神戸出身の2MCユニット・NO NAME’S、ファーストアルバム「NO NAME’S」完成!

NO NAME’S | 2021.02.15

神戸出身の2MCユニット、NO NAME’Sがファーストアルバム「NO NAME’S」を完成させた。2018年から本格的に活動を始めた彼らは、ライブ活動を軸に置き、関西でその名を急速に拡散。当初からお互いにソロ活動を並行して行っており、REViのソロ曲「GIRL FRIEND」はMVの再生数が400万回を突破。NO NAME’Sとしても昨年リリースした「溜息」がTikTokで人気を集めるなど、今、人気がうなぎ登りの存在だ。高校の同級生というふたりはどのように出会い、音楽活動を楽しんできたのか。全部で20曲入りとなった今回のアルバムの制作背景についても話を聞いた。

――ラップやヒップホップとの出会いから教えて下さい。
Lazyy:中学生の頃、同じクラスにヒップホップダンスをやってる友達がいて、その子がコピーしてくれた、ダンススタジオで使ってるミックスCDでヒップホップを知りました。自発的に手にした最初のCDはNasの「Illmatic」ですね。中学2年生のときです。
REVi:僕がラップを知ったきっかけは、お姉ちゃんが聞いてたEminemです。映画の「8 Mile」とか「The Eminem Show」とか。そのあと、高校に入ってLazyyに出会ってからヒップホップを掘っていくようになりました。
――ふたりが高校で出会ったきっかけは? 
Lazyy:違うクラスだったんですけど、廊下でREViが携帯で音楽を鳴らしていて。それがBig SeanとChris Brownの「My Last」という曲で、僕も中学生のときにめっちゃ聞いてた曲やったんで、「俺もめっちゃ好きやわ」っていう話から仲良くなりました(笑)。
――その後、どのような経緯で音楽を作るようになったんですか?
Lazyy:僕は中学の頃からリリックを書いたりしてたんです。でもレコーディングする場所を知らなかったんで、宅録りした音源をREViに聞かせるようになって、そこから一緒に音楽をやるようになりました。
REVi:僕はLazyyと遊ぶようになってからラップを書くようになったんです。Lazyyが携帯で自撮りしたラップ動画を送ってもらって、「これ、かっこいいやん。俺もしたい」から始まって。
Lazyy:それ以前に、遊びでカラオケに行ったとき、REViがめちゃめちゃ歌が上手くて。「歌い手としてやるのがいいんじゃない?」っていう話はちょいちょいしてたんです。その流れもあって一緒に音楽をやろうとなりました。
01
――本格的に活動を始めたのはいつ頃からですか?
Lazyy:オリジナルのビートをしっかりもらって、配信とかできるようになったのは2018年ですね。それまでは有りもののトラックでラップしてて、ライブもちょいちょいやってる程度でした。
REVi:今回のアルバムはA4というふたり組のプロデュースユニットと一緒にやらせてもらってるんですけど、先輩のDJの紹介でA4のACKOくんに出会ってから、オリジナルトラックでやるようになったんです。僕のお姉ちゃんが、そのDJの先輩と仲良くて繋げてもらったんです。
――今回のアルバムには、いつ頃からの曲が収録されているんですか?
Lazyy:一番古いのは2019年の夏の終わりくらいに作った曲ですね。19曲目の「MELODY & SOUL」。A4にビートのストックがめちゃめちゃいっぱいあったんで、その中で僕たちが気に入ったヤツをどんどんやらせてもらって。アルバムを作るというよりは、1曲1曲書いていったものが溜まったという感じです。
――リード曲「IGP」は、どのような思いから作ったんですか?
Lazyy:これは「MELODY & SOUL」と近い時期に作った曲なんですけど、それまでこういうビートでやったことがなかったんです。ベースがブンブンで、BPMが早めで走ってる感じで、音数が少なくてっていう、当時のUSのトレンドサウンド。で、このビートはラップがカッコ良くないと絶対にいいものにならないとACKOくんに言われて、“じゃあ、やったろうぜ”みたいな感覚で作りました。リリックを含めて、僕らは自分たちの音楽に自信を持ってるんで、それをみんなにアピールしたかった曲です。
――ファーストアルバムということもあって、自分たちのスタイルを顕示する意気盛んな楽曲が多いですが、去年10月にMVを公開した「溜息」は違うベクトルで書かれていますね。
REVi:「溜息」は、心配事があったとしても大丈夫だっていうことを素直にリスナーに伝えたいなと思って書いた曲ですね。そんなに落ち込むなよって、気持ちをラクにさせることをやさしく歌いたかった。
Lazyy:僕たちは人に共感を得られたいから書くっていうことを基本的にしないんですけど、これは聞いてくれてる方の気持ちを考えて作ったところがあります。
――この曲を書いたのはいつ頃ですか?
Lazyy:2020年の1月頃ですね。
――2019年はライブ活動も精力的にしていたから、そういう場でリスナーと触れあったことで生まれた曲だったりもするのかな?
Lazyy:それは絶対あると思います。2019年はライブの反応も少し変わってきたなと感じられた年だったんで。その辺が出てるんだと思います。
――「SPECIAL PLAYERS」は、ラップが歌ってるというか、声が鳴ってる印象を強く受けました。
Lazyy:今回のアルバムの中で、ふたり共、この曲は声が一番出しやすい音域なんです。だから、一番歌いやすい曲。
――どういうイメージで作った曲ですか?
Lazyy:宅録でやってた時代に「The Only One Players」という曲を作ったことがあって。俺たちふたりは世界でオンリーワンだっていう気持ちをテーマに書いた曲なんです。それを今回のビートを聴いたときに思いだして、リリックを書く前から「SPECIAL PLAYERS」というタイトルで行こうということになったんです。その今バージョンを書こうと。
――今回のアルバムで、最も難産だった曲は?
Lazyy:「THE SHOW」です。完成版のヴァース部分には、女性の歌声があまり前面に出てないんですけど、当初はその女性の歌声をずっとループしたサンプリング感のあるトラックだったんです。ビートを聴いてテーマはすぐに浮かんだんですけど、声ネタがループしてるから、乗せるフロウをお互い一番考えたのがこの曲なんです。
REVi:レコーディングでも、優しさが出た声を録りたかったんですけど、なかなか上手く行かなくて。アルバムの中で一番ボーカルを録り直しました。
――アルバムで唯一、ハッピー感があるピースフルな曲ですよね。
REVi:そうなんです。だから難しくて。地声とのバランスも自分の思ってるトーンに全然できなくて、試行錯誤しました。
02
――今のふたりのラップスキルの最高到達点だという曲はどれですか?
Lazyy:僕は「ALL NIGHT LONG」です。フックもヴァースも、僕も中でいちばんやりたかったスタイルが出せました。キャッチーなんだけど、ヒップホップの要素があるフックに、しっかりラップするヴァースっていうのが僕の中で一番カッコイイと思っていて、それをいちばん表現できたのがこの曲です。
REVi:僕は「GNN」です。2ヴァース目が僕なんですけど、僕はソロ曲でもNO NAME’Sの曲でも、あれほど攻撃的なことをテーマにしたことがなくて。フロウも含め、どう乗りこなしたらいいんやろうと思って頑張って作ったんです。今までにない声の出し方もしたし、自分が成長できた曲だと思います。
――今回のアルバムにはインタールードが2曲あって、そこで世界観が区分されている印象を受けました。1曲目「INTRO」から7曲目「GOOD」までの第1ブロックを「〇〇なNO NAME’S」と言うなら、〇〇には何が入りますか?
Lazyy:「THE今の俺たち」ですかね。すでに新しい曲を作っているので、今はもっと進化した俺たちになってますけど、このアルバム制作期間の「THE俺たち」っていう感じです。
――2ndブロックは9曲目「GNN」から13曲目「溜息」と考えていいですか?
Lazyy:OKです。ここは「挑戦」が入ってますね。自分たちがそれまであまり書かなかったテイストの曲が詰め込まれてるのが、このブロック。
――「GNN」の前に置かれたインタールードでは、自分たちを“最近系”とか“メロウ系”などと表面的に捉えるリスナーに向けた嫌悪感を表しています。そのあとに攻撃的な「GNN」に繋がっていくわけですが、このブロックでは自分たちにハードなスタイルやダーティーな面もあるんだということを伝えたかった?
Lazyy:間違いなく、それです。
――でも、そのあとに「溜息」が来るので、優しい顔も見せている。
Lazyy:激しさがあっての、俺たちのスタイルというか。そういう曲順にすることで、俺たちにはやっぱり優しい面もあるよ、っていう見せ方ができるかなと思ったんです。
――ギャップで落とすってヤツですね(笑)。
Lazyy:あはは。ギャップ萌えです(笑)。
03
――第3ブロックは、15曲目「ROCK IN DA PARTY」からラストの「BEAUTIFUL LIFE」までとなりますか?
Lazyy:僕たち的には「ROCK IN DA PARTY」から17曲目「BAD GIRL」までが一括りですね。この3曲には僕たちのリアルパーティーが出てます。僕たちがライブの主戦場としているクラブやライブハウスで起きてることがここに詰め込まれているかなと。
――18曲目「THE SHOW」からのラストの「BEAUTIFUL LIFE」までを「〇〇なNO NAME’S」で言うと?
Lazyy:僕たちが一番伝えたい曲がこの3曲なんです。だから、何やろ?……“自分たちの思い”ですかね。
REVi:“思い”のNO NAME’S?(笑)
Lazyy:なんだ、それ。ダサいな(笑)。
――ざっくり言うと「THE SHOW」は人生賛歌で、「MELODY & SOUL」は地元や仲間への感謝がテーマ。「BEAUTIFUL LIFE」は自分たちのリスナーに向けた感謝を歌っていますね。
Lazyy:そうなんです。だからこそ、この3曲は特にしっかり聞いて欲しくて。NO NAME’Sの軸にあるものだし、これからも忘れたくない気持ちを詰め込んだのがこの3曲ですね。
――ふたりはお互いにソロ活動もしていますが、1ラッパーとして相手のどういうう部分を尊敬していますか?
REVi:Lazyyはマジで研究熱心だし、何に対しても貪欲っていう印象です。僕はだらけちゃうタイプの人間なんで(笑)。今、一緒に住んでるんで余計思うんですけど、てきぱきしてたりとか、そういう部分が音楽にも出てるなって。
――では、REViになくてLazyyにあるものは?
REVi:スキル面であったりとか、すべての面で俺はLazyyを超えてると思ってないんです。いつまで経ってもライバルというか。自分の中でどんだけヤバい曲ができても、これを超えるもっとヤバいものをつくらないと、またLazzyにこてんぱんにヤラれちゃうなっていう感じなんです。それが良い刺激になってます。
――反対に、Lazzyから見たREViは?
Lazyy:REViは天才型だと思います。特に最強な部分はフロウ。あとは物事の捉え方ですね。REViは日常で起きたこととか、普段感じたことを言葉にするのが本当に上手い。一緒に住んでるぶん、それがめちゃわかるんです。
04
――最後に、今年の目標を教えて下さい。
Lazyy:2021年はNO NAME’Sっていう名前を知らないヤツは日本にいないっていうくらいまで持って行きたいなと思ってますし、絶対それが出来ると思ってるんで。まずは、このアルバムをより多くの人に届けたいっていう気持ちが一番にあるし、これからもガンガン曲を作ってリリースしていこうと思ってます。

【取材・文:猪又 孝】

リリース情報

NO NAME’S

NO NAME’S

2021年02月24日

MILIA CITY / Caroline International

01.INTRO
02.IGP
03.SuMmErDaY!!
04.TIME TRAVEL
05.BRANDNEW DAY
06.SPECIAL PLAYERS
07.GOOD
08.INTERLUDE
09.GNN
10.DIRTY HOUSE
11.GAME
12.RELAX
13.溜息
14.AM2:00
15.ROCK IN DA PARTY
16.ALL NIGHT LONG
17.BAD GIRL
18.THE SHOW
19.MELODY & SOUL
20.BEAUTIFUL LIFE

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