The Floor、より幅広い表現が印象的なメジャー1stミニアルバム『CLOVER』
The Floor | 2019.02.19
昨秋発売のシングル「革命を鳴らせ」と共に、再び自身のアイデンティティを取り戻し、更にそれを強固なものにしつつあるThe Floor。そんな同作品やリリース後のライブを通し、感じ、見つけ、確信し、それを盤石なものとして結実化させたものが彼らの今回のニューミニアルバム『CLOVER』と言える。
今回収録の6曲は、より幅広い表現も印象的な6種。各曲、歌やメロディ、伝えたいことを主眼に置きながらも、どれも海外の音楽シーンのトレンドへのシンパシーを感じさせ、それらを見事に自身のバンドに昇華させたスタイルも印象的だ。間口が広いぶん、より好きになる方々の幅も広がり、逆にいい意味で各人の好みも分かれそうな今作。そう、The Floorは改めて手に入れた、「これが俺たちだ!!感」と共に、「次の日本のトレンドミュージック」となるべく突き進んでいく!!
- EMTG:今回の『CLOVER』は、前作シングル「革命を鳴らせ」で改めて見つけた自身のアイデンティティ的なものが6種に渡り展開されている印象を持ちました。まずはそこに至れた2018年を振り返ってもらえますか?
- ササキ:デビュー1年目でもバズる人はバズるじゃないですか。ドカーンと人気が出て、すぐに大きな会場で演れる方も居る。我々もそこを夢見てのデビューでした。でも力不足もあり実際はそうはならなくて。むしろ足踏みしている感が多々あった半期でした。で、その状況に恐怖を覚えたり、悩み等も生じたりし出して…。でもそのぶん改めて自分と向き合ったり、メンバーと色々と対話もできたんです。それもあり、かえって自身のことがより知れたし、成長できてる実感も凄く湧いてきて。それこそ「革命を鳴らせ」は、そんな中で誕生したシングルでした。それを経てのこの『CLOVER』ですから。凄く自分たち的にも充足感や満足感はあります。
- ミヤシタ:おかげさまで、いい試行錯誤の期間になりました。結果、よりいい作品を作ろうとの意識も高まったし。レベルアップできた1年になりましたから。そこで見えた、「このままでは自分たちは弱い」との自覚から生まれた「革命を鳴らせ」でもあったので。今思うと避けて通れない道だし、キチンと事実に向き合い、そこを経て作品が届けられたのは、今後のバンドにとっても絶対に良いことでしょうから。ある意味、避けて通れなかった道を1年目に経験できたのは自分たち的にも大きいことでした。
- EMTG:確かに早目に気づけたり、見つけたりできれば、その分、立ち戻りも早いですもんね。
- 永田:一時期は自分で作ったものが本当に良いものなのか?と疑心暗鬼になったり、自信喪失してましたから。「本当に自分たちが良いと思えるものを出そう!!」と腹をくくり、そこから自信も回復しての今作なんです。
- コウタロウ:「革命を鳴らせ」が出来たことも大きいですが、あの作品の「FASHION」、あれも自分たち的には大きくて。バンドとしてやりたいこと、やれることの可能性が一気に広がった1曲でしたから。あれを出せたことで自分たちにも気持ちに自由さが出始めて。それを経ての今作なので、逆に今回は精神衛生上、以前のような悩みや苦しみも全く無く作れました。
- EMTG:あのシングルを機に、自分たちがこれだと思うものを出してもいいし、それが自分たちの個性でもあることが見つかった感じが今作からも凄くします。
- ササキ:先程の悩みや戸惑い等もあり、「革命を鳴らせ」が完成するまでにめちゃくちゃ時間がかかった反省を活かし、今作は早めに制作に取り掛かりました。そんななか見えた「自分たちの本当に好きな音楽を作ろう」との話は当初からしていて。おかげさまで自分たちの好きをキチンと詰め込めた作品になりました。なので各曲の構想もですが、「じゃあ、次はこういったタイプの曲を入れよう」や「このような曲も欲しいね」等、アルバム構成も早かったです。自分でも聴き返し迷いの一切ないアルバムに仕上がったと自負してますから。
- EMTG:中でも「Clover」はそれこそみなさんの2018年を象徴し、その中からではないと生まれなかった歌のように響きました。
- ササキ:当初はコウちゃん(コウタロウ)と一緒に考え始めました。「小さくてもいいから、いつか絶対に心に花を咲かせるよ的な内容の曲を書きたい」とメンバーにも話をしていて。そんな中、クローバーが浮かんできたんです。クローバーは冬の寒さを超えないと咲かない花だし、あとは茎が傷つき、そこから新しい葉が生えたものが四つ葉のクローバーになったりするらしくて。傷ついた中から特別なものが生まれる。そのストーリーが当時の自分たちの活動や境遇、気概とピッタリで。それらに想い等を重ね合わせて歌詞化したんです。あとはクローバーは葉が5枚、6枚と増えていくほど良い花言葉になっていくんです。「幸せ」「超幸せ」「ヤバいぐらい超幸せ」といった具合に(笑)。迷いなくタイトルや歌のモチーフにさせてもらいました。
- EMTG:今作は6曲入りですが、それぞれ6タイプ全く違う曲が揃いましたね。
- 永田:作詞/作曲にしても今回はヨウジ(ミヤシタ)やコウちゃんも加わってるし。それも俺やハヤト(ササキ)の好きなもの、やりたいものとはまた違ったアプローチを2人が持ってきてくれて。それが今までの自分たちにはなかったものだったんです。それらが作品に広がりや幅を持たせてくれる確信もあり収録しました。
- EMTG:確かに今作は4人の個性がよく表れた各楽曲でありつつ、「それを4人で演ると…」みたいなThe Floorらしさが味わえるのも特徴的です。
- ミヤシタ:個人的には22歳の頃の自分に聴かせてあげたい作品になりました。
- EMTG:どうして22歳?
