レルエとリスナーとの出会いを繋ぐ作品にしたいという想いが込められたメジャー1st EP『Eureka』

レルエ | 2020.03.02

 EDMやエレクトロなどのエッセンスを取り入れながら新鮮なサウンドを開拓し続けているレルエが、メジャー1st EP『Eureka』をリリースする。流麗なバイオリンの旋律とエネルギッシュなバンドサウンドを核としながら多彩な世界を描く作風が、さらに進化している作品だ。アニメ「モンスターストライク」最終章『エンド・オブ・ザ・ワールド』の主題歌「キミソラ」も収録されている『Eureka』は、どのようにして生まれたのか? メンバーたちに語ってもらった。

EMTG:完成した今回のEPについて、どのようなことを感じています?
櫻井健太郎(Vo/Gt):前作の『Alice』は「挑戦」的なイメージだったんですけど、今回は「レルエが現状で固めている方向性をどれだけアウトプットできるか?」ということに重点を置いた1枚になったのかなと思います。前作は明確なテーマがあったんですけど、今回はいろんな雰囲気を散りばめた感じにもなってますね。
エンドウリョウ(Ba):『Alice』を経てのレルエというものを表現できました。今までのレルエは、「夜」みたいなイメージもあったと思うんですけど、今回は「キミソラ」も含めて、光が射してるような感じの曲も出てきましたね。

「キミソラ」Music Video
saya(Violin/Syn/Cho):5曲それぞれ異なる表情のものにしたいというのは、3人が共通して考えてたことです。バイオリンに関しても入ってる曲と入ってない曲がありますし、アプローチ的に幅広いことができました。
EMTG:今回の多彩な5曲の中で、一足早く世に出たのが「キミソラ」ですね。アニメ「モンスターストライク」最終章 『エンド・オブ・ザ・ワールド』の主題歌ですけど、制作の過程も新鮮だったのでは?
櫻井:ほんとそうでした。こういう形で曲を書き下すのは初めてでしたので。先方の具体的なイメージや熱意を伝えていただいて、それを踏まえての作曲だったんです。例えば、歌詞で使った《守る》とかは、今までは使ってなかった言葉なんですよね。作品に沿った上でレルエとしての表現をしたかったので、歌詞の面でも新しい印象になってると思います。
saya:「キミソラ」が流れる「最終章」のストーリーは、ビナーというキャラクターが割とメインになるというお話を聞いてたので、声優の堀江由衣さんの声の感じも意識して、過去のエピソードも遡って観たりしながら、いろいろイメージしました。そういう作り方も、今までになかったことでしたね。
櫻井:僕が重要視したことのひとつは、イントロです。劇中で流れることも考えながら、例えば「セリフと共に流れた時、このイントロから始まって、どういう風に展開していくんだろう?」とか想像したので。あと、このアニメはCGを駆使した作品でもあるので、CGから受ける印象とかテイストも楽曲に落とし込みたいと思ってました。
エンドウ:CGならではのデジタル的なテイストっていうことだよね?
櫻井:うん。そういうイメージも踏まえつつ、デジタル的になり過ぎないニュアンスを探したんです。
EMTG:放送されたアニメの中で「キミソラ」が流れるのを観た時は、独特な感慨がありました?
櫻井:はい。キャラクターが動いているのを観ながらレルエの曲を聴くのは、すごく嬉しかったです。アニメが好きな人にレルエの存在を知ってもらえたのも、良かったと思ってます。
saya:『モンスターストライク』のアニメで知ってくださったんだと思うんですけど、YouTubeのコメントで、海外の人からのコメントもありましたね。読めない言語があったのも嬉しかったです。今まで以上に届いてるっていうことを実感したので。
EMTG:「キミソラ」は、サウンドもすごく気持ちいいですね。
櫻井:ありがとうございます。楽曲を作る作業はパソコンに向かう時間が多くて、ミニマムな状況ですけど、『モンスターストライク』の世界を表現する上でも、「どれだけ大きなスケールのものにできるのか?」とか「サビで一気に広がって、情景が浮かぶもの」ということを意識したんです。
EMTG:ダンサブルさという点でも強力ですね。
エンドウ:レルエが基盤にしてるEDMとかのダンスミュージックの部分も出てると思います。ベースを弾く上でもサビの部分の勢いとか、後半の畳みかけるようなドラマチックなニュアンスを意識しました。
EMTG:バイオリンに関しては、どのようなことを考えました?
saya:バイオリンは生楽器ですけど、「キミソラ」では生々しさを出すというよりは、世界を広げるような方向で使いたいと思ってたんです。だから上の方の音域で弾いてみたり、最後のソロは覚えやすいメロディにしてみたり。そういうのも新しいチャレンジでした。
EMTG:やはり、レルエの音楽の中でバイオリンが担っている役割は大きいですよね。
櫻井:そうですね。「どういう立ち位置でバイオリンを活かすのか?」というのは、毎回いろいろ考えるんですけど、sayaがすごく工夫してくれてます。
saya:バイオリンは、一歩間違えると印象がうるさいものになりますし、変な空気になっちゃうんです。海外のダンスミュージックは、かっこよくストリングスが入ってたりするので、そういうのも聴きつつ、自分なりの手法をいろいろ考えてます。
櫻井:バイオリンは、とても個性が強い楽器でもあるので、使い方によって曲全体の雰囲気が大きく変わるんですよね。だから、日々試行錯誤です。
saya:レルエの楽曲の幅はどんどん広がってるので、バイオリンもそれに合わせて成長していかなきゃいけないですね。
EMTG:たくさん工夫してくれるメンバーの存在は、ソングライターの櫻井さんとしても心強いんじゃないですか?
櫻井:はい。レルエはメンバー同士の信頼によって成り立ってるバンドなんですよ。だから「ここは任せる」とか「ここは俺がやる」とかいうことは、すごくできてると思います。そういうのがあるから、バンドは面白いんですよね。
EMTG:櫻井さんも、曲を作った後はメンバーのひとりとして「どう演奏して表現するか?」ということに関して知恵を絞るわけですね?
櫻井:はい。実は演奏するのが大変な曲が多いんですよ。歌うのも大変ですし。
エンドウ:そうだろうね。
saya:基本的に音が高いから(笑)。
櫻井:ボーカリストとして曲を作っていれば、歌いやすくするように意識するんでしょうけど、パソコンに向かってる時は作曲家として作ってるので、こうなるんですよね。
saya:「歌える」じゃなくて、「欲しいところ」っていうのを最優先で考えるの?
櫻井:うん(笑)。歌えるかどうかということよりも、美味しい部分を優先してます。だから作った後で、「頑張らないと……」ってなるんです。ギターも妥協したくないので、曲を作る度に自分の限界を突破してるところがありますね。
EMTG:今作の1曲目の「あふれる」も、3人が全力で良いサウンドに仕上げているのが伝わってきます。
櫻井:ありがとうございます。「あふれる」は、「レルエのEDMサウンドをどれだけ発展させることができるか?」ということを思ってました。
