東京都府中市出身のギターロックバンドkobore 1st EP「音楽の行方」リリース!
kobore | 2019.08.21
東京都府中市出身のギターロックバンド「kobore」。ビクターロック祭り2017のオープニングアクトで熱い注目を集めた後、渋谷TSUTAYA O-WESTや渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライブが大成功。今年の夏も数々の大型音楽フェスに出演するなど、精力的な活動を繰り広げている彼らが、1st EP「音楽の行方」を完成させた。収録されている5曲で描かれているのは、おそらく多くの人にとって身近な事柄だと思う。出会った様々な人々への想い、平凡な生活の風景、音楽に対する深い愛情などを、エネルギッシュなサウンドで表現している1枚だ。この作品について、佐藤赳(Vo/Gt)と田中そら(Ba)に語ってもらった。
- EMTG:結成は、2015年ですよね?
- 佐藤:はい。僕はもともと弾き語りをやってたんですけど、「バンドサウンドにしたらどうだろう?」と思って、暇そうにしてた人たちにツイッターでダイレクトメッセージを送ったのが2015年です。
- 田中:僕はそのとき高3で、彼女にフラれたばかりでした(笑)。「暇になっちゃったから、やろうかな……」と。
- EMTG:佐藤さんの弾き語りを聴いたことはあったんですか?
- 田中:はい。ライブに行ってましたから。高校の先輩だったんですけど、「いい歌だなあ」って思ってましたね。
- 佐藤:僕、音楽を続ける予定はなかったんですけどね。でも、お世話になってた府中Flightっていうライブハウスに何か恩返しをしたいなと思って、高校を卒業してからそこで働き始めたんです。「やるとないんだったら、大学に通いながら弾き語りでもやってみたら?」と店長さんに言われたのが、弾き語りを始めたきっかけでした。
- EMTG:弾き語りをしているうちに、バンドでやってみたくなったということでしょうか?
- 佐藤:「音源を作りたい」というのが一番の動機でした。でも、いろんなバンドのライブを観るうちに「バンドやりたいなあ」っていうのは思ってましたね。
- EMTG:ということは、メンバーを誘った時、「こういうバンドをやりたい」っていう具体的なビジョンはなかったんですか?
- 佐藤:まったくなかったです。「こういう風に弾いてほしい」っていう希望を出して弾いてもらう感じでしたから。
- 田中:最初、デモを貰ったんですけど、その段階ですごかったんですよ。
- 佐藤:弾き語りで送ったっけ?
- 田中:いや。ドラムとかの打ち込みは入ってた。それを聴いて、「これは、もしかしたらすごいことになるかもしれない」と。「もしかしたら、大きいフェスに出れるかも」っていうことも思って、大船に乗ったつもりでメンバーになりました。
- 佐藤:ほんとかよ?(笑)。彼とは、高校の頃、同じ学校の軽音部で一緒だったんです。ウチのギターは、僕の1個上の先輩で、当時は邦ロックのコピーをしていました。RADWIMPS、ONE OK ROCKとか。
- EMTG:オリジナル曲を作るようになったのは、弾き語りを始めてからですか?
- 佐藤:そうですね。高校を卒業してからです。とにかく、自分の書きたい曲を書くというか、思ってることをそのまま吐き出すような感じで始めました。それは今も基盤としているところです。
- EMTG:サウンド面に関しては、エネルギッシュさとメロディアスさの融合が、今のkoboreの作風となっていますよね。
- 佐藤:はい。メロディが良くないと、リスナーとしても聴けないタイプなんです。メロディが良くないと音楽を楽しめないので、こうなったのかなと思ってます。
- 田中:僕もメロディアスな音楽が好きなんです。そこは、このバンドをやってて楽しいところですし、多分、ウチのメンバー全員が共通する部分なんだと思います。
- EMTG:koboreは、ライブもたくさんやっていますよね。
- 佐藤:そうですね。去年は、1年間で150本を越えるくらいやりました。自力でゼロから1にできるくらいになりたかったので、まずはライブ力をつけたかったんです。ライブは、ステージ以外の大変なこともたくさんあるので、メンタルも鍛えられるんですよね。
- EMTG:ステージ以外の大変なことって、例えば長期ツアー中の洗濯とか?
- 佐藤:そういうのもあります(笑)。機材車で寝泊まりしますし、「ここのスーパー銭湯は安い」とかいう知識や経験も、ツアーをしてると増えていきます。下道にも詳しくなるし、節約のための工夫も、すごくしてきました。「この物販が売れないと帰れない」とかもありましたからね。
- 田中:今の時代、バンドのことを知ってもらうためのやり方としてYouTubeとかSNSもありますけど、koboreはライブをずっと基本にしてきたんです。そういうやり方をしてきて、ライブへの自信をつけることができたのは、すごく良かったと思ってます。
- EMTG:みなさんは作品のリリースも地道に重ねてきましたけど、最新作の「音楽の行方」は、どんな1枚になったと感じています?
