19歳のシンガーソングライター・Maica_n、メジャーファーストEP「Unchained」リリース!

Maica_n | 2020.05.20

 昨年から、“#この子、なにもの?”というハッシュタグでSNSやストリーミングサービスを賑わした若きシンガーソングライター。同世代であるティーンはもちろん、うるさ型のロックファン含め幅広い世代に突き刺さっている音楽と言葉の魅力。シンプルなポートレートからは、謎めいた存在感を解き放たれている。名刺代わりとなる最新作「Unchained」で、Maica_nは日々どんなことを考え、どんな想いで作品を作りあげたのかを訊いてみた。

――Maica_nさんらしさが伝わる全5曲となりました。完成してみていかがでした?
Maica_n:自分にとっても自信のある大事な作品ですね。メジャーファーストEPなので。自分で言うのもあれなんですけど、いい曲ばかりで。
――Maica_nさんのなかで“いい音楽”の基準ってどんな要素だったりしますか?
Maica_n:技術だったり理論とか色々あるはあるんですけど、最終的には音楽ってフィーリングが大切だと思っていて。ファーストインパクトを大事にしたいですね。心地よさやカッコよさを素で感じられる作品というか、時代を飛び越えて鳴り続ける作品ですね。
――歌詞も、等身大の気持ちを込めながらも普遍的な目線を持ち合わせていて、時代を越えて聴けるなと思いました。
Maica_n:詞曲共に自分一人で書いている作品は、歌詞を先に書いて曲は後なんです。日常的に、自分が思ったことや感じたこと、歌詞の土台となるものを日記帳に書いて言葉を膨らませていきます。最初は自分が主体で書いていても、曲にしていくに従ってメロディーに合う心地よさだったり、聴く人へ余韻を残したい思いがあります。それこそ10人が聴いて、10人とも同じ解釈にならないような曲にしたいなって。10人それぞれが自分のストーリーでドラマの主人公になれるような音楽を目指したい気持ちがあります。

――そんな意味だと5曲目「海風」がとても素晴らしくて。この曲を聴くと、自分が心の奥にしまっていた思い出や景色が思い起こされるんですよ。メロディーやピアノの美しさに心揺さぶられて。
Maica_n:この曲は、自分にとって一番最初に形にした作品なんです。自分が小学生の頃、九州に住んでいた祖母が亡くなって。そのことを思い浮かべながら書きました。
――「海風」を聴くと、心のわだかまりが解けていく感じがしたんです。五感に溶けていく感じというか。
Maica_n:ありがとうございます。もしかしたら、徳島の自然に囲まれて育ったことが大きく影響してるのかもしれません。歌詞だったり、感受性のコアな部分に影響があると思いますね。
――ギターは何歳ごろからはじめたんですか?
Maica_n:子ども用のギターを小学校2年生の頃に誕生日に買ってもらったんです。でも、なかなかうまく弾けなくて。しばらくは触ってなかったんです。その後、小6の頃、ビートルズの「ブラックバード」という曲をリビングで父が弾いていて。その時にビビッと「この曲を弾けるようになりたい!」って思って父に教わりました。そこでギターの面白さに目覚めたんです。その後は、コード表をみながらの独学でしたね。
――自分で楽曲を作ろうと思ったきっかけは?
Maica_n:幼少期の頃は、誰とも問題もなくすんなりと打ち解けられるような感じだったんですけど、だんだん自分の意見を言えなくなってきて……。皆さん、そういうところあると思うんですけど、自分は特にそうで。特に中学生の頃に、思っている意見を口に出せなかった想いをどこにぶつけていいかわからない時があったんです。そんな時に、ノートに言葉として吐き出すことを覚えて。それにメロディーを付けて、音楽を通じて昇華できることを知ったんです。……それは自分にとって救いでした。そして、そんな音楽が誰かにとっての救いになったらいいなって。楽しい気持ちになったり、自分の心の葛藤が軽くなってくれたらと。
――音楽がアイデンティティーであり、コミュニケーションのきっかけであり、自己表現をするための大事な要素なのですね。ちなみに1曲目に収録された「HYW 55」は、Maica_nさんにとっての“カッコいい音楽の理想像”と言うイメージに近い作品なんじゃないかなって。
Maica_n:たしかに、自分の中の“カッコよさ”を重要視して作った曲ですね。「HYW 55」はミニアルバムを作ることが決まって、せっかくならライブで1曲目にやれる曲を作ろう!という制作チームからのアイデアで作った曲で。確かに自分なりの”カッコよさ“を重要視しながら歌っていますね。今回の「Unchained」は、曲順にもこだわっていて、気分としてはライブのセットリストのようなイメージなんです。メジャーファーストEPということもあって、今一番聴いてほしい曲たちを集めました。
――ライブ感、伝わってきますね。ちなみに最近、新型コロナウイルスのこともあって、SNSやテレビなど観ていると気が滅入ってしまうことが多いのですが、2曲目「Unchain」は、今こそ聴きたい曲だと思いました。
Maica_n:SNSが便利な時代になっているんだけど、便利な反面、人を傷つけたりする側面もあって。テレビも含めて、情報が溢れすぎていますよね。惑わされて見失ってしまうことがあるんじゃないかなって。だからこそ、そういうものを取っ払って、自分自身がいいと思うこと、信じたいことを思い出して大事にしたいなって。

――3曲目「Go my way」は、等身大な世界観を感じながらも、どんな思いで生まれたナンバーなんですか?
Maica_n:この曲は、「Unchain」と共通するとこもあるんですけど、便利すぎる時代だからこそ、自分自身の孤独感が浮き彫りになって模られていくというか。でも、最終的には自分の人生をみんなそれぞれ生きているわけで。だからこそ“Go may way”、自分が信じる道を貫いて欲しいなって想いで作りました。自分がそうでありたいっていうね。
――パワーもらえますね。そして、4曲目「Flow」は流麗なるビートが気持ちいいナンバーで。
Maica_n:最初に歌詞で<魔法をかけよう 今夜君がよく眠れるように>ってあるんですけど、日々、不安のようなものを誰もが抱えて過ごしていると思うんです。この曲を聴いている時だけでも、気持ちが解けて音楽を楽しんでもらえたらなって。
――いい距離感を持って、人に寄り添ってくれる楽曲ですよね。しかも、編曲クレジットに斉藤和義さんの名前が入っていて。というか“編曲:小田原豊、斉藤和義、根岸孝旨”ってレアというか濃いですよねぇ。
Maica_n:そうなんですよ。嬉しいですね。斉藤和義さんにはギターで参加していただいたりもして、本当に光栄でした。わたしはめちゃくちゃ緊張していたんですけど、温厚な方で。でも、奥底にある情熱を絶やさない感じがあって。今回、この楽曲をプロデュースしてくれたプロデューサーの小田原さん、そしてベースの根岸さん含め皆さんとご一緒できて嬉しかったですね。

――歴戦のツワモノな方々ですもんね。ちなみに最近、影響を受けたアーティストはいますか?
Maica_n:同年代のアーティストに興味がありますね。たとえば、自分よりも年下なんですが崎山蒼志さんは衝撃でした。歌詞の世界観や言葉の使い方もすごいなって。インスピレーションを受けましたね。
――いま、また新世代アーティストがどんどん増えてきている印象がありますね。
Maica_n:最近改めて、シンガーソングライターが世の中により浸透してきてますよね。なんていうか、シンガーソングライター像が時代の変化もあって進化してきているのかなって。
――そうですね。モヤモヤや葛藤を言葉にして、音楽にしてもらいたい欲求があるというか。そして、ネットの進化、YouTubeやストリーミングサービスの浸透によって、若い人でも時代を超えて名作に触れやすくなったり楽しめる環境となりましたね。
Maica_n:はじめのとっかかりが近くに落ちているというか、視野が広がるという意味で便利な時代だなって思います。去年、「秘密」っていう曲をリリースしたんですけど、その時に音楽のストリーミングが大きく広がってきていることを実感したんです。それこそ、はじめて聴いてくれた人がとっても多くって。時代の変化を、自分が楽曲をリリースした時にリスナーの方々からの反応で強く感じましたね。

――今はなかなかライブも自由にやれなかったり特殊な環境となっていますが、今後、Maica_nさんはどんなアーティスト、ミュージシャンになりたいという目標などありますか?
Maica_n:純粋に、音楽を楽しんでもらえたら嬉しいです。自分が音楽を作りはじめたきっかけでもある、誰かの気持ちに寄り添えて、心が軽くなってくれたらいいなって。誰かにとっての救いになって欲しいという想いが根底にありますね。それこそ、音楽は日常に溶け込める存在だと思うんです。Maica_nの音楽が誰かの生活の中の一部になれたらいいなって思います。

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】





Maica_n -「Unchain」Lyric Video

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リリース情報

Unchained

Unchained

2020年05月20日

Colourful Records

01.HYW 55
02.Unchain
03.Go my way
04.Flow
05.海風

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兄 喧嘩 夢
「兄 喧嘩 夢」で検索していますね(苦笑)。自分、お兄ちゃんがいるんですけど、兄と喧嘩する夢をみたんです(笑)。それで、夢占いをみようと思って検索しました。普段から、寝ているときに夢をみるんですよ。中学生ぐらいから毎日のように夢をみています。夢の中の世界観、雰囲気ってあるじゃないですか? ああいう空間? 自分が本当はそこにいるわけではないのに、でもいるという感覚が好きで。現実世界で、逆にデジャブを感じたり。全然知らない場所に行った時に、この風景知っている、みたいな。ワクワクするんですよ。好奇心にかられているというか。自分の心理状態にも影響しているかもしれません。夢は興味深いですね。



■ライブ情報

LIVE 2020~ Approach to…
12/11(金)大阪 心斎橋Music Club JANUS

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