EMTG:これも、すごくダンサブルですね。
櫻井:やはり、そこはレルエの根本にあるんですよね。「ダンサブル」っていうのは「楽しさ」に繋がりますから、そういう要素を根本に持ちつつ、ポップスとして聴き入ることができるものでありたいんです。
エンドウ:僕らの音楽は、ダンサブルって言っても、激しく拳を突き上げられる感じではないんですよね。自然と身体が揺れたり、昂揚感が得られるっていうのを、どちらかというと重視してるので。「なんか知らないけど踊っちゃう」っていうのが、レルエを聴いた時にあって欲しいって思ってます。
櫻井:僕、根本に洋楽インディーが好きというのがあるので、そういうのも出てるのかもしれないですね。ダンスビートやEDMって、「シンプルな中でどれだけ踊らせることができるのか?」っていうのも大事なので、シンセサイザーの使い方もいろいろ考えてます。
EMTG:「深海」も、シンセサイザーの音の響きが心地よいです。
櫻井:これは、いろんなSEを漁ってる時に「深海っぽい音だな」っていうのを見つけて、そこから広がっていったんです。
saya:デモの段階からタイトルが「深海」だったんですよね。でも、これは真っ暗なイメージではないんです。「もし深海に光が射したらどんな感じなのか?」ということを想像しながら音を付けていった感じでした。
エンドウ:浮遊感を大事にしたかったので、ベースラインに関しては、そういう部分も工夫しました。
EMTG:レルエの3人は、音から想起される風景とか質感をすごく大事にしていますね。大きいキャンバスに描いた絵を3人で仕上げるような感覚で演奏しているんでしょうか?
櫻井:まさに、そういう感じなんだと思います。僕も絵を描く感覚で作ってますので。だから、楽曲に関して明確に言葉で説明できる部分とできない部分があって、それが逆に面白いのかなと。聴いた人にもいろんな想像をして欲しいです。
EMTG:例えば「pulse」は、深夜の都会の人通りの少ない風景……みたいな感じですかね?
櫻井:なるほど。聴いてる人に、そうやって想像してもらいたいんです。
EMTG:洗練されたオシャレなサウンドだけど、穏やかなムードも漂わせているので、東京で言うならば、日比谷公園付近とか、新宿御苑の辺りかも。草木が生い茂る向こう側に都会のビルが見えるあの感じなのかなと。
櫻井:面白いですね。この曲、完成させていく過程で、夜の自然の風景みたいな感じも出てきたんです。だから、まとめるのがなかなか大変だったんですけど。
EMTG:「白」に関しては、どのようなことをイメージしながら作りました?
櫻井:「白」は、白なんですけど、白じゃない……というか。これって、「白って何なんだろう?」って考えながら作ったので。
EMTG:白を基調としつつも、時々原色が垣間見える感じがする曲です。
saya:最後のバイオリンのソロは、そういうイメージでした。「ここだけ色があって、他は白黒で」みたいな感じのことを思い浮かべてたので。
エンドウ:ベースに関しても、途中のところどころのフレーズで色を足したり、足しそうで足さない……っていうようなニュアンスのことを考えてました。
櫻井:「白」は、場面が結構変わるんです。今後、ライブでやっていくのが楽しみな曲でもありますね。
saya:新しい曲、ライブでどんどんやっていきたいですね。レルエは九州や四国とか、まだ行ったことがない場所もたくさんあるので、今年はライブもたくさんやりたいです。
櫻井:去年1年間を通して「ライブで、こういう曲もできたらいいな」というのがいろいろあったので、今回のEPはそういうのを形にした作品でもあるんです。「新たな出会い」とか「リスナーとの出会いを繋ぐ作品にしたい」というのも思ってたので、これからさらに広く発信していきたいです。

【取材・文:田中 大】

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リリース情報

Eureka

Eureka

2020年03月04日

ビクターエンタテインメント

01.あふれる
02.キミソラ
03.深海
04.pulse
05.白

お知らせ

■マイ検索ワード

櫻井(Vo/Gt)
ビリー・アイリッシュ ライブ
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エンドウ(Ba)
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saya(Violin/Syn/Cho)
Leqtique Roger
Leqtiqueというメーカーの歪み系のエフェクターです。「バイオリンは生音でいこう」って思って、持ってたエフェクターを全部売った時期があったんですけど、やっぱり欲しくなってきて買いました。自分の欲しい音のイメージは自分で示してエンジニアさんとかに伝えないといけないので、表現の手助けとしても、エフェクターを探すようになってます。



■ライブ情報

LELLE acoustic in-store tour “Eureka”
03/28(土) タワーレコード梅田NU茶屋町店 イベントスペース
04/04(土) タワーレコード渋谷店 5F イベントスペース

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見放題東京2020
03/07(土) 東京新宿歌舞伎町界隈14会場

ARABAKI ROCK FEST.20
04/25(土)・26(日) みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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