雨のパレード、新体制となって初のオリジナルアルバム『BORDERLESS』リリース!

雨のパレード | 2020.01.27

 3人編成となった雨のパレードが、新しい表現方法と可能性を模索しながら完成させた最新アルバム『BORDERLESS』。多彩な音色が融合して生まれている奥行き深い空間、鮮やかに浮き彫りにされているメロディ、瑞々しく響き渡るハーモニーに満ち溢れている1枚だ。柔軟な発想を自由に羽ばたかせながら、作風の幅を一気に広げたこのアルバムは、どのようにして生まれたのか? 制作エピソード、込められている想いについて、メンバーたちに語ってもらった。

EMTG:3人編成になって初のアルバムですね。
福永浩平(Vo):はい。去年は3人になって、ライブも音源制作も、やり方が大きく変わった1年だったんです。4人だった時はスタジオに入ってセッションをして、その場で構築するやり方だったんですけど、3人になったことによって、DAW上で構築するやり方に完全に移行しました。DAW上でたくさん音を重ねることができるようになったので、可能性と自由度が増した感覚もあります。
大澤実音穂(Dr):私はドラムなので、同じリズム隊のベースがいなくなったっていうのが不安だったんです。でも、同期と一緒に流れるベースの音に合わせる楽しさも感じるようになりました。
山﨑康介(Gt):僕はライブだとギターとシンセを演奏するんですけど、ステージ上で表現しきれない部分というのが前まではあったんです。3人になってからは同期を使うようになって、自分が担うべき役割をピンポイントで狙えるようになってきました。
EMTG:蔦谷好位置さんとの出会いも、表現の幅を広げる意味で大きかったですよね?
福永:はい。とても勉強させていただきました。
EMTG:蔦谷さんとの共同プロデュース曲の「BORDERLESS」、すごく良いです。

福永:ありがとうございます、蔦谷さんとは5曲ご一緒させていただくことになっていたんですけど、他の4曲を踏襲して、「5曲目はどうしよう?」ってみんなで話し合った中で作ったのが「BORDERLESS」です。
EMTG:この曲や「Hallelujah!!」とかもそうですけど、今回のアルバムはゴスペルにも通ずる神々しい音の響きがすごく表現されているという印象もしました。
福永:音として、前作にはなかったような透明感とか、レンジの広がりみたいな部分があるんだと思います。それが、おっしゃったような音の印象になった理由ですね。あと、同期を流すようになったので、こういうハーモニーを追求できるようになったというのもあります。今までも僕のボーカルを十何本か重ねたことはあったんですけど、同期を使ってなかったので、「ライブでどうしよう?」っていうのを考えてしまうところがあったんです。
大澤:私は「BORDERLESS」を聴いた瞬間、「大きい会場でやりたい」っていうことも思いました。「たくさんの人に届いてほしい」っていう気持ちも素直に表れている曲ですね。
山﨑:雨のパレードがこれから提示していく世界観を思いっきり押し出せたと思います。
EMTG:広い世界へと踏み出そうとしているみなさんの気持ちが込められていると同時に、リスナーを鼓舞するメッセージソングにもなっていると感じました。
福永:僕らが、みんなの進む道を全て正しいと言ってあげられるような、そんな楽曲になったらいいなという気持ちもあったんです。
EMTG:「BORDERLESS」も含めて、作風の幅が明らかに広がりましたね。その第一歩として大きかったのは、去年の7月に配信でリリースした「Summer Time Magic」だったのでは?

福永:はい。サマーチューンというのも初めてですので。「Shoes」の歌詞で、少し夏のことは出てくるんですけど、音的な部分で夏感がある曲ではなかったですからね。「Summer Time Magic」もそうですし、去年は新しい挑戦もしつつ力を蓄える1年間でもあったのかなと思っています。
EMTG:3人編成で初めて世に出した「Ahead Ahead」も、新しい挑戦でしたよね?

