ちゃんみな、2つの異なる世界観を現したEP『note-book -Me.-』、『note-book -u.-』同時リリース
ちゃんみな | 2020.02.20
2017年にメジャーデビューして以降、トリリンガルラッパー&シンガーとして活躍の幅を広げているちゃんみな。昨年8月にリリースしたフルアルバム『Never Grow Up』がロングヒットしている彼女が、2月19日、最新EP『note-book -Me.-』、『note-book -u.-』を2作同時にリリースする。同作には、自分自身を主観的(Me.)・客観的(u.)に捉えた楽曲を4曲ずつ収録。そんな2枚を通して、ちゃんみなが抱える闇や葛藤について探った。3月26日からは、東名阪にて対バンツアー『Me』+『u』TOURもスタート!
- EMTG:最新EP『note-book -Me.-』、『note-book -u.-』は、ちゃんみなさんが日頃から想いを書き綴っているノートがもとになって生まれた2枚だそうですね。まずは、“Me.”と“u.” 2つに分けた理由から伺えますか?
- ちゃんみな:今作は自分から「同じ内容を2つの視点で書きたい」と提案して、なんとなくそういうイメージで作り始めたんですけど、その前から、自分の中には2人の人格みたいなものがあるなって思っていたんですよね。で、それをわかりやすく提示するとしたら、“Me.”と“u.”かな?と思って。実際にできあがった曲も“Me.”と“u.”を連想させる曲が揃っていたので、自身を主観的に見ている曲を『note-book -Me.-』に、自身を客観的に見ている曲を『note-book -u.-』に分けて収録しました。
- EMTG:去年12月、昭和女子大学人見記念講堂で行われた<THE PRINCESS PROJECT 4>の追加公演で、「ボイスメモ No. 5」と「In The Flames」が初披露されて。その時、この曲達は病んでいた頃に作ったと話していましたね。
- ちゃんみな:今回のEPは2019年の夏に作り始めたんですけど、その時は病んでいましたね。だから、早く自分の中にあるものを消化しないとダメだと思って。曲作りもレコーディングも、今回はめちゃくちゃスピーディーに終わりました。
- EMTG:全8曲の中で、最初にできた曲はどれですか?
- ちゃんみな:『note-book -Me.-』のリード曲「ボイスメモ No. 5」だったと思います。ノートに書いていた言葉の中に、8~9個のテーマがあったんですよ。その中から、このテーマを一番先に消化したい”と思ってできたのが、「ボイスメモ No. 5」でした。普段はトラックと歌詞を別々に作って組み合わせるということもあるんですけど、この曲はテーマ先行だったので、歌詞もトラックも同時にセッションで作っていて。プロデューサーさんと2人で模索しながら形にしていきました。
- EMTG:スピーディーに終わったということは、制作の過程がいつもと違ったんでしょうか?
- ちゃんみな:前回も今回もアメリカで制作していたんですけど、前回までは、トラックを作ったら歌詞を乗せずにメロディーだけをつけて、日本に持って帰って改めて歌詞を書いていたんですよ。自分の気持ちを整理しながら、何回も書き直して固めていったんです。でも、今回はプリプロ(レコーディング前の準備)の時点で歌詞も書いて。合計6時間で完パケレベルのものを1曲仕上げて、それで日本に持って帰るっていう流れでしたね。それは初めてのことで、新鮮でした。
- EMTG:とはいえ、ちゃんみなさんを“こだわりが強い人”と称した「Picky」が、『note-book -u.-』のリード曲になっているわけですから、短い時間内でも相当こだわり抜いたんでしょうね。
- ちゃんみな:そうですね(笑)。とくに「KING」は自分のPickyな部分が強く出て、7~8回録り直しました。毎回そうなんですけど、歌詞のニュアンスには人一倍こだわりがありますね。1度書き上げたものでも、時間を空けて見直して、書き直すことがよくあります。
- EMTG:「ボイスメモ No. 5」をライブで初披露した時は、アメリカで出会い“ジュリー”と名付けたギターで弾き語りしていましたが、ジュリーは曲作りの時も活躍したんですか?
- ちゃんみな:いや、曲作りのときはネイルが長いから、鍵盤のほうが弾きやすくて。でも、ジュリーもたまに愛でてますよ(笑)。素敵な出会いだったなって思います。
- EMTG:“出会い”と言えば、「ボイスメモ No. 5」以外のラブソングも新しい恋がテーマなんですか?
- ちゃんみな:「I cannot go back to you」は「Call」の続編なんですけど、「ボイスメモ No. 5」や「Baby」は『Never Grow Up』とは違う人をイメージして書きました。私、本当にしばらく恋愛してなくて、『Never Grow Up』までは過去の人のことばっかり書いてたんですよ。でも、久しぶりに新しい出会いがあったので、『note-book』にも<丁度新しいノートにしたんだ>っていうフレーズがあって。そこから新しい物語が始まりました。
- EMTG:同じ人について書いている曲なのに、「ボイスメモ No. 5」と「Baby」では彼のことを“君”、「note-book」では“あなた”と呼び分けているのはなぜですか?
