まさに大爆発級の進化を遂げた1stアルバムを投下! 全員インタビューで迫る!

Pulse Factory | 2020.02.21

 ライブハウス・シーンでめきめきと頭角を現してきた大阪の4人組・Pulse Factoryが1stアルバム『ULTRANOVA』をリリースした。ラウドロックをバックボーンに持ちながら、「どんな音楽が好きな人にもハマる音楽」を目標にジャンルに囚われない曲作りに取り組んできた彼らが作る楽曲は今回、これまでとは比べ物にならないくらい大胆かつ多彩なものに。その振り切り方から、SUPERNOVA(恒星の大爆発現象)を上回るという意味を持つタイトルも大いに頷けるが、ライブの景色が劇的に変わるんじゃないかと思わせるほどチャレンジングなアルバムを、なぜ彼らは作ることができたのか。メンバー全員に『ULTRANOVA』の制作の舞台裏を訊いた。

1st album "ULTRANOVA" Trailer

EMTG:これまで完全自主で活動しながら、『FLAGS』(2017年)と『Cloud Options』(2018年)という2枚のミニアルバムを全国流通させてきたPulse Factoryが、このタイミングでOfficial髭男dismやBBHFのマネジメントを手掛けるLastrumから『ULTRANOVA』をリリースしたのは、もちろん、さらに飛躍していきたいと考えたからなんですよね?
Masaki(Gt):そうです。RED in BLUEって仲がいいバンドが広島にいるんですけど、彼らと対バンしたとき、「RED in BLUEのディレクターをやってるLastrumの……」って紹介してもらって、その1年後、たまたま会って「誰か大人がついてやってるんでしょ?」「いや、自分らでやってるんですよ」「じゃあ、何か面白いこと一緒にやりましょう」って話になったんですよ。最初は、今までもそうだったように「信用できるのかな」って身構えちゃったんですけど、話してみたらフィーリングも合ったし、自分らでできることはもうやり尽くしたなという感覚もあったし、「このタイミングでそういう話をもらえるんだったら、一緒にやってみてどうなるのか見てみよう」ということで決まりました。
Katsutoshi(Ba):ライブの打ち上げに来てもらって、一緒にお酒を飲んだんですよ。
Nobu(Vo):そしたら今まで話してきた、いわゆる大人の人たちの中でもアーティスト寄りのレーベルだと思えたんです。だから『ULTRANOVA』のレコーディングも、アーティスト対レーベルというよりは、音楽の中身に関するアドバイスも含め、一緒になって作っていったと思えるところが結構あるんで、そこは良かったと思います。
EMTG:『FLAGS』『Cloud Options』とリリースを重ねながら、Pulse Factoryはライブで見える景色を含め、どんどん変化してきたと思うのですが、『ULTRANOVA』を聴くと、バンドはさらなる変化を遂げようとしているようですね?
Masaki:『FLAGS』と『Cloud Options』を作ったときは、ライブをかなり意識してましたね。というか、意識しすぎてたんですよ。シンガロングもかなり取り入れてたし、「ライブでこうしたいから、ここはちょっと無理やりにでもこういう展開にしようぜ」って作ってたし。もちろん、前向きな意味でだったんですけどね。全員がそういう意識の下、曲も書いてたし、歌ってたし、演奏もしてたんですけど、その後ライブをやりながら、盛り上がるけど盛り上がりっぱなしすぎるライブだなって思うようになって(笑)。それはあんまり良くない意味でというか、悪く言えばライブに緩急がないというか。いや、やってるほうは楽しいし、たぶん観てるお客さんも楽しいはずなんですけど、十八番で攻めすぎるというか、シンガロングしながらみんなでワーワーやってるだけなんじゃないかって。
EMTG:ただただ楽しいだけで終わらずに、もうちょっと気持ちに残るところも欲しかった、と?
Masaki:そうですね。「ライブ楽しかった!」って、感想としてはすごくいいと思うんですけど、どんな曲だったかまでは覚えてねえだろうって(笑)。なんて言ったらいいのかな……「ライブ楽しかった。かっこよかった」もいいんですけど、「あの曲めっちゃ良かった」っていうのは、ずっと盛り上がりっぱなしだったらそんなに残らないんじゃないかなっていう感覚があったので、今回は意識的に、できるだけそういうところを排除しよう、と。排除って言うと後ろ向きに聞こえるかもしれないですけど……。
Nobu:あえて一歩引いて。
Masaki:ライブはどうなるかちょっとわからないけど、曲として完成度を求めに行きました。とはいえ、ライブありきのバンドではあるから、4曲目の「希」をはじめ、今までの俺たちらしい曲も入ってるんですけど、いまだに「これ、ライブでどうなんの?」ってフロアの感じがイメージできない曲は結構ありますね。
EMTG:なるほど。それについては後ほどじっくり聞かせていただきたいのですが、その前に、今回はEMTG MUSIC初登場なので、バックグラウンドを簡単におさらいさせてください。元々は、専門学校の同級生で結成したんですよね?
Masaki:はい、この3人は。Nobuは1個下なんです。
EMTG:当時は「とりあえず、うるさいロックをやろう」と考えていた、と。
Yussan(Gt):ハハハ。最初はそうだったかもしれないですけど、それを続けようとは。今年の7月で出会って9年目になるんですけど、ジャンルに囚われずに活動してきたと思います。
Masaki:でも、いまだに根底にはあると思いますよ。落ち着きたくないというか、変にアダルトな感じはなくていいかなとは思ってますからね。
Yussan:うるさいロックというか、重いロックという軸はありつつ、幅広くという感じではありますね。
EMTG:『FLAGS』リリースのタイミングで、どんなバンドがルーツなのか聞いたら、NobuさんがONE OK ROCK・RADWIMPS・ELLEGARDEN、Katsutoshiさんがギターロックとフュージョン、YussanさんがX-JAPAN・GREEN DAY・ヒップホップ、MasakiさんがMr.Childrenとメタル――と答えていたのですが、その後、それぞれに聴く音楽は変わっていったのでしょうか?
Masaki:今はヒットチャートばかり聴いてしまいますね。今、どんな音楽が日本のチャートを占めているのか、やっぱり気になるんで。それが好きか嫌いかは1回置いておいて、勉強のために聴いてますね。そのなかで、「この曲いいな」って思うこともめっちゃあります。最近で言ったらヒゲダンやな(笑)。ヒゲダンは、やっぱいいなって思ってしまいますね。めっちゃ悔しいですけどね。それだけ斜に構えて聴いてるつもりなんですけど、それでもいいなって思ってしまうヒゲダンの曲の良さ。ヒゲダンのアピールしてますね(笑)。
EMTG:ヒットチャートを聴いてしまうっていうのは、自分たちもそこで勝負したいからということなんですよね?
Masaki:そういうことですよね。
Yussan:食い込んでいきたいですからね。だから僕も勉強と思って、ワールド・ヒット・チャートを聴きますね。
EMTG:最近良かったのは?
Yussan:中学生の時に衝撃を受けたEMINEMが新譜を出したんですけど、ラップ・ゴッドが戻ってきたという衝撃がありました。
Katsutoshi:僕は元々「ジャンルって何?」って感じで、いいものはいいという考えだったので、歌ものというか、メロディが良ければなんでも聴いてましたけど、最近はもうLiSAばかり聴いてますね。めっちゃ好きなんです。
Masaki:普段からおまえ、言うてるな。
EMTG:この間、結婚されましたよね。
Katsutoshi:しました、しました。
Masaki:その時、どう思った?
Katsutoshi:僕はもうそういうファンじゃないんで。(結婚のニュースが)Twitterで流れてきたとき、泣きそうになりながら「おめでとう」って。
Masaki:ただのファンやんけ。「おめでとう」やあらへんて(笑)。
Katsutoshi:曲が幅広いんで、飽きないんですよ。
EMTG:Nobuさんは?
Nobu:最近はヨルシカをめっちゃ聴いてます。めっちゃファンですね。
Masaki:Nobuが書いた今作の歌詞を読んでも、ヨルシカの影響は感じますね。そもそも持ってたものもあるんでしょうけど、ヨルシカの歌詞って、なんて言うんかな……。
Nobu:藍坊主に近い。
Masaki:ああ、わかるわかる。
Nobu:僕、感情を直接表現した歌詞よりも、その感情の時に見える景色が言葉から浮かぶような歌詞が好きなんですよ。ヨルシカもそうなんです。曲の中に景色がめっちゃ見えるんですよ。
EMTG:影響というか、そういうところから刺激を受けて、自分ももっともっと、と。
Nobu:そうですね。元々やりたかったことが、より明確にできるようになりましたね。
EMTG:なるほど。そんなふうに、それぞれに聴いてきたものから受けた刺激が、自分たちが作る音楽にも反映されているかもしれないわけですね……というところから、『ULTRANOVA』の話になるのですが、さっきおっしゃっていた「一歩引いた」というのは、たとえばどの曲になるのでしょうか?
Masaki:リード曲の「Sky’s the Limit」はそうですね。今までであれば、シンガロングできるようにしてたと思うんですよ。
EMTG:音数も今回の中では少なめですね。
Masaki:そうですね。削ぎ落としていきましたからね。《Clap Clap Clap》とか《Cha Cha Cha》とか、お客さんがアクションできるようなところも入れてしまってるんですけど、それは性癖みたいなものだから今さら変えられない(笑)。どうしても入れちゃうんですけど、意識的に引いた分、どこを耳に残せるんだろうかっていう。これまでだったら、シンガロングがたぶん1曲通していちばん耳に残ったと思うんですけど、「Sky’s the Limit」はそれを引いたので、代わりに耳に残るところを作らなきゃいけなかった。サビというか、シンセがリードを取ってメロディを奏でるセクションがあるんですけど、そこはいちばん耳に残ってほしいという意識の下、作りました。その結果、それが功を奏して、今までの自分たちにはないテイストの曲になったことはもちろん、俺たちはシンガロングだけじゃないぜ!ってところを自分らでも認識できたし、提示もできたし。
EMTG:サビが楽器の音色だけになるって、EDMの手法ですよね。
Masaki:そういう曲がめちゃめちゃ好きで。シンガロングを引いた代わりに何を耳に残すかって考えたとき、EDMの手法がいちばん合ってたし、自分らとしても新しかったんです。Mark RonsonとBruno Marsが共演した「Uptown Funk」に♪タラタタッタラタタッっていうかなりスタッカートしたブラスが入ってくるパートがあるじゃないですか。あの符割とEDMを合わせたらっていうイメージで作りました。
EMTG:そういえば、ギターのカッティングもファンキーで、「Sky’s the Limit」はちょっとR&Bっぽいところもありますね。
Masaki:そういう要素も出していきたかったんですよ。
Pulse Factory - Sky’s the Limit [Official Music Video]
EMTG:『ULTRANOVA』にはEDMに加え、ファンクを含めたブラックミュージックの要素が入っているという印象もありました。Yussanさんが作曲した「Oh My God!!」もテンポは速いけど、結構ファンキーですよね?
Yussan:出だしはそうですね。ただ、ギターサウンドという僕らの土台も入れたかったので、そういう要素も加えながら、EDMっぽいセクションも作って、流れの中で景色が変わる曲になったらおもしろいんじゃないかといろいろ試しながら作りました。
EMTG:『FLAGS』『Cloud Options』と聴いてきて思ったのですが、『ULTRANOVA』を作ったことで、ライブの景色はかなり変わりそうですね。「WRAP AROUND」と「isolation」は、もはやバンドサウンドじゃなくなってしまっていますが。
Masaki:そうなんですよ(笑)。だから、そこも囚われずに行こうぜというか、バンドの限界を広げるという意味で、「もうバンドじゃなくていいんじゃない?」みたいな(笑)。ライブを意識しすぎるから、4人で演奏できるものに囚われていたんですけど、こういう曲も作りたいんだったら、ライブはどうなるかわからないけど1回置いておいて、作りたい曲を作ってみようやって。
Nobu:一歩引いたら視界が広がるじゃないですか。そしたら、今まで見えてなかったはしっこも視界に入っちゃったんで、それも全部入れちゃおうっていう(笑)。ライブが想像できなくても、なんとでもできるんじゃないかって。
EMTG:「WRAP AROUND」は、生の楽器は使っているんですか?
Nobu:一瞬入ってますね。
Yussan:ギターだけ。あとはドラムもベースも打ち込みです。
Masaki:(Katsutoshiに)おまえ、楽したなぁ(笑)。
EMTG:その分、「Oh My God!!」でスラップを入れているじゃないですか。
Masaki:そうですね。地味な抵抗を(笑)。
Yussan:それも挑戦というか。あえての。
Katsutoshi:そういうのもありなんじゃないですかね。僕はなんでもありっていう考え方なんで。
Masaki:でも、ライブでな。ライブでどうなるかわからへんやん。それがおもろいやん。
Katsutoshi:ライブでも弾かんけどっていうのもある(笑)。
Masaki:それもおもろいけど。
Katsutoshi:(ステージに)立ってるだけってことだよな、たぶん。ハハハ。
Yussan:そういういろいろな切り口でできるってことですよ。
EMTG:ライブでシンベを弾くこともできるじゃないですか。
Masaki:ああ、なるほど。たしかに。それ、ええやん。
Katsutoshi:それはやろう。
Masaki:いや、やれよ、ほんまに。ここで言うだけにするなよ(笑)。
EMTG:「WRAP AROUND」と「isolation」。ライブでやるんですか?
Masaki:やらざるを得ない。(アルバムに)入れちゃったんで(笑)。
Yussan:いまだに想像できないですけど。
Masaki:いや、「WRAP AROUND」はほとんど生の音が入ってないわけだから、逆にライブの時はそこに音をプラスできるってことで、かなり迫力があるというか、重厚感のある曲に進化していくんちゃうかな。
EMTG:ライブにこだわらない曲作りをしたことで、ライブの可能性が広がったところがおもしろいですね。
Masaki:結果的に、そうなりましたね。
EMTG:さらにシンガロングとは違う盛り上がり方ができる「CHAPTER SONG」という曲も加わって。
Masaki:僕は作っててこういうメロディがいちばん得意なんですよ。ミスチルをはじめ、古き良き時代じゃないですけど、J-POPがルーツにあるので、こういうのがいちばん得意で、書きやすくて、だから書いてはいたんですけど、これまでやとこの曲はNGだったんです、バンド的には。そういう曲を、今回、しかもアルバムの最後に入れたことで、聴いた人の記憶にいちばん残ると思うんですよ。そういう意味では、武器が増えたわけなんですけど、この曲もやっぱりライブでどうしようかって。僕らが今作ってるライブの雰囲気の中にぽんといきなりぶっこんでも、たぶんこっちもそっちもお互いに戸惑うというか。どの顔で弾くねん、どの顔で聴くねんっていう(笑)。そんなことないですか? 
EMTG:大丈夫じゃないですか。いや、無責任に言っちゃいましたけど(笑)。
Masaki:どう演奏していいのか、どう聴かせたらいいのか、アルバムの中でいちばんわからない。
EMTG:ゴスペルっぽいところもあって、みんなでハンドクラップしながら……。
Masaki:ハッピーになれると思うんですけど、やるとしたらアンコールをもらった時とか、それこそエンドSEとか(笑)。これを対バンライブの30分で入れるのは難しい。ワンマンでしかできないんじゃないかな。でも、いちばん好きですけどね。
Yussan:キャッチーさはいちばんあるから、幅広い人に好きって言ってもらえると思うんですけどね。
EMTG:そんなところも含め、大爆発という意味を持つタイトルがふさわしい大胆なアルバムになったと思うのですが、2月24日に大阪のアメ村DROPで開催するキックオフ・フリーライブを皮切りに「夜明けを往け」と題したリリースツアーがあるんですよね。今日のお話から、どんなライブになるのかかなり楽しみなのですが、どんなツアーにしたいと考えていますか?
Nobu:『ULTRANOVA』を聴いて、初めてライブに足を運んでくれるお客さんも少なくないと思うんですよ。そこで出会ったお客さんに対して、その1回だけで終わらずに、また行きたいと思ってもらえるようなライブにすることはもちろんなんですけど、僕らにとってもライブ、どうなるんだろうっていうワクワクがこれまででいちばんある曲ばかりなんでね、曲を育てながら、手探りだったものが段々はっきりとした景色として見えるツアーにしたいですね。たぶん、そういうツアーになると思います。早くやりたいですね。

