“自分の人生の主人公は自分自身だ”という想いを込めた、Cloque.初のフルアルバム『ネイキッドブルー』

Cloque. | 2020.03.17

 3ピースバンド・Cloque.が、3月18日に自身初となるフルアルバム『ネイキッドブルー』をリリースする。昨年12月には渋谷CLUB QUATTROでワンマンライブを行い、日々起こりうる出来事や感情の起伏を見落とさず、バンドのオリジナリティとして昇華させながら精力的に活動し続けるCloque.。そんな彼らが、日々の生活やバンド活動の中で“自分の人生の主人公は自分自身だ”という改めて得た気付きを深堀りして作り上げた今作について、メンバー全員に話を訊いた。

EMTG:初のフルアルバムですが、構想はあったんですか?
村松利彦(Vo/G):フルアルバムになるかどうかは分からなくて、できたらそれでいこうかくらいの感じでした。テーマは、今までも俺が勝手に作っているんですけど、去年リリースした配信シングルの「モノクローム」という作品を作っている時に、“自分の人生の主人公は自分だけだ”と思ったんですよね。だから、今作もそれらを軸に人生の中で起こりうる色々なシーンを切り取った曲を作っていきました。テーマ自体は最初に決まってはいても心変わりする可能性があるから、メンバーにも共有しないことが多いですね。
古田秀人(Ba/Cho):今作も共有はされなかったですね。こういう曲ができたよ、じゃあやろうって感じでした。
村松:作っていく過程の中で、テーマ自体が変わっていく場合もあるから言わないっていうのもあります。
EMTG:「モノクローム」も含めて、どうして今、作品を通じて“自分が人生の主人公だ”と言おうと思ったんですか?
村松:アルバム収録曲の「モノクローム」、「手の鳴る方へ」、「同じ速度で」の3曲が、自分の中で大事なシーンの歌だったんですよね。自分が一番グッときた時の感情が「モノクローム」の歌詞になって、「手の鳴る方へ」はライブハウスの歌になって、「同じ速度で」は、大切な人と歩幅が違うとしても隣で歩いていこうという曲になりました。
EMTG:今作に収録されている新曲に関しては、そういった軸を持ちながらスパっと生まれてきたんですか?
吉見裕太郎(Dr/Cho):いや、ギリギリっすね。
古田:ネタ自体は早い段階からあったんですけど、アレンジや構成を作るのに時間がかかったので、結果的にギリギリでしたね。でも、こんなに切羽詰まったのは今回が初めてでした。単純に曲数も多いし、今までと同じ感覚で作っていったからだと思います。
村松:レコーディングの一週間前くらいまでずっと曲を作ってたね、珍しく。
吉見:特に「スピカ」は結構長くかかったと思います。俺も、この曲は大事にしたいと思って、ドラムとしてだけではなく、全体として何パターンも考えた曲です。
EMTG:アルバムタイトルを『ネイキッドブルー』にした理由は?
村松:主人公というテーマがあって、自分らしさを大事にしたいと思ったときに出てきた単語が「ネイキッド」だったんです。ネイキッドに続ける言葉で結構悩んだんですけど、“己が持っている心の青さ”という意味で『ネイキッドブルー』と付けました。
EMTG:2ndミニアルバムのタイトルでも「蒼」という色を使っていますけど、Cloque.にとって大事な色なんですか?
村松:大事にしているのかな?結果論というか、大事なものがそこにあるような気がするというか。でも、逆にそれに縛られすぎていた時期があって、青色から抜け出そうと思っていた頃もありました。
吉見:イメージだけでも完全に青だよね。
村松:そうだよね(笑)それこそ2ndミニアルバムの『この蒼い日々を』をリリースした後くらいは抜け出したいと思っていたんですけど、今作は原点回帰という気持ちもあって、青という色を使いました。
EMTG:自分たちが思う、Cloque.らしい青さって何だと思いますか?
村松:ああ、なんだろうな。あんまり考えてないですね。主人公からイメージできる色って、赤とか黄色とかだと思うんですよ。で、その反対側に青があるのかなと、勝手に裏テーマとして思っているというか。1stミニアルバム『今日を越えて』のジャケットも、青色と黄色を使っているんですけど、自分の明るさだけでは歌えないことが、自分の中で「青」として滲み出ているんじゃないかな。だから歌詞も青臭くしようと思ったことはないですし、自然とその裏側を歌っているんだと思います。
EMTG:なるほど。今作は、メロディのスピード感やパワーバランスからも初期衝動を感じます。
村松:ロックっぽくしたいという気持ちはありました。前作がポップ色の強い楽曲だったなと思って、それも良かったんですけど、テンポ感やノリも含めて、全体的に丸みを帯びない方が届くのかなと思って。ミックスやマスタリングも、そういうテイストにしてください!と伝えていました。
EMTG:「Rainy daisy」と「I」のショートチューンが畳みかけてくるタームはまさに!という感じですね。
吉見:速い曲は、ドラムとしては疲れるからしたくないんですけどね。
全員:(笑)
吉見:ライブ感としては好きですけど!
古田:ベースはドラムほど動くことはないので疲れるとかはないですし、楽しいですよ。お客さんの反応もそうだし、それぞれ今までそういう音楽を聴いて育ってきたから、単純に気持ち良いですね。
EMTG:作曲やアレンジをする時にはライブを想定するんですか?
村松:そうですね、ライブが一番大事ですからね。
EMTG:このまま各楽曲の話に入っていこうと思います。リード曲の「スピカ」はどういう想いで作られたんですか?
村松:スピカという星は、普通に見ると1つだけど、本当は5つの星が並んでいるんですよ。自分自身が何かと見失いがちな人間なので、スピカと同じように、見えていないだけで自分の周りに大事なものが落ちているんじゃないかと思って作りました。

