前作から321日ぶり!超能力戦士ドリアン 2ndミニアルバム『ハンパねぇ名盤』

超能力戦士ドリアン | 2020.04.23

 関西エリアを拠点として活動を重ねながら、着々と人気と知名度を高めてきた超能力戦士ドリアン。最新ミニアルバム『ハンパねぇ名盤』は、独特な表現スタイルを、さらに幅広い層に示す作品となるはずだ。身近な題材を描いている歌詞の規格外のインパクトと、キャッチーなサウンドのギャップがとにかくものすごい。収録されている各曲について、メンバーたちがじっくり語ってくれた。

――どんな作品にしたいと思っていました?
やっさん(Gt/Vo):全部がリード曲のポテンシャルを持った、キラーチューンばかりの1枚にしたいというところからスタートしました。そこから『ハンパねぇ名盤』っていうタイトルも決めたんです。
――どの曲も、描いているテーマがすごく身近ですね。
やっさん:はい。「あるあるネタ」ですけど、かなり細いところを狙っております。
おーちくん(Vo):基本的なアイディアはやっさんが作って、曲そのものはけつぷりさんが作るんです。僕は、それを聴く第一のリスナーなんですよね。
――曲を聴いて却下することもあります?
おーちくん:ありますね。例えば、「口から炎を吐けたら強い」は、やっさんが2年くらい前から「どう?」って言ってたアイディアなんですけど、僕とけつぷりさんは「対象年齢が低すぎるんちゃうか?」って却下してました(笑)。でも改めて聴き直したら、曲自体はキャッチーで「ええ曲やな」ってなったので、収録することになったんです。
――けつぷりさんはサウンド面の中心人物として、どんなことを考えながらアレンジをしました?
けつぷり(Gt):今回はバラードとかエレクトロとか変わり種の曲はなくて、全部がテンポが速くてノリがいいので、その中で変化をつけたいと思ってました。
――それぞれの曲の特色がすごくありますよね。例えば、「ボールを奪い合う選手全員に1つずつあげたい」は、試合でひとつのボールを奪い合う選手のひとりひとりにボールをあげて仲良くさせたいという平和主義を描いていますが……選手の立場からすると、ものすごく迷惑だよなと思いました。
やっさん:おっしゃる通り(笑)。でも、テレビでラグビーのワールドカップを観た時に「あんなにボールを欲しがってるんだったら、あげたいなあ」って思ったんです。「もうすぐ世界的な某大型スポーツイベントもあるし」って作ったんですけど、延期になりましたので、来年スタジアムで歌わせていただけるように頑張っていきたいです。
おーちくん:僕はこの曲を聴いて、「おかしなことを言う人だなあ」って改めて思いました(笑)。でも、ユニークな着眼点ですし、曲自体がすごくいいんですよね。
けつぷり:僕にはない感性が表れてる曲であることは確かです。
――アウトロのギターは、かなり弾きまくってますね。
けつぷり:はい。ギターソロやフレーズも口ずさめるものにしたいというのは、全曲に対して考えてました。
――けつぷりさん、もしかしたらハードロック、ヘヴィメタルを通ってます?
けつぷり:はい。僕の音楽の入り口はハードロックやメタルでした。それが、こういうバンドをやることになるとは(笑)。
やっさん:人生、わからんもんやな?
――この曲、屋外でワンカット撮影したMVのインパクトもすごかったです。