- ちゃんみな:私が“あなた”って呼ぶ時は、すごく親密な人に対して言っているんですけど、「ボイスメモ No. 5」は始まったばかりの恋なので、「他の子にも興味があるんでしょ?」って、まだちょっと彼のことを疑っているんです。だから、「ボイスメモ No. 5」では“君”。でも、「note-book」は「あなたのことを信じるわ」って振り切った瞬間、“君”から“あなた”に変わった瞬間を描いています。
- EMTG:なるほど。始まったばかりの恋だから、<私の首にキスしては 他の子にまだ興味がある>なんて不穏なフレーズが出てきたんですね。切ない曲のほうが共感する人が多いんだろうなと思う反面、ちゃんみなさんが実体験をもとに曲を書いていることを知っているからこそ、幸せを願わずにはいられなくて……なんだかもどかしいです。
- ちゃんみな:そう、アーティストとしての成功が、すべての幸せに直結するわけじゃないんですよね。私も最近気づきました。私、1歳半から歌手になりたいという夢を追いかけてきて、そのままずっと突っ走ってきたので、一度も立ち止まったことがなかったんですよ。キラキラしているアーティストに憧れて、私もああなったらすごく幸せなんだろうな、私にとっての幸せはあそこにあるんだろうなって思っていたんです。でも、今この歳になって世界的に有名なアーティストを見ると、闇を抱えていそうで。私が向かっているところって不幸なところなのかな? 多くの人は、不幸に美しさを見出してのめり込んでいくのかな?って思ってしまったんです。
- EMTG:それが「ルーシー」の歌詞に書かれていることですね。
- ちゃんみな:あとは、「In The Flames」の<火花の近くで はにかんだ 私は世界一 綺麗だったでしょう>という歌詞とか、「KING」の歌詞にも繋がっています。
- EMTG:そう考えると、アーティストとして人気が出るほどに孤独になっていくのでは?と思ってしまうのですが、実際のところはどう感じていますか?
- ちゃんみな:作品を出すごとに溜め込んでいるものを出せているので、楽にはなっていますね。正直、曲を作る時って、お客さんのためを思って作ることは一切ないんですよ。でも、だからこそ、たとえばiTunesで1位になったりすると、自分の好きなことをやってこんなに賞賛してもらえるんだ!って、幸せを感じますし。ライブでは、私の実体験を書いた曲に対して、お客さんが自分自身の経験や思い入れを重ね合わせて歌として届けてくれるので、すごく素敵な空間だなって思います。ただ、プライベートで不幸があればあるほど、曲は書けるので……。今のところは、なんなんだろう?幸せって!っていう感じですね(苦笑)。
- EMTG:今後、底抜けにハッピーなラブソングを書きたいと思いますか?
- ちゃんみな:うん、書きたいとは思いますよ。でも今は、どう頑張っても切ない曲しかできないので。書ける日が来ればいいなって思います。
- EMTG:3月26日からは、東名阪にて対バンツアー『Me』+『u』TOURが行われます。東京公演はSKY-HI、大阪公演はACE COLLECTION、名古屋公演はアバンティーズとの対バンになりますが、どんなツアーにしたいですか?
- ちゃんみな:自分のワンマンライブのガッチガチの世界観に、相手を巻き込みたいですね。アバンティーズは、ツアーに向けてこれから仲良くなりたいと思っているんですけど。SKY-HIとACE COLLECTIONはもともとプライベートでも仲良くさせてもらっていて、お互いにリスペクトし合っているので、普段「一緒にこういうことをしたいね」って話していることをやっちゃおう!っていう感覚です。でも、仲が良いからこそ、遠慮なくやりたいですね。みんなには悪いけど、ちゃんみなの世界に染まってもらいます(笑)。
【取材・文:斉藤碧】
リリース情報
EP 『note-book -Me.-』
2020年02月19日
ワーナーミュージック・ジャパン
1. ボイスメモ No. 5
2. ルーシー
3. I cannot go back to you
4. note-book
2. ルーシー
3. I cannot go back to you
4. note-book
リリース情報
EP 『note-book -u.-』
2020年02月19日
ワーナーミュージック・ジャパン
1. In The Flames
2. KING
3. Picky
4. Baby
2. KING
3. Picky
4. Baby
お知らせ
■ライブ情報
ゲストアーティストを招いた『Me』+『u』TOUR を東京・大阪・名古屋にて開催!
ジャンルや年代を飛び越えたボーダレスなラインナップに!
[東京公演]
3/26(木) Zepp Tokyo
Guest:SKY-HI
info:CREATIVEMAN PRODUCTION
[大阪公演]
3/29(日) Zepp Namba
Guest:ACE COLLECTION
info::キョードーインフォメーション
[名古屋公演]
4/2(木) Zepp Nagoya
Guest:アバンティーズ
info:サンデーフォークプロモーション
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
ゲストアーティストを招いた『Me』+『u』TOUR を東京・大阪・名古屋にて開催!
ジャンルや年代を飛び越えたボーダレスなラインナップに!
[東京公演]
3/26(木) Zepp Tokyo
Guest:SKY-HI
info:CREATIVEMAN PRODUCTION
[大阪公演]
3/29(日) Zepp Namba
Guest:ACE COLLECTION
info::キョードーインフォメーション
[名古屋公演]
4/2(木) Zepp Nagoya
Guest:アバンティーズ
info:サンデーフォークプロモーション
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。