Cloque. - スピカ (Official Music Video)
EMTG:Cloque.の楽曲には星や月というモチーフが多く出てくるように思いますが、それは意識的にですか?
村松:なんでなんですかね、単純に好きだからですかね。普通にプラネタリウムも観に行っちゃうような人間なので。空にあるものって手が届かないからこそ想像できるし、本当のところが分かりすぎないからこそ、自分の気持が勝手にハマってくれるからかもしれないです。
EMTG:逆に「Photogenic」は現実的で、風刺的な意味合いも込められているように思いました。
村松:そうですね、これは“映え”アンチの歌ですね。そういうことに目がいってしまっている人を見て作った歌というか、自分はそうなりたくないなと思っていたりもするので、客観性がある曲です。曲に尖りを出していきたいと思うことはないんですけど、曲が大きくなってきた時に自分の暗い部分というか、ヘイト的な重い部分を足さないと納得がいかないっていうことはあるかもしれないです。
EMTG:自分のダークな部分を曝け出して、自分の理想と相反する気持ちを曲に投影することへの抵抗や怖さはないですか?
村松:別に嫌いではないんですけど、得意ではないなぁと思いながら曲を作ってます(笑)
EMTG:「僕らの愛のうた」は、今まで様々な愛情を歌ってきたCloque.にとって、“愛”という言葉を初めてタイトルにそのまま出した楽曲ですね。
村松:単純に言うと、みんな幸せになれたらいいなと思ったんです。そこから、みんなの幸せを感じる瞬間ってどういうシーンだろう?と考えたら、結婚式の二次会の画がぱっと浮かんだんですよね。挙式の厳かさではなく、緊張も解けて幸福感に満ちた時のあの景色を思い出しながら書いた曲です。
EMTG:結婚というモチーフも出てきましたが、Cloque.の楽曲の中の“君”と“僕”という人物同士の関係性が、今作は特に恋愛関係だけではなく、もっと広くなっているように思いました。
村松:元々、あんまり恋愛を想定して曲を書くこと自体が少ないんです。いつも“僕”と“君”と“あなた”の関係性は、友達だったりお客さんだったりライブハウスだったり、そういった繋がりを考えながら曲を作ることが多いです。
EMTG:なるほど。<きらきら光る薬指>という言葉も出てくる「ユニオン」の方が、個人的には結婚式を想起させる曲だと思ったのですが、それはまた違いますか?
村松:これこそ、自分とライブに来てくれるお客さんの歌だったんですよ。その関係性を、ダイレクトに歌うのではなく、違う形で誰かに届けられないかな?と思った時に、リンクさせるキーワードとして<薬指>という言葉を後付けしたんです。ユニオンという言葉も“一緒になる”という意味で、それもライブのあの空気感を思ってつけたので。
EMTG:シンガロングを促すフレーズはあっても、ここまでがっつりコーラスをメインにしたのは珍しいというか、初めてですよね?
村松:そうですね。元々歌詞が全然違かったんですけど、ライブの光景も思い浮かべながら、みんなで歌えるようにしたいなと思っていました。
古田:これはベースとして僕が声を入れて、そこにレコーディングに遊びに来てくれた友達の声を被せて録りました。
EMTG:ラストナンバーとして、バラード調にしてもいいようなロマンチックな歌詞ではありつつも、メロディがツービートで始まって、意表を突くような仕上がりになっているなと思いました。
村松:違う共感の仕方を提示したかったので、歌詞の雰囲気にテイストを合わせるということはしなかったです。歌詞で言えば、「僕らの愛のうた」で歌われているシーンとの繋がりを持たせたかった部分もあったので。
EMTG:「HELLO NEW WORLD」の<鏡に映ってる最低な僕に/ここらへんでさ 手を振って じゃあね>という歌詞を読んで、渋谷CLUB QUATTROで行われた初ワンマンの時に仰っていた「自分のことが好きになれない」というお話を思い出しました。アルバムのトップの楽曲かつ疾走感のあるサウンドに、ポジティブではない自分の要素を入れた理由は何ですか?
