THE SONICS×THE BAWDIES、いよいよ夢の対バンが実現!!
THE BAWDIES | 2012.04.14
2012年3月29日・新木場STUDIO COAST。いよいよ夢の対バンが実現した。
THE BAWDIESにとって憧れでもあり、バンドを結成するきっかけとなったバンドでもあったTHE SONICS。まさに、THE SONICSとの出逢いを無くしてTHE BAWDIESは存在しなかったと言っても過言では無いだろう。
高校3年生だった当時のROY、JIM、TAXMAN、MARCYは、そんな雲の上の存在であったバンドと同じステージの上で共演する日が来ようとは、誰一人として思いもしなかったに違いない。THE SONICSの音に憧れ、“こんなカッコイイバンドは他には居ない!今の時代にこういうバンドが居ないなら、俺たちがやろう!”という初期衝動に突き動かされたことが、彼らの原点。そこからTHE BAWDIESは始まったのだ。タイムトリップ出来るのなら、当時の彼らのところへ飛んで行って、こっそりこの日のことを教えてあげたい。きっと信じてはもらえないだろうけれど………。
しかし。そんな自分たちのルーツを曝け出し、同じステージに立つということは、自分たちの楽曲の元ネタを披露してしまうことにも繋がる訳だが、そんなことを気にする彼らではない。以前から“僕たちのルーツはTHE SONICSだ”と公言し、最高にリスペクトしているのだから。彼らがここまで潔いのは、そこを原点とし、今はちゃんとTHE BAWDIESの音と歌を届けられているという自信があるからだと思うのだ。始まりは模倣だったかもしれない。しかし、彼らはちゃんとそれを、自分たちの個性に変えた現在があるからこそ、堂々と原点を曝け出せるのだ。まだまだそれが模倣のままであったとしたら、きっとそのルーツをひた隠しに隠すに違いない。しかしこの日、彼らはロックンロール・キッズの笑顔のまま、THE SONICSとの共演を堂々とこなしたのだった。
このライヴは、2011年4月3日に、日比谷野外音楽堂で行なわれるはずのモノだったのだが、東日本大震災の影響により、公演中止となっていたのだ。そこを皮切りに、4月5日の名古屋BOTTOM LINE、6日の梅田AKASOと続くはずだったツアー自体がすべて中止となったのだ。やむを得ない事情で中止になった公演の再決定を、誰よりも喜んだであろう4人は、THE SONICSをリスペクトしつつも、“対バン相手”として相応しくあるため、誠心誠意、全力でぶつかったライヴを届けてくれたのだ。
いつものSEをバックにステージに姿を現したTHE BAWDIES。もちろん、いつも以上にテンションは高めである。MARCYがいつものようにウォーミングアップ的なドラムを鳴らすと、ROYはそれを受け取り、“1、2、3”の掛け声から「I’M A LOVE MAN」へと繋げた。その音を浴びたオーディエンスは迷うこと無く、感じたままに体を揺らした。それは素晴しくロックンロールな瞬間だった。そのノリは連鎖し、下手のフロアには意気投合した仲間で作られた大きなサークルが出現していた。まだオープニングから間もないというのに、素晴しいグルーヴである。ROYはその光景に満面の笑みを浮かべ、高々とピースサインを掲げた。
「THE BAWDIESです!この後、伝説のバンドが素晴しいステージを作ってくれるので、一緒に楽しみましょう!」(ROY)
「この日のためにバンド結成したみたいなもんだからね、ウチら!」(JIM)
まぁ落ち着けって(笑)。思わず心の中で突っ込みを入れてしまったほどの興奮状態にあった彼らはこの日、確実にオーディエンスと同じ気持ちでステージに立っていた。その熱がフロアにも伝わっていたのだろう。いつもとはまた違う熱が宿るライヴだった。高い位置でギターを構えたJIMのギター音がリードする「LOVE YOU NEED YOU」では、ROYとTAXMANが声を重ねるヴォーカルと、MARCYのドラムと、オーディエンスのクラップのリレーションが最高のノリを生み出していた。
「ありがとうございます!最高です!最高といえば、リハ、ヤバかったですよ!」(ROY)
と、何曲かごとに挟み込まれるMCは終始THE SONICSネタ。当日、会場入りしたTHE SONICSの元に即座に駆け寄り、どれほど愛し、この日を心待ちにしていたかを、家から持ってきたTHE SONICSのレコードを見せながら熱く語り、JIMとTAXMANに“落ち着け落ち着け”となだめられたというROYと、緊張のあまり自分の名前をはっきり伝えられず、THE SONICSのメンバーから“マーチ”“マシュー”と間違って呼ばれていたというMARCYの話でオーディエンスを笑わせた。そんな“好き”が溢れたトークも、この日ならではの、ロックンロールを愛する者どおしの深い絆を感じさせた。
そして、彼らはそんな愛して止まないTHE SONICSのナンバー「SHOT DOWN」をリスペクトを込めてカヴァし、続けてTHE SONICSがTHEBAWDIESのナンバーの中で好きな曲として上げてくれたという「MY LITTLE JOE」を届けた。ハネ感のあるこの曲ではTAXMANの声がアクセントとなり、オーディエンスはそんなTAXMANの声に歓声を上げていたのだった。
そして、彼らはラストにRay Charlesの「WHAT’D I SAY」を届け、THE SONICSのステージに繋げたのだった。
