九州男、初のバンドをバックに行われたツアーファイナルを激アツ・レポート!
九州男 | 2011.11.04
九州男の歌の魅力はなんだろう?尋ねるとその答えは一人ひとりそれぞれに異なるだろう。ある人は、「傍らにいるかのような愛しさ溢れるラブソング」と答えるだろうし、ある人は「背中を押してくれるようなメッセージ性が最高」と返すかもしれない。「エネルギッシュで楽しく、おバカになれて、くよくよしたことも忘れられるところ」なんて言う人もいれば、「『さぁ、一緒にいこうぜ』と手を引っ張ってくれる面」と思う人もいるだろう。うん、確かにそれらは、彼の楽曲の根幹を成している重要なファクターだ。そんな中、やっぱり僕は、「少年性」をそこに加えたい。夢、期待、将来への不安や挫折...等々。今と切り離し、"あの頃は、あの頃"なんて割り切ろうが、あの頃が今の自分に繋がっているのは、誰でも確実なこと。
そして、九州男の歌の数々は、あの時、あの頃の自分へと引き戻し、再会させてくれるものが多い。そして、それは作品のみならず、この日のライヴにも表れていた。アンコールを含め22曲、3時間超。僕は何度も時期やシチュエーションはまちまちながら、それぞれあの日あの時の自分と再会することが出来た。
この日は九州男の2年半ぶりの全国ツアーのファイナル。ここZEPP TOKYOは、これまでの渇望具合がありありとうかがえる程の超満員を記録していた。
壮大なSEが場内に響き渡ると、ステージ前方の密度も更に濃くなる。青く浮かび上がったステージに大所帯のバックバンド…、"えっ、バックバンド!?"。そう、今回のツアーは、九州男のたっての希望により、バンドがバックの編成をメインに行われた。
1曲目からいきなりメインディッシュとも言えるメドレーで始まったこの日。ダイナミズム感溢れるバックバンドのサウンドに乗せ、疾走感のあるチューン、アゲアゲなチューン、ミディアムやタオル大旋回なソカチューン等が、矢継ぎ早にフロアに連射されていく。曲が展開する毎に、フロアも"待ってました!"と驚喜。今回初めてバンドをバックにライブを演ったとは思えないほどの堂々さと一体感を、いきなり魅せつける。そして、驚いたのは、この日のバンドのメンバーたち。それがいわゆる、クラブやレゲエ畑ではなく、ポップスやロック畑の人たちばかりであったところだ。しかし、九州男自身が<一緒に演りたいメンバーを集めた>と言うだけあり、その畑の人々ならではの無尽さや演出力が楽曲に加わっていく。そう、この組み合わせだったからこその、楽曲に更なる物語性の加わりや、九州男本人の表現の幅や深さの引き出されも、この日のライヴの随所にうかがえた。
途中のMCにて語られた、「来た以上、自分をさらけ出すこと。楽しかったらはしゃいで。感動したら泣いてもいい。面白かったら笑い転げればよい。人に迷惑をかけなければ何でもOK」通り、ブロックブロックで、喜哀楽そして、想が展開された、この日。遥かかなたへと連れて行ってくれた「ONE」や、いきなり場内を景色の良い海岸線へと誘った「ONE LIFE」、アフリカの雄大な大地のような土着感漂うサウンドの中、かつての自身の夢やかつて成りたかったものへの想いを呼び起こす「夢宙飛行士」。夢と挫折と不安と希望を振り返り、大都会に埋もれそうになっていた、かつての自身の心境が歌われる「大都会」。かと思えば、ゆったり爽やかな「music♪」、日差し溢れる中、スプラッシュ感に満ちた「地球の歩き方」。中には、自分たちの立脚スタイルである1MC 1DJのスタイルにて、少年の頃へと夢を馳せさせた「少年←帰来 ~my mother earth~」を伝える。
そして、中盤部では、客演ゲストもステージにアクセントを付ける。HOME MADE 家族とのジョイントした「約束。。 feat.HOME MADE 家族」では、スイートで奥深いMICROとロートーンで切り込むようなKUROのラップが客席を魅了。また50歳を越えたおっさんマスコット「ホリタロウ」をダンサーに迎え、サラリーマンの悲哀を歌った「アフター5」、また、「9island医院」では、九州男も白衣に早着替え、キーボードのSONちゃんとのデュエットも見せる。