福永:そうですね。「Ahead Ahead」は、初めてライブでやった時、今までの雨のパレードにはなかったような盛り上がり方になったんです。そういうことを経て作った「Summer Time Magic」も、ライブで盛り上がることができるものになって、すごく嬉しいです。
EMTG:これも蔦谷さんとの共同プロデュースですけど、「Story」も、新鮮なものを感じました。

福永:イントロとアウトロにあるクワイアは、完成した後につけたものです。こういう要素を加えるとウェディングソング感が出ると思ったので。サビにもデジタルクワイアが入っていますけど、僕はフランシス・アンド・ザ・ライツとかが大好きなので、そういう表現方法を蔦谷さんと相談しながら作っていきました。
EMTG:「Story」はラブソングというだけではなく、ウェディングソングというイメージもあったんですね。
福永:はい。こういうのも新しい挑戦のひとつですね。制作していた時期に友だちの結婚式が多かったんです。小さい頃に毎日のように一緒に遊んでいた友だちの結婚式で、ものすごく感動して。そういうことをディレクターに話す中で、「ウェディングソングをいつか書きましょう」みたいな話も出ていたんです。
EMTG:「Story」は、ポップチューンとしても、すごく力があると思います。
福永:ありがとうございます。音的には、かなり攻めているんです。だからこそ歌詞とメロディで広い入り口を作れたらいいなと思っていました。
EMTG:雨のパレードらしい姿勢ですね。蔦谷さんは、そういう部分も伸ばしてくださったんじゃないですか?
福永:その通りですね。身になるものが多かったです。
EMTG:そもそも、共同プロデューサーを迎えるというのも新しい体験でしたよね?
福永:はい。自分たちでずっと作っていた中で無意識の内に生まれていた枠みたいなものはあって。そういうのをメンバー以外の人とやることによって認識できるようになるのは、すごくいいことだなと思いました。そういう認識は、可能性を広げてくれるんですよ。Dos Monosがフィーチャリングの「惑星STRaNdING」も、そうでしたね。
EMTG:Dos Monosは、「Hometown」のリミックスを手掛けたことがありましたよね?
福永:はい。今回の「惑星STRaNdING」は、一緒に作っていきました。
山﨑:もともと「Hometown」もSOIL&“PIMP”SESSIONS のTABU ZOMBIEさんに参加していただいた曲なんです。それがDos Monosのリミックスでさらに広がったんですよね。今回の「惑星STRaNdING」も、すごく良い曲になったと思います。いろんな方々と作っていくというのは、今後もやっていきたいですね。
EMTG:変なことを言うようですけど、雨のパレードって、音楽をやることを心から楽しんでいるバンドですよね? 「こういうことやってみたい」っていうのが果てしなく膨らみ続けているんだろうなあっていうのが、あらゆる曲から伝わってくるので。
福永:今までもずっと楽しんできましたけど、今回、いろんな方々とやることで可能性を広げられて、様々な作り方も知ることができたんです。表現したい世界観をより形にできるようになりましたし、それは自分たちだけで作った楽曲にも感じていることです。
EMTG:以前、福永さんとお話をした時にカセットテープのMTRに興味を持っていたのが印象的だったんですけど、機材を導入しながら新しい手法を試すことに対しても積極的ですよね?
福永:はい。「Gullfoss」は、実はカセットのMTRを使った曲なんですよ。DAW上でヨンシー&アレックスのオマージュ的なイメージのアンビエントのトラックを作って、それをパソコンからカセットのMTRに録って、テープをグチャグチャにしたりしながらパソコンに取り込んで……っていうのに歌をのせたのが「Gullfoss」です。
EMTG:「Gullfoss」もそうですけど、シンセサイザーの音の気持ちよさも、いろんな曲で効果的に活用していますね。
山﨑:シンセサイザーって、ほんと魅力的な楽器なんですよ。僕、今年のNAMM Showで発表されたシンセが気になっていて(笑)。それくらいシンセが大好きです。
福永:シンセに関しては、今まではアナログに固執していたんですけど、「Trust」でデジタルシンセの良さも知ったりして。そういう面でも広がっていますね。
大澤:機材に詳しいメンバーがいるバンドなので、私もいろいろ教えてもらうことが多いです。昔は、ドラムは生で叩くものっていう考えがあったんですけど、雨のパレードを始めて、福永から「サンプリングパッドを取り入れたらどう?」って提案されて、幅が広がっていきましたからね。
EMTG:歌詞にも音楽への情熱が表れているように感じるのも、そういうみなさんが集っているバンドだからなんでしょうね。「BORDERLESS」もそうですし、「EXIT」「Gullfoss」「Material」とかも、理想の音、表現を追い求めている人の姿がすごく浮かびます。
福永:歌詞は本当に思っていること、感じていることを届けたいんです。
大澤:音と融合した時にグッとくる歌詞が、今回多いと思います。「BORDERLESS」の歌詞は、蔦谷さんと相談する中で「こっちの方がより多くの人に伝わる」という表現を選んでいたのが、私の中で印象的でした。
山﨑:今までは比較的、内省的なものが多かったと思うんですけど、外に発信する力が強いものが今回はたくさんあるんだと思います。
EMTG:外に向いている歌詞が「音楽が好きで堪らない」という、作っている人の実像の描写にもなっているのが面白いですね。こんなことを改めて訊くのも妙ですが、音楽が大好きですか?
福永:はい(笑)。
EMTG:「EXIT」の《形ある音に涙したり 鏡の中から抜け出せない僕はどこへ》とか、音楽を夢中になって探求している人じゃないと出てこないフレーズだと思います。
福永:ありがとうございます。
大澤:こういうのを言葉にできるところが、メンバーとしてもすごいと思います。
山﨑:そうね。
福永:やりたいことが常にありますからね。もう、次の曲のことを考えていますし。「たくさんの人に伝わる形で、自分たちの音を届けられるか?」みたいなのは、ずっとテーマです。今後も、そういうことをさらにやっていきたいですね。
EMTG:雨のパレードって、音楽的にマニアックなことをたくさんやっていますけど、実は猛烈にキャッチーなバンドですしね。
福永:そうなんです(笑)。これからもそうでありたいです。
EMTG: 2月から3月にかけては、ツアーで日本国内をじっくり回ることになりますけど、現時点で何か思い描いていることはありますか?
福永:ライブだからこそできることもプラスアルファしながら届けたいですね。
大澤:今回のアルバムによって、みんなで楽しめる曲が増えたと思うので、一緒に歌ったり、お客さんと一緒に作っていくようなライブができそうです。
山﨑:今回のアルバムの『BORDERLESS』というタイトル通り、いろんな僕らをお見せできるツアーになると思います。