やっさん:ワンカットで何十回も撮ったんです。なかなか上手くいかなくて、ラスト1回で撮ったものが採用されました。終盤でおーちくんが転ぶシーンは、演技ではなくて本当の事故です。
おーちくん:ほんまにコケました(笑)。
けつぷり:このMVもいいものになったので、ぜひ楽しんでいただきたいですね。
――先ほど少し話が出た「口から炎を吐けたら強い」も、インパクトの強い曲ですが……歌っている内容は、バンドの総意と解釈してもいいのでしょうか?
やっさん:「炎を吐けたら強い」とは思ってくれてるでしょうけど……「吐きたい」と思ってる?
けつぷり:こんなことまったく思ったことないです!
おーちくん:同じく!
――(笑)。この曲も含めてですが、みなさんのサウンドは正統派にかっこいいから、いわゆる「コミックソング」というのとはちょっと違いますよね?
やっさん:そうなんだと思います。面白いコミックソングとして作るのは、めちゃくちゃ難しいんですよね。だから、「曲として楽しめる」っていうことを意識してます。歌もちゃんと上手い方がいいですし。おーちくんも1ヶ月4万円のボイトレに通い始めたんですよ。
おーちくん:そんなこと、ここで発表せんでも(笑)。
――(笑)。「尊み秀吉天下統一」は、和テイストが入っていたりするのが独特ですね。SNSとかで何か良いものを見せてもらった時のファンの心情の曲として解釈したのですが。
やっさん:描いた絵を漫画家さんや絵師さんがSNSに載せて、みんながリプライ欄で「尊い!」とか書くのを見て歌詞を書きました。こういう歌詞を書く時は、具体的な固有名詞を入れないように気をつけてるんですけど……。
――この歌詞から思い浮かぶ豊臣秀吉からクレームが入ることは、おそらくないのでは?
やっさん:「没後、何年やねん?」って話ですからね。
――ある日、抗議の封書が来たらどうします?
やっさん:矢文で? その時はバンド活動が止まる可能性がありますねえ(笑)。
――(笑)。「ファミリーコンサート」は、どんなことを考えながら作りました?
やっさん:僕らのライブはモッシュとかする感じじゃなくて、みんなで手を挙げたりすることが多いんです。それに関して肯定的じゃないことを言う人もいるのが悔しくて、「平和な一体感のあるライブの何があかんねん?」って思ったんです。だから、とことん一体感だけを求める曲を目指したのが、「ファミリーコンサート」です。でも、ネタ曲っぽいものにはしたくなくて、けつぷりに「アンセムっぽい曲調にして欲しい」って依頼しました。
けつぷり:珍しく細かいオーダーがあったので、そこを忠実に再現しつつ、かっこいいギターのフレーズにもこだわりました。
――やはり、サウンドのギャップが大きいというのがみなさんの特徴ですね。「パンケーキ量多い」も、サウンドの心地よさと対照的に、歌詞のアクが強いですし。
やっさん:ほんまに「パンケーキ量多い」って思ったことだけで曲にしましたからね。
けつぷり:こういう曲も、音のアレンジは、めちゃめちゃ時間をかけてるんです。
――「魚じゃないのよイルカは」からも、そういう姿が窺われます。
けつぷり:これ、タイトルで答えの全てを言ってて、なんも中身がない曲ですからね。今回の曲の中で最も歌詞の聴き応えがないと思います!
おーちくん:その通りだと思う!
やっさん:曲調とタイトルだけで盛り上がれる強みはある曲です(笑)。
――(笑)。「人見知RIVER」はヘヴィメタルなサウンドですが、これもアレンジによってこういうテイストになったんですか?
やっさん:そうです。鼻歌でイントロとかメロをけつぷりに送ったんですけど、僕の頭の中にあったのは、4つ打ちのダンスロックみたいなイメージでした。
けつぷり:こういう曲調は今までなかったんですけど、「1曲くらい俺の趣味丸出しのもの入れてもええんちゃうかな?」と。
おーちくん:レコーディングした時に歌が高すぎて大変だったんですけど、なんとか努力の末、録り終えることができました。
やっさん:4万円のボイトレの成果やな?
おーちくん:通ってなかったら、声が出なかったかも(笑)。
――ギターも、思いっきり弾きまくれた満足感があるのでは?
けつぷり:はい。ドリアン史上、最も音数が多いソロにしてやろうと思ってました。
――けつぷりさんはこういうサウンドがルーツですけど、おーちくんは?
おーちくん:僕もやっさんもJ-POPです。僕は大学の軽音サークルに入ってからは、UNISON SQUARE GARDENさんが好きになりました。コピーできなかったですけど。