- ミヤシタ:ちょうど海外のアーティストにシンパシーを抱き始めた頃だったんで。「それを自分たちでこう昇華して、こんな音楽としてアウトプットしているんだよ」「出来るようになってるよ」と知らせたいんです。
- EMTG:22歳の頃から比べるとセンスも格段にアップしているでしょうからね。
- ササキ:僕もその頃は邦ロックを聴いて、洋ロックも聴いてと、どっちも好きで両立できるバンドを目指してたんで、あの頃の自分に聴かせたいです。たぶんThe Floorってバンドを「これだよ、これこれ!!」っていち早く好きになってくれるでしょう(笑)。そういった意味では色々な方々がどのような受け止め方をしてくれるのか?も楽しみな作品になりました。バラエティ豊かだし色々な楽しみ方が出来る作品になりました。
- EMTG:間口も広いんで人によって好きな曲も分かれそうです。
- コウタロウ:今作でよりThe Floorのアイデンティティが確立できましたから。各人がやりたいことも詰め込めたし、バラエティにも富んでる。だけどキチンと1枚のミニアルバムとしても成立している。そこでしょうポイントは。自分的には今作をコース料理と例えていて。
- EMTG:それは非常に言い得てます。ちなみにそのコウタロウさんの思うThe Floorのアイデンティティとは?
- コウタロウ:洋と邦のミックスで且つちゃんとバンドとして音を鳴らせられる。それを主軸に今のトレンドや様々な音楽とのシンパシーを感じられる音楽性と、それを絶妙なバランスでミックスでき、共存させられるセンス…。いわゆるタイプやジャンルではなく方法論的なものですね。
- EMTG:そのトレンドの取り入れの積極さも今作の特徴ですもんね。
- 永田:その辺りはもう楽曲が呼んでいるアプローチに従いました。より歌やメロディが映えるサウンドアプローチを探っていき、見つけて特化させていったんです。
- コウタロウ:なのでドラムもあえて打ち込みに差し替えたものもあります。その方が絶対に全体的な質感的にマッチするだろうと感じたものもあったので。その辺りはあえて僕から提案させてもらいました。僕のアーテイストエゴよりも、やはり楽曲が求めているアプローチの方がマッチするだろうし、聴き手にとっても印象深いものになってくれるでしょうから。
- 永田:中には打ち込みにしか出せない独特のグルーヴ感もありますから。たぶん聴き手はそこにこだわりはないと思うんです。それよりも気持ち良さや心地良さ、印象に残るものの方が求められるでしょうから。
- EMTG:対して歌はいかがでしたか?
- ササキ:こんなにオケがいいんだったら歌なんていらないじゃんって(笑)。そう思えるぐらいのバックが今回は出来ましたから。だったら歌は更にそれを超えないとと。でも基本大事にしたのは気持ち良く歌うことで。そういった意味では今回は、どの曲もむちゃくちゃ気持ち良く歌えましたね。
- 永田:気持ち良く作ったから、気持ち良く歌って欲しくて。あとは今回は自分だけでなく、ディレクションを作曲をしたメンバーに任せたり、委ねたりしたのも良かったのかなって。おかげさまでそれによる全員参加の一体感と幅の両立が出来ましたから。
- ササキ:今作で言うと「Lullaby」は自分的には新境地でしたね。いわゆる芯が無いようでいて実はあるといった。が故に今まで出して来なかった感情も表せた気がして。「Through The Night」でも一部アンニュイなニュアンスを醸し出して歌ってみたし。「Hate you, Cathy」に関しても、ここまでヘイトな言葉をありのままに使ったこともなかったですから。その辺りも含め自分の新しい面に気づかされたものも多々ありました。これまで自分はバキッと歌うことが多かったんで、より各楽曲に寄り添える歌をうたえたのかな…って。よりその曲毎の世界を表現できたんで、是非、聴き手も自分なりの感受で感じ取って欲しいし、それがしやすい曲が増えたと自分では思っています。
- EMTG:自身のアイデンティティを出しつつお客さんと共に完成させていく作品が出来たって証拠でしょう。
- 永田:かもしれません。いわゆる「革命を鳴らせ」での3曲で掴んだ楽曲制作に際するコツみたいなものがそれでしたから。バシッと伝えるものと色々な意味にとれるもの。その辺りも今作では踏襲され、上手く反映され、さらに発展していってますから。自分たちではそれを「メロディが浮く」と表現しているんですが、そういったテクニックや技が今作では多く映えているので、その辺りも含め是非細部まで聴いて欲しいです。
【取材・文:池田スカオ和宏】
<ミュージックビデオ>
The Floor Mini Album『CLOVER』 全曲トレーラー
リリース情報
CLOVER
2019年02月20日
ビクターエンタテインメント
1,Clover
2,Lullaby
3,Hate you,Cathy
4,Keep On Crying
5,allright!!!
6,Through The Night
2,Lullaby
3,Hate you,Cathy
4,Keep On Crying
5,allright!!!
6,Through The Night
お知らせ
■マイ検索ワード
ミヤシタヨウジ(Ba)
葉巻 たしなみ方
先日、ちょっと背伸びをして(笑)、シガーバーに行ったんです。そこで興味本位で葉巻をたしなんでみました。その際に葉巻のマナー等を調べたんですが、葉巻って、よくハサミで先を切ってから吸う光景を見るじゃないですか。あれって切り口によって味が違うようなんです。短く切るとガツンとした味がしたり、ゆったり楽しみたいのなら浅く切ったりして。葉巻って1時間ぐらいかけてゆっくりと楽しむものみたいで、1分間に一度吸うぐらいのペースがいいらしいんです。
ササキハヤト(Vo)
バーチャルYouTuber
キズナアイを筆頭に本当に今、色々なバーチャルYouTuberがいますよね。しかも、それぞれに特色がありつつ、各人にむっちゃファンがついてたりして。中にはパソコンの音声で口と目しか動いていないものもあったり。それも人気が高かったりするので、「これでも成立するんだ!?」とショックを受けました。もはや人じゃないものも全然あったし。自分のなりたいものになれる世界。そんなバーチャルな中でライブを行っている方も出だしたりして。これから面白くなっていきそうなコンテンツの一つとして注目しています。
コウタロウ(Dr)
札幌 キングムー
札幌にある有名なクラブです。大物DJとかが来日の際に回したりする、本格的なクラブで。ちょっと勉強の為、こういった本格的なクラブにも行ってみたくて、スケジュール等をチェックしました。実は僕、こういった音楽をやっておきながら、クラブイベント等には出たりしたことはあるんですが、本格的なクラブには一度も行ったことがなくて。僕らの今後の可能性を広げるためにも一度は行ってみなくちゃなと。
永田 涼司(Gt)
ROLAND JUNO-106
80年代のシンセサイザーなんですが、個人的には名機だと思っていて。今は制作されてないんで、中古で出ないか?ほぼ毎日検索しています。たまに出るんですが、値段を見て躊躇している間に他の方に買われたりしちゃって。その繰り返しです。かつては5~6万で買えたんですが、今、ああいったニューウェーブ系の音が出せる実際のシンセをみな欲しがっているようで、13~15万に跳ね上がってるんです。しかも、ほぼ中古に出回らないんで、これからも当分、検索は続くんじゃないかな(笑)。
■ライブ情報
The Floor Presents
「Eccentric!! Tour」
06/07(金) 恵比寿LIQUIDROOM
06/16(日) 名古屋 APOLLO BASE
06/21(金) 札幌 cube garden
06/30(日) 梅田BananaHall
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
ミヤシタヨウジ(Ba)
葉巻 たしなみ方
先日、ちょっと背伸びをして(笑)、シガーバーに行ったんです。そこで興味本位で葉巻をたしなんでみました。その際に葉巻のマナー等を調べたんですが、葉巻って、よくハサミで先を切ってから吸う光景を見るじゃないですか。あれって切り口によって味が違うようなんです。短く切るとガツンとした味がしたり、ゆったり楽しみたいのなら浅く切ったりして。葉巻って1時間ぐらいかけてゆっくりと楽しむものみたいで、1分間に一度吸うぐらいのペースがいいらしいんです。
ササキハヤト(Vo)
バーチャルYouTuber
キズナアイを筆頭に本当に今、色々なバーチャルYouTuberがいますよね。しかも、それぞれに特色がありつつ、各人にむっちゃファンがついてたりして。中にはパソコンの音声で口と目しか動いていないものもあったり。それも人気が高かったりするので、「これでも成立するんだ!?」とショックを受けました。もはや人じゃないものも全然あったし。自分のなりたいものになれる世界。そんなバーチャルな中でライブを行っている方も出だしたりして。これから面白くなっていきそうなコンテンツの一つとして注目しています。
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永田 涼司(Gt)
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