入隊前最後のFTISLAND、『EVERLASTING』インタビュー!
FTISLAND | 2019.04.03
日本でインディーズ活動を始めた2008年、ボーカルのホンギとギターのジョンフンの年上組みは18歳、年下組はなんと16歳という若さだった。日本だったら、はじめてバンドを組む年齢で、彼らはプロとして異国で演奏をしていたと考えるとスゴイことだ。それから10年以上が経過した今、毎年、武道館公演を行うライブバンドに成長した。日本で着実にキャリアを重ねてきたFTISLANDだが、アルバム『EVERLASTING』とその後のツアーが「入隊前最後」となることを表明している。EMTG MUSICでは、3月上旬にインタビューを行い、約2年間会えなくなるFTISLANDなりの「ちょっとだけバイバイ」に込めた想いを訊いた。
- EMTG:まずは、アルバムタイトル『EVERLASTING』に込めた想いを教えていただけますか。
- ホンギ:僕たちにとっては、「ずっと山を登ろう」とか、「まだ登り続けてるぞ」っていう意味かなぁ。FTISLANDはまだ頂上にたどり着いてないから、永遠に上り続けなきゃって気持ち。それに俺らのロックは永遠だし、ね(笑)。
- EMTG:制作は、いつくらいから始めたのですか?
- ジョンフン:去年9月の『FTISLAND AUTUMN TOUR 2018 -Pretty Girl-』の時から構想をたてはじめました。メンバーとずっと一緒にいるから、1ヶ月間のツアー中にみんなでいろいろ話し合って。
- ジェジン:このアルバムは、メンバー全員が曲を書いているのがポイントになっています。誰がどんな曲を書くのかってことは、この話し合いのときにじっくり決めたんです。構成をしっかり立てて、1曲ずつ丁寧に作り上げていきました。
- EMTG:FTISLANDにとっては『EVERLASTING』が入隊前最後のアルバムになるわけですが、そのリード曲がすごく明るい「God Bless You」というのもFTISLANDらしいですね! 「泣かされる曲だったらどうしよう」って、ちょっと思ったものですから(笑)。
- ジョンフン:まぁ、そういうタイミングだけど、別に入隊だからってメソメソするのはイヤだったんですよ。2年アルバムを出さないとか、2年ライブをしないバンドなんて、いっぱいいるじゃないですか。どうせなら「明るくバイバイ」の方がFTISLANDらしくていいなと思って。だから、「明るくバイバイ」っていうのをテーマにしました。そのためにはどんな曲がいいのかな…って考えたときに思い浮かんだのが「Flower Rock」で。僕らの日本メジャーデビュー曲だし、「Flower Rock」ってFTISLANDのイメージを作った曲だと思うんですよ。だから「Flower Rock」を意識した、早いテンポの曲を久々にやりたくなって。
- ホンギ:今のFTISLANDが「Flower Rock」を作ったら…っていうのが裏テーマかな(笑)。曲はジョンフンが作りました。フロントメンバー4人の歌の掛け合いやシンガロングとか、僕たちがライブで培ってきたものも加えられたポップロックになっています。
- EMTG:「God Bless You」は作詞のクレジットがFTISLANDになっていますが、5人全員で書いたということですか。
- ジェジン:「今回のアルバムは入隊前の最後の作品だから、全員で歌詞を作りたい」ってリーダーのジョンフンさんが言ってくれたんです。
- ホンギ:みんなで意見を出し合って、それをジョンフンがまとめて。
- ジェジン:だから、誰がどの部分の歌詞を書いたって線引きはできないんですよね。
- ホンギ:「God Bless You」って「幸運を!」とか「またね!」って意味。なんか、俺ららしくない? ポップだけどシリアスになり過ぎず。ライブでも絶対に盛り上がるよね。みんなにも歌ってほしいです。
- EMTG:冒頭でジェジンさんが「全員が曲を書いたのがポイント」と発言されましたが、これは今作『EVERLASTING』の大きなポイントですよね。
- ホンギ:そうだね(笑)。5人全員の曲が入っているっていうのは、大きいよね。ついに、スンちゃん(スンヒョン)の曲が!
