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ソールドアウト続出!本格的な世界進出を発表したMYAVIの全国ツアー東京公演の模様をレポート

MIYAVI | 2013.04.19

 フワリとした白のジャケットを羽織り軽やかに登場したMIYAVIが、一瞬にして空気を塗り替えプレイし始めたのは最新シングル曲「Ahead Of The Light」。待ちかねたオーディエンスの熱気が一気にダンサブルな高揚感に昇華した。続くKREVAとのコラボ曲「STRONG」で「東京から世界中に俺達の声を響かせようぜ!」とコール&レスポンスを繰り返し、ステージとフロアを一つに。そしてタイトルも決まっていないアグレッシヴな新曲から、お馴染みの「OSSAN OSSAN」へとスムーズに盛り上げて行く。まるでジャブを打つボクサーのように軽いフットワークで超絶ギター・リフを繰り出すMIYAVIに、フロアからは盛大な歓声が送られた。
 昨年11月にリリースした『SAMURAI SESSIONS Vol.1』で”対戦型コラボレーション”と銘打って、ジャンル国籍を問わず個性的なアーティストと共演、12月26日に渋谷O-EASTでその共演者たちとライヴでも”対戦”してみせたのは記憶に新しい。火花が散るようにホットでスリリングな生の”対戦”を経ての全国ツアーと海外でのステージがMIYAVIを一回り大きくしたことを、曲が進むほどに感じさせていった。ドラムのBOBOと二人でのストイックでハイテンションなプレイは一段と磨きがかかり、超人的なプレイながら余裕さえ感じさせる。ステージの左右に立てたマイクを渡り歩きながら外連味たっぷりに歌って弾いて、笑顔も見せるMIYAVIからは、ここに至る日々のドラマが滲み出ているようでもあった。
 様々な経験が人間的にも大きくしているのだろうが、同時にアーティストとしての幅も広がっていることを感じさせたのが、この夜。細美武士とのコラボ曲「SILENT ANGER」を、MIYAVI一人が歌うのは新鮮なだけでなく、ヴォーカリストとして新たな表情を持ったMIYAVIを際立たせた。冒頭の「STRONG」も同様で、KREVAとコラボしたことで生まれたものをMIYAVIは自分の中に根付かせて、次のステップへの足がかりとしている。だてにBOBOと二人だけで世界を股にかけていない。強さと柔軟さも彼の音楽を魅力的にしている。だからこそMIYAVIが、「男が増えたね」とオーディエンスを嬉しそうに見回し声をかける状況になってきたのだろう。今の彼にはジャンルも何も関係なく惹き付ける魅力がある。実際フロアには、盛りまくった金髪の隣にタオラーが立ち、モヒカンのパンクスとコスプレイヤーが肩を並べているし、MIYAVIが「何処から?」と訊けば,欧米アジア各国からと声が飛ぶ。この場にいるだけで誇らしい気持ちになってくるというものだ。
 もう一つ強さを感じさせたのは、中盤での機材トラブルを冗談めかせて乗り越えた時。曲を中断せざるを得ない事態なのにオーディエンスに不要な心配や緊張感を与えない気配りと機転に、彼が様々な経験をして来たことを想像した。MCでも世界最大の楽器ショー"NAMM SHOW"のアメリカナンバーワンギターメイカーである「Taylor」のブースに日本人初の大トリ(ラスト)出演者として招かれ名だたるプレイヤーたちと肩を並べて来たことや、海外で「ロックが出来るのか?」と見られたりすることを話していたが、晴れ舞台も修羅場もある日々が今の彼を作っている。そんな日々を共に過ごしているドラムのBOBOと、阿吽の呼吸で聴かせるジャムは絶品だ。MCではいじられキャラになっているが「PLEASURE!」のイントロでの軽口めいたセッションや、「GANRYU」の緊張感みなぎるプレイなど、会話以上に雄弁な二人の応酬に圧倒される思いがする。二人が組んで3年目、当初はまさに二人の対決のようだったが、今では二人で世界を相手にする。MIYAVIは言った。「俺達は世界に向けてやってる。このツアーが終わったらロンドンでレコーディングします。そして世界デビューします!」
 ここで披露した新曲は、プリンスばりにセクシー&ファンキー・チューンと、グルーヴィーでダンサブルだがハードエッジな曲。MIYAVIの持ち味全開にして更に新味も加わった、エクセレントな2曲に早くも新作への期待が膨らんだ。高揚する気持ちを押すようにテンションを上げた「SURVIVE」で「這いつくばったって前に進もうぜ!」と呼びかけ、本編ラストの「DAY1」では天井知らずのスケール感で盛り上げた。
 アンコールでは一転、一人で現われアコギで「Ahead Of The Light」を聴かせたのに続き、「自分の過去は否定したくない」と07年に発表された「咲き誇る華の様に」「素晴らしきかな、この世界」を弾き語ると、女性ファンの合唱が起きた。オーラはBOBOと共に「WHAT’S MY NAME?」で再度爆発。演奏が終わっても最前列のオーディエンスとタッチを繰り返して興奮と喜びを分かち合っていた。「ギターは皆の心を一つにする。音楽で問題は解決できないけど人を変えることは出来ると思う」とMIYAVIは世界に向けて新たな旅に出る。

【取材・文:今井智子】
【写真:Yosuke Torii】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル MIYAVI

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リリース情報

Ahead of the light(初回盤)

Ahead of the light(初回盤)

2013年02月20日

EMIミュージックジャパン

ディスク:1
1. Ahead Of The Light
2. Ahead Of The Light (Instrumental)
ディスク:2
1. GANRYU
2. STRONG
3. DAY 1
4. SILENT ANGER
5. PLEASURE! (w/H ZETT M)
6. HA NA BI (w/JIN OKI)
7. 祈りを (w/SEIJI KAMEDA & MIU SAKAMOTO)

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お知らせ

■ライブ情報

ARABAKI ROCK FEST.13
2013/04/28(日)みちのく公演北地区 エコキャンプみちのく

J-WAVE&Roppongi Hills present TOKYO M.A.P.S ANNIVERSARY EDITION
2013/05/05(日)六本木ヒルズアリーナ

GREENROOM FESTVAL ’13
2013/05/18(土)横浜・赤レンガ地区野外特設会場

JOIN ALIVE
20113/07/28(日)北海道・いわみざわ公演

※その他のライブ情報、詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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