMARCYが語ってくれた。

EMTG:ストリングスが入った素敵な曲ですが、どのように生まれたんでしょう。
ROY:まず、武道館という大きな目標の前にシングルを出したいというのがあったんですね。で、前作というと、シングルは切ってないんですけどMVを撮った「FEELIN’ FREE」、その前のシングルが「THE EDGE」と、THE BAWDIESの激しい部分を出したものが続いていた中で、次にシングルを切るときには「LEMONADE」のようなミドルテンポでTHE BAWDIESを代表するものを出したいというのが強かったんですね。それに今回はベスト盤を出してからの一発目なので、新たなTHE BAWDIESを見せないといけないという課題もあり、とっておきの1曲にしたいなというのがあったんですね。このメロディ自体は、前作『NEW』を作ってる時に、実はできていて。ただ、すごくよかったので、『NEW』に入れるのではなくて、単発でしっかりシングルで出したいと思って出さなかったんですよね。今回掘り起こしてきて、コレにしたいっていう話をして。
EMTG:とっておきの1曲だったんですね。
ROY:はい。それで、これまでもNAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)さんや長岡亮介(ペトロールズ)さんにプロデューサーで入ってもらったことがあるんですけど、彼らは僕らと同じアーティスト目線で、日本のポップス界に外側から攻撃をかけるという作戦だったんですけど、今回は敢えてJ-POPど真ん中で活動している人と組んだら面白いものができるんじゃないかと思って、いきものがかりとかをやっている本間昭光さんにお願いしたんです。実は、本間さんとはウチのマネージャーの結婚パーティで一緒にモンキーズをセッションしたことがあって、お互いをわかってるから無理なくできるかなと。俺らは何されても俺らだろうなという自信もあったから、本間さんにはやり過ぎるぐらいやってほしいと(笑)。結果、自分たちでは手が届かないようなところまで届くような楽曲になったと思うし、こういうミドルテンポの曲はこれまでもあったけど、完成度という点ではすごくいいバランスで録れたと思います。
EMTG:自分たちの楽曲に今までにない色付けされていく経験はどうだったんでしょう。
ROY:自分たちの楽曲なんだけど、いい意味でポップスになっていくので、自分たちが聴いていて気持ちいい音楽になっていく。自分たちの音楽ってリラックスして聴けない。どうしてもアラ探しをしてしまったりして音楽として楽しめないんですけど、それがどんどん楽しめるものに変わっていく。自分たちのものなんだけど自分たちのものじゃなくなっていく感じでしたね。
MARCY:楽しかったですけどね。楽しいっていうかもともといい曲だったので、ROYが持ってくるメロディからまた一個上がってていいなと思っていたので、やり方からJーPOPに食い込ませるというのは賛成だったんで。本間さんにも演奏的にはちょっとこれクサいんじゃないかなみたいのを投げてみたりとか。本間さんも俺たちのこと知ってくれてたんで、やりすぎないようにブレーキをかけてくれてはいたと思うんですけど、一番THE BAWDIESに合う形に、一緒に相談しつつやったって感じですかね。ストリングスの人たちがすごいなと思ったのは、1回で完璧!圧倒されましたね。
ROY:ミスが味になるガレージと違いますからね、クラシックとかは(笑)。アレンジで本間さんが一番力を貸してくれたのはストリングス。あと鍵盤でも入ってくれて。基本は僕らに任せてくれて、ちょっとしたコード進行で味付けをしてくれたりすると、ガラリと空気が変わる。そういうところはさすがだなと思いました。
EMTG:それをメインに、2曲目「SHE CAN ROCK」はお得意のロックンロール。
ROY:実は1曲目が書けたぐらいのタイミングぐらいで、素晴らしい伝説のシンガーのアレサ・フランクリンが亡くなったという悲しいニュースがあって。僕らはすごく影響受けた人なので、知らない人にもそれは伝えたいなと思って。僕らがカヴァーをやれば、原曲を聴く人もいるだろうし、聴かなくても曲に触れることで何か変化があると思うので、そういうきっかけになればいいなと思って、恩返しじゃないけどアレサの曲をやったんですよね。
EMTG:それが3曲目の「THINK」。
ROY:はい。この曲は映画「ブルース・ブラザース」で歌うアレサのイメージが強いと思うんですけど、ソウル・バンド的に解釈する人たちって世界中にたくさんいらっしゃると思うので、THE BAWDIESらしくというかガレージ・バンド・ライクにやってみようかって。レコーディング前日にTAXMANから、リフをストゥージズぽくやってもいいかなって。当日やってたらどんどん振り切れてしまって、アレサじゃないじゃん(笑)ぐらいの。でもそこが僕らの面白いところかなと思って。僕らにはソニックスというお手本があるので。それで完成したのが3曲目。1曲目と3曲目の温度差が違いすぎて、これじゃ一つのシングルにならないんじゃないかって不安が出たので、その間にしっかり風を通してくれるR&Rを書こうと思って、2曲目を最後に書いたんです。
EMTG:2曲目は、バランサーになっているわけですね。
ROY:そうですね。音の取り方としても、歪んでぐわっときてるものが3曲目にあって、クリーンなものが1曲目にあるので、2曲目はビンテージR&Rのスタイルなんですけど、音は敢えて今のストレートな音で録るということをしました。
MARCY:めちゃめちゃ気持ちよかった。これテンポも早いし演奏自体は固まってるんですけど、ノリは出さなきゃいけないなというのは個人的にはあって。跳ねてるノリをずっと一定に、サビとか来たときに気持ちいい感じで録りたいなというのはあったんで。録り自体はそんなに時間かからなかったし、巻いて終わったぐらいですね。
ROY:ただシンプルな曲だけに何かしら面白いことがないとなと思って、レコーディング当日にイントロつけようってことになって、TAXMANがビートルズぽいイントロをつけて、さらにそこからビートルズぽいのが入って、みんなでドン、と。イントロだけだと何始まるかわからない。あと、サビでやるコーラスを声じゃないものでやろうと思って。このハープぽい音はカズーなんですよね。プラスティックの100円で買えるカズーをダブルで重ねて録るとハープみたいな音が出るという発見をしたんです。
EMTG:このシングルのリリースと、47都道府県ツアーを経て、3度目の日本武道館が発表されていますが、THE BAWDIESにとって武道館は聖地と言っていい場所かと思いますが?
ROY:聖地ですね。ビートルズが来日して、あそこで生でビートルズがR&Rを鳴らしてくれたことによって、日本中に生のR&Rが響いたと思うんです。そういう意味では、日本のR&Rの歴史はあの瞬間あの場所から始まったと思っているので。それを継承している僕らにとっては何回立とうが何年経とうが、武道館は聖地ですね。その喜びの音というのを是非とも皆さんに感じて欲しいし、あそこが聖地なんだよということを伝える人たちがいないといけないと思うんですよね。もちろん大先輩にたくさんいますけど、後輩たちにも伝えないと。R&Rバンドとして、あそこに立ちたい、と思ってもらえるような子達が増えたらいいな。そういうステージをやりたいなと思いますね。武道館の次はアリーナそしてスタジアムと、どんどん会場を大きくして行くのもいいと思うんですけど、僕たちにとっては武道館に立ち続けるということの方が大きい。
EMTG:そんな思いが、『HAPPY RAYS』の「日本武道館公演記念パッケージ<HAPPY“わっしょい”法被付き>」に凝縮されているんですね。
ROY:今回の武道館公演と関連したものにしたいということで、武道館で公演したビートルズ初来日の時の有名な写真で彼らが着ている法被とHAPPYをかけて。その時の写真をオマージュとして撮ったらってことになって。元の写真とポーズも一緒にしてるんですよ。
MARCY:手の位置とか形まで、元の写真に寄せてます(笑)
ROY:僕ら、ライブの最後に毎回「わっしょい」とやるので、武道館でみんなでこの法被を着て「わっしょい」したいなと思ってるんですよ。

【取材・文:今井 智子】

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リリース情報

HAPPY RAYS

HAPPY RAYS

2018年12月12日

ビクターエンタテインメント

01.HAPPY RAYS
02.SHE CAN ROCK
03.THINK

お知らせ

■マイ検索ワード

ROY(Vo,B)
サム・クック 時計
 僕、今まで腕時計をしたことなかったんですけど、いい大人なんで携帯じゃなくてちゃんとした時計を持とうかなと思ったんですけど、自分の中で意味合いがないと着けたくないタイプなので。サム・クックってどんなの持ってたんだろうと思って、調べたんですよ。そしたら同じように探してるマニアの人がいて。彼が写ってる写真から調べて、わかったのが63年の「OMEGA Seamaster de vile(オメガ シーマスター デ・ヴィル)」。シーマスターとデ・ヴィルのダブルネームのは62年と63年、この時期にしかないんですね。その当時にサム・クックが子供と写ってる写真があって、それが63年で。確実にこれって確信はないんですけど、マニアの人も、あらかたこれだろうってことで、僕も同じものを2ヶ月ぐらい探して、手に入れました。

MARCY(Dr,Cho)
ドローン ホーリーストーン(Holy Stone)
 最近、ドローンを買ったんですよ。自分の誕生日に自分へプレゼント(笑)。ツアーに持って行こうかと思って。ツアーで時間があると観光にも行くんですけど、やることがない時もあって。そういう時に広い公園とかでドローン飛ばせたら楽しいかなって。これは手頃な値段の機種なんですよ。初めてなので(笑)。それでも360度カメラが回転して、携帯にコントローラーをつけて、動画を見ながら飛ばせる。GPSがついてて、電池がなくなるとちゃんと自分で戻ってくるし、位置情報で認識してるので電波が届かなくなって落ちるようなこともなくて。MVとかで映像の素材くれって言われたら、喜んで出しますよ(笑)。まだ1回も飛ばしてないんですけど。



■ライブ情報

"Thank you for our Rock and Roll Tour 2004-2019"
12/15(土)名古屋 Zepp Nagoya
12/16(日)大阪 Zepp Osaka Bayside
12/22(土)金沢 EIGHT HALL ※振替公演
■2019年
01/17(木)日本武道館

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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