- EMTG:ジョンフンさん、ホンギさん、ジェジンさんはFT作家陣の3本柱ですが、EMTG MUSICでは、スンヒョンさんとミンファンさんの曲にフォーカスしてお話をうかがっていきたいと思います。「Story of glory」がスンヒョンさんの曲ですが、スンヒョンさんっていつも「バラードが好き」って公言しているので、曲を作るんだったらバラードじゃないかと思っていたんですよ。
- スンヒョン:そうですね。毎回、アルバムの選曲会議には僕も曲を出していたんだけれど、FTISLANDの音楽と僕の好きな音楽ってちょっとカラーが違っているから、なかなか採用されなかったっていうのもありました。今回は自分の好きな曲よりもFTISLANDに合う曲ってことを前提に、日本のロックバンドみたいな曲をイメージして書いてみました。ちょっとFTISLANDにはなかった感じではあるけど、スピード感もあるし、メロディも聴きやすいから、これなら合うなと思って。歌詞は人生を電車に例えて、それに乗る主人公を軸にしたストーリーにしました。悩みながらも夢に向かっていくイメージで書いたんだけど、もうちょっと軽くても良かったかなぁ……(笑)。
- EMTG:あえて、ラップのパートを入れているのも意外でした。そこもちょっと、FTの原点を意識した感じで。
- スンヒョン:あ~、ラップね。難しかったです、久々だったから(笑)。
- ホンギ:「Story of glory」の歌入れをしたとき、スンヒョンに別のスケジュールが入っていて、自分の曲のレコーディングなのに立ち会えなかったんですよ。だから、作者であるスンヒョンと相談ができないまま、ちょっと僕が歌いやすいように変えたところもあります(笑)。こっちの方がいいよな? 最初のバージョンよりもハード感じになったと思うんだ。
- スンヒョン:はい、よくなりました(笑)。
- EMTG:そしてミンファンさんの「I’m coming home」は、このアルバムのアクセントになっていますね。ちょっと毛色の違うJ-POP曲に仕上がっているというか。
- ジェジン:そうですね。このアルバムの中で聴いて一番驚いた曲です。
- ジョンフン:あ~、J-POPって表現、合ってるね。韓国のOSTっぽい曲って思ったんだけど、オリジナリティのあるJ-POPのほうが合ってる。この曲では、メンバー5人が久々に歌ってるんです。僕も久々にメロディーパートが長かった(笑)。新鮮でした。
- ミンファン:柔らかい曲が欲しかったんです。そういうイメージだけ考えて作ったけど、よくできたな(ニコニコ)。ジョンフンさんが曲を聴いたとき、「この曲みんなで歌ったらどう?」って言ってくれて、「それ、いいね!」ってなって5人で歌うことにしたんです。この曲、やっぱり5人で歌ったほうがいいね。すごく良くなりました。誰がどのパートを歌うのかっていうのは、みんなで相談しながら決めました。
- ジェジン:レコーディングしてる時に、スンヒョンがすごく気に入ったパートがあって。急に「ここを歌いたい!」って言いだしたんですよ。それで、スンヒョンのパートに代わったところもあったよね(笑)。
- スンヒョン:俺はミンファンのことが大好きだからね。ミンファンの曲だから歌いたくて(笑)。
- ミンファン:僕たちは、スンナリコンビなので(笑)。誰がどこを歌っているのかを注意して聴いてもらえると、楽しさが増すと思いますよ。歌詞はストレートにプリマドンナ(FTISLANDのファンの総称)を思って書きました。もうすぐ離れ離れになるけど、必ず戻ってくるからも少しだけ待っていてほしい、という気持ちを込めて。すごく満足できる曲ができたなぁ(ニコニコ)。
- EMTG:自分たちで曲を作るようになってから、FTISLANDのカラーが確立されていきましたが、最近はこうやって全員が曲を書くようになって、それぞれの個性がまた、FTISLANDのカラーを広げていますよね。
- ジョンフン:そうですね。みんなぜんぜんタイプの違う曲を書いてくるからね(笑)。こうやって取材でも「入隊前最後」ってたくさん言われるんだけど、僕たちはそのことよりも、こうやって全員が心血を注いで作ったアルバムが皆さんにどう評価されるのかって方が気になってます。「みんな、満足してくれるかな?」って。
