the quiet room、新章の幕開けを告げるミニアルバム『White』インタビュー

the quiet room | 2019.06.26

 昨年9月の渋谷CLUB QUATTRO公演を最後に、菊池遼(Vo/Gt)、斉藤弦(Gt)、前田翔平(Ba)の3人体制となったthe quiet roomから約1年ぶりとなる新作ミニアルバム『White』が届けられた。初めてピアノを取り入れたポップチューン「パレードは終わりさ」、密度の高いアンサンブルが炸裂する「かずかぞえ」、王道のバラードナンバー「夜中の電話」などを含む本作には、リアルな感情と音がしっかりと刻み込まれている。9月には全国5ヵ所を巡る初のワンマンツアーを開催。新しい章に突入したthe quiet roomの現在地をぜひ体感してほしいと思う。

EMTG:3人体制となって約9ヵ月が経ちましたが、今の状況をどう捉えていますか?
菊池:(活動が)ストップした時間がほぼゼロだったんですよね。クアトロでのライブが終わった2週間後には、新体制になって最初のワンマンライブを下北沢のMOSAiCで原点回帰としてやりました。サポートドラマーの方もそうだし、周りの人たちの力を借りながら、まったく止まらずに(3人体制に)移行できたのは良かったですね。
前田:「ありがとうございます」という感じです。リハーサルの最初のほうは大変でしたけど、ライブもすごく上手くいって。
菊池:うん。the quiet roomは何度かメンバーチェンジを経験していて、以前は「大丈夫かな。本当に活動を続けられるんだろうか?」と不安になっていたんです。でも今回はそんなこともなく、すごくスムーズに新しい体制になって。協力してくれた人たちだったり、クアトロに集まってくれたお客さんの顔を思い浮かべることもあったし、いろんな人たちの気持ちを受け取りながら進んでいる感じです。
EMTG:制作のスタイルにも変化があったのでは?
斉藤:そうですね。リハに入る時間がなかなか取れなかったし、ペースを掴むまでは少し時間がかかりました。でも、なんやかんや、曲は出来ましたけどね。
菊池:“なんやかんや”って(笑)。僕らはもともとすごくアナログな作り方をしていたバンドで、僕が弾き語りで作った曲を「アレンジして」ってバンドに投げていたんです。ドラマーがいなくなったことで、「どうやって作ろうか?」と話し合って、初めてドラムの打ち込みでデモを作ったりもして。サポートドラマーにお願いする時も、こちらから「こうしてほしい」って伝える必要があったので、そこはかなり違いますね。
EMTG:新作ミニアルバム『White』には、ピアノを取り入れたポップチューン「パレードは終わりさ」をはじめ、エッジの効いたロックナンバーから王道のバラードナンバーもあって。今まで以上にバラエティに富んだ作品だなと。
菊池:メンバー以外の音を入れたのが大きいですね。今までは4人の音にこだわっていて、ギター、ベース、ドラム、ギター・ボーカル以外の楽器を入れることに抵抗があったんですけど、3人体制になったことで、スタッフを含めて「新しいことに挑戦するタイミングじゃない?」と。ピアニストの方に弾いてもらったり、パーカッションを多めに入れたのも初めてなんですよ。
斉藤:これまでにも「ピアノを入れたらいいかも」と想像することはあったけど、知識もスキルもないし、誰にお願いしていいかもわからなかったんですよ。今回は事務所のスタッフに相談して、ピアニストの方にアレンジもお願いしたんですけど、上がってきたものを聴いた時「めちゃくちゃいいじゃん!」と。自分たちの曲じゃないみたいというか(笑)、すごく新鮮でしたね。自分たちの音だけにこだわるんじゃなくて、いい曲になるのがいちばんなので。
EMTG:リードトラックの「パレードは終わりさ」という曲名も印象的でした。“次に進む”という意思が感じられる歌ですよね。
菊池:3人体制になったことをネガティブに捉えるのではなくて、「このあと、どうする?」というのが大事だと思っていて。そのことを曲にしておきたかったんですよね。楽しみにしていたパレードが終わったあと、どうやったら前向きになるか、笑って過ごせるようになるかっていう。この時期に歌いたかったことが形にできたと思いますね。
EMTG:「かずかぞえ」はメンバー全員の音がぶつかり合うようなロックナンバー。2本のギターの絡みもめちゃくちゃかっこいいですね。
斉藤:お、ありがとうございます。「わけわかんないね」と言われることもあるけど(笑)、気に入ってますね。
菊池:キメも多いし、アレンジが細かいんですよ。僕のギターのパートもどんどん難しくなって。
斉藤:アンサンブルって大事じゃないですか。「菊池さん、もうちょっと弾いてもらっていいですか?」ってギターのフレーズも底上げしてもらって。
菊池:特にギターソロのバックで弾いてるフレーズが難しくて(笑)。
斉藤:“短い曲の中で何度も転調する”というテーマだったんですよ、この曲は。最初は180くらいのBPMで“普通に疾走感がある”くらいだったんですけど、途中で20くらいテンポを上げて。
菊池:今回のアルバムは音の引き算を意識していたんですけど、「かずかぞえ」はとにかく音を詰め込んでいて。もともと僕たちは“足し算バンド”だし、フレーズと言葉を詰め込む方向の曲も入れたくて。「Tansy」もそうかな。
前田:「Tansy」は最初、ずっとスラップしようと思っていたんです。結局、普通に指で弾いてる部分もあるんですけど、かなり振り切ったアレンジですね。
EMTG:4曲目の「夜中の電話」は、オーセンティックなバラードナンバー。ピアノと歌で始まるアレンジも新鮮でした。
菊池:ピアノと歌だけで始めたいと言ったのは僕なんですが、このふたり(斉藤、前田)が全然弾かないから、だんだん不安になってきて(笑)。
斉藤:(笑)“弾かない”って難しいんですよ。どうしてもフレーズを入れたくなるので。
菊池:もちろん最終的にはいい形になりましたけどね。今回、歌詞は自分の主観というか、実際に経験したこと、感じたことだけを書こうと思って。前々作の『Little City Films』は自分の感情を抜きにして、短編映画集みたいな雰囲気の作品だったんですが、今はそういう時期じゃないのかなって。自分にとってリアルなことを歌いたかったんですよね。
EMTG:5曲目の「話をしよう」には、「これからの これからのストーリー/君の手引いて歩きたいの」というフレーズがあって。the quiet roomの未来を予感させる楽曲ですね。
菊池:曲中に「パレードが通りを抜けたら」というフレーズもあるんですけど、“これで終わりじゃない”というか、次のパレードに対する期待も込めてますね。自分たちにも次の目標があるし、それが上手くいくように頑張っていて。それを達成した時は喪失感があるかもしれないけど、その後も新しい目標が出てくるだろうし。そうやって続いていくんだろうなって。
EMTG:バンドを続けていくモチベーションは、時期によって変化しているんですか?
菊池:僕の場合は、「こういう音楽を作りたい」というより、「期待に応えたい」という気持ちが先なんです。「いい曲が出来たから聴いてほしい」ではなく、「みんなに喜んでもらったり、感動してもらうためにいい曲を作りたい」っていう。音楽はエンターテインメントという気持ちが強いんですよね。
斉藤:僕は真逆というか、ベクトルがだいぶ違っていて。自分で作ったフレーズを自分のバンドで演奏したいという気持ちが先にあるんですよ。デカい場所でたくさんの人に聴いてもらいたいと思うし、そういう風景って、誰にでも見れるものじゃないので。ひとりよがりかもしれないけど、聴いてもらうことの感動、爽快感が原動力になってますね。
前田:僕も似ていて、ライブで演奏したいという欲がモチベ―ションになってますね。ツアーの規模も少しずつ大きくなってるじゃないですか。次のツアーは初めてのワンマンツアーで、ファイナルは(恵比寿)リキッドルーム。そうやって目標を掲げながら続けている感じです。
EMTG:9月からスタートする“初の”ワンマンツアー、ちょっと意外でした。もうすでにやっていたような気が……。
斉藤:よく言われます(笑)。
EMTG:本当にひとつひとつ、地道にステップアップするバンドですよね。
菊池:(the quiet roomの地元)茨城時代のライブハウスの人たちもそうだし、今のスタッフもそうなんですけど、「一緒に頑張るから、自分たちの力で乗り越えていけ」という人たちばかりなので(笑)。地道に積み上げてきて、ワンマンツアーまでたどり着いたということですね。
EMTG:ツアータイトルは、新作のタイトルと同じ「White」ですね。
菊池:「White」は“ゼロからのスタート”とか“新しいキャンバス”ではなくて、今までやってきたことを踏まえて、新しい歴史を縫っていくというイメージなんです。いろんなことがありましたけど、新しいスタート地点に立つ覚悟が出来たんだと思います、やっと。