やっさん:おーちくんはUNISON SQUARE GARDENのコピーバンドを組んで、学校の校門の横の特設ステージで演奏したことがあるんです。でも、観に行ったらひどいもんで。演奏はいいけど、歌がひどかったですねえ。ツイッターで検索したら「ステージから引きずり下ろしたくなった」ってつぶやかれてました。
おーちくん:まじです(笑)。
――(笑)。やっさんのルーツは?
やっさん:親がポルノグラフィティ さんが好きで、その影響は大きいです。あと、サザンオールスターズさんとか。そして、大学の軽音サークルに入って、キュウソネコカミさんを聴くようになって、そこから歌詞が面白いバンドが好きになりました。
――超能力戦士ドリアンは、みなさんのそういうルーツがいろいろな形で反映されているということですね。
やっさん:そうなんだと思います。
――ユーモラスな内容の曲がたくさん並んでいる中で、「満足バロメーター」は真面目なテーマですね。お客さんへの感謝が、すごくストレートに表現されているじゃないですか。
やっさん:「こういうことを歌うのはハードルが上がるから、やめといたほうがいいんちゃうか?」っていう意見もあったんです。でも、「そもそもチケット代以上、CDの値段以上に楽しませられへんのやったら、ライブやったりCD出したりしたらあかんやろ」っていう責任感が強くなってきたので、それをちゃんと曲にして残したかったんです。
けつぷり:「素の部分をお客さんに見せてもいいのか?」っていうこととか、「薄っぺらく聞こえるのかもしれない」ということも思って、最初はこういう曲を世に出すことに対して僕は反対したんです。でも、やっさんの想いを聞いて納得できたので、音の部分でも伝えたいことを表現できるように頑張りました。
おーちくん:ライブでまだできてないんですけど、早くお客さんの前で歌いたいですね。僕らのありのままが表現されてる曲なので。
――この曲で締めくくれば感動的な余韻が残るんでしょうけど……妙なシークレットトラックが入っていますね。「スター元気人」は、「感動的なドキュメンタリーだなあ」って思って観ていたら、某健康飲料のCMだったことが判明するあの感じを曲にしたんでしょうか?
やっさん:まさしくそうです。「なんでやねん!」ってなりますからね。だからバラードにして、ええ話風の感じを音でも表現してもらいました。
――音と言葉の両面で遊び心を徹底したミニアルバムですね。タイトルで掲げた通り、『ハンパねぇ名盤』になった手応えはあります?
やっさん:はい。「あのミニアルバムをきっかけに、超能力戦士ドリアンの名前をよく聞くようになったよね」ってなるような、ターニングポイントの1枚だと思います。
おーちくん:ここまで順調に活動できてるんで、この盤をきっかけに大きくなって、全国でライブができるバンドになっていきたいですね。
やっさん:スカイダイビングもしたいな?
おーちくん:したくない! そんなこと言ってないから(笑)。
けつぷり:僕たちのライブは、老若男女に楽しんでもらえるものになってると思うので、モッシュとかが起こるライブハウスだけではなくて、椅子席があるホールとかでもできるようになっていきたいです。
やっさん:スカイダイビングで登場するディナーショーとかは?
けつぷり:突然何を言うてんねん(笑)。
やっさん:野外のスタジアムとかでもできるようになったら、おーちくんがスカイダイビングで登場するライブを、ぜひ実現させたいと思ってます!

【取材・文:田中 大】

tag一覧 J-POP ミニアルバム インタビュー 男性ボーカル 超能力戦士ドリアン

リリース情報

ハンパねぇ名盤

ハンパねぇ名盤

2020年04月22日

EXXENTRIC RECORDS

01.ボールを奪い合う選手全員に1つずつあげたい
02.口から炎を吐けたら強い
03.尊み秀吉天下統一
04.ファミリーコンサート
05.パンケーキ量多い
06.魚じゃないのよイルカは
07.人見知RIVER
08.満足バロメーター

お知らせ

■ライブ情報

満足バロメーター限界突破ツアー2020
06/05(金)福岡 the voodoo lounge
w/ 愛はズボーン
06/06(土)広島 セカンドクラッチ
w/ ナードマグネット
06/21(日)愛知 名古屋CLUB UPSET
ワンマンライブ
06/26(金)大阪 梅田CLUB QUATTRO
ワンマンライブ
07/03(金)東京 渋谷CLUB QUATTRO
ワンマンライブ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る