村松:これは、“変えたい”という衝動で作ったんです。“変わりたい”だけじゃぱっとこないというか、自分がいまどういう状況でどう変わっていきたいかを、はっきりと残したかった。“最低な自分”がメインではないんですけど、さっき話した明るい部分を出すために暗い部分を曝け出すという意味合いでも、提示したかった部分ですね。
EMTG:今作を作るにあたっての挑戦や、ご自身が思う聴きどころはありますか?
古田:僕はラストの「ユニオン」が一番好きで、最初に歌詞を見た時は、同じように結婚式を想像していたんです。単純にすごくいい曲だなと思ったし、そういった雰囲気の曲なのにツービートで始まったりシンガロングが入ってきたりして、色々想定外ではあったんです。でもそれがいい感じにハマったので、やっていて気持ち良かったですし、この曲がアルバムのラストに入って、すごく締まった感じもして良かったなと思います。
吉見:今作は、今までに比べても「お!きたな!」と思う曲が多かったですね。でも、そこまで気張ったりロックを意識しすぎたりすることなく、ドラムを叩けた感じはあります。
EMTG:初の渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライブ、さらにフルアルバムのリリースを経て、新たにバンドとして見えてきたことはありました?
村松:今作を、自分たちの曲の振り幅マックスで作ってしまったので、次はどうしよう?という楽しみもあり、怖さもあります。でも、9割楽しみですね。
古田:先を考えるとしたらトシ君と一緒で、どういう曲を次に作るんだろうな?という感じです。
村松:逆にスラップやってみたいとかないの?(笑)
古田:いや、ないかな(笑)。今まで小さい振り幅の中で色々やってきたので、今後広げるも良しだし、逆にライブハウスに来る人に特化して焦点をぐっと絞った作品を作ることも面白いのかなとも思います。
吉見:それでいきます。ドラマーとしてやりたいこともありますけど、これからもCloque.としてやれることをやっていきたいです。

【取材・文:峯岸利恵】

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リリース情報

ネイキッドブルー

ネイキッドブルー

2020年03月18日

VAP

01.HELLO NEW WORLD
02.手の鳴る方へ
03.スピカ
04.モノクローム
05.Photogenic
06.Rainy daisy
07.I
08.僕らの愛のうた
09.同じ速度で
10.ユニオン

お知らせ

■コメント動画




■ライブ情報

Cloque. "手の鳴る方へツアー"
04/30(木)東京 TSUTAYA O-Crest
05/08(金)新潟 CLUB RIVERST
05/09(土)長野 松本ALECX
05/14(木)岡山 CRAZYMAMA 2ndROOM
05/15(金)香川 高松DIME
05/23(土)神奈川 横浜F.A.D
05/24(日)千葉 千葉LOOK
06/01(月)兵庫 神戸太陽と虎
06/03(水)広島 広島SECOND CRUTCH
06/05(金)福岡 福岡Queblick
06/16(火)宮城 仙台enn 2nd
06/19(金)北海道 札幌COLONY
06/25(木)愛知 名古屋APOLLO BASE
06/26(金)大阪 心斎橋BRONZE
06/28(日)東京 下北沢SHELTER

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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