- ミンファン:うん、なんか「入隊前最後」っていう実感ってまだないんですよ。アルバムを作って、作り終わったこれからは、ツアーの準備をしなきゃいけないし。やらなきゃいけないことが、本当にたくさんあって。ツアーの終盤にならないと実感できないのかな……。
- EMTG:そうですね。ファンの皆さんもまだ、実感できないと思いますよ。4月4日から、約1ヶ月間のツアー『FTISLAND JAPAN LIVE TOUR 2019 -FIVE TREASURES-』が開催されます。まだ実感はできないのですが、「明るくバイバイ」するためには、どんな気持ちで行けばいいのでしょう。
- ホンギ:いつもと同じでいいよ!ただ来て、ただ楽しめばいいだけ。でも来る前に今までの僕らの音楽を全部聴いたた方がいいね。昔のアルバムも全部。インディーズ時代の曲もやろうと思ってるから、全部だね、全部(笑)。
- ジョンフン:「あ、この曲から私はプリマドンナになったんだな~」って、昔のことが思い出せるライブになると思いますよ。曲って、思い出とシンクロしてるじゃないですか。僕も昔の曲を聴くと、そのころの自分を思い出します。
- ホンギ:自信を持って俺らが言えるのは、「間違いなく、最高傑作のライブにします!」ってことです。
【取材・文:坂本ゆかり】
リリース情報
EVERLASTING
2019年03月27日
ワーナーミュージック・ジャパン
01 God Bless You
02 Remember
03 IF U WANT
04 Pretty Girl
05 Fire
06 Story of glory
07 Sight of ring
08 SWITCH
09 I’m coming home
10 YOU&ME
02 Remember
03 IF U WANT
04 Pretty Girl
05 Fire
06 Story of glory
07 Sight of ring
08 SWITCH
09 I’m coming home
10 YOU&ME
お知らせ
■ライブ情報
FTISLAND JAPAN LIVE TOUR 2019
-FIVE TREASURES-
04/04(木) [東京]豊洲PIT
04/05(金) [東京]豊洲PIT
04/11(木) [新潟]新潟県民会館 大ホール
04/13(土) [宮城]仙台サンプラザホール
04/17(水) [大阪]Zepp Osaka Bayside
04/18(木) [大阪]Zepp Osaka Bayside
04/20(土) [広島]広島文化学園HBGホール
04/22(月) [愛知]Zepp Nagoya
04/23(火) [愛知]Zepp Nagoya
04/25(木) [福岡]Zepp Fukuoka
04/30(火・祝) [東京]本武道館
05/04(土)[兵庫]ワールド記念ホール(神戸ポートアイランドホール)
05/05(日)[兵庫]ワールド記念ホール(神戸ポートアイランドホール)
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
FTISLAND JAPAN LIVE TOUR 2019
-FIVE TREASURES-
04/04(木) [東京]豊洲PIT
04/05(金) [東京]豊洲PIT
04/11(木) [新潟]新潟県民会館 大ホール
04/13(土) [宮城]仙台サンプラザホール
04/17(水) [大阪]Zepp Osaka Bayside
04/18(木) [大阪]Zepp Osaka Bayside
04/20(土) [広島]広島文化学園HBGホール
04/22(月) [愛知]Zepp Nagoya
04/23(火) [愛知]Zepp Nagoya
04/25(木) [福岡]Zepp Fukuoka
04/30(火・祝) [東京]本武道館
05/04(土)[兵庫]ワールド記念ホール(神戸ポートアイランドホール)
05/05(日)[兵庫]ワールド記念ホール(神戸ポートアイランドホール)
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。