【取材・文:森 朋之】

tag一覧 ミニアルバム 男性ボーカル the quiet room

リリース情報

White

White

2019年06月26日

mini muff records

01.パレードは終わりさ
02.かずかぞえ
03.Tansy
04.夜中の電話
05.話をしよう

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

1st One Man Tour 2019 “White”
09/01(日) 宮城県 仙台enn 3rd
09/07(土) 福岡県 graf
09/14(土) 名古屋 CLUB ROCK’N’ROLL
09/15(日) 梅田 Shangri-La
-TOUR FINAL-
09/21(土) 恵比寿 LIQUIDROOM


MINT mate box pre.
【COOL MINT LIVE】

07/02(火)@渋谷WWW
w/ MINT mate box

見放題2019
07/06(土)@大阪サーキットイベント

JAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2019 SUMMER
07/13(土)@渋谷サーキットイベント

MURO FESTIVAL 2019
07/20(土)@幕張海浜公園Gブロック特設会場

murffin night 2019 in SENDAI
07/30(火)@仙台・CLUB JUNK BOX / Darwin
w/ Amelie / Czecho No Republic / osage / SAKANAMON / テスラは泣かない。 / 東京カランコロン / なきごと / マカロニえんぴつ

La.mama 37th anniversary
『道玄坂異種格闘技戦 vol.115』

08/05(月)@渋谷La.mama
w/ the shes gone / アンテナ

rockin’on presents
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019

08/10(日)@茨城県・国営ひたち海浜公園

【PLAYGROUND’19】
08/21(水)@水戸LIGHT HOUSE
w/ Ivy to Fraudulent Game / polly / ANSWER BERUS(O.A)

10/04(金)@宇都宮 HEAVEN’S ROCK
w/ Ivy to Fraudulent Game / polly / HELLO HERO(O.A)

11/01(金)@高崎 club FLEEZ
w/ Ivy to Fraudulent Game / polly / fish in water project(O.A)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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