【取材・文:田中 大】

tag一覧 J-POP アルバム インタビュー 男性ボーカル 雨のパレード

リリース情報

BORDERLESS

BORDERLESS

2020年01月22日

ビクターエンタテインメント

01.BORDERLESS
02.Summer Time Magic
03.Story
04.Walk on
05.Trust
06.惑星STRaNdING (ft.Dos Monos)
07.Hallelujah!!
08.EXIT
09.Gullfoss
10.Material
11.Ahead Ahead (new mix)

お知らせ

■マイ検索ワード

福永浩平(Vo)
雨のパレード bam 歌詞
僕らは過去の曲をライブでリアレンジしてやったりするんですけど、ツイッターでファンのみなさんに「何が聴きたいですか?」って訊いたら「bam」っていう声が結構あったので、魔改造してやろうかなと思ったんです。でも、歌詞がわからなくて、検索しました(笑)。

山﨑康介(Gt)
オムニコード
鈴木楽器が出した40年くらい前の電子楽器です。買おうと思っていまして。前から興味があったんですけど、『サウンド&レコーディング』のボン・イヴェールの記事を読んで、その熱が再燃しました。チープなサウンドなんですけど、「それをどうエディットしていこうかな?」とか、最近ずっと考えています。

大澤実音穂(Dr)
SUQQU 新作リップ
SUQQUのリップです。新しいのが出るので、気になっています。色とか質感が新しいので、「どんな色があるのかな?」って調べました。私、気になるものが出ると、すぐに試しに行きます。



■ライブ情報

ame_no_parade TOUR 2020
“BORDERLESS”

02/02(日) 北海道 cube garden
02/08(土) 香川 DIME
02/09(日) 広島 SECOND CRUTCH
02/15(土) 愛知 NAGOYA CLUB QUATTRO
02/16(日) 金沢 GOLD CREEK
02/22(土) 宮城 Rensa
03/01(日) 東京 EXシアター
03/14(土) 大阪 なんばHatch
03/20(金祝) 福岡 BEAT STATION
04/10(金) 鹿児島 CAPARVO HALL

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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