日本と台湾を繋ぐ女優・Teresaが歌手デビュー!「歌」への思いをじっくりと語る

Teresa | 2019.11.07

 母国・台湾で女優として活躍するTeresaが、10月23日、ミニアルバム『Hybrid』で日本デビューを果たした。同作には、TVドラマ「抱かれたい12人の女たち」のエンディングテーマとして話題を呼んだ「ざくろ」を始め、5言語を話せるというマルチリンガルな彼女の特性を活かした全7曲を収録。ミステリアスでストイックな彼女の素顔を探る。

EMTG:日本での歌手デビューが決まる前から、日本へはよく来ていたんですか?
Teresa:そうですね。初めて日本に来たのは20歳くらいの時。温泉が好きだから、旅行で箱根に行ったんです、友達と一緒に。でも私、結構ひとりで行動するのが好きなんですよ。レストランも、映画館も、ジムも、旅も。だから、日本にもひとりで何度も来ていて。福岡とか沖縄とか、いろいろなところに行きました。
EMTG:Twitterを拝見したら、最近、東京タワーに上られた写真もあげていましたね。
Teresa:そう! 東京にはよく来ているのに、行ったことがなかったなぁと思って。初めての東京タワー、すごくきれいでした! でも、チケットがちょっと高かった(笑)。
EMTG:あはは。東京と台湾を行ったり来たりしているTeresaさんから見て、東京と台湾の共通点ってなんだと思いますか?
Teresa:みんな、足が速い。
EMTG:足が速い……?(笑)。
Teresa:私は台北に住んでいるんですけど、みんな仕事のためなのかな? 歩くのが速いんです。それは東京にいても感じますね。台北と一緒だなって。そして、日本のほうは外国人に親切。私、初めて日本で仕事をした時は日本語がまったく喋れなかったんです。それでもみなさんがすごく優しくしてくれて、感謝しています。
EMTG:Teresaさんは、普段は台湾で主に女優業をされていますが、以前から歌手になりたいという夢があったんですか?
Teresa:はい。私は小さい頃から音楽がすごく好きで、小さい頃の夢は歌手だったんです。でも、大人になってからはその夢から離れていて。芸能界に入る前は、コーヒーが大好きなので、コーヒーショップのバリスタとして働いていました。芸能界に入ったのは、ヘアコンテストに素人モデルとして参加していた時に、今の事務所にスカウトされたのがきっかけです。声をかけられた時は、「私の番が来た!」と思いました(笑)。
EMTG:「ついに来たか!」と(笑)。
Teresa:そうそう(笑)。だから「頑張るしかない!」と思って芸能界に入って、モデルだったり、女優だったり、いろいろ挑戦しました。でもやっぱり、いちばん好きなのは歌手の仕事ですね。歌手の仕事が私を成長させてくれています。
EMTG:ちなみに、日本で活躍しているアーティストで好きな方っていますか?
Teresa:一青窈さんはもちろん好きなんですけど、普段よく聴くのはバンドの曲ですね。いちばん好きな日本のバンドは、RADWIMPS。台北でライブをやった時も行ってまいりました(笑)。あとは、最近andropの「Koi」っていう曲を聴いて感動しました。andropもいつかライブに行ってみたいなと思います。
EMTG:日本のアーティストにも詳しいほど、音楽好きなんですね。
Teresa:はい。日本で歌手デビューできるなんて夢のようです。デビューのお話をいただいた時は、自分はすごくラッキーな人だなって思いましたね。ひとりではできなかったことなので、夢を叶えてくださって感謝しています。
EMTG:Teresaさんご自身の努力も、デビューに繋がった大きな要因だと思いますよ。先ほど、初めて日本で仕事をした時は日本語が喋れなかったとおっしゃっていましたが、日本人でも取るのが難しいという日本語検定2級を取得されたそうですね。
Teresa:試験は試験だから、それよりもちゃんとコミュニケーションがとれることのほうが大事だとは思うんですけど……頑張りました!
EMTG:台湾語と日本語のほかにも英語や北京語など5言語 を話せるマルチリンガルですし、本当にストイックな方なんだなと感じました。負けず嫌いですか?
Teresa:そうだと思います。気が強い。私、自分ができるって証明したいんです。例えば、レコーディングした歌をみんなが「いいね!」って言ってくれても、私は「本当? もう1回やればもっと良くなるかもしれない」って思ったら、自分が納得するまで歌います。今回のレコーディングも、新曲はテンポの速い曲が多かったから、うまく歌えるようになるまで何度も練習しましたね。特に「Bitter Sweet Session」と「Calling」が難しくて、何度も録り直しました。
EMTG:しかも、今回の収録曲は『Hybrid』というアルバムタイトルのとおり、日本語と英語と中国語を織り交ぜた歌詞の曲が多数あるので、歌いながら混乱しそうですね。
Teresa:忙しいですよね。でも、難しいことほど挑戦したくなる性格なので。結構タイトなスケジュールでレコーディングしたんですけど、こうしてアルバムが完成して、今は達成感でいっぱいです。「私、どうやってここまで来たんだろう?」っていうくらい、あっという間でした(笑)。
EMTG:そんなにタイトなスケジュールだったんですか?
Teresa:当時、台湾でドラマの撮影をしていたんですけど、撮影が終わって1週間後にレコーディングが決まっていて。
EMTG:じゃあ、歌詞を読み込んだり、練習する時間もあまりなく?
Teresa:撮影が終わってからの1週間で4曲分(新曲)の歌詞を覚えて、練習して、レコーディングしました。その期間は、歌詞の意味をちゃんと理解するために毎日勉強していましたね。
EMTG:試験勉強みたいですね(笑)。でも、日本語を話すのと、日本語の歌詞を理解するのは、また違った難しさがありそうです。
Teresa:そうですね。やっぱり自分の国の言葉じゃないから、文字は読めるけど、本当の意味がなんなのかを理解するのにはちょっと時間がかかります。特に一青窈さんが歌詞を書いてくださった「ざくろ」や、以前からカバーしている「ハナミズキ」は特別な世界観なので、自分で調べてみても、どういう意味かわからなくて。わからない言葉があると、いつもはスタッフのみんなに聞くんですけど、今回は想像力に任せて歌いました。
Teresa「ざくろ」MUSIC VIDEO
EMTG:収録曲の中で、特に好きな曲ってどれですか?
Teresa:特にお気に入りなのは「Sympathy」。この曲は同じ事務所の先輩・JUVENILEさんが曲を作ってくれました。この曲、実は2年前からあって、その時に1度録音していたんです。でも、私がこの曲を手に入れられるかどうか、その時は保留になって。それが2年間努力してやっと私の曲になったので、すごくうれしいし、好きですね。私は寝る前にいつもゆったりとしたソファーミュージックを聴くんですけど、「Sympathy」はそのスタイルに近い曲なので、自分らしく歌えたと思います。耳元で囁くようなイメージで歌いました。
EMTG:この曲に限ったことではありませんが、初めてTeresaさんのアーティスト写真を見た時は、腹筋がすごいからもっとパワフルに歌う方なのかと思っていたんです。そしたら、ウィスパーボイスで驚きました。すごく繊細で、軽やかで、素敵。
Teresa:ふふっ、ありがとうございます。
EMTG:Teresaさんって、結構ギャップが激しいですよね。例えば「ホシゾラニ・キミヲオモフ」は曲だけを聴くとフェミニンな印象を受けますけど、MVではクールでかっこいい姿を見せているし、いろんな一面を持った方なんだなと感じます。
Teresa「ホシゾラニ・キミヲオモフ」SHORT MUSIC VIDEO
Teresa:そう。曲によっていろんなTeresaになるんですよね。演じているというか。
EMTG:それは、女優として演じている時と似たような感覚ですか?
Teresa:そうかもしれません。女優としていろいろな役の人生を演じている経験も、こういう歌手としてのパフォーマンスに活かせていると思うし、私は人間観察が好きなので、日常で目にした細かいこともすべて歌手の仕事に繋がっていると思います。
EMTG:では今後、日本や世界を舞台に活動するにあたって、実現したいことはなんですか?
Teresa:やっぱり、まずはツアーをしたいですね。世界でライブがやりたい! 今年の夏には日本で「台湾フェスタ」に出たりしたんですけど、もっとたくさんライブがやりたいです。今も、家の鏡の前でペットボトルを(マイクのように)持ってイメージトレーニングをしています。
EMTG:5言語喋れたら、世界中どこに言っても自分の言葉でMCできそうですね。
Teresa:MCかぁ……。MCはやったことありますけど、とても難しかったので、ツアーができたときには盛り上げられるように頑張ります!(笑)。

【取材・文:斉藤碧】

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リリース情報

Hybrid

Hybrid

2019年10月23日

日本コロムビア

1. ホシゾラニ・キミヲオモフ
2. Calling
3. Bitter Sweet Session
4. ざくろ
5. Promising myself
6. Sympathy
7. ハナミズキ

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