そして、ナイヤビンギのリズムの上、心地良くのんびりとマイペース感を漂わせた「サイレント・ラブ」。はたまた、”ツライことや苦しいことがあるのは、人生をより喜んだり、幸せをかみしめたりするためのスパイスなのだ”と悟らせる「時が経てば素敵な物語」や、「雲の上の君え(prologue)」では、会場に大合唱を起こす。そして、会場にばっちりとハッピーをコーディネイトした本編ラストの「想色コーディネート」に於いては、それに感謝するかのように、会場からは無数のタオルが掲げられた。
アンコールでも充実したステージを見せてくれた九州男。華やかな解放感や上昇感を会場中に広げた「SKYWAY☆」。子供の頃の春の通学路を思い起させた「桜道」、父親へのリスペクトソング「父親」、「1/6000000000 feat.C&K」では、C&Kも美しく甘い歌声を楽曲に絡ませる。そして、長い長いMCを経、アカペラによる感謝の歌に続き歌われた「少年⇔未来 ~映画のようなメモリー~」では、会場中も少年/少女に戻ったかのようにタオルを大旋回。最後には爽快感と充実感が会場を包んだ。
この日は途中、サプライズ的に誕生ケーキが持ち込まれ、あと数日で33歳の誕生日を迎える九州男をステージ/会場を交え祝ったのだが、その時の九州男は非常に照れており、まるで少年のような表情であった。その顔を見た時、何故彼の歌の多くが少年性を帯びているのかが、垣間見れた気がした。九州男は常に心のどこかに今でもきちんと"少年的な目線を持っている"。そして、それが時々現れては、あのような歌を書かすのではないのかと。
常に少年の目線も忘れない大人、九州男。なんかそれに気づいて嬉しくなった一夜であった。
【 取材・文: 池田スカオ和宏 】
【 撮影:tsukao 】
リリース情報
こいがBESTですばい
2011年09月07日
ワーナーミュージック・ジャパン
1. Intro
2. 想色コーディネート
3. 1/6000000000 feat.C&K
4. 出会い。。feat.RED RICE(湘南乃風)、BIG RON (major mix)
5. music♪
6. 手紙。。feat.hiroko(mihimaru GT)[album version]
7. 雲の上の君え(prologue)
8. 約束。。feat.HOME MADE 家族
9. Brand New Days
10. ちっちゃなあいぼう
11. 待ち合わせ。。feat.lecca
12. 雲の上の君と(epilogue)[album mix]
ディスク:2
1. 少年⇔未来 ~映画のようなメモリー~ (major mix)
2. New Birthday
3. 桜道(album mix)
4. 裸足
5. 父親
6. dear grandma(major mix)
7. ONE
8. 大都会
9. 地球の歩き方
10. Brand New Days (★STAR GUiTAR Remix)
11. Outro
12. 臆病者~ full ver.
ディスク:3
1. 1/6000000000 feat.C&K
2. music♪
3. 桜道
4. 地球の歩き方
5. 約束。。feat.HOME MADE 家族
6. Brand New Days
7. 父親
8. 想色コーディネート
9. ちっちゃなあいぼう
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セットリスト
- メドレー try again~a who dat?~New Birthday~Come In Now~Happy Drive
- ONE
- ONE LIFE
- 夢宙飛行士
- 大都会
- music♪
- 地球の歩き方
- 少年←帰来 ~my mother earth~
- いないいないばあ
- Brand New Days
- 約束。。 feat.HOME MADE 家族
- アフター5
- 9island医院
- サイレント・ラブ
- 時が経てば素敵な物語
- 雲の上の君え(prologue)
- 想色コーディネート Encore
- SKYWAY☆
- 桜道
- 父親
- 1/6000000000 feat.C&K
- 少年⇔未来 ~映画のようなメモリー~