- 佐藤:メッセージ性の強い曲が多いのかなと思ってます。毎回、「こういう作品を作ろう」っていうようなことは考えないで作るんですけど、自分の思ってる日々を詰め込んだ1枚になりましたね。
- 田中:今回のEPは、フレッシュで爽やかです。どの曲も疾走感があって、メロディも聴きやすいですし、夏にぴったりなものにもなっているのかもしれないです。
- EMTG:夏っぽい曲といえば、「ミッドナイトブルー」ですね。
- 佐藤:はい。「ミッドナイトブルー」は、季節の移ろいとストーリーが見える曲だと思います。夏っぽさを意識したわけでもなくて、自然とそういうものになったんですけど。
- EMTG:歌詞の表現に関しては、全体的にすごくストレートという印象です。
- 佐藤:そうですね。遠回しの表現よりも、真っ直ぐ一本道を行くような歌詞というか。やっぱり、ライブでお客さんに伝わるものでありたいというのもあるので。
- EMTG: 1曲目の「音楽の行方」も、直球ですね。音楽に対する強い想いが、とても素直に伝わってくる曲です。
- 佐藤:「俺の思ってる音楽はこういうものだけど、みんなはどう思ってる?」っていうメッセージを投げかける曲です。「音楽」っていう抽象的なものについて歌いつつ、ストレートさがあるのかなと思ってます。
- EMTG:《音楽性 方向性 知らねえ 好きなもんを選んで行け》という部分が印象的です。
- 田中:音楽が好きな人だったらみんなわかるような感覚が描かれてる曲ですね。好きなものを自由に選べばいいっていうのは、僕もその通りだと思います。
- 佐藤:「聴きたくないものは、聴かなくていいんじゃない?」っていうくらいの気持ちで歌ってます。自分で好きな音楽を探すのは楽しいですし、そういう人が集まるのがライブハウスなんですよね。
- 田中:ライブハウスって楽しいですし、「ライブハウスにいると若くなる」っていうくらいの感覚が僕にはあります。
- 佐藤:僕も「ライブをしないと死んじゃう」くらい思ってます(笑)。今回、今まで以上に自然体でいろんなことを描けた感じがしてるんですよ。例えば「ダイヤモンド」も、今になってやっと描けた歌詞なのかなと思ってます。
- EMTG:自分で選んで掴んだものを、大切に育んでいこうとする気持ちが伝わってくる歌詞です。
- 佐藤:はい。まさに最近の僕が思ってることですね。
- EMTG:平凡な1日の幸福を描いた「ミディオーカー」も、普段の佐藤さんが思っていることが、自然な形で反映されているんでしょうね。
- 佐藤:そうだと思います。特別な想いを歌詞にするよりも、1日1日を描く方が、歌詞が尽きないんですよ。特別なことって滅多に起こらないですけど、普通の1日って、生きてれば毎日巡ってきますからね。それをまさに形にしたのが「ミディオーカー」です。
- 田中:「ミディオーカー」は、僕のお気に入りなんです。僕の1日も、こんな感じですから。
- 佐藤:曲を聴いて風景を思い浮かべたり、何かを思い出してくれると嬉しいんです。「ミディオーカー」も、いろんな人にとって、そういう曲になってくれたら良いですね。
- EMTG:出会った様々な人への気持ちを描いている「拝啓」も、リスナーそれぞれが身近な人を思い浮かべて聴くでしょうね。
- 田中:僕らもバンドの活動を通じてたくさんの人に出会いますし、いろんな人との繋がりの大切さを感じることがよくありますからね。koboreがなんとかやってこれたのも、本当に周りにいてくれる人たちのおかげですから。
- EMTG:《拝啓 父親 僕に音楽をくれてありがとう》というフレーズが、すごく良いですね。
- 佐藤:ありがとうございます。おやじは全然売れないバンドマンだったんです。良いと思ったものを聴く人だから、僕はその影響を受けてるのかもしれないですね。
- EMTG:今回の5曲に関して、改めて何か感じていることはあります?
- 佐藤:「すごく自然に気持ちを曲にできた」というのが、一番感じていることです。悪い意味ではなく、「変化はしてない」っていうのも感じます。伝えたいものを伝えるっていう、どストレート一本勝負が、やっぱりkoboreなんですよね。これから先も、そうありたいと思ってます。良いことも悪いことも、ハッピーエンドもバッドエンドもひっくるめて、人間的な音楽を、これからもkoboreで作り続けたいです。
- EMTG:ライブをたくさんやるというのも、今後も変わらないんでしょうね。10月から、またツアーが始まるじゃないですか。
- 田中:はい。次のツアーもいろんなところへ行きます。
- 佐藤:日本全国、いろんなところにライブハウスがあるので、これからもできる限り行きたいですね。あと、「ギターロック、歌もの」っていう概念も、自分たちのバンドからなくしたいんです。ジャンルや概念も飛び越えて、いろんな人たちと一緒にライブをやって、いろんなところに呼ばれるようになっていきたいです。koboreは、「好きなことを、自信を持ってやっていく」っていうバンドであり続けたい。それがこれからも基本なんだと思ってます。
【取材・文:田中 大】
リリース情報
音楽の行方
2019年08月21日
Paddy field
01.音楽の行方
02.ダイヤモンド
03.ミディオーカー
04.ミッドナイトブルー
05.拝啓
02.ダイヤモンド
03.ミディオーカー
04.ミッドナイトブルー
05.拝啓
お知らせ
■コメント動画
■ライブ情報
kobore ダイヤモンドTOUR2019
10/18(金) 千葉LOOK
10/22(火・祝) 横浜FAD
10/24(木) 静岡UMBER
10/25(金) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
10/27(日) 高知X-pt.
10/28(月) 神戸太陽と虎
10/30(水) 京都GROWLY
10/31(木) 広島Cave-Be
11/02(土) 熊本Django
11/03(日) 大分SPOT
11/06(水) 金沢vanvanV4
11/08(金) 松本ALECX
11/09(土) 新潟RIVERST
11/12(火) 郡山#9
11/13(水) 仙台MACANA
11/15(金) 札幌BESSIE HALL
11/18(月) 盛岡Change WAVE
11/19(火) 水戸LIGHT HOUSE
11/21(木) 福岡Queblick
11/22(金) 高松DIME
11/29(金) 渋谷WWW X
12/05(木) 大阪Shangri-La
12/07(土) 名古屋RAD HALL
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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