【取材・文:山口智男】


Pulse Factory - BRITOM [Official Music Video]

tag一覧 J-POP アルバム インタビュー 男性ボーカル Pulse Factory

リリース情報

ULTRANOVA

ULTRANOVA

2020年02月12日

ラストラム・ミュージックエンタテインメント

1.ULTRANOVA(SE)
2.風に鳴れ
3.BRITOM
4.希
5.WRAP AROUND
6.Isolation
7.Oh My God!!
8.Sky’s the Limit
9.CHAPTER SONG

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

Pulse Factory 1st album ”ULTRANOVA” Release TOUR
"夜明けを往け" KICK OFF FREE LIVE

2/24(月・祝)大阪 アメ村DROP

Pulse Factory 1st album ”ULTRANOVA” Release TOUR
"夜明けを往け"
3/7(土)北海道 札幌SPICE
3/8(日)北海道 苫小牧ELLCUBE
3/13(金)京都 MUSE
3/26(木)宮城 仙台 enn 3rd
3/27(金)新潟 CLUB RIVERST
3/28(土)千葉 LOOK
3/29(日)神奈川 横浜BAYSIS
4/4(土)福岡 Queblick
4/5(日)岡山 CRAZY MAMA 2nd Room
4/6(月)兵庫 神戸太陽と虎
4/11(土)静岡 浜松FORCE
4/12(日)愛知 豊橋club KNOT
4/19(日)愛知 今池3STAR
4/26(日)東京 渋谷club asia
5/1(金)大阪 アメ村DROP

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る