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過去最大規模。大成功収めたback numberの一夜限りのワンマンライヴをレポ!!

back number | 2012.10.16

 今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのスリーピース・バンド、back number。今年の4月30日に行われた渋谷公会堂公演から約半年振りとなる、一夜限りのワンマン・ライヴが10月3日にZepp DiverCity TOKYOで行われた。今回は彼らにとって最大規模のワンマン公演となったが、超満員のオーディエンスの熱気が開演前から会場には充満していた。

 サポートメンバーを含む6人で登場し、1曲目「こぼれ落ちて」でライヴをスタートさせると、最初のサビ前から「行くぞー!」と叫ぶ、清水依与吏(Vo&G)。「久しぶりのワンマンなのでペース配分がわからなくて、最初から全力」と、後のMCで言っていた通り、荒々しさのあるエモーショナルなバンド感を最初から全開にしながらも、だからこそ、その軸にある歌のメロディの強靭さを浮き彫りにしていた。続く「半透明人間」もオーディエンスがハンズクラップで応える凄まじい盛り上がりとなり、しかし歌われている内容は狂おしいほど切ない想いという、その裏腹さもまた「back number現象」のひとつ、とでも呼びたくなる光景だ。

 途中で清水が観客を見渡して言った。「一人一人に大切にしてもらっている曲だから、いい顔してくれてるんだと思う。俺らも1曲1曲、大切に演奏していくので最後まで宜しく」と。その後に披露された「思い出せなくなるその日まで」は、〈♪私の半分はあなたで/そしてあなたの半分は/私でできていたのね♪〉という歌詞が衝撃的な、大きな喪失の歌である。手拍子も声援も一切を止めて、立ち尽くすようにして聴き入っていた観客たち。きっとそれぞれ一人一人が、心にある色んな痛みや思い出を歌の中に照らし出していたのだろう。かつて、清水が彼女に振られたことで「元彼」という意味を名に冠して始まった、back number。今では男性ファンも女性ファンも、かつての恋人の名を呼ぶような気持ちで彼らの音楽を聴いているのかもしれない。

 しかし、曲がどんなに切ないバラードであっても、ライヴそのものが湿っぽいムードにならないところが、彼らが人気を得た重要ポイントかも。その要因は清水依与吏のキャラにあるのだが、上手くキメなきゃいけないMCで噛んじゃって「がんばってー!」と言われたり、気合いを入れて披露する新曲のイントロが上手く行かず「やめやめー!」とやり直したりして、ちょっとダメなところも曝け出す。そのオーディエンスとのフレンドリーなやり取りは爆笑ものだ。失恋ソングに聴き入って、MCで爆笑して、そんな心の振り幅と、彼らとの繋がり感は、back numberのライヴならでは。

 中盤からは豪快なバンドサウンドも更にヒートアップし、初期のナンバー「重なり」や、「海岸通り」をアグレッシヴに鳴らした後で、アルバム『スーパースター』のラストに収められた「幸せ」で再度、痛みのかさぶたをベリッと剥がすようなダイナミズムが会場を覆う。その流れで聴く「花束」は温かな優しい歌なのに無性に泣けたりして……と心を揺さぶられっぱなし。「女々しいなってバカにされた時期もあるよ。もっと男らしいこと歌えって。でもメンバーはずっとついて来てくれて……みんなでこの景色を見れて幸せです」と本音を漏らす清水。続けて「女々しいことも貫いたら生き様になる!」と言い放ったその言葉は、まさにback numberのこれから歩む道のりにおいても自信となるような頼もしさが感じられた。
そして終盤はパン・パパン・フー!なんてノリさえ飛び出す「あとのうた」や、大合唱を生んだ「スーパースターになったら」で、嫌なことも全部忘れてしまえるようなポップな盛り上がり。アンコールでは小島和也(B&Cho)と栗原寿(Dr.)もMCで感謝の思いを告げ、清水から来年1月からのワンマンツアーが決定したこと等、嬉しいニュースも発表された。

 ドラマ主題歌にも決定し、11月7日にリリースされる新曲「青い春」も、いち早く披露され、ラストは「そのドレスちょっと待った」で楽しく明るく。この先もback numberと共に見る未来に想いを馳せているような、オーディエンスのたくさんの笑顔を生み出しながらライヴは幕を閉じた。更なる飛躍を遂げようとしているバンドの今が刻まれた、そして彼らの魅力がよく伝わってくる、特別なライヴだった。

【取材・文:上野三樹】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル back number

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リリース情報

青い春

青い春

2012年11月07日

ユニバーサル シグマ

1. 青い春
2. 助演女優症
3. 反省線急行自宅行き
4. 青い春 (instrumental)
5. 助演女優症 (instrumental)
6. 反省線急行自宅行き (instrumental)

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セットリスト

back number ワンマンライブ
2012.10.3@Zepp DiverCity TOKYO

  1. こぼれ落ちて
  2. 半透明人間
  3. 日曜日
  4. one room
  5. 思い出せなくなるその日まで
  6. わたがし
  7. 平日のブルース
  8. 重なり
  9. 海岸通り
  10. 幸せ
  11. stay with me
  12. 花束
  13. あとのうた
  14. スーパースターになったら
Encore
  1. 青い春
  2. そのドレスちょっと待った

お知らせ

■ライブ情報

COUNTDOWN JAPAN 12/13
2012/12/28(金)〜12/31(月)
幕張メッセ国際展示場1〜8ホール、イベントホール
※back numberの出演日は未定

全国17カ所18公演のワンマンツアー
2013/01/14(月祝)千葉LOOK
2013/01/15(火)水戸LIGHT HOUSE
2013/01/17(木)仙台Rensa
2013/01/20(日)札幌PENNY LANE24
2013/01/26(土)新潟LOTS
2013/01/27(日)富山SOUL POWER
2013/01/31(木)鹿児島CAPARVO HALL
2013/02/01(金)熊本DRUM Be-9 V-1
2013/02/03(日)岡山IMAGE
2013/02/05(火)広島CLUB QUATTRO
2013/02/07(木)高知X-pt.
2013/02/09(土)高松Olive Hall
2013/02/14(木)高崎club FLEEZ
2013/03/01(金)福岡国際会議場 メインホール
2013/03/03(日)名古屋市公会堂 大ホール
2013/03/09(土)大阪NHK 大阪ホール
2013/03/29(金)渋谷公会堂
2013/03/30(土)渋谷公会堂

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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