季節なんて関係ない 春夏秋冬の曲で会場を魅了した、キマグレンのライブ
キマグレン | 2011.03.31
オープニングアクトとして登場したのは、男性シンガーソングライター、Rake。アコギ弾き語りをメインに、洋楽テイストあふれるポップスからバラードまで、素朴さとあたたかさを持った歌声で観客を魅了。キマグレンのISEKIとのコラボ「トワイライト」、ヨコハマタイヤCMソング「100万回の「I love you」」など全6曲を披露した。
いよいよキマグレンの登場!半袖シャツにハーフパンツ、素足という“いつもの”スタイルでステージに現れた2人。ザザ~ッという波の音と共に、この卒業シーズンにぴったりの、切なくも前向きな「卒業の時」で幕を開けた。パーカッション、ピアノ、アコギというアコースティックな楽器編成に合わせて会場はすべて椅子席。左右にゆっくりと肩を揺らすオーディエンスたち。時を刻むように、ゆったりとした時間が流れ始めた。
“夏のイメージが強い僕らですが、春の曲も、秋も冬もいろんな曲を持っています。今日はせっかくなので1年通してみんなと過ごせたらなと思っています”とKUREI。そう、今回のライブは、春から夏、そして秋から冬へと、1年間の季節の移り変わりを表現していくという曲構成なのだ! 夏の訪れを予感させるレゲエ調のリズムが小気味よい「僕の住む街」の後、「ENDLESS SUMMER」で一気にキマグレンの夏が到来! イントロが始まると、たまらずオーディエンスは総立ち。彼らの地元である逗子の海岸の夏を運んできた。
「月光浴」では深いブルーの光に包まれた神秘的なムードを作り出し、「6色の虹」では彼らの頭上に6色の照明が虹を描くなど、演奏と照明の演出が相俟って、観る者のイマジネーションを掻き立て、目の前に情景が広がるかのような感覚さえ覚えた。そして、時に心からの想いを振り絞るように情熱的に歌い、時に主人公の心情を描くと共に、優しく心を癒すように歌った。アコースティックというシンプルかつオーガニックなサウンドだからこそ、そんな彼らの透明で真っ直ぐな歌がダイレクトに伝わってきた。そして秋、冬と景色は移り変わり、本編ラストを飾ったのは、進研ゼミのCM曲「IT’S MY 勇気」。キマグレン独特のリズムに乗せて、明るく前向きな雰囲気で会場を包み込んだ。こうしてキマグレンの音楽が、1年通して聴く者の生活に寄り添っていることに改めて気づかされるステージとなった。
アンコールでは、カヴァー曲「どんなときも。」に続き、「LIFE」ではタオルを回し、通常のバンド編成と変わらない盛り上がりを観せた。“相変わらずユルい僕らですが。日々生きてるとつらいこともいっぱいあると思うけど、また会いに来てよ! 会いに来てくれたら、相変わらずの僕らがいるから!”とKUREIが言い、アンコールラストは「君を忘れない」を披露した。“最高の時間をありがとう! また会いましょう!”と笑顔で約束、彼らに大きな拍手が贈られた。
【 取材・文:牧野りえ 】
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