エッジの利いた最高のロックンロールを届けてくれたTHE BAWDIESから、憧れられる側としてバトンを受け取って登場したTHE SONICSも、さすがの貫禄を見せつけたライヴを届けてくれた。
ガレッジロックの元祖とも言える彼らの登場に、オーディエンスは割れんばかりの歓声を贈った。もちろん、2階の客席には身を乗り出しながら凝視するROY、JIM 、TAXMAN 、MARCYの姿があった。
THE SONICSがこの日、集まったロックンロールキッズたちに最初に届けてくれたのは「HE’S WAITIN’」。アンディのシャウトから幕を開けた最高のロックンロールは、その瞬間からフロアをシャッフルした。早くも3曲目には人気の高い「CINDERELLA」も披露し、真っ赤なライトの中、ディープな音をフロアに投げたのだった。
そして。ここでロブが自分たちの曲をカヴァしてくれたTHE BAWDIESへのメッセージを一言挟み、「SHOT DOWN」を届けたのだ! 本家の「SHOT DOWN」もここで聴けるとは。まさに、対バンの醍醐味というものだろう。フロアは更に盛り上がった。この曲終わりで投げかけられた「You like Rok’nRoll?」という言葉に大歓声を上げるオーディエンス。そんなオーディエンスの歓声を受け、「DIRTY ROBBER」が届けられた。ループするリフと曲中に挟み込まれるサックスと少し古めな音色のギターに酔いしれるように体を音に委ねて揺れるフロアは、とても綺麗だった。Little Richardの「KEEP A KNOCKIN’」のカヴァも最高。彼らはそこから「CHEAP SHADES」へと繋げた。
後半に、個人的にとても好きな曲、「STRYCHNINE」が届けられたときは、思わず声を上げてしまったほど。落ち着け落ち着け(笑)。THE BAWDIESの振り切ったテンションを笑えないと、自分に思わず突っ込みを入れてしまった。1965年のデビューアルバムの中に収録されているこの曲は、独特なテンポ感とマイナーなメロで会場を包み込んだ。そして、彼らは本編ラストに代表曲中の代表曲である「Psycho」を届けてくれた。いや、この曲を生で聴ける日がくるとは。
改めてこのライヴを実現させてくれたTHEBAWDIESに感謝した。
彼らがステージを去った後も歓声は鳴り止むことなく彼らを呼び続けた。すると、彼らは再びステージに戻り、「LOUIE LOUIE」「THE WITCH」を届けてくれたのだ。そして、彼らはTHE BAWDIESをステージに呼び込み、一緒に「JENNY JENNY」を届けたのだった。
ロックンロールが受け継がれていく歴史的瞬間に立ち合えたこの日に感謝。そして。この日、最高のロックンロールSHOWを届けてくれたTHE SONICSとTHE BAWDIESに感謝。
【取材・文:武市尚子】
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リリース情報
セットリスト
THE BAWDIES
- I’M A LOVE MAN
- A NEW DAY IS COMIN’
- JUST BE COOL
- LOVE YOU NEED YOU
- SHOW ME UPeeee
- IT’S TOO LATE
- ROCK ME BABY
- SHOT DOWN
- MY LITTLE JOE
- I BEG YOU
- HOT DOG
- YOU GOTTA DANCE
- WHAT’D I SAY
THE SONICS
- HE’S WAITIN’
- MONEY
- CINDERELLA
- SHOT DOWN
- DIRTY ROBBER
- HAVE LOVE WILL TRAVEL
- VAMPIRE KISS
- DON’T BE AFRAID OF THE DARK
- KEEP A KNOCKIN’
- CHEAP SHADES
- YOU GOT YOUR HEAD ON BACKWARDS
- BOSS HOSS
- DOCTOR
- STRYCHNINE
- DON’T BACK DOWN
- BAD ATTITUDE
- PSYCHO
- LOUIE LOUIE
- THE WITCH
- JENNY JENNY with THE BAWDIES
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お知らせ
"ROCK ME BABY" TOUR 2012
2012.06.07(木)新代田 FEVER
2012.06.09(土)横浜 BLITZ
2012.06.12(火)新潟 LOTS
2012.06.14(木)福井 響のホール
2012.06.15(金)京都 KBSホール
2012.06.17(日)Zepp Fukuoka
2012.06.19(火)BLUE LIVE 広島
2012.06.21(木)岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
2012.06.26(火)Zepp Tokyo
2012.06.29(金)Zepp Sendai
2012.07.01(日)Zepp Sapporo
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