3000人の気持ちを繋いだ、Hilcrhymeツアーファイナルをレポート
Hilcrhyme | 2011.06.30
ドラマ主題歌にもなった「ルーズリーフ」のヒットなどで知られるラップ・ユニット=Hilcrhymeが、6月13日に東京ドームシティ・ホールでツアー「MESSAGE TOUR 2011」のファイナルを行なった。もともと3月に予定していたものだが、地震の影響で延期、2カ月半遅れで迎えたツアー・ファイナルでもある。
本当に待ちに待ったライブ、会場には熱気ばかりが充満していた。オープニングSEが響くと同時に、ファンの興奮は歓声になって会場中を飛び交い、ファンの振るペンライトの光が色とりどりに輪を描く。そんな熱い気持ちに答えて、TOCはステージ・セット上段の中からジャンプして突如、登場。同時にオープニング・ナンバー「ルーズリーフ」へ突入し、テンションはいきなり最高潮まで駆け上がった。
黒い衣裳を着た合計6人のダンサー(Hilcrhymeの地元、新潟でダンスを教えている先生たち)を従え、白い衣裳で決めたTOCはリズミカルに身体を動かし、よく通る魅力的な歌声を会場全体に響かせていく。同じように白い衣裳のDJ KATSUは、サンプラーやミキサーなど様々な機材を操りながら、こだわりのトラックをステージでも再現。その歌とサウンドに包まれたファンは、たちまち輝くような笑顔に。どんなに刺激的な音やライムであっても、常に温かさも同居しているのがHilcrhymeのライブでもある。「My Place」ではごく自然に会場から“おかえり!”と声も上がり、TOCも“東京、ただいま”とアドリブのリリックを入れて歌い上げた。
また、この日は大きな会場ということもあって様々な演出も。例えば「Shampoo」ではシャボン玉が吹き上がったり、他の曲ではステージのあちこちに仕掛けられていたLEDスクリーンに映像を映したりと、リリックの世界を彩る。そんな中でも圧巻だったのは、ライブ中盤だった。ダンサー6人が忍者をモチーフにしたパフォーマンス・タイムに続いて、「押韻見聞録」へ。ここで登場したTOCとDJ KATSUは、目にも鮮やかな着物姿。曲調や歌いっぷりはもちろん、ダンスも勇壮で力強い。生身のライブ・パフォームで作り出す演出は、とてつもなくエネルギッシュだ。
このツアーでは、各地でファンとの会話コーナーも作っていたが、この日もそれはハズせない。横浜から来たというカップルには、デビュー曲「純也と真菜実」をそのカップルの名前に変えて歌うというスペシャル・プレゼントも。そんな二人をうらやましいというよりは祝福するような拍手が、会場から自然と起こった。ここにいる誰もが、気持ちが通い合っているのだ。
そんな愛すべきファンに向けてHilcrhymeはさらにプレゼント。「ライブに来てくれてありがとう。この日を迎えられてうれしい。ライブでしか見れないもの、ライブでしか聴けない音があります」
そう言って始まったのは「春夏秋冬」のアフター・ストーリーだった。今回のツアー中に書き上げたというそれは、二人からの感謝の気持ちに溢れた歌で、ファンはその言葉ひとつひとつを噛み締めるように味わう。互いの思いはさらに強く結びつき合っていった。
こうして温かさに包まれたライブ。エンディングはもちろん「MESSAGE BOX」。このツアーでは会場に何でもメッセージを入れられる、その名も“MESSAGE BOX”を用意していたが、曲の後半ではそこに入れられたメッセージを読み上げるTOC。そしてメッセージをくれた彼女や彼に対して、TOCは思いやアドバイスで答えていく。さらにツアー・ファイナルということで、関わったスタッフの名前も挙げながら感謝の言葉を贈る。最後は今日来てくれた3000人を超えるファンに「本当にありがとう」と素直な気持ちを言葉にした。ちょっと涙ぐんでいるTOCでもあった。
誰もいなくなったステージ。その後方にあるスクリーンには、映画のエンドロールのように、今回のツアー日程と二人からのメッセージが映されていく。ところが最後に出たのは「じゃあ、またな。の前に」という一文。みんなにいち早く届けたいと完成したばかりの新曲「no one」のミュージック・ビデオが流れ始めた。壮大なバラードとも呼べるこのナンバーに合った、スケール感ある映像が目の前に広がっていく。そんな中、メンバー二人がステージに再登場し、この曲を生で聴かせるという感動的な演出。どこまで喜ばせるんだ、この二人は。そして本当のラストはアッパーチューン「臆病な狼」でド派手に決めた。
曲ごとの多種多様な聴かせ方や見せ方、届く言葉とメッセージ、クールなようでいてフレンドリーな佇まい、いろいろな魅力を持つHilcrhyme。しかしライブでは二人の人間性も伝わり、ファンは幸せな時間を過ごしたはずだ。
【文:長谷川幸信】
リリース情報
セットリスト
- ルーズリーフ
- BOYHOOD
- チャイルドプレイ
- LAMP LIGHT
- SH704i
- Shampoo
- 光
- Please Cry
- My Place DANCER PERFOMANCE TIME
- 押韻見聞録
- No.109
- デタミネーション SKYDRIVE(DJ KATU)
- トラヴェルマシン
- RIDERS HIGH
- Moon Rise
- Little Samba ~情熱の金曜日~
- X Y Z
- 春夏秋冬
- 大丈夫
- MESSAGE BOX Endroll
- no one
- 臆病な狼
INFORMATION
ニューシングル「no one」特設ページを展開中!人気の歌詞FLASH・待受画像・PV撮影の裏側に迫ったスペシャルレポートなどモバイルサイト限定のコンテンツが盛りだくさんですので、お見逃しなく!!
▼Hilcrhymeオフィシャルモバイルサイト
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http://m.hilcrhyme.com/
(※モバイルのみ)
■ライブ情報
♪SUMMER IMPACT 2011
◆2011年7月18日(月・祝)
御立岬海水浴場(御立岬公園内)
[問]株式会社ライブリッジ
096-273-3919(10:00~17:30)
♪音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2011
◆2011年7月30日(土)
神奈川県逗子市新宿 海岸 カンティーナ
[問]OTODAMA 運営事務局
046-870-6040(11:00~20:00)
♪SUMMER SOUND CARNIVAL 2011
◆2011年8月6日(土)
万博記念公園もみじ川芝生広場
[問]キョードーインフォメーション
06-7732-8888(10